【規程・文例集】最新法令に対応した 「安全衛生管理規程」のひな型

1 安全衛生管理体制と安全衛生管理規程

会社が社員を雇用し、両者の間で労働契約が結ばれると、

  • 会社は、社員が安全で衛生的に働けるよう配慮する「安全配慮義務」
  • 社員は、業務に支障がないよう自ら健康管理に取り組む「自己保健義務」

を負います。この2つの義務が確実に果たされるようにするには、会社と社員が協力して安全衛生に取り組むための社内ルールが必要になります。それが「安全衛生管理規程」です。

安全衛生管理規程の中心は「安全衛生管理体制」です。安全衛生管理体制とは、

会社が安全衛生に関する施策を実施するための担当者・委員会などの体制のこと

です。会社は、この安全衛生管理体制、各担当者の職務などを明文化することで、安全衛生に関する施策を組織的に実施します。担当者以外の社員も、この規程の内容を理解して会社の実施する措置に協力しなければなりません。

以降で、安全衛生管理規程のひな型を紹介します。なお、実際に会社が定めるべき安全衛生管理体制の内容は、社員数や業種によって異なりますので注意が必要です。詳細については、次の記事をご確認ください。

2 安全衛生管理規程のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の会社によって定めるべき内容や選任が必要となる管理者等が異なってきます。実際にこうした規程を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

なお、2026年1月からは労働安全衛生法等が段階的に改正施行されます。次の内容についてもひな型の条文に盛り込んでいますのでご確認ください。ただし、施行日がそれぞれ異なりますので、どのタイミングで自社の規程に反映するかについてはご注意ください。

労働安全衛生法等の改正と本ひな型の関係

改正内容の詳細についてはこちらをご確認ください。

■厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/an-eihou/index_00001.html

【安全衛生管理規程のひな型】

第1条(目的)

本規程は、会社における安全衛生管理を実施するために、会社と従業員が取り組む基本的な事項を定めるものである。

第2条(責務)

1)会社は、法令および会社の業務推進体制、従業員の就業の実態に照らして必要な安全衛生管理の体制を確立し、労働災害防止、従業員の健康の保持増進を図るものとする。

2)従業員は法令および本規程その他社内諸規程を誠実に順守し、会社の実施する措置に協力して労働災害防止に努めるとともに、自己の健康の保持増進に努めなければならない。

第3条(安全衛生管理体制等)

会社は、安全衛生管理の推進・維持のため、法令に基づき次の管理者および会議体を置く。

  • 総括安全衛生管理者。
  • 安全管理者。
  • 衛生管理者。
  • 産業医。
  • 作業主任者。
  • 化学物質管理者。
  • 保護具着用管理責任者。
  • 安全衛生委員会。

第4条(年間安全衛生管理計画)

会社は、年度(4月1日より翌年3月31日までとする)ごとに安全衛生管理目標およびその目標を達成するために必要な実施計画を立案するものとする。

  • 作業設備や作業環境の改善。
  • 工程および作業方法の改善。
  • 点検表および作業手順などの整備。
  • 作業事項および管理重点事項などの整備。
  • 安全衛生意識高揚のための施策の立案。
  • 検査、健康診断、環境測定、防火訓練など定期的に実施する事項。
  • 安全週間、衛生週間および一斉点検などの主要行事。
  • その他の必要事項。

第5条(総括安全衛生管理者の職務)

法令に基づき会社が選任した総括安全衛生管理者は、安全管理者および衛生管理者を指揮するとともに、次の事項を統括管理する。

  • 従業員の危険または健康障害を防止するための措置に関すること。
  • 従業員の安全または衛生のための教育の実施に関すること。
  • 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
  • 労働災害の原因の調査および再発防止対策に関すること。
  • 安全衛生に関する方針の表明に関すること。
  • 作業行動などに起因する危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置に関すること。
  • 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価および改善に関すること。

第6条(安全管理者の職務)

1)法令に基づき会社が選任した安全管理者は、前条に定める統括安全衛生管理者の職務のうち安全に係る技術的事項を管理するものとし、次の事項を行う。

  • 建設物、設備、作業場所または作業方法に危険がある場合における応急措置または適切な防止の措置。
  • 安全装置、保護具その他危険防止のための設備・器具の定期的点検および整備。
  • 作業の安全についての教育および訓練。
  • 発生した災害原因の調査および対策の検討。
  • 消防および避難の訓練。
  • 作業の責任者その他安全に関する補助者の監督。
  • 安全に関する資料の作成、収集および重要事項の記録。
  • 混在作業場所における安全に関する必要な措置。

2)安全管理者は、作業場等を巡視し、設備、作業方法等に危険の恐れがあるときは、直ちにその危険を防止するための必要な措置を講じる。

第7条(衛生管理者の職務)

1)法令に基づき会社が選任した衛生管理者は、第5条に定める統括安全衛生管理者の職務のうち衛生に係る技術的事項を管理するものとし、次の事項を行う。

  • 健康に異常のある者の発見および措置。
  • 作業環境の衛生上の調査。
  • 作業条件、施設などの衛生上の改善。
  • 労働衛生保護具、救急用具などの点検および整備。
  • 衛生教育、健康相談その他従業員の健康保持に必要な事項。
  • 従業員の負傷、疾病、死亡、欠勤および移動に関する統計の作成。
  • 混在作業場所における衛生に関する必要な措置。
  • 衛生日誌の記載等職務上の記録の整備。

2)衛生管理者は、毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法または衛生状態に有害の恐れがあるときは、直ちに健康障害を防止するための必要な措置を講じる。

第8条(産業医の職務)

1)法令に基づき会社が選任した産業医は、次の事項を医学的見地から管理する。

  • 健康診断および面接指導などの実施、並びにこれらの結果に基づく従業員の健康を保持するための措置に関すること。
  • 作業環境の維持管理に関すること。
  • 作業の管理に関すること。
  • 従業員の健康管理に関すること。
  • 健康教育、健康相談その他従業員の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
  • 衛生教育に関すること。
  • 従業員の健康障害の原因の調査および再発防止のための措置に関すること。

2)産業医は、毎月1回、作業場等を巡視し、作業方法または衛生状態に有害の恐れがあるときは、直ちに必要な措置を講じる。

3)会社は、法令に基づき、産業医が前項の職務を遂行するために必要な情報を提供する。

4)産業医は、第1項に定める事項について会社および統括安全衛生管理者に対する勧告、衛生管理者に対する指導または助言を行う。会社は、産業医が従業員の健康を保持するために必要な勧告をした場合、その内容を安全衛生委員会に報告する。

第9条(作業主任者の職務)

法令に基づき会社が選任した作業主任者は、高圧室内作業その他労働災害を防止するための管理を必要とする危険・有害な作業を行う事業場において、当該業務に従事する従業員の指揮・使用する機械等の点検・その他法令等で定められた職務を行う。

第10条(化学物質管理者の職務)

法令に基づき会社が選任した化学物質管理者は、リスクアセスメント対象物の製造、取り扱い、譲渡提供を行う事業場において、事業場の化学物質を管理するため、次の事項を行う。

  • ラベル・SDS等の確認
  • 化学物質に関わるリスクアセスメントの実施管理
  • リスクアセスメント結果に基づくばく露防止措置の選択、実施の管理
  • 化学物質の自律的な管理に関わる各種記録の作成・保存
  • 化学物質の自律的な管理に関わる労働者への周知、教育
  • ラベル・SDSの作成(リスクアセスメント対象物の製造を行う事業場の場合)
  • リスクアセスメント対象物による労働災害が発生した場合の対応
  • SDSによる危険性・有害性情報の提供および通知事項変更時の再通知
  • SDSについて、営業秘密に該当する成分について代替化学名等を用いる場合の成分情報の記録・保存および医師から診断・治療のために開示を求められたときのすみやかな情報提供

第11条(保護具着用管理責任者の職務)

法令に基づき会社が選任した保護具着用管理責任者は、リスクアセスメント対象物の製造、取り扱い、譲渡提供を行う事業場において、従業員に保護具を使用させる場合、有効な保護具の選択、社員の使用状況の管理その他保護具の管理に関わる業務を行う。

第12条(安全衛生委員会)

1)会社は、法令に基づき、会社と従業員が協力して職場の安全衛生問題を調査・解決するなど、安全衛生管理を徹底するために安全衛生委員会(以下「委員会」)を設置する。

2)委員会の組織、運営の詳細は、別途定める「安全衛生委員会規程」(省略)による。

第13条(安全衛生教育の実施)

1)会社は、従業員を採用したとき、配置転換等により作業内容の変更を行ったときに、従業員が担当する業務に必要な安全衛生教育を実施する。

2)危険または有害な業務で、法令で定めるものに従事する従業員には、法令に基づく特別教育を実施する。会社は、特別教育の受講者や科目などの記録を作成し、法令の定める期間、これを保管する。

第14条(安全衛生教育の方法)

前条の安全衛生教育は、社内で実施する他、社外講習・社外研修も併せて行うものとする。

第15条(就業制限)

1)会社は、クレーンの運転など法令で定める特定の危険業務については、当該業務に関わる免許を有する従業員、もしくは技能修了証書を有する従業員でなければ従事させてはならない。

2)前項の就業制限業務に就くことのできる従業員以外は、当該業務を行ってはならない。

第16条(標識の掲示)

会社は、作業場所の見やすい場所に、安全衛生に関する標識を掲示する。

第17条(設備・環境の整備改善)

会社は、法令に基づいて作業設備や作業環境を整備するとともに、さらなる安全を実現するように努めなければならない。

第18条(作業方法の整備改善)

会社は、法令の作業方法を順守しつつ、より安全かつ衛生的な方法の確立に努めるものとする。

第19条(安全衛生点検)

会社は、災害の未然防止を図るため、次の区分による安全衛生点検を行う。会社は点検結果をまとめ、法令の定める期間、これを保管する。

  • 日常点検 各作業場所において、就業前後に日々行う安全点検。
  • 定期点検 各作業場所において、あらかじめ決められた方法で一定の期日に行う点検。
  • 巡視点検 各作業場所において、あらかじめ決められた方法で一定の期日に巡視する点検。

第20条(災害発生時の措置)

1)災害が発生した場合、発見者は関係者とともに直ちに被災者の救護措置を講じ、その生命、身体の保全に万全を期すものとする。

2)災害が発生した場合は、発見者は関係者とともに災害を最小限にとどめるため、非常停止などの応急措置を講じるとともに、その旨を総括安全衛生管理者および所属部署の責任者など関係者に通報しなければならない。

3)会社は、災害または事故の原因を調査し、同種災害の再発防止策を講じるものとする。

第21条(健康診断)

1)会社は、従業員を採用した際の雇入時健康診断、年1回の定期健康診断など、法令で定める健康診断を実施するものとする。

2)健康診断の検査項目は法令に定めるものとする。ただし、会社または産業医もしくは検査を実施した医師が必要と認める検査項目がある場合は、それについても行う。

3)従業員は、会社が行う健康診断を正当な理由なくして拒むことはできない。

4)健康診断の結果、有所見者について、産業医は適切な指導を行う。就業制限・配置転換は医師等の意見を聴取し、会社が決定・指示するものとする。

5)会社および健康診断実施の事務に従事した従業員は、その事務に従事したことによって知り得た従業員の身体の健康上の秘密を守らなくてはならない。

6)会社は、法令の定める期間、健康診断の結果を保管する。

第22条(危険有害な化学物質に係る個人ばく露測定)

1)会社は、法令により個人ばく露測定の対象とされる危険有害な化学物質を取り扱う作業場において、作業環境測定基準に従った個人ばく露測定を有資格者により実施し、その結果に基づき必要なばく露低減措置を講ずるものとする。

2)会社は、法令の定める期間、個人ばく露測定の結果を保管する。

第23条(心理的な負担の程度を把握するための検査)

1)会社は、事業場の規模にかかわらず、法令に基づき、従業員を対象とした「心理的な負担の程度を把握するための検査」(以下「ストレスチェック」)を実施する。

2)ストレスチェックの調査項目は「職業性ストレス簡易調査票」を基本とし、必要に応じて会社が追加したものとする。

3)従業員は、会社が行うストレスチェックを受検するよう努めるものとする。ただし、ストレスチェックの受検を強要するものではない。

4)会社は、ストレスチェックの結果について、個人情報の保護に配慮しつつ集団分析を行い、その結果を踏まえた職場環境の改善に努める。

5)ストレスチェックの結果、特に高ストレス者について、従業員から申し出があった場合は産業医等のストレスチェックの実施者は適切な指導を行う。就業制限・配置転換は医師等の意見を聴取し、会社が決定・指示するものとする。

6)会社は、当該従業員の同意なくして、ストレスチェックの結果を閲覧することはできない。

7)会社は、法令の定める期間、ストレスチェックの結果を保管する。

8)会社およびストレスチェック・高ストレス者への面接指導の実施の事務に従事した者は、その事務に従事したことによって知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない。

第24条(面接指導)

1)会社は、1カ月当たりの時間外労働(休日労働を含む)が80時間を超えた従業員から申し出があった場合、医師の面接指導を行うものとする。

2)会社および面接指導実施の事務に従事した従業員は、その事務に従事したことによって知り得た従業員の精神状態等に関する秘密を守らなくてはならない。

3)会社は、法令の定める期間、面接指導の結果を保管する。

第25条(治療と仕事の両立支援)

1)会社は、疾病等の治療が必要な従業員について、当該従業員が治療を継続しながら就労することができるよう、法令に基づき、両立支援に関する情報提供、相談窓口の設置、勤務制度の活用等必要な措置を講じるよう努める。

2)会社は、両立支援を行うに当たり、当該従業員の意思を尊重するとともに、健康情報の取扱いに十分留意しなければならない。

第26条(高年齢者への配慮)

会社は、高年齢者の身体的・認知的特性に配慮し、法令に基づき、作業環境の改善、作業方法の工夫その他必要な措置を講ずるよう努める。

第27条(従業員の遵守事項)

1)従業員は労働災害防止のために、次に定める事項を遵守しなければならない。

  • 営業車両などを運行する場合は、交通安全に努めなければならない。
  • 会社が定めた作業方法、作業手順を順守しなければならない。
  • 会社が定めた日常点検、定期点検をしなければならない。
  • 会社が認めた場所以外では、飲食または喫煙をしてはならない。
  • 会社が定めた作業場では指定のヘルメットなど安全装備を着用しなければならない。
  • 整理整頓・清潔を心掛けなければならない。
  • その他、安全衛生管理の実施に関する事項については、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医の指示に従わなければならない。

2)従業員は、業務遂行時に災害には至らなかったものの災害につながりかねない出来事(ヒヤリとしたり、ハッとしたりしたこと)があった場合は、直ちに総括安全衛生管理者または安全管理者もしくは所属部署の責任者に報告しなければならない。

第28条(混在作業場所における個人事業者等への配慮)

1)会社は、従業員と同一の作業場所において、個人事業者その他の作業従事者と混在して業務を行う場合には、法令に基づき、当該作業従事者を含めた災害防止のための指導、連絡調整その他必要な措置を講ずるものとする。

2)会社が作業場所管理事業者または注文者等の立場に立つ場合には、工期・施工方法その他の事項について、当該作業従事者の安全衛生に十分配慮しなければならない。

第29条(罰則)

従業員が故意または重大な過失により、本規程に違反した場合、就業規則に照らして処分を決定する。

第30条(改廃)

本規程の改廃は、取締役会において行うものとする。

附則

本規程は、○年○月○日より実施する。

以上(2026年1月更新)
(監修 人事労務すず木オフィス 特定社会保険労務士 鈴木快昌)

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【規程・文例集】最新法令に対応した「安全衛生委員会規程」のひな型

1 安全衛生委員会と安全衛生委員会規程

労働安全衛生法により、一定の要件を満たす会社は

  • 安全委員会:社員の危険防止などに関する事項を調査審議する委員会
  • 衛生委員会:社員の健康障害防止などに関する事項を調査審議する委員会

を設置しなければなりません。安全委員会と衛生委員会両方の設置義務がある場合、両者をまとめて「安全衛生委員会」とできますが、広範囲にわたる調査審議を円滑に進行するためには、明文化された社内ルールが必要になります。それが「安全衛生委員会規程」です。

安全衛生委員会規程には、

委員会の構成、委員の任期、調査審議事項、決議の方法など

を定めます。委員会の構成や調査審議事項については、労働安全衛生法の定めに準拠しますが、委員の任期や決議の方法など法令に定めがない事項については、会社が独自に定めます。

以降で、安全衛生委員会規程のひな型を紹介します。なお、安全衛生委員会(安全委員会、衛生委員会)の基本的な知識については、次の記事をご確認ください。

2 安全衛生委員会規程のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした規程を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

なお、2026年1月からは労働安全衛生法等が段階的に改正施行されます。次の内容についてもひな型の条文に盛り込んでいますのでご確認ください。ただし、施行日がそれぞれ異なりますので、どのタイミングで自社の規程に反映するかについてはご注意ください。

労働安全衛生法等の改正と本ひな型の関係

改正内容の詳細についてはこちらをご確認ください。

■厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/an-eihou/index_00001.html

【安全衛生委員会規程のひな型】

第1条(目的)

本規程は、別途定める「安全衛生管理規程」第○条に基づき、安全衛生委員会(以下「委員会」)の構成、役割などを定めるものである。

第2条(構成)

1)委員会の委員は、次の人員をもって構成する。

  • 委員長(1名)。 総括安全衛生管理者またはこれに準ずる者で会社が指名した者。
  • 副委員長( 名)。 委員のうちから互選した者。
  • 安全管理者のうち会社が指名した者( 名)。
  • 衛生管理者のうち会社が指名した者( 名)。
  • 産業医のうち会社が指名した者( 名)。
  • 安全および衛生に関する経験を有する者から会社が指名した者( 名)。

2)会社は当事業場に所属する作業環境測定士を委員として指名することがある。

3)第1項第1号の委員長以外の委員の半数は、当事業場の従業員の過半数を代表する者の推薦した従業員とする。

第3条(役割)

各委員の役割は、次の通りとする。

  • 委員長 委員長は、委員会を統括するとともに、会議の議長を務め、委員会の付議事項およびその他必要な事項を処理する。
  • 副委員長 副委員長は、委員長を補佐し、委員長の不在時などはこれに代わって委員会を代表する。
  • 委員 委員は、委員会に出席し調査審議事項を審議する。また、常に職場環境や安全衛生に関する事項に留意し、安全衛生管理活動に積極的に寄与するものとする。

第4条(任期)

1)委員長および委員の任期は1年とし、毎年4月1日より翌年3月31日までとする。ただし、再任は妨げない。

2)委員に欠員が生じたときは速やかに補充する。

3)補充により委員に指名された者の任期は、前任者の残存期間とする。

第5条(事務局の設置)

1)委員会の事務局は、総務部とし、主として次の事項を行う。

  • 委員会の招集および付議に関する事項。
  • 委員会に必要な資料の準備および配布に関する事項。
  • 委員会の議事録の作成、配布および保管に関する事項。
  • 委員との連絡およびその活動計画の調整。
  • その他委員会に関連する事務。

2)委員会の議事録および重要項目の記録は、これを3年間保存するものとする。

3)委員会の開催の都度、遅滞なく、委員会における議事の概要を次に掲げるいずれかの方法により従業員に周知するものとする。

  • 常時各従業員の見やすい場所に掲示し、または備え付けること。
  • 書面を従業員に交付すること。
  • 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずるものに記録し、かつ各作業場に従業員が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

第6条(調査審議事項)

委員会は、安全衛生管理規程第○条の目的を達成するため、次の事項を調査審議するとともに、必要な場合はその意見を会社に提出するものとする。

  • 従業員の危険防止および健康障害防止の基本となるべき対策に関する事項。
  • 従業員の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関する事項。
  • 労働災害の原因および再発防止対策に関する事項。
  • 安全衛生に関する規程の作成に関する事項。
  • 法が定める事業者が実施すべき危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置で安全、衛生に関する事項。
  • 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価および改善に関する事項。
  • 安全衛生教育の実施計画の作成に関する事項。
  • 法が定める事業者が実施すべき危険性または有害性等の調査およびその結果に基づく対策の策定に関する事項。
  • 新規に採用する機械、器具その他の設備または原材料に関わる危険および健康障害の防止に関する事項。
  • 法が定める事業者が実施すべき作業環境測定・個人ばく露測定の結果およびその結果の評価に基づく対策の策定に関する事項。
  • 定期健康診断等の結果およびその結果に基づく対策の策定に関する事項。
  • 従業員の疾病等の治療と仕事の両立を図るための支援体制、勤務上の配慮その他の措置に関する事項。
  • 従業員の健康の保持増進を図るため必要な措置の実施計画策定に関する事項。
  • 長時間労働による従業員の健康障害防止を図るための対策の策定に関する事項。
  • 従業員の精神的健康の保持増進を図るための対策の策定に関する事項。
  • 「心理的な負担の程度を把握するための検査」(ストレスチェック)の周知方法、実施体制、実施方法、関連情報の取り扱い(保管、廃棄等)に関する事項。
  • 快適な職場環境の形成に向けての対策の策定に関する事項。
  • 高年齢労働者の身体的・認知的特性に配慮した作業環境の整備、作業方法の工夫その他の安全衛生対策に関する事項。
  • リスクアセスメント対象物の製造、取り扱い、譲渡提供を行う事業場においては、SDSその他の方法により危険性または有害性等の情報を適切に提供する体制およびその運用状況に関する事項。
  • 労働基準監督署長等から文書により命令、指示、勧告または指導を受けた事項のうち、従業員の危険の防止および健康障害の防止に関すること。
  • 個人事業者その他の作業従事者が従業員と同一の作業場所において業務に従事する場合における、災害防止のための指導、連絡調整その他の安全衛生措置に関する事項。
  • その他安全衛生に必要と認められる重要な事項に関すること。

第7条(開催と招集)

1)委員会は、毎月1回定期的に開催する。ただし、委員長は、緊急性のある調査審議報告が発生したときなど必要と認めるときは、臨時に委員会を招集することができる。

2)委員会の開催場所は、開催の都度委員長が決定し、事務局から各委員に通知する。なお、委員長は各委員の業務状況その他の事情を考慮して必要と認める場合、書面、所定のテレビ会議システムその他対面によらない方法によって、委員会を開催することができる。

第8条(決議の方法)

委員会の決議は過半数の委員が出席し、その出席している委員の過半数の賛成をもって決定する。賛否同数の場合は委員長がこれを決定する。

第9条(委員以外の出席)

委員長が必要と認めたときは、委員以外の役員や従業員などを出席させることができる。

第10条(安全衛生小委員会)

委員会は、必要に応じ専門事項などを調査審議する安全衛生小委員会を設置することができる。

第11条(その他の事項)

法令および本規程に定める事項以外のことで、委員会の運営などに必要なその他の事項については委員会がこれを定める。

第12条(罰則)

役員および従業員が故意または重大な過失により、本規程に違反した場合、就業規則に照らして処分を決定する。

第13条(改廃)

本規程の改廃は、取締役会において行うものとする。

附則

本規程は、○年○月○日より実施する。

以上(2026年1月更新)
(監修 人事労務すず木オフィス 特定社会保険労務士 鈴木快昌)

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今がチャンス!多分野で活用可能な「観光DX推進事業」を紹介

1 今こそ観光DXに踏み出すとき

コロナ禍で停滞していた観光関連の需要は、数年間で急速に回復しています。街を歩いていて、「コロナ前よりも観光客が多いのでは・・・・・・?」と感じている人も多いはずです。実際、

2025年の年間訪日外国人旅行者数は、史上初の4000万人を突破し、過去最多の4270万人を記録しました。

しかし、観光庁「観光立国推進基本計画」では、2030年までに、

  • 訪日外国人旅行者数 6000万人
  • 訪日外国人旅行消費額 15兆円

という目標が掲げられています。いずれ、観光業を含む分野の企業には、この目標に合わせた対応が求められることも考えられます。

ただ、多くの中小観光事業者にとっては、大きな課題が残っています。それは、

DX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れ

です。

画像1DXの取り組み状況

観光業を含む分野(宿泊・飲食業)で、DXに既に取り組んでいる企業の割合は、

2024年でも14.0%にとどまっており、他業界と比べても低い水準

です。「取り組みを検討している」「必要だと思うが取り組めていない」の合計が、2023年(48.0%)から2024年(54.0%)にかけて6ポイント増加していることから、

DXの必要性を理解していながらも、踏み切れない状況にある

ことがうかがえます。ちなみに、業種全体で見た場合、「取り組みを検討している」「必要だと思うが取り組めていない」のどちらの企業においても、次のことが大きな課題になっているようです。

  • DX推進に関わる人材が足りない
  • ITに関わる人材が足りない
  • 予算の確保が難しい
  • 具体的な効果や成果が見えない

観光業に関わる企業は、予約管理や接客などの分野で、いまだにアナログ対応に頼っているケースも少なくありません。結果として、現場の負担が増え、人手不足がより深刻化するという悪循環に陥りがち。とはいえ、人手不足や規制の煩雑さなど、自分たちだけでは解決しようがない問題があるのも現状です。

こうした状況を踏まえ、国土交通省観光庁は2022年から、

「観光DX推進事業」(正式名称は「観光振興事業費補助金」)を実施し、観光地や観光産業におけるデジタルツール導入などを支援

しています。予約・決済システム、顧客管理、データ活用など、現場の課題に直結する取り組みが対象となる点が特徴です。

2026年度分の詳細情報はまだ公表されていませんが、例年の流れを踏まえると、4月ごろに公募が始まる可能性が高いと考えられます。

まずは「初めの一歩」として、補助金制度を利用してみるのも一手です。次章で制度の概要を紹介しますので、業務の見直しやデジタル化に取り組む際に活用をご検討ください。

2 2025年度の観光DX推進事業の概要

観光DX推進事業の公募内容は年度ごとに異なるため、次回の公募が同様の内容であるとは限リませんが、ここでは検討の参考として、2025年度の概要をご紹介します。

1)観光DX推進事業の概要

観光DX推進事業は、例年4月中旬に募集開始、6月初旬に公募を締め切っています。前回(2025年度)は申し込みの時期によって申請方法が異なっていたので、公募に興味がある場合は、小まめに公式サイトを確認するのがいいでしょう。

■観光DX推進事業 公式ウェブサイト■
https://kanko-dx-hojo.go.jp/

また、補助金を利用する用途によって、

  • 観光地の販路拡大・マーケティング強化
  • 観光産業の収益・生産性向上
  • 専門人材による伴走支援

の、3つの事業区分が設けられています。事業区分ごとの概要(対象、内容、補助率・補助上限額、要件)は次の通りです。

観光DX推進事業の概要

観光DX推進事業の概要

観光DX推進事業の概要

(1)観光地の販路拡大・マーケティング強化、(2) 観光産業の収益・生産性向上■
https://kanko-dx-hojo.go.jp/wp-content/uploads/2025/05/20250515_koboyoryo_1-2.pdf
(3)専門人材による伴走支援■
https://kanko-dx-hojo.go.jp/wp-content/uploads/2025/05/20250515_koboyoryo_3.pdf

2)申請の流れ

観光DX推進事業の、申請から精算までの流れは次の通りです。

1.計画申請(事業内容の提出)

公募要領で申請の手順や補助対象となる条件などを確認し、電子申請システムから計画申請(事業計画の提出)をします。申請後に観光庁及び事務局の審査が行われます。

2.交付申請の手続き

計画が採択された後、交付申請の手続きをします。申請後に事務局の審査が行われます。(交付決定後、事業開始が可能になります)

3.交付決定後に実施

交付決定された事業者には、事務局から正式に交付決定通知が送られます。申請した計画に沿って事業を実施し、事業完了の手続きを行います。

4.精算

完了実績報告を事務局で審査した後に送られてくる「額の確定通知」を基に、精算の手続きを行います。補助金請求書に基づき、事務局から銀行振込にて補助金が交付されます。

3)審査項目

審査項目は、事業区分によって違います。また、公募内容は年度ごとに異なるため、次回に同様の事業区分が公募されるとは限りませんが、ここでは検討の参考として、令和7年度の公募要領における審査項目をご紹介します。

1.観光地の販路拡大・マーケティング強化

  • 公募要領の事業目的・内容に沿ったデジタルツールの導入であること。それが地域一体での取組であること
  • 資金調達の見込みが立っていること。事業期間内に完了することが確実であること
  • 導入したデジタルツールを通じた、データ活用に向けた具体的な計画・将来ビジョンが検討されていること。それが地域一体での計画・将来ビジョンであること
  • 取組内容に応じた経費が見積書に適切に計上されていること

2.観光産業の収益・生産性向上

  • 公募要領の事業目的・内容に沿ったデジタルツールの導入であること
  • 資金調達の見込みが立っていること。事業期間内に完了することが確実であること
  • 導入したデジタルツールを通じた、データ活用に向けた具体的な計画・将来ビジョンが検討されていること
  • 取組内容に応じた経費が見積書に適切に計上されていること

3.専門人材による伴走支援

  • 公募要領の事業目的・内容に沿った申請内容であること。また、組織の課題解決に向けて、適切なノウハウやスキルを有する人材が派遣されること
  • 事業実施期間が十分に確保されていること。また、申請主体以外の支援先がある場合に、円滑な事業実施が可能な支援実施体制が検討されていること
  • 取組の効果が成果指標を通じて測定できること。また、補助対象事業者や申請主体以外の支援先が、補助事業を通じてノウハウやスキルを習得し、事業終了後に自ら観光DXに取り組む内容となっていること
  • 取組内容に応じた経費が算定根拠資料に適切に計上されていること

3 観光DX推進の事例

最後に参考情報として、各自治体で過去に実施された観光DX推進の事例をご紹介します。

1)長野県山ノ内町 (志賀高原)

長野県山ノ内町(志賀高原)は、地域全体の持続的な収益確保を目指して、

旅行者がオンライン上で情報収集や予約等をシームレスに実施できる「観光プラットフォーム(地域サイト)」を構築

しました。かつて旅行代理店に依存していた予約窓口を地域自前のプラットフォームに移行させ、会員向けの柔軟なクーポン発行機能などを実装しました。これにより、

観光プラットフォームへの誘引、さらに宿泊予約へとつなげることができるようになり、売上向上などの成果が出た

そうです。また、公式SNSのフォロワー数が増加し、個々の顧客に合わせた最適なプランを提案できる、精度の高いマーケティングが可能になりました。

2)兵庫県豊岡市(城崎温泉)

兵庫県豊岡市(城崎温泉)は、「まち全体が一つの温泉旅館」というコンセプトの下、

町内の宿泊施設間で宿泊管理システム(PMS)を連携・一元化

し、宿泊客の周遊データや消費行動を地域全体で可視化することに成功しました。これにより、

データが可視化されて滞在価値を高める施策(外湯巡りの利便性向上など)を打てるようになり、宿泊客単価が2万3580円から3万2438円へと大幅に上昇

しました。さらに、リピーター率も目標を超える41.4%に達するなどの成果を上げました。

3)神奈川県足柄下郡箱根町

神奈川県足柄下郡箱根町では、車で箱根を訪れる旅行者のオーバーツーリズム対策のため、

「箱根観光デジタルマップ」を構築し、リアルタイムの渋滞予測や駐車場・店舗の混雑状況を可視化

しました。これにより、箱根を訪れる旅行者の間で、マップ情報を参考に目的地や訪問時間を変更する行動変容が起こり、月1万回以上の閲覧を記録。デジタルマップの構築により、人流の分散化に成功しました。なお、このプロジェクトは今後、箱根特有の課題である火山災害の防止などにも役立てられる予定です。

以上(2026年1月作成)

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画像:日本情報マート

「社内参謀」候補が見つかる39のチェックリスト

1 社内参謀としての素質を見極める

経営者は、1人では対処しきれない経営課題に直面することがよくあります。そうした問題は複雑で、気軽に相談できる相手がいないケースも少なくありません。そうした経営者が求めるのは、

社内の人間関係や実務に精通いて、会社の状況をよく理解した上で、客観的なアドバイスができる「社内参謀」

です。

社内参謀を育てるには、まず参謀としての資質を持った社員を見つけることから始めましょう。人事考課で飛び抜けて優秀な社員がいれば、その人を候補にします。いなければ、これからご紹介するチェックリストを使ってテストしてみてください。

これからご紹介するのは、参謀的資質を見極めるためのオリジナル「社内参謀 チェックリスト39」です。社内参謀に必要な資質の有無を確認する39の設問で、得点は100点満点です。各設問の得点配分は右欄に記載していますが、実際に社員にチェックリストに答えてもらう際は、得点配分は見せないでください。

社内参謀 チェックリスト39

ボーダーラインは70点程度としましょう。70点以上の社員が複数いる場合は、社内の評判が良い、性格が明るいなどを基準に選抜します。

参謀候補を数人選んで絞り込んでいく方法もありますが、最初から1人に絞って経営者が集中して育てた方が効率的です。時間とエネルギーを分散させるより、「この人」と決めた候補にしっかり向き合うほうが、結果的に早く戦力になります。

2 社内参謀の教育

参謀候補が見つかったら、次は実践的な教育です。ここでは重要な4つの力について、具体的な育成方法をご紹介します。

1)聞く力と記憶する力を磨く

参謀候補は聞き手として「相手の話を真摯に聞く」ことが求められますが、大切なのは、聞いた話の要点を絞り込み、正確に記憶しておくことです。

次のようなシーンをイメージしてください。経営者同士の会議が1時間にも及びました。最初の10分は世間話でしたが、途中から互いに事業の概況について話を始めました。足元の経営状況、取引先の動向、競合他社の営業活動や新製品の開発動向などの話があった後、自社との取引内容についての改善提案まで話が進みました。

このような状況で、話の内容を全てメモしたり、記憶したりすることは不可能です。しかし、

要点を押さえて正確に記憶することは、訓練次第で可能

です。

経営者と参謀候補とで要点の認識がズレてしまっては困るので、最初のうちは話し終わった後に、経営者が要点を教えてあげましょう。「いろんな考えがあっていいのでは?」と思うかもしれませんが、それは違います。

同じ要点に対する考え方はいろいろあっていいけれど、前提となる要点そのものが違っていたら話がかみ合わない

からです。まずは「何が要点か」を正確につかむ訓練から始めましょう。

2)問題点に気付く力を磨く

問題点に気付く力は、

経営者の話や会議の議論の矛盾点を質問などで指摘する

ことで磨かれます。矛盾点を指摘するのは簡単ではなく、正確な情報収集力や分析力、論理性が必要です。不勉強な社員や論理的思考ができない社員には難しいでしょう。

参謀候補としての自覚がある社員なら、会話や議論での矛盾点の指摘は場数を踏むことで慣れてきます。ただし、単に回数を重ねるだけではダメです。

周囲に飛び交う情報に敏感に反応する訓練

をしなければなりません。そのためには、経営者が抜き打ちで質問するなど、常に高い緊張感を保たせることも有効です。

話し手の不足点や矛盾点を指摘することは、実務でも非常に大切です。話し手を議論で

「やり込める」のではなく、「納得してもらう」ための話し方を習得する機会

になります。

3)企画する力を磨く

「アッ!」と驚く企画の立案は簡単ではありません。ですが、内容や質を問わず、何らかの企画を立案する程度なら、「聞く力」「問題点に気付く力」を持つ社員であればこなせます。つまり、参謀候補は、何らかの企画を考えるまでに成長しているはずです。

現実的には、新鮮なアイデアがないと面白い企画は生まれにくいものです。しかし、さまざまな視点から物事を判断できると、次第に的を射た企画を立案できるようになります。

企画する力を磨くには、

参謀候補にさまざまな企画書を作らせてみること

です。企画書を作らせる狙いは、「自由に企画書を作成させて、自分の不足点や矛盾点について考える機会を多く与える」ことです。企画書の作成を繰り返すうちに、参謀候補の情報収集力や分析力が高まります。

創造力を磨くのもこの段階です。予備知識なしに創造力は生まれません。過去の事例を数多く検証し、それらの事例から不足点や矛盾点を発見し、それを修正することで新しいものができるのです。既成概念にとらわれない大胆な発想や斬新なアイデアは、こうした地道な努力を積み重ねることで生まれます。

4)根回しする力を磨く

根回しというと、政界の裏工作などを連想し、悪い印象を抱きがちです。しかし、ビジネスで1つの企画を実行するためには、関係者との交渉が必要になることがあります。

ビジネス上必要な根回しとは、関係者との交渉

に他なりません。これは組織を動かす上で重要な実務です。企画書は書けるが交渉力がない社員は、実行力に乏しいと考えてよいでしょう。

また、この段階では

完璧主義を捨てることも大切

です。計画を企画書通りに実行できればベストですが、現実にはなかなか難しいもの。関係者との交渉を重ねた結果、いくつか修正が入って妥協点が生じ、当初の企画内容と少し違うものになっても、

企画の骨子(コアな部分)が揺らいでいなければOK

としましょう。大切なのは企画を実行することです。

3 社内参謀を認め、感謝する

社内参謀の教育で紹介した4つの力を備えた社員は「社内参謀」に成長しています。社内参謀は経営に必要な情報がいつでも引き出せて、それを経営者の視点で分析できます。ある意味で、

社内参謀のものの見方は、経営者以上に多面的かつ論理的

です。企画を実務に落とし込む際は、当該企画の問題点に気付くはずですし、利害関係者の要望を組み入れた修正案を想定することもできます。

経営者は、社内参謀をパートナーとして認め、感謝しましょう。社内参謀は、自分が社内のどんなポジションにいるのか、経営者が自分のことをどのように評価しているのかを敏感に感じ取ります。会社は社内参謀にふさわしい役職を用意することになるでしょうが、

何よりも大切なのは、経営者が「ありがとう」「役に立ったよ」と声を掛けてあげること

です。

以上(2026年1月更新)

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【かんたん消費税(11)】税抜か税込か? 日々の経理に影響する2つの方式

1 消費税の経理処理

消費税の経理処理は、税抜経理方式(以下「税抜経理」)か税込経理方式(以下「税込経理」)のいずれかになります。

  • 税抜経理:消費税を売上高や経費とは「区別して」仕訳する方法
  • 税込経理:消費税を売上高や経費に「含めて」仕訳する方法

税抜経理と税込経理は好きなほうを採用できます(消費税の免税事業者は税込経理のみ)が、メリットとデメリットがあるので有利な方法を選択したいものです。「皆さんの会社にとってお得なのは、税抜経理と税込経理のどちらなのか?」が分かるように解説します。

2 どっちがお得!? 4つの観点から見る特徴

1)経理作業の負担の観点から

経理作業の負担の観点からは、税込経理に軍配が上がります。

なぜなら、もう一方の税抜経理だと、全ての取引について消費税を売上高や経費などとは区別して処理するため、会計処理が複雑になるからです(会計処理は最終章で紹介)。また、税抜経理は、税込経理に比べて仕訳も1行多く必要になり、簿記の知識が必須です。

ただし、最近は会計ソフトを導入している会社も多く、これらの会計処理を自動で行われるような場合、このような差異はほぼありません。

2)損益把握の観点から

損益把握の観点からは、税抜経理に軍配が上がります。

税抜経理の場合、消費税は全て「仮受消費税」「仮払消費税」という勘定科目に集約され、損益には一切影響しません。そのため、

税抜経理の場合、期中の段階でいつでも正確な損益を把握できる

ことになります。

一方、

税込経理の場合、消費税は期末に一括して処理(詳細は後述)するため、期末になるまで正確な損益が把握できない

ことになります。タイムリーに正確な損益を把握しなければならない経営者であれば、税抜経理を選択したほうがよいでしょう。

3)資産を購入した際の税制の観点から

資産を購入した際の税制の観点からは、自社がどの税制(少額固定資産や税額控除)の適用を受けるかによって軍配が変わります。

備品などの固定資産を取得した場合、原則的には資産に計上し、減価償却で少しずつ費用に計上します。しかし、取得価額が10万円未満の固定資産(少額固定資産)は、取得時に全額費用として処理することもできます(全額費用にすれば、費用が増えるので法人税の負担が減少します)。この「10万円未満かどうか」は、

税抜経理の場合は「税抜価格」で、税込経理の場合は「税込価格」で判定

されます。つまり、取得価額が小さくなる税抜経理の方が、法人税を計算する上では有利になります。

一方、法人税には「税額控除」という制度があります。これは、取得価額の一定割合について、法人税の負担を減らしてくれる制度です。この制度を適用する場合の取得価額も、

税抜経理の場合は「税抜価格」で、税込経理の場合は「税込価格」で計算

することになります。この場合には、取得価額が大きくなる(つまり、税額控除額が大きくなる)税込経理のほうが有利です。ただし、税額控除については適用される取得価額が多額な設備投資に限られていることがほとんどです。

自社の納税額にどのような影響があるかは、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

4)交際費の観点から

交際費の観点からは、税抜経理に軍配が上がります。

中小企業の場合、交際費は原則として800万円まで費用にすることが認められていますが、この交際費についても税抜経理と税込経理とで取り扱いが変わってきます。

  • 税抜経理の場合は、「税抜価格」で800万円まで費用として処理できる
  • 税込経理の場合は、「税込価格」で800万円まで費用として処理できる

そのため、税込経理の場合、実質的には本体価格で727万円(800万円×100/110)までしか費用として認められないということになります。

交際費が年間727万円を超える企業については、税抜経理を選ぶ方法がよいでしょう。

3 実際の経理処理を見てみよう

税抜経理は売上高や経費を「税抜価格(本体価格)」で計上し、消費税は「仮受消費税」や「仮払消費税」といった消費税専用の勘定科目に計上します。

一方、税込経理は売上高や経費を「税込価格」で計上し、消費税は期末に算出される納税額を一括して「租税公課」に計上します。

具体的にどのような仕訳を計上するのか、例を見てみましょう。

取引別の仕訳例

なお、税抜経理でも税込経理でも、最終的な利益の金額は同じになります。

経理方式別の損益計算書

以上(2025年12月更新)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 森浩之)

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【契約書の実務(3)】契約内容の変更・訂正時のルールを確認

1 混乱しがち? 郵送による契約締結の手順

1)手順を整理することが大切

契約書を郵送でやり取りする場合、無駄なやり取りがないようにしたいものです。X社とY社が契約書を締結するとして、2社とも印紙に消印する場合の流れは次の通りです。

1.X社の手続き

  • 契約書(A):X社の署名等。契印と割印。印紙にX社の消印
  • 契約書(B):X社の署名等。契印と割印
  • 契約書(A)と(B)を、簡易書留等、Y社が受領した記録が残る方法で郵送

2.Y社の手続き

  • 契約書(A):Y社の署名等。契印と割印。印紙にY社の消印(X社とY社の署名等、契印と割印、消印がそろうので、Y社が保管)
  • 契約書(B):Y社の署名等。契印と割印。印紙にY社の消印
  • 契約書(B)を、簡易書留等、X社が受領した記録が残る方法で郵送

3.X社の手続き

  • 契約書(B):印紙、X社の消印(X社とY社の署名等、契印と割印、消印がそろうので、X社が保管)

2)契約書の保管

締結後の契約書は紛失しないように保管します。保管方法については、「文書管理規程」などの社内規程で定められているときは、それに従います。

一般的には、

契約当事者>契約書の内容>時系列(新しい順か古い順)

の順番に整理するとよいでしょう。また、複数のファイルごとに保管しているときは、契約当事者名などを一覧にした目次を作成してファイルにとじておくと、契約書を探しやすくなるので便利です。

3)締結済みの契約書をペーパーレス化したい場合

紙ベースで締結した契約書は、保管場所が必要なことや、テレワークの際などに確認できないため、スキャンし、データとして保管しておきたいと考えるかもしれません。この場合、法的に次のような保存要件が定められています。

  • 真実性の確保:認定タイムスタンプ(日本データ通信協会の認定を受けた事業者が発行するタイムスタンプ)または適切に訂正・削除の履歴が残るか、できなくするためのシステムの利用か、方法を定めた社内規程があること
  • 関係書類の備付:どのように電子化するのかを定めたマニュアルが備え付けられていること
  • 見読性の確保:納税地で画面とプリンターで契約内容が確認できること
  • 検索性の確保:主要項目を範囲指定および組み合わせで検索できること
  • すみやかな保存:契約書を作成または受領してから、速やか(おおむね7営業日以内)にスキャンし保存すること

上記を満たした上で、納税地でデータを7年間(欠損金の繰越控除をする法人は、最長で10年間)保存する義務が定められています。データさえあれば問題ないということではないので、契約書をスキャンして保存する場合は注意が必要です。

2 締結済みの契約書の内容を変更するには?

1)重要な条項の変更や変更箇所の多いとき

締結済みの契約(以下「原契約」)の内容を変更することはよくあります。その際には、次のような方法で行うのが一般的です。

  • 原契約を失効させて、新たな契約の内容を記載した契約書を締結する
  • 原契約は有効としたままで、変更する部分を記載した「覚書」等を締結する

契約書は契約当事者の合意内容を記載した重要な書面です。契約内容の読み間違いや、書面の紛失等があってはならないので、重要な条項の変更や変更箇所が多岐にわたるときは、新たな契約書を締結することが多くなります。

これ以外にも、原契約の内容を変更する方法を決めるときには、次の点を考慮します。

2)変更の回数

何度も契約書を締結すると、書面の数が多くなるので、契約内容の読み間違いや、書面の紛失といったことが起こりやすくなります。こうしたときは、今回の変更箇所だけでなく、過去の変更箇所全てを反映させた新たな契約書を交わしたほうがよいでしょう。

3)契約書の確認に伴う手間

法務の担当者が契約書の内容を確認するときは、新たな契約書であれば、変更しない点も含め全ての条項を確認することになるので、手間がかかることがあります。こうしたときは、変更する条項のみを記載した契約書を交わしたほうがよいでしょう。

4)印紙税の納付

契約を変更して新たに契約書を作成した場合に、その契約書が、印紙税が課税される課税文書であるときは、改めて印紙税を納付しなければなりません。ただし、契約内容の一部を変更した場合、その変更部分のみを記載した契約書を作成すれば課税文書に該当せず、印紙税が不要になることがあります。こうしたときは、税負担を軽減するために、変更した契約内容のみを記載した文書を交わしたほうがよいでしょう。

なお、原契約に定めている事項のうち、「重要な事項」の変更のために作成した文書は課税文書となり、印紙税の納付が必要です。一方、原契約に定めている事項のうち、「重要な事項」を含まない変更のために作成した文書は課税文書に該当せず、印紙税の納付は必要ありません。「重要な事項」は、印紙税法基本通達別表第2「重要な事項の一覧表」において、課税文書の種類ごとに定められています。

3 締結済みの契約書の内容を変更するときの注意点

1)新たな契約書を締結するときのポイント

新たな契約書を締結するときは、新旧の契約が併存し矛盾することのないように、原契約を失効させます。具体的には、原契約が失効する旨を新たな契約書の前文などで定めたり、その旨を定めた「合意解約書」などを別途交わしたりします。実務的には書面作成などの手間を軽減できる前者のほうが多いようです。

新たな契約書の前文に定めるときの文例は次の通りです。

本契約の成立により、甲乙間で○年○月○日に締結した「□□に関する契約書」は失効するものとする

また、契約の一部を変更し、変更部分のみを記載した契約書を作成する場合には、「覚書」や「念書」等の標題が用いられることが多いようです。このような文書を締結するときには、どの原契約に対するものなのかを特定する必要があります。具体的には、覚書等の前文に定めることが多いようです。

覚書等の前文に定めるときの文例は次の通りです。

甲と乙とは、甲乙間で○年○月○日に締結した「□□に関する契約書」について、以下の通り、その内容を変更することを目的として覚書を締結する

2)新旧対照表の作成

締結済みの契約書の内容を変更するときには、変更した条項が一目で分かるように「新旧対照表」を作成することがあります。新旧対照表は、新たな契約書や覚書等の別紙とすることもありますが、実務担当者等の参考資料として作成することもあります。

新旧対照表の例は次の通りです 。

新旧対照表の例

4 契約書の訂正に関する注意点

1)契約書を訂正する方法

訂正印は、一般的には、訂正箇所に二重線を引いて押印することをいいます(訂正の方法は法令で定められているわけではありませんので、他にも方法がありますが今回は省略します)。また、捨印により訂正することもあります。捨印は、書面の内容に訂正が生じることを予見して、あらかじめ文書の欄外に押しておくものです。捨印で修正する場合は、正しい字句に訂正し、訂正箇所を明らかにした上で、余白に「加筆○字」「削除○字」などと記載します。

訂正印の例と捨印の例は次の通りです。

訂正印の例

捨印の例

2)捨印の押印は慎重に

捨印には、契約書に誤りがあったときに、すぐに対応できるというメリットがあるものの、知らないところで、契約書の内容を勝手に書き換えられてしまうという重大な危険性があります。そのため、原則として「捨印」は使用しないようにしましょう。もし、相手方から捨印を求められた場合は、安易に応じずに弁護士などに確認しましょう。

以上(2026年1月更新)
(監修 弁護士 八幡優里)

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「自分はまだ若い!」と思っている高齢社員の労災はどう防ぐ?

1 2026年4月から、高齢社員の労災防止が努力義務化!

人材不足の日本では、高齢社員に頼らざるを得ない部分がますます大きくなっていますが、高齢社員は若年社員よりも労働災害(労災)に遭いやすいのが現実です。2024年に発生した労災によって4日以上の休業を余儀なくされた死傷者数は13万5718人、このうち60歳以上が4万654人と、全体の約30%を占めています。

年齢階級別の労災による死傷者数(休業4日以上)

2026年4月からは、労働安全衛生法において、

高齢社員に対する労災防止措置(高齢社員の特性に配慮した作業環境の改善、作業管理など)を講ずることが会社の努力義務

となりますが、この努力義務の存在を抜きにしても、人間は誰しも加齢とともに身体機能が低下していく以上、労災のリスクが高まります。ですから、高齢社員を多く抱える会社ほど対策は必須といえるでしょう。具体的な対策のポイントは、

  • 身体機能の中で、特に低下しやすいものを押さえる(平衡機能、聴力など)
  • 高齢社員に「労災に遭いやすい」ことを気付かせる(健康診断、体力テストなど)
  • 身体機能に配慮し、高齢社員の働き方改革を図る(役割分担、労働時間など)

です。以降でそれぞれについて、確認していきましょう。なお、厚生労働省「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)」では、高齢社員が安全に働ける職場環境づくりや労災防止のポイントなどがまとめられていますので、こちらも併せてご確認ください。

厚生労働省「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10178.html

2 身体機能の中で、特に低下しやすいものを押さえる

まずは、加齢とともに身体機能がどの程度低下するのかを押さえましょう。図表2は、20~24歳ないし最高期の身体機能を100とした場合の、55~59歳における各種機能の水準です。赤字の身体機能は、水準が50未満に低下しているもので、特に注意が必要です。

55~59歳における各種機能の水準

赤字の機能に注目した場合、業務において、次のような問題が生じることが考えられます。

  • 夜勤後体重回復:夜勤で減少した体重が回復しにくく、疲れやだるさを感じる
  • 平衡機能:直立姿勢時の重心動揺が大きくなり、転倒しやすくなる
  • 皮膚振動覚:振動に対する感覚が鈍化し、機械の異常などに気付きにくくなる
  • 聴力:騒音時の声などが聞こえにくく、「危ない」と言われても気付かない
  • 薄明順応:暗い場所で作業をしようとしても、目が慣れず、物が見えにくい

3 高齢社員に「労災に遭いやすい」ことを気付かせる

高齢社員の中には「自分はまだ若い!」と思っていて、体の衰えを自覚していない人が少なくありません。そのため、高齢社員に対し「労災に遭いやすい」ことを気付かせることが大切です。具体的には次の通りです。

1)就業規則などに盛り込み、経営者の姿勢を示す

就業規則その他社内規程(安全衛生管理規程など)において、高齢社員の労災防止に関する事項を定めたり、安全委員会や衛生委員会の設置義務がある会社であれば、委員会の調査審議事項に盛り込んだりして、

経営者が本気で高齢社員の労災防止に取り組ようとしていることを社内に周知すること

が重要です。高齢社員が健康を意識するようになると、自分の健康状態について、会社に相談したくなるかもしれませんので、「相談窓口」などを設置するとさらに効果的です。

2)健康診断を実施する

高齢社員の健康状態は、毎年実施する定期健康診断である程度把握できます。パート社員等(週の所定労働時間が正社員の4分の3未満の社員)については、定期健康診断の実施義務はありませんが、高齢のパート社員等が多い場合は、実施対象者に含めるのが望ましいでしょう。定期健康診断では、

聴力、自覚症状や他覚症状(所見)の有無などが確認できますし、健診機関によっては「平衡機能検査」などのオプション検査も実施

します。高齢社員も、今の自分の健康状態が分かれば、無理をせず慎重に行動するようになるのではないでしょうか。

3)体力テストを実施する

高齢社員が自分の健康状態を正しく把握できるよう、体力テストを実施するのもよいでしょう。例えば、厚生労働省「職場のあんぜんサイト」では、転倒防止の観点から、筋力、敏捷性、静的バランスなどを簡単にセルフチェックできるテストとして、

  • 2ステップテスト[歩行能力・下肢筋力]
  • 座位ステッピングテスト[下肢の敏捷性]
  • ファンクショナルリーチ[動的バランス能力]
  • 閉眼片足立ち[静的バランス能力]
  • 開眼片足立ち[静的バランス能力]

が紹介されています。例えば、図表3は「2ステップテスト[歩行能力・下肢筋力]」の内容です。「評価値」が低いほど転倒のリスクが高まります。

2ステップテスト[歩行能力・下肢筋力]

厚生労働省「職場のあんぜんサイト(身体的能力のセルフチェック)
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/information/tentou1501_14.html

4 身体機能に配慮し、高齢社員の働き方改革を図る

高齢社員に対して、気付きを促すといっても、本人の努力だけで労災をゼロにすることは困難です。健康診断の結果などから高齢社員の傾向をつかんで、会社側でも労働条件を工夫し、労災が起きにくい環境を整えることが大切です。具体的には次の通りです。

1)社内設備を変える

高齢社員が働きやすいよう、社内設備を改善しましょう。例えば、転倒防止対策として、転びやすい場所に手すりを設置する、暗くて作業がしにくい場所の照明を増やすといったことが考えられます。

2)役割分担を変える

人手不足の会社などでは、高齢社員も多くの業務を担当せざるを得ませんが、労災リスクの高い業務については、部分的に若手に任せることを検討してみましょう。例えば、運送業の会社で、高齢社員が梱包・運搬・開梱の全てを担当している場合、

高齢社員は、梱包と開梱だけに専念してもらい、運搬は若手社員に任せる

などして、転倒や腰痛などのリスクを低減します。役割変更が難しい場合は、高齢社員にアシストスーツの着用を義務付けるなどして、身体への負担軽減を図りましょう。

3)労働時間を変える

高齢社員の身体機能を考慮して、労働時間を工夫することも大切です。例えば、疲れが取れにくいという高齢社員の場合、

  • 夜勤はやめて日中の短い時間に勤務する(高齢社員が複数いる場合はシフト制にする)
  • 休日を増やす

ことなどが考えられます。

以上(2026年1月更新)
(監修 のぞみ総合法律事務所 弁護士 曽田駿希)

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【2026年1月最新版】ビジネスマッチングサービス公開!


↑こちらから内容をご閲覧いただけます!↑

このたび、とくぎんサクセスクラブと香川ニュービジネスクラブ(香川銀行)と合同で、企業間の新たなビジネス機会創出を目的としたビジネスマッチングサービス「TOMONY BUSINESS INFORMATION 2026.1」を公開いたしました。

本サービスには、各地域で活躍する多様な業種の会員さまの事業内容、マッチング希望情報などを掲載しており、新たな取引先や提携先の開拓に向けたヒントやきっかけを見つけていただける構成となっております。

本サービスが、会員さまの更なる発展ならびに有益なビジネスパートナーとのご縁を築く一助となれば幸いです。是非ご一読いただき、有効にご活用くださいますようお願い申し上げます。

ご覧いただく中でご関心をお持ちの事項がございましたら、事務局までお問合せください。

【連絡先】とくぎんサクセスクラブ事務局(徳島大正銀行 法人推進部内)
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以上(2026年1月作成)

【朝礼】目標を確実に達成するための「SMARTの法則」

【ポイント】

  • 目標を立てても熱意が長続きしないという人は、目標の立て方に問題がある
  • S(具体的)・M(測定可能)・A(達成可能)・R(関連性)・T(期限)を意識する
  • 特にR(関連性)が重要、個人のスキルアップを組織の成果に結びつけよう

新年を迎え、皆さんも新たな目標を立てられたと思います。とはいえ、年初には意気込むものの、数カ月後には当初の熱意を失い、やがて目標自体を忘れてしまう、というのはよくある話です。そこで今日は、ジョージ・T・ドラン氏が提唱した目標設定の基本「SMARTの法則」を紹介します。

「S」はSpecific(具体的)。「営業力を上げる」ではなく、「新規顧客を月3件開拓する」。「スキルアップする」ではなく、「毎週5時間学習し、6月までに簿記2級を取得する」。誰が読んでも同じイメージを持てる言葉で表現することが重要です。

「M」はMeasurable(測定可能)。進捗が数値で見えなければ、今自分がどこにいるのか分かりません。「顧客訪問数」「受注率」「学習時間」など、測定できる指標を必ず設定してください。測定できなければ、改善もできません。

「A」はAchievable(達成可能)。高い目標は素晴らしいですが、初めから「不可能」と分かっている目標は、ただの願望です。現状のリソースとスキルで、努力を重ねれば届く。その絶妙なラインを見極めることが、継続の鍵です。

「R」はRelevant(関連性)。ここが最も重要です。仕事上の目標を立てる場合、その目標は会社の方針や部門の目標とつながっているでしょうか。個人のスキルアップが組織の成果に結びついて初めて、目標には「意味」が生まれます。自己満足で終わる目標では、周囲の協力も得られません。

「T」はTime-bound(期限)。「いつか」は永遠に来ません。「3月末までに」「第2四半期中に」と明確な期限を設定することで、逆算して今日すべきことが見えてきます。

私の今年の目標は、「毎月、部門の主要メンバー全員と1対1の面談を実施し、来年3月末までに従業員満足度調査のスコアを10ポイント向上させる」です。ちなみに、最も重要な「R」の部分は、会社の「人材定着率向上」という経営課題とひもづいています。皆さんもぜひ、このように目標を立ててみてください。SMARTな目標設定で、個人もチームも組織も成長する一年にしましょう。

以上(2026年1月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【契約書の実務(2)】印鑑レスでも知っておくべき押印のルール

1 署名と記名の違い

署名と記名は似た言葉ですが、明確な違いがあります。

  • 署名:本人が自筆で自分の名前を記すこと
  • 記名:署名以外の方法(ゴム印、パソコンの印字など)で自分の名前を記すこと

署名または押印があると、その文書はその当事者の意思に基づいて真正に作成されたものだと推定されます。「『署名』または『記名+押印』」があればよいので、署名があれば押印は不要ですが、実務上は押印することが多いです。一方、記名の場合、押印がなければ署名と同様の効果はありません。端的に表すとこんな感じです。

  • 署名のみ:信用力が高い
  • 署名+押印:信用力が高い
  • 記名+押印:信用力が高い
  • 記名のみ:信用力が低い

契約当事者が個人の場合、戸籍上の姓名を記載するのが原則ですが、

  • 個人を明らかに特定できる場合、俗称やペンネームで署名等とすること
  • 個人事業主の場合、「○○商店」などの商号や屋号で署名等をすること

ができます。ただし、契約内容に関わる主体が明らかであることが求められるので、商号や屋号だけで契約をすることはできません。例えば、「○○商店こと□□□□」(「□□□□」は個人事業主名)などと記載する必要があります。

法人の場合、「商号」「代表資格」「代表者の氏名」を記載する必要があり、通常はそれに続いて「登録印(実印)」を押すことになります。ただし、実務的には「登録印(実印)」とは別に「認印(契約印)」を用意している会社が多いでしょう。

なお、一定の要件に該当する場合、契約当事者が代表者ではなく事業部長等でも、法律上有効なことがあります。例えば、

  • 事業部長等が会社法で定められた「支配人」に該当し、当該事業に関する包括的な代理権を有している
  • 個別の契約締結につき法人から代理権が与えられている

といった場合です。なお、会社法第10条および第11条で、支配人は会社等から選任された商業使用人で、「その事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する」とされています。

2 多くの場合、押印は不要

契約書に押印するのは当たり前と考えられていますが、実は多くのケースで押印が法的に求められているわけでありません。つまり、

押印がなくても契約は有効

になります(不動産会社が作成する重要事項説明書など、押印が必要な文書もあります)。にもかかわらず押印がされるのは、押印によってその文書が真正であると推定しているからです。

一方、電子契約も浸透しています。電子契約では押印はしませんが、

電子署名を利用して契約を締結

します。認定を受けた認証機関で手続きを行って電子文書をやり取りすれば、電子署名にも押印と同じ効力が認められます。

このような事情から「印鑑レス」が進んでいるわけですが、契約は相手の意向も大きく関係します。自社が押印不要である旨を説明しても、相手方が希望する場合、それに応じなければ契約が進まないことがあるのも事実です。そこで以降では、契約に伴う印鑑の利用に関する基本的なルールを紹介します。

3 押印に関する基本的なルール

1)押印に使用する印鑑の種類

通常のビジネスの契約書であれば、

登録印(実印)でも認印(契約印)でも、契約書の法的効力は同じ

です。ただし、重要な契約のときは、「第三者が勝手に押印をした」といったトラブルを避けるため印鑑登録されている印を使用し、併せて印鑑登録証明書を提出することもあります。また、法人の場合は登記簿謄本、個人の場合は運転免許証等の身分証明書、個人事業主の場合は開業届等を確認することも、トラブル防止の観点からは大切です。

2)押印する位置

署名や記名に掛からないように押印されている場合や、掛かるように押印されている場合がありますが、印影がはっきりしていれば、どちらでも問題ありません。

押印する位置

3)契印と割印に関する注意点

契印と割印は、どちらも契約書の偽造防止等のためにするものです。

契印は、複数ページの契約書を作成したときに、各ページが1つの書面を構成することを示します。また、勝手に差し替えられたりしないようにもしています。

割印は、複数の部数の契約書を作成したときに、各書面が同一または関連したものであることを示すために、各書面にまたがって押印することをいいます。

契印と割印

契印と割印

契印や割印がなくても、法的な問題はありません。また、押印する印鑑の種類や押印する者についても決まりはありません。ただし、契印や割印の意味を鑑みて、重要な契約の場合は署名等に使った印鑑を用いて、全ての契約当事者が契印や割印をするのがよいともいえます。

4 収入印紙と消印に関する注意点

1)印紙税とは

印紙税は、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受領書などに課税される税金です。印紙税の対象となる文書を「課税文書」と呼びます。ビジネス上の契約書の多くは課税文書なので、印紙税の納付が必要になることが多くなります。課税文書は20種類あり、印紙税額が異なります。契約書がどの種類に該当するかは、契約書のタイトルではなく内容で判断します。

2)電子契約の場合の印紙の扱い

電子契約の場合、現時点では印紙税は課税されません。印紙税は課税文書の作成者が納税者となります。ここでいう「作成」とは、紙の書面にて交付することをいいます。つまり、電子契約は紙の書面ではないので課税文書の「作成」に該当せず、現状では印紙税は課税されない扱いです。

3)印紙税の納付の方法

印紙税は契約書に収入印紙を貼り付けることで納付します。貼り付ける場所は契約書上部の余白部分とするのが通常ですが、特に制限はありません。また、収入印紙は、原則として作成した契約書の全てに貼り付けます。

収入印紙を貼り付けたときは、収入印紙と契約書の双方に掛かるように押印します。これを「消印」と呼びます。消印は、収入印紙の再使用を防止するためのものなので、押印する印鑑は何でもよく、ボールペンなどでチェックを付けることでも問題ありません。

消印

4)印紙税の負担者

契約書は、契約当事者がそれぞれ1通ずつ保管するのが通常ですが、課税文書を2人以上の者が共同して作成した場合は連帯して印紙税を納める義務を負います。そのため、自己が所持している契約書のみに印紙を貼っても、印紙税の納付義務を完全に履行したことにはならず、他の者が所持している契約書にも印紙を貼る必要があります。

ただし、契約当事者間の関係では、各自が負担する割合を自由に決めることが可能であり、特定の契約当事者が全額負担するといった合意も可能であるので、事前に負担方法を相手方に確認しましょう。

5 契約締結日に関する注意点

契約書に記載する契約締結日は、契約内に特段の定めがない限り、

原則として契約の効力発生日となり、全ての契約当事者の署名等が完了した日

とするのが通常です。例えば、全ての契約当事者が集まって手続きをするときは、その日が契約締結日となります。また、郵送でやり取りするときは、最後の契約当事者が署名等をした日となります。

なお、契約締結日と効力発生日が違う場合は、契約の効力がいつから発生するかが分かるように記載します。

ただし、実務的には契約締結日を違う日にすることもあります。この場合、特に注意が必要なのが、過去の日付に遡って契約を締結する場合です。「過去の実態と乖離(かいり)している」「過去の法律や制度との整合性が取れていない」など、さまざまな問題が発生する恐れがあります。他にも、契約当事者間で争いが生じた場合に、相手方からだまされて契約を結ばされた、などの主張がなされる恐れもありますし、脱税目的で過去の日付に遡らせたのではないかと税務署に疑われる恐れもあります。

このように契約締結日は法律上重要な意味合いを持っています。いずれにしても、契約締結日については、必要に応じて相手方や上司、法務担当者と相談するようにしましょう。

以上(2026年1月更新)
(監修 三浦法律事務所 弁護士 磯田翔)

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画像:photo-ac