目次
1 Z世代の新入社員とのコミュニケーションに悩む人たちへ
現在、10~20代の新入社員は、いわゆる「Z世代」(1990年代半ば~2010年代初頭生まれ)と呼ばれる人たちです。先輩社員は「せっかくわが社を選んで入社してくれたのだから、しっかり育てよう」とはりきりますが、ジェネレーションギャップは世の常。新入社員の行動や態度に悩まされることも多いのではないでしょうか。
例えば、SNSなど特定のコミュニティ内での会話やスマホなどの扱いに慣れているために、
- 対面でのコミュニケーションが苦手で、挨拶がちゃんとできない
- 友達感覚の話し方が抜けきらず、敬語が正しく使えない
- 大学の講義の黒板も写メで撮るのが当たり前だったので、メモを取る習慣がない
といった話などはよく聞きます。「ビジネスパーソンとして非常識だし、ちゃんと注意したほうがいいのかな……」「それとも、これも時代だと思って、新入社員に合わせたほうがいいのかな……」と、先輩社員の心境は複雑です。
そこで、この記事では
直近3年間で10~20代の新入社員を採用した会社に勤める「30代以上の先輩社員310人」に「新入社員の気になった行動・態度」や「新入社員への注意の仕方」をアンケート
した結果をまとめました(実施期間:2026年6月6日~6月12日)。ぜひ、自分と同年代の社員がどう考えているのかをご確認ください。
2 新入社員の行動や態度について、思うところがあるか
まずは、新入社員の行動や態度に、困惑したり違和感を覚えたりしたことはあるかを聞きました。先輩社員の回答は次の通りでした。

先輩社員の46.2%は、新入社員の行動や態度について、思うところがあるようです。
3 具体的にどのような行動や態度が気になったか
新入社員の行動や態度について、困惑したり違和感を覚えたりしたことが「ある」と回答した先輩社員に、具体的にどのような行動や態度が気になったかを聞きました。

「挨拶をしない」という回答が38.5%と最も多く、次いで「声が小さい」「愛想がない」の34.1%が続きます。
4 実際に新入社員を注意したことがあるか
同じく、新入社員の行動や態度について、困惑したり違和感を覚えたりしたことがある先輩社員に、実際に新入社員を注意したことがあるかを聞きました。

「たくさん注意した」「まあまあ注意した」が合計51.7%となりました。問題があったら注意するスタンスの先輩社員、注意するのが苦手な先輩社員が、大体半々ずついるようです。
5 注意した/しなかった理由は何か
前章で新入社員を「たくさん注意した」「まあまあ注意した」と回答した先輩社員に「注意した理由」を、「あまり注意しなかった」「一度も注意したことがない」と回答した先輩社員に「注意しなかった理由」を聞きました。

「注意した理由」は、「仕事に支障を来すから」が38.3%と最も多く、次いで「新入社員に成長してほしいから」の31.9%が続きます。「仕事を進める上で必要だと思ったら注意する」というスタンスの先輩社員が多いようです。
「注意しなかった理由」は、「下手に注意してハラスメントと言われたくないから」が50.0%と最も多く、次いで「多様性の時代、無理に会社の常識に当てはめる必要はないから」の25.0%が続きます。ハラスメントになるのを恐れて新入社員を注意できない先輩社員が多いようです。また、「仕事をちゃんとやってくれるなら、あとは本人に任せよう」というスタンスの人も一定数いるようです。
6 具体的に何を注意したか
新入社員を注意したことがある(図表3で「一度も注意したことがない」以外の回答をした)先輩社員に、具体的に何を注意したのかを聞きました。

「言葉遣い(独特の表現、敬語が正しく使えない、タメ口など)」という回答が21.1%と最も多く、次いで「メモを取らない」「指示されたことをやらない」「指示されたことしかやらない」「始業時刻(定時)ギリギリに出社する」の19.7%が続きます。
7 新入社員の行動や態度は改善したか
同じく、新入社員を注意したことがある先輩社員に、注意した結果、新入社員の行動や態度が改善したかを聞きました。複数の新入社員を注意した経験がある先輩社員には、1人でも改善した新入社員がいるかを回答してもらいました。

45.1%の先輩社員が「改善した」と回答しています。
8 改善につながった/つながらなかった理由は何か
新入社員の行動や態度が「改善した」「改善しなかった」と回答した先輩社員に、それぞれそう思う理由を聞きました。

注目したいのは赤字の部分です。「改善につながった理由」「改善につながらなかった理由」の上位5つのうち3つが同じ内容になっています。これはもしかしたら「注意の仕方」の問題かもしれません。
例えば、「『それは正しいかな?』など、やんわりとした言い方をした」は、「改善につながった理由」の3位(25.0%)、「改善につながらなかった理由」の1位(29.6%)になっていますが、改善につながらなかったという先輩社員は、
優しく諭すことを意識しすぎて、「新入社員のやり方は間違っている」ということをちゃんと伝えられなかった
のかもしれません。改善につながらなかった理由の2位(22.2%)に「優しめのトーンで叱った」が入っているのも、このあたりが関係している可能性があります。一方で、「改善につながらなかった理由」には「厳しめのトーンで叱った」(14.8%)も挙がっており、トーンの強弱だけが改善を左右するとは言い切れません。タイミングや場所の選び方、新入社員側の受け止め方なども影響している可能性があります。いずれにしても、暴言などハラスメントに当たるような指導はダメですが、
「何が間違っているか」「なぜ間違っているのか」を丁寧に説明した上で、先輩として毅然と指導する
という意識は大切かもしれません。
9 いわゆる「ゆるブラック企業」についてどう思うか
労働環境はしっかりしているが、優しすぎて社員が仕事にやりがいを感じられない「ゆるブラック企業」が最近話題になっています。先輩社員全員に、ゆるブラック企業についてどう思うかを聞いてみました。

先輩社員の43.7%は自社もゆるブラック企業かもしれないと思っている一方、38.6%はやりがいをちゃんと伝えられている自信があるようです。
前述の図表4では、問題があると感じても「ハラスメントと言われたくない」という理由から新入社員を注意できない先輩社員が多かったですが、こうした状況が続けば、職場全体がなんとなく「注意しない・されない」雰囲気になり、意図せずゆるブラック企業化が進むリスクもあります。
新入社員が成長できる環境をつくるためには、ハラスメントにならない適切な指導の仕方を会社として整理し、先輩社員が安心して指導できる土台を整えることが重要といえるでしょう。
以上(2026年7月更新)
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画像:Paylessimages-Adobe Stock



































