【熱中症対策】熱中症予防で使えるグッズを一挙紹介!

1 熱中症対策は「予防」が肝心!

最近はテレワークをする企業も減ってきましたが、真夏のオフィスでは個人に合わせて細かな室温調整をすることが難しい場合もあります。また、今年も猛暑になる可能性が高く、営業や屋外での作業などに従事する社員には、常に熱中症のリスクが付き纏います。

なお、2025年6月1日から労働安全衛生規則が改正され、会社に対し、

  • 作業者に熱中症の自覚症状があるときや、作業者が熱中症の疑いがある同僚などを発見したときは、会社にその旨を報告させるよう体制を整え、周知すること
  • 熱中症のリスクがある作業を行う場合、あらかじめ作業場ごとに、症状の悪化を防ぐための措置やその手順を定め、周知すること(体を冷やす、医師の診察を受けさせるなど)

が義務付けられます。違反した場合、労働安全衛生法により、

6カ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

の対象になります。今年からは例年以上に熱中症対策を徹底して、夏場の業務に取り掛かりましょう!

この記事では、職場で使用できる熱中症対策グッズについて、最新の動向を交えて紹介します。具体的な分類は、以下の図の通りです。

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熱中症対策グッズは、水分や塩分を補給するもの、冷感を与えるものなどさまざまです。会社で支給したり購入費用を補助したりして、熱中症になりにくい環境を整えるように社員に指示しましょう。

2 水分や塩分を補給するグッズ

熱中症対策の基本は、こまめな水分補給です。ただし、大量に汗をかいたときは体内の塩分やミネラルも失われるため、水分と併せて塩分の補給も必要です。そこで、次のようなグッズを用意しておくとよいでしょう。

1)目盛り付きのタンブラー・ウォーターボトル

一般的に、夏場の水分の摂取目安は1.2リットル/1日程度とされていますが、仕事中に自分で摂った水分を細かく把握していることは稀でしょう。

最近は自分がどれくらい水分を摂っているのか一目でわかる、目盛り付きのタンブラーやウォーターボトルなどが販売されています。容量は1リットル以上のものが多いので、

デスクの上に置くようにすれば、あまり水分を摂っていなさそうな社員に水分補給を促すことも出来る

でしょう。

2)塩分を含む食品

汗をかく状況で水分を補給する際には、一緒に塩分も補給するように指導しましょう。水分だけを摂取すると体内のミネラルのバランスが崩れるため、熱中症になるおそれがあります。

例えば、塩分は、塩あめ、塩分タブレット、梅干しなどで補給できます。また、スポーツドリンクは水分と塩分を同時に補給できるので便利ですが、糖分が多量に含まれているケースもあるので、飲み過ぎには注意です。最近は糖分が控えめなものも販売されていますので、恒常的にスポーツドリンクで水分を摂取する場合は、そちらの導入も検討しましょう。

3 風を送るグッズ

風通しが悪い場所では汗が蒸発しにくく、体温の調節に無効な発汗が増えて脱水状態に陥りやすくなります。そこで、空調設備の整っていない場所で社員が作業するときには、次のようなグッズを用意しておくとよいでしょう。

1)空調服

腰や脇に小型のファンが付いた服です。長袖のジャケットから袖のないベストまで、さまざまな製品があります。専用のウエア、ファン、バッテリーをそろえる必要がありますが、空調服を着ることで、エアコンの使えない場所でも涼しく過ごせます。

空調服の中に着るインナーは、できるだけ吸汗性、透湿性、速乾性の高いものを選ぶことが重要です。綿などの汗が乾きにくい素材のインナーを着ていると、体が冷えすぎてしまい、逆に体調が悪くなる場合もあるので注意しましょう。

2)扇風機

首に掛けたり、手に持ち歩いたりして使える小型の扇風機は、通勤中やオフィスでの細かな体感温度の調整方法として主流になってきました。

ただし、

気温が高く乾燥した環境で扇風機を使うと、汗が体から熱を奪う前に乾いてしまい、体温が上がり続ける恐れがある

ことには留意が必要です。そのため、扇風機を使用する際は、水を霧状に噴射するスプレー、濡れたタオルなどを併せて用意するようにしましょう。

4 冷感を与えるグッズ

首元、わきの下、足の付け根など、太い血管が体の表面近くを通るところを冷やすと、効率良く体温を下げることができ、熱中症の予防に繋がります。そこで、次のようなグッズを用意しておくとよいでしょう。

1)ネッククーラー

首元を冷やし、体温の上昇を抑えるネッククーラーは熱中症対策にも役立ちます。中に保冷剤や冷却ジェルを入れて使うスカーフのようなタイプや、USB端子につないで動く電動のタイプなどさまざまなものがあるので、テレワークや通勤などのシーンに合わせて使いやすいものを選ぶとよいでしょう。

2)ミスト冷房

水を細かい霧状にして噴出する装置です。周辺を水で濡らすことなく身体を冷やすことができます。屋外や工場で使用する大型のものに限らず、USB端子につないでデスク周りで使える小型の製品もあります。

3)アイスパック(氷のう)

アイスパック(氷のう)は、休憩時などに額や首筋に当てて体のクールダウンを図ることができるほか、熱中症の症状が出た社員への緊急対処としても使用できます。

最近は魔法瓶構造になっているアイスパックも発売されており、従来のものより長時間、冷たさを維持することが出来るので、職場に多めに常備しておくと、いざというときに安心です。

4)接触冷感マスク

業務中にマスクを着ける場合、接触冷感の糸を使用したり、ミントやメントールなどの爽やかさを感じる成分を生地に配合したりしたものを使うとよいでしょう。

なお、高温多湿の状況でマスクを着けていると、皮膚からの熱が逃げにくくなったり、喉が渇いていることに気付かなかったりすることから、体温調節がしづらく、熱中症になるリスクが高まります。屋外で人と2メートル以上の十分な距離が確保できる場合や、会話を行わない場合は、マスクを外して休みましょう。

5 危険時に警告して知らせるグッズ

熱中症の初期症状は目まいやふらつきなど、「単に疲れているだけ」と誤解しやすいものが多く、対処が遅れてしまうことがあります。管理者がこまめに社員の体調をチェックすることが一番ですが、見た目に表れなかったり、業務が忙しかったりするときには、社員の体調不良に気が付けないケースもあるでしょう。

そこで、熱中症の危険が高まったことを、客観的に把握できる状況をつくり出すことが必要です。次のようなグッズを用意しておくと、熱中症が重症化する前に対処できます。

1)ウエアラブル端末

ウエアラブル端末は、リストバンドや腕時計などの機器を体に取り付けて脈拍を測り、熱中症の危険がある場合にアラームやバイブレーションなどで通知することが可能です。利用者本人だけでなく、管理者側(社内の健康管理の担当者など)で異常を検知できる製品もあるため、異常を確認した管理者が利用者と連絡を取れば、重症化する前に健康への影響を防ぐことができます。

2)温湿度計・センサー

カバンなどに取り付けたり、屋内に据え置いたりして使用します。屋外で使用する場合、熱中症の危険性はWBGT値(暑さ指数。気温と湿度に加えて、日射や地面からの照り返しによる熱を含めた数値)で測ることができますので、リスクの高い環境を早めに察知し、対策を打つことができます。

3)スマートフォンアプリ

その日の気温、湿度、気象条件などを基に熱中症の危険を通知します。アプリによっては時間単位や地域を指定して熱中症の危険を確認でき、また無料で提供されているものもあります。

始業前や休憩ごとなどにチェックし、その日のリスクに合わせた熱中症対策を講じるとよいでしょう。

以上(2025年6月更新)

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画像:KUSAMURA Aki-Adobe Stock

令和7年度に新設・改正された雇用関係助成金のポイントとおすすめの助成金

令和7年度の助成金は新設も廃止も少ないですが、助成金の「細分化」が目立っています。厚生労働省はなるべく助成金の額は減らし、種類は維持しようとしています。そのため複数の助成金を調べて併給を検討してみてはいかがでしょうか。今回は、新設・改正された助成金のポイントや、おすすめの助成金をコース別に挙げてみました。

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労働基準監督署が行う臨検監督とは?臨検監督の流れと上申書の提出時期

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5分でわかる! 新リース会計基準のポイント

2027年4月から、新しいリース会計基準がスタートします。対象は上場企業などに限られますが、設備投資の計画等に影響を及ぼす可能性があるため、中小企業にも少なからず影響はあるでしょう。
たとえば、機械製造の分野では、発注元のリースの会計処理が変わることで、発注のタイミングや内容が見直される可能性もあります。会計基準そのものよりも、実際にどのような影響が出るのか――そこに注目すべきかもしれません。
本記事では、新しい基準の背景や実務上のポイントを、中小企業の目線でわかりやすく整理していきます。

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従業員の健康管理を強化しよう!中小企業ができること

健康的に働き続けることのできる職場環境は、人材の定着やあらゆる企業リスクの軽減にも繋がります。健康管理を軽視してしまうと、心身の不調による遅刻や欠勤が発生したり、本人のみならず職場全体の意欲低下、さらには労働災害の発生等、多くのリスクが生じる可能性があります。

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2025年版 小規模事業者持続化補助金のご紹介

「小規模事業者持続化補助金」とは、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等が、販路開拓や業務効率化、事業再建などに取り組む際、その費用の一部を補助してくれる制度です。
2025年版では、一般型、創業型、共同・協業型、ビジネスコミュニティ型の4つの支援型で公募が行われます。

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地域密着の新規事業を支援!「ローカル10,000プロジェクト」のご紹介

「ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)」とは、都道府県または市区町村(以下「地方公共団体」といいます。)が地域の金融機関等と連携しながら、地域の人材・資源・資金を活用した新たなビジネスを立ち上げようとする民間事業者等の初期投資費用を支援するものです。
ローカル10,000プロジェクトは、総務省が地方公共団体に交付金を交付し、地方公共団体が民間事業者等に補助を行う仕組みです。そのため、申請は必ず地方公共団体を通じて行う必要があります。

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【中堅社員のスピーチ例】趣味のコミュニティを大切に!

【ポイント】

  • 会社や家庭はもちろん、それ以外のコミュニティも大切にしたほうがいい
  • 普段と違うコミュニティでの出会いや経験が、会社や家での生活に変化をもたらす
  • 新しいコミュニティに入るきっかけは、どこにでもある

おはようございます。突然ですが、皆さんは会社や家庭以外のコミュニティに入っていますか? 例えば、私は学生時代の部活動でブラスバンドをやっていたのですが、昨年から社会人のブラスバンドサークルに入り、仕事が終わった後や休日に仲間と練習をしています。

以前、上司から「会社や家庭はもちろん、それ以外のコミュニティも大切にしたほうがいい」と言われたことがありますが、私も1年ほどサークル活動を続けてみてその大切さが身に染みました。特にありがたかったのは、同じ志や悩みを共有できる仲間に出会えたことです。今だから言いますが、ブラスバンドサークルに入る前、入社したばかりの私は正直、会社で心細い思いをしていました。中途採用で「同期」と呼べる存在が社内におらず、年の近い先輩もいなかったからです。

しかし、サークルに加入しブラスバンドを再開してみると、サークル内には私と年の近い人がたくさんいました。なかでも大きかったのは、最近私たちの会社に仲間として加わったAさんとの出会いです。Aさんとは、発表会後の打ち上げでたまたま向かいの席になり、仕事の話をしたのですが、ちょうど転職先も探しているところで、当社の仕事の話をしたら興味を持ってくれたのです。

そのときの私は、口下手なりに「うちの会社はここが素晴らしいんだ」とAさんにプレゼンしたのですが、自然と熱が入り、普段どんな思いで仕事をしているのか、この会社で何を実現したいのかなど、自分の思いに正面から向き合う良い機会になりました。また、年の近いAさんからは、自分と同じような仕事の悩みを抱えているという話を聞くことができ、「つらいのは自分だけではないんだ」と知って心が楽になりました。今やAさんは、仕事も趣味も一緒にこなす間柄ですが、相談したり協力したりできる仲間がいることで、今までより前向きに仕事に打ち込めるようになりました。

一歩外に出てみると、そこには予想しない出会いが待っていて、会社や家での生活に少なからず変化をもたらしてくれます。「趣味の時間が取れない」で終わらせてしまうのはもったいないです。SNSで気の合う人と話す、行きつけの飲食店の常連客と話す、地域のイベントに参加するなど、新しいコミュニティに入るきっかけはどこにでもありますから、ぜひ探してみてください。

以上(2025年5月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

円満に退職したはずの社員が豹変する理由は行動経済学で説明できる

1 人間は合理的じゃない。行動経済学で社員の行動を先読み

社員が退職するときは、退職(解雇を含む)の成立や未払い残業代の支払いなどをめぐって、何かとトラブルが起こりやすいものです。会社としては円満に社員と別れたいところですが、残念ながら落としどころが見つからず、トラブルが泥沼化するケースがあります。

落としどころが見つからない理由は、

会社は「合理的」に社員の行動を先読みしようとする一方、社員は「非合理的」に行動することが多いから

です。そこで、この記事では、

行動経済学の見地から、あえて社員の「非合理的」な行動を見据え、退職トラブルの落としどころを見つける方法

をご提案します。ちなみに、行動経済学とは、

経済学をベースにしつつ、「人間は常に合理的な思考をするわけではなく、非合理的な行動をするほうが多い」という前提に立って、人間の行動を分析する学問

です。皆さんのお役に立てると思います。

2 会社に不満がある社員と円満に別れられない

1)問題社員に無事退職してもらえたと思ったら……

ある会社に、成績や勤務態度の著しく悪い社員がいました。何度指導をしても全く改善しないため、会社は社員との面談の席で、会社にとって戦力になっていないこと、このまま退職しないで会社に在籍されても困ることを説明し、自発的に退職するよう求めました。社員は不満に思いつつもこれを承諾し、その後の退職手続きも滞りなく終わりました。

しかし、会社が無事に退職してもらえたと思った矢先、社員がSNSに会社の不満を書き込んでいることが分かりました。その結果、SNSを見た内定者が内定を辞退する、求人の応募がほとんどなくなってしまうなどのトラブルにつながりました。

2)ピークエンドの法則を用いた対応例

ピークエンドの法則とは、

人間の快楽・苦痛の記憶は、ピーク時と終了時の快楽・苦痛の度合いで決まる

というものです。こんな実験があります。

  • A:痛いほど冷たい水に60秒の間手を浸す
  • B:痛いほど冷たい水に計90秒の間手を浸す。初めの60秒の温度はAと変わらないが、次の30秒間は少しだけ温度が上がる

この2つの実験で、被験者に「もう一度同じ実験を受けるなら、どちらを選ぶか(どちらのほうが楽か)」を聞いたところ、80%以上の人が「B」を選択しました。BのほうがAよりも水に手を浸す時間は長いのに、最後に少しだけ温度が上がって苦痛が和らげられるため、「Aよりも楽」と感じた人が多かったのです。

今回の問題社員の事例も、会社が退職する社員の不満を少しでも和らげようとしていれば、結果は違っていたかもしれません。例えば、

  • 問題点は指摘しつつ、「ウチの会社と合わないだけで、他社では活躍できると思う」「あなたに合う会社はたくさんあると思う」など、相性の問題にすぎないことを強調する
  • 「今まで会社で働いてくれてありがとう」「あなたのおかげで〇○の契約が取れたのは良い思い出だ」など、感謝の気持ちを述べる
  • 送別会を開いて、感謝の気持ちを示す

といった対応が考えられます。「無理やり感謝を伝えたところで、社員のほうも『本心ではない』と気付くのではないか」と思うかもしれませんが、それで構いません。意図はどうあれ、気を使って最後に言葉をかけるという行動が、相手の不満を少なからず和らげます。

3 未払い残業代について会社と社員の主張が食い違う

1)会社としては、きちんと未払い残業代を計算して支払うつもりだったが……

ある会社で、退職した社員が未払い残業代を請求してきました。しかし、会社の計算した額は130万円、社員の請求額は200万円と主張が食い違い、話が進展しません。

会社が社員に「130万円の一括払い」を提案したところ、社員が「そんな少額では話にならない」と怒り出し、訴訟に発展しました。訴訟は1年かかり、最終的に社員の主張が認められ、200万円を支払わざるを得なくなりました。

2)現在志向バイアスを用いた対応例

現在志向バイアスとは、

人間は長期的な利益よりも、目先の利益を優先しやすい

というものです。こんな実験があります。

子どもをマシュマロが1個だけ置いてある部屋に入れて、「私が帰ってくるまでにそのマシュマロを食べなければ、マシュマロを2個あげる」と告げました。その結果、ほとんどの子どもが目の前の利益を優先して、1個のマシュマロを食べてしまうという実験結果が出ました。少しの間我慢してマシュマロを2個もらったほうが得なのに、です。

今回の未払い残業代の事例も、訴訟に発展する前に、会社が未払い残業代について複数の提案をしていれば、結果は違っていたかもしれません。例えば、会社が和解案として、

  • A:200万円を月20万円の10回払い
  • B:130万円の一括払い

の両方を提示します。金額だけを考えればAのほうが得ですが、多くの人はBを選んでしまいます。本当にもらえるのか不確定な200万円よりも、今確実にもらえる130万円を選ぶのです。AとBのどちらを選択するかは、社員が自分の意思で決定するので、「だまされた」「詐欺だ」などと言われてトラブルになるケースはほとんどありません。

なお、言うまでもないことですが、未払い残業代の金額について会社と社員との間で認識が一致しているのに、会社が実態よりも安い金額を提示することは許されません。

4 パワハラ、未払い残業代…複数の退職トラブルが発生

1)パワハラの問題から解決させようとしたばかりに……

ある会社で、退職した社員が会社に対し、上司のパワハラ(パワーハラスメント)に対する慰謝料と未払い残業代を請求してきました。会社が「当時の上司はパワハラを一切行っていない」として交渉を拒否したため、訴訟になりました。

しかし、訴訟は1年半かかり、最終的に上司のパワハラが一部認められました。しかも、未払い残業代の請求については、社員側の請求がほぼ通った金額で和解することとなりました。

2)テンションリダクション効果を用いた対応例

テンションリダクション効果とは、

何かの決断(購入など)をした後は緊張が緩和され、他の交渉に対する警戒心が弱くなる

というものです。こんな話があります。

靴屋で靴を選んで購入を決めた顧客に対して、「こちらの防水スプレーもいかがでしょうか」と提案をすると、本来購入する予定がないのに一緒に購入してしまうことがあります。ECサイトのカート画面に、商品購入後、最近チェックした商品やおすすめの商品を表示させるのも、購入後の追加購入を促すためです。

今回の複数のトラブルが発生した事例でも、交渉の進め方を少し変えれば、結果は違っていたかもしれません。例えば、

パワハラよりも先に、未払い残業代の問題を決着させることを優先する

という考え方があります。未払い残業代は労働時間の記録があれば論点が明確で、残業代の計算が正しいか、休憩が取れていたかなど、どこかで落としどころを見つけられるケースがほとんどです。そこで、退職した社員の代理弁護士に、「まずはパワハラの問題を脇に置いて、未払い残業代請求について交渉を先行させましょう」と提案します。弁護士も同時に交渉を進めるのは非効率である場合が多いことを知っているので、この提案に乗ってきます。

ここで大切なのは、

未払い残業代については、多少時間がかかってでも会社の譲れない部分についてははっきり主張し、場合によっては訴訟も辞さないという強気の姿勢を示すこと

です。未払い残業代の交渉のハードルが上がると、それが解決したとき相手の弁護士に少なからず安心感を与えます。そのタイミングで、「パワハラについては客観的な証拠もなく、お互いの言い分が平行線をたどるので、未払い残業代とパワハラを合わせて◯万円で解決するのはいかがでしょうか」と投げかけます。すると、弁護士も人間なのでテンションリダクション効果が働き、自分の依頼者を説得して早く合意をさせようと努力するわけです。

以上(2025年5月更新)
(執筆 杜若経営法律事務所 弁護士 向井蘭)

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画像:BBuilder-Adobe Stock

企業全体で、そして働く一人一人が価値を創造できる人になるための支援をしている高橋さんは、いわば中小企業にとっての「シェルパ(案内人)」。実業の中で一緒に試行錯誤し、面白い新商品を開発して成果を上げたなど事例も多数!/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、高橋輝行さん(KANDO(カンド)株式会社 代表取締役)です。

高橋さんが行っているのは、

企業の「価値創造の伴走支援」や「価値創造を実現する“推進役”の育成」(人材育成)

です。

日ごろの仕事の中では、顧客に対する「価値の提供」を意外と疎かにしている、むしろ忘れてしまっているのが実情かもしれません。現場の従業員が「うちの商品・サービスの価値ってなんだっけ?」となってしまったり、従業員に「うちの顧客は誰?」と尋ねても「誰……? あまり考えたことなかったです。とにかく売り上げは上がってますから」となってしまったり。実はよくあることかもしれません。

高橋さんはそうした状況に警鐘を鳴らします。そして、これからの日本のために「価値を創造する人材」を育てようとしています。

後ほど詳しく説明しますが、“推進役”とは、理想と現実の両方を見ながら、あるべき姿=価値創造を実現すべく、プロジェクトを「推進」していく役割の人です。高橋さんが10年かけて形にしたプロジェクトマネジメントメソッド「Roles®」(ロールズ)の肝ともいえます。

高橋さんは現在、中小企業やスタートアップ企業、そして中小企業などを支援する金融機関(銀行・生命保険など)向けに、「Roles®」を指導・伴走しています。金融機関と一緒に、取引先企業に対して「顧客価値創造プログラム」(塾のようなイメージ)を提供しているケースもあります。プログラムを受けて成果を上げた企業もあり、また、金融機関の中には、自ら「推進役になりたいので勉強したい」という人も出てきているそうです。

今回、高橋さんには、価値創造するための「Roles®」のポイントや、“推進役”の意義、価値創造のプロジェクトを進めるときに企業がつまずきがちな壁などを伺いました。

実際に高橋さんが伴走して成果を挙げた事例なども教えてもらいましたので(第6章)、

「新しいことにチャレンジしたいが従業員がなかなか動いてくれない」

「従業員に自ら考え提案し、行動を起こしてほしいのだが……」

と悩む中小企業経営者の方、そして、金融機関など中小企業を支援する立場の方々には、大いにヒントになるかもしれません。よろしければご一読ください。

1  KANDO(カンド)株式会社の事業内容、そして高橋さんのプロフィール

高橋さんはまず、事業について次のように話してくれました。

「価値を創造できる人材を育てる。そして、そういう人材をこれからの日本に残していかなければ。そうしないと日本に未来はない。そう考えて、我々はこの一点に集中して事業に取り組んでいます」

ひいては、「働くことに感動できる社会」を実現するのが高橋さんたちの経営理念です。

会社概要

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

高橋さんはもともと、大学院までは物理学を学び、そのあと大手広告代理やベンチャー企業で仕事をし、急成長企業でいくつかのターンアラウンドを経験してきました。

その中で、10年かけて「Roles®」(ロールズ)という「価値創造プロジェクトの型」、メソッドを見出し、体系化してきました。

複数社のターンアラウンドなども含め、100社以上の価値創造を推進し、その実績から仮説検証を繰り返して編み出したメソッドなので、説得力が違います。

代表略歴

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

高橋さんは、2025年4月22日に新しく書籍を出版しています。気になる方は、下記からご確認いただけます。

「伝わらない」がなくなる話し方の順番

「伝わらない」がなくなる話し方の順番

2 「Roles®」(ロールズ)の肝は“推進役” 。そして必ず「実体験」で身に付けること

高橋さんの「Roles®」(ロールズ)のキーコンセプトは、

「優れた起業家の脳みそを追体験することができる」

というものです。この追体験を、ロールプレイ型でプロジェクトとして展開できるのが  「Roles®」の仕組みです。

優れた起業家の脳みそには3つのモードがあります。「理想脳」「現実脳」「推進脳」です。それを3つの役割「理想役」「現実役」「推進役」として、自分たちの企業(伴走支援される企業)に落とし込み、それぞれの役割を明確に分担しながらプロジェクトを進めていく。これによって、顧客が感動できる価値を提供できる。そう高橋さんは語ります。

キーコンセプト

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

ここで重要になってくるのが「推進役」です。「理想と現実がぶつかる場面で、両者の解像度を引き上げつつ、価値創造するためにプロジェクトを推進していく」役割だからです。

また、高橋さんたちの行っている人材育成・伴走支援の大きな特徴は、

実業の中で実際に価値を生み出す経験をさせて「価値創造の型」を身に付けてもらう。必ずアウトプットが出る

というところです。

実際にゼロイチで新しい価値を生み出したアウトプット事例も、次のように数々あります(事例の一部は後ほど第6章で紹介します)。「提供サービス」の左端にある通り、「ガチプロジェクト事業を伸ばす/変える」を実践している高橋さんたちです。

大切にしていること

提供サービス

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

やはりポイントとなるのは推進役で、「価値創造を担う推進役の育成は急務」と考えている高橋さんは、「推進役を育てるビジネススクール」を2025年夏から秋に立ち上げる予定とのことです。

3 「Roles®」(ロールズ)の進め方と大事な「自走」

「Roles®」の進め方について、高橋さんからいくつかお話を伺いました。

まず大事なのは、「Roles®」に取り組む目的=「顧客価値の創出」を明確に設定していること。そして大前提として、ドラッカーが言った通り、「顧客は誰か」をちゃんと見る。そこから始まります。

「Roles®」では実際に、次のように進めていきます。この一連のプロセスを「型」として落とし込んでいるのが「Roles®」の核となります。

  • 取り組むテーマと課題を絞り込む
  • 答えを出せるメンバーを集める
  • 役割分担(理想役、現実役、推進役)をする
  • ディスカッションを通してアウトプットを磨き上げていく

全体像

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

高橋さんたちの伴走支援の大きなポイントは

企業が自走できるようにする

ところです。高橋さんは、

「誰が顧客なのか。そしてその人たちをどのように喜ばせるかを、自分たちで考え抜いて実行していく。これを、従業員、組織ができるようにしていくことが最も大事」

といいます。安易に外部の力に頼るのではなく、

「自分たちでやる。だからこそ感動体験につながっていく」

ということなのだと感じます(外部の力を借りるのが悪いというわけではありません。必要であれば、外部の力を借りることも大事です)。

4 新規事業などで企業がつまずきがちな6つのポイント。これを自覚するだけでも勉強になる!

これまで100社以上を伴走支援してきた中で、多くの起業がつまずくポイントは6つに集約される、と高橋さん。この「つまずきポイント6つ」について、高橋さんに解説してもらいましたので、以降でまとめます。思い当たる方も多いのではないでしょうか。

サポート

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

【高橋さん解説:新規事業などでつまずきがちな6つのポイント】

1.取り組むべきテーマの具体化

→経営者は「思い込んでいる」場合が多い

新規事業に取り組もうとする際、経営者の「やりたいこと」や「直感的な危機感」からスタートするケースが多いです。

しかし、「それが本当に今、取り組むべきテーマかどうか」は別問題です。

例えば、経営者に色々と話を聞いていくと、「今は新規事業をやるのではなくて、現業を深掘りした方が早い」となることも少なくありません。そこで、まずは経営者との壁打ちを通じて、企業の本質的な課題やテーマを抽出する必要があります。

 

2.メンバー選定と役割分担

→「使いやすい人」をアサインしてしまう

新規事業のプロジェクトなどの失敗でよくあるのが、「使いやすい人」をアサインしてしまうことです。「誰ならどういうアウトプットができそうか」「誰にどういうアウトプットしてほしいか」ことを考慮して人を選んでいないというケースです。

理想役・現実役・推進役という役割分担に基づき、アウトプットベースで、適性のある人材を割り当てることが重要です。

 

3.オリエンテーションの実施(目線合わせ)

→コミュニケーションが荒っぽい

忙しい中小企業の経営者などはどうしても、「新規事業を思いついたので、進め方をとりあえず考えといて」など、従業員に対して説明不足になりがちです。「とりあえず考えといて」とだけ言われて動ける人はあまりいないでしょう。「どのような背景で、どのような顧客がいる仮説なのか、アウトプットの期待値、そのアウトプットが出せるかどうか」などを、従業員ときちんと共有し、目線を合わせてからスタートするのが望ましいでしょう。

 

4.ディスカッションのファシリテーション

→建設的にディスカッションするのがどういうことか分かっていない

ファシリテーション、これはかなり難しいものです。単に集まってワーワーと話すだけでは話は前に進みません。

段階を経て議論を深めていく設計が必要であり、技術も経験も求められます。

 

5.アウトプットのフィードバック

→「価値を提供する先(顧客)」の視点から価値を見なければ進化はしない

社内視点での「これでいいんじゃないですか」では価値は磨かれません。価値を提供する先は顧客なので、ちゃんと顧客視点で見直してフィードバックをするという文化、習慣が必要です。

 

6.プロジェクトの推進方法

→新しいことをやるときの一つ一つの障害を根気よくつぶしていく

新しいことをやるには障害がつきものです。そこで、一つ一つ整理し、打ち返していくプロセスが必要ですが、途中で面倒になって放り出す、投げ出すことも多いです。

障害を一つ一つつぶして、乗り越えていくことが求められます。

 

この6つはどれもとても重要なことばかりですが、特に技術や経験が求められるのが「ディスカッションのファシリテーション」かもしれません。おそらく、多くの人が「ディスカッションがうまくいかない」体験があると思います。

高橋さんたちは、ファシリテーションのトレーニングを次の2つの方法で提供しているそうです。特に2つ目のトレーニングはなかなか難しそうですが、実践的で身につきやすい方法といえます。

 

【ファシリテーションのトレーニング方法】

1.問題解決のトレーニング

ディスカッションの問題集を解いてもらいます。あるいは、ディスカッションで相手が色々と発言していることを一言で要約してみる、論点をMECEで挙げてみるなど、発言の中にある課題を整理し、表現する訓練を行います。

 

2.実践とフィードバック

実際のディスカッションに入ってもらい、ファシリテーションを行ってもらいます。それを高橋さんたちが横でチェックしながらフィードバックを行います。実践なので、緊張感を持ってディスカッションを行っているようです。

 

【テーマの具体化】

初手となる「テーマの具体化」についてもかなり大事です。最初にしっかりと明確化しておかなければ、スタートラインにも立てません。

例えば、「DXをやりたい」というような漠然とした目的を、

  • 既存事業の変革か?
  • 新たな顧客への価値提供か?

などに分解し、「何のためにやるのか」を明確にする作業を行います。

また、何かを作る、売る、広げる、などのプロセスがありますが、「売れないのは売り方(営業)に課題があるのか、それとも商品そのもの(作り方)に課題があるのか」を明らかにすることも大事です。これを曖昧なまま進めてしまうと、プロジェクトは形骸化します。

だからこそ、最初の「問いの設計」が非常に重要だと高橋さんは語ります。

テーマ設定

課題設定

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

5 推進役に向く人、向かない人。事業承継など目的によって推進役に適する人は変わる

高橋さんは、「推進役には、やはり向き不向きがあり、向いていない人の例としては、自分でガンガン進めたいタイプの人です。推進役には、他人に成果を出させるマネジメント視点が必要だからです」と説明します。

高橋さんたちは、推進役の選定を次のように行っているそうです。

「私たちは、適性診断(チェックリスト)を用いて、役割のフィットを見極めています。本人の希望があれば育成は可能ですが、時間と覚悟が必要です。現場では、多くの企業の場合、現実役・理想役には立候補者がいるものの、推進役は名乗り出にくいという傾向があります。そこで、最初は私たちが役割分担を決めてスタートすることが多いです」

ちなみに、推進役候補の年齢層は主に以下の2パターンだということです。

  • 30~40代(マネジャー):プロジェクト推進を担う中堅層として育成
  • 50~60代(事業部長や経営者など):次の「理想役」(後継者)を支援する役割として事業承継の一環

特にこれからの中小企業にとって必要だと感じたのは、

事業承継の一環として、50~60代の経営者自身や事業本部長などが推進役を学ぶ

という高橋さんのお話です。

経営者の多くは理想役で、一足飛びにやりたいこと・理想の姿を実現しようとする傾向にあります。そうするとプロジェクトがうまく進まないので、推進役が理想の姿をブレイクダウンし、段階を踏んでステップワンから、というふうに進めることになります。

こうした一足飛びに進めがちな理想役である経営者が、理想役のまま、事業承継をして次の世代に継いでもうまくいかないことが多いので、

経営者自身が推進役を学び、「推進役」となって「次の理想役」を支援できるようにする

ことが必要です。これは、今後の中小企業にとても大事な考え方だと感じます。

高橋さんのお話を踏まえると、プロジェクトの推進や事業承継などの目的に応じて、推進役に適した人材像はある意味適材適所、変わってくるといえるでしょう。

6 価値創造の事例。実際に成果が上がっている事例をみてみましょう

最後に、高橋さんたちの伴走支援で価値創造した事例をいくつかご紹介します。面白い確かな成果を上げている数々の事例がありますので、「自社で取り組むとしたら」のご参考になればと思います。

1.井筒八ッ橋本舗(創業220年の京都の超老舗)

井筒八ッ橋本舗

(出所:KANDO(カンド)株式会社 資料)

井筒八ッ橋本舗

(出所:KANDO(カンド)株式会社 ホームページ)

創業220年という超老舗の八ツ橋本舗で、高橋さんがファシリテーターとして入って産学連携で価値創造に取り組み、若手の従業員が中心となって新しくて面白い商品を作り出した、という好事例です。

大阪芸術大学との産学連携で「Yatsuken(ヤツケン)」=「八ッ橋食感研究所」という新ブランドを立ち上げました。

そしてなんと2週間に1回という驚異的なスピードで、商品アイデアを試作・実験するプロジェクトを実施します。

「2週間に1回」は最初、さすがに経営者も従業員も消極的だったようです。しかし、そのうち、特に若手の従業員が積極的になってきます。バレンタイン向け【むにゅっとしょこら】という全く新しい商品を開発・販売します。

このチョコ商品は今までの八ツ橋の概念をガラッと変えるもので、八ツ橋の生地をチョコで包んでいます。今までの八ツ橋の「つつむ」を「つつまれる」に変えた新食感のチョコレートということで人気になり、完売したそうです。

高橋さんにヤツケンの取り組みについて伺ったところ、次のお話をしてくださいました。

「今回、キーになったのは製造部門の若い女性従業員です。その方が『楽しい!』となってスイッチが入り、全体的に変わって行った感があります。その従業員の方は、最初は現業も忙しかったので、『アイデアがあっても商品がつくれないかも』と消極的でした。しかし、みんなで議論して試作品をつくってみたら『楽しい』ということで、どんどん積極的に自発的に動くようになりました」

また、その女性従業員いわく、

「みんなで、どのような顧客にどのように喜んでもらうかなどを議論していて、誰に喜んでもらえるのかを考えたら、とても楽しくてスイッチが入った」

「顧客のために」「自分たちはどういう感動を提供できるか」を問いかけると、従業員の目の色が変わって自発的に考え動くようになる、と高橋さん。そうなると、従業員自身も「楽しい!」と感じて、組織の自走が進むのだと感じます。

 

2.ネイル整形サロン(学生起業)

ネイル整形サロン

(出所:KANDO(カンド)株式会社 資料)

こちらは、KANDOが出資して子会社を設立した事例です。

大阪公立大学の学生が持つ「爪を補整する技術」をビジネス化。議論と仮説検証を重ねて、大阪天王寺に一号店をオープンしました。

この学生の方は、もともと技術を持っていて何かやりたいと思ってはいたものの、不安があって踏み出すことができないでいました。

高橋さんは、「いいもの、面白いものを持っていても世に出てない人、踏み出せない人はたくさんいる。しかし、こうしてガイドしていくとちゃんと形になる」と話してくれました。

高橋さんのやっていることを山登りで例えると、一緒に山に登るシェルパ(登山ガイド、案内人)が思い浮かびます。「あそこの山の登り方を教えます」ではなくて、高橋さんたちは一緒に山に登って案内する。高橋さんの言葉を借りると、次のようなことかもしれません。

「山登りで例えるなら、『荷物が重いのなら、たまには持つよ。危険そうな場所があったら先に行ってみるよ』という感じで、一緒に解像度を上げていくことをやっています」

 

3.まんまるおにぎり(行列ができるおにぎり屋さんに)

まんまるおにぎり

(出所:KANDO(カンド)株式会社 ホームページ)

こちらはまさに新規事業、新業態を立ち上げた事例です。

もともとは工場などの社食を展開しているこの企業、コロナ禍で社食を誰も利用しなくなってしまい、会社の危機に直面します。経営者の方は、「そういうときだからこそ新しいことにチャレンジしよう!」ということで、BtoCにチャレンジしてみることになります。

経営者がご飯大好きなので「最高においしいご飯をつくろう!」ということに。高橋さんと議論を重ね、1年半かけて行列のできる人気のおにぎり屋さんにまでなりました。テレビの取材なども受けています。

「本気で顧客のことを考え続けたら、行列店にまでなれるという事例です」

と高橋さんは教えてくれました。

 

4.大同生命×KANDO「どうだい?顧客価値共創プログラム」(第2回がもうすぐ開催!)

高橋さんたちは大同生命と一緒に、「顧客価値共創プログラム」も実施しています。

これは、大同生命が運営している経営者向けメディア「どうだい?」の特別プログラムとして行っているものです。「どうだい?」による特別価格でKANDOの顧客価値を創造する4カ月間のプログラムを受けられるというもので、いわば「4カ月間の実践的なビジネス塾」です。

受講した経営者の中には、「このプログラムを受けたおかげで2000万円の売り上げがあがりました!」という方もいたそうです!

なお、この「どうだい?顧客価値共創プログラム(第2回)」は、2025年6月4日(水)からプログラムの1回目を開始する予定です。4月25日(金)より「どうだい?」内イベントページにて本プログラムの応募開始をしています(応募〆切5月下旬予定)。

https://dodai.daido-life.co.jp/event/detail/1656

どうだい?顧客価値共創プログラム

高橋さんたちのこれらの事例からも分かる通り、

顧客は誰か、そして、その顧客にどのような感動を提供できるかを問い直し、アウトプットし続ける

ことが、企業や、企業で働く個人を大きく変えるきっかけになるといえます。

高橋さん、とても勉強になる、かつ実践的なお話を有り難うございます!

以上(2025年4月作成)