少しだけ未来を見る、経営者のための月次ニュースレターです。7月、経営者が押さえておきたい法令・イベント・統計・政策の動きなどを紹介します。
1 制度改正編
7月に予定されている制度改正のうち、中小企業経営者が特に注意すべき2本を紹介します。
1)障害者雇用率の引き上げ(2026年7月1日~)
障害者雇用促進法では、常時雇用している社員数が一定以上の会社に対し、社員のうち身体障害者・知的障害者・精神障害者が占める割合を、一定の割合(障害雇用率)以上にするよう義務付けています。
障害雇用率は段階的に引き上げられています。これまでは、社員が40人以上の会社に対し、社員数の2.5%に相当する人数以上の障害者を常時雇用する義務が課せられていましたが、2026年7月1日からは、社員が37.5人以上の会社に対し、社員数の2.7%に相当する人数以上の障害者を常時雇用する義務が課せられます。
▶ 経営者のTo Do
- 自社が障害者雇用促進法の「法定雇用率」義務付けの対象となるかどうか確認する
- 障害者の労務管理を見直す(「障害者だから」という理由だけで差別をしていないか、障害者が働く上で必要な配慮(合理的配慮)ができているか など)
■高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用率制度」■
https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/q2k4vk000003mbma.html
2)旅券(パスポート)の申請手数料引き下げ(2026年7月1日〜)
旅券法、旅券法施行令の改正により、2026年7月1日以降の申請分から旅券(パスポート)の申請手数料が引き下げられます。これに伴って、2026年7月1日以降の申請分は、申請が受理された日から交付までに通常(約2週間)よりも時間を要することが想定されます。

▶ 経営者のTo Do
- 旅券(パスポート)の有効期間を確認する
- 海外渡航を予定しているが、旅券(パスポート)を取得していない、または有効期間が過ぎている場合、十分な余裕をもって申請する
■外務省「旅券手数料改定 関連情報」■
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/pss/pagew_000001_02493.html
2 イベント編
1)ワールドカップ2026 決勝トーナメント
4年に1度のサッカーの祭典、ワールドカップ2026。グループステージを突破した32チームによる決勝トーナメントが6月29日に始まり、7月20日には決勝戦を迎えます(いずれも日本時間)。日本代表チームは決勝トーナメント1回戦の対ブラジル戦で敗退しましたが、どの国が優勝するのか、誰が得点王になるのか、最後まで注目です。
2)富士山 山開き
富士山の開山期間は例年7月上旬~9月10日。この約2カ月間で、バスターミナルがある五合目には200万人以上、通行料の徴収など入山規制が行われるようになった今でも、山頂には20万人を超える登山客が訪れるといいます。
誰でも登って降りてこれると思うかもしれませんが、気温の変化や風の影響が非常に大きいため、十分な装備と準備が不可欠です。なお、2026年の開山予定は、吉田口・須走口が7月1日、富士宮口・御殿場口・山頂(お鉢めぐり)が7月10日です(6月25日時点)。
■富士山における適正利用推進協議会「富士登山オフィシャルサイト」■
https://www.fujisan-climb.jp/
3)メジャーリーグベースボール(MLB)オールスターゲーム2026
毎年7月に開催されるMLBオールスターゲーム。アメリカンリーグ、ナショナルリーグからファン投票や監督推薦などで選抜された名選手たちによる1試合限りの夢の競演です。
米国建国から250周年の節目に当たる今年のMLBオールスターゲームは、独立宣言採択の地フィラデルフィアのシチズンズ・バンク・パークで7月15日(日本時間)に開催されます。大谷翔平選手(ドジャース)ら、日本人メジャーリーガーの活躍も期待されます。
■MLB All-Star Game 2026■
https://www.mlb.com/all-star
4)第38回 ものづくり ワールド [東京]
7月1日〜3日にかけて、東京ビッグサイトにて開催される日本最大級の製造業の展示会です(主催:RX Japan)。IT、DX製品、部品、設備、装置、計測製品などを扱う企業(約2000社)が世界中から出展します。
■ものづくり ワールド [東京] 公式サイト■
https://www.manufacturing-world.jp/tokyo/ja-jp.html
5)メンテナンス・レジリエンス2026
7月15日〜17日にかけて、東京ビッグサイトにて開催される「製造業」「土木・建設業」のメンテナンスと設備の維持管理・保全に特化した専門展示会です(主催:日本能率協会)。インフラ老朽化対策や激甚化する自然災害への備え、深刻な人手不足といった社会課題の解決を目指し、建設・土木業界、製造業、自治体などの関係者が一堂に会する大型展示会で、計11の専門展示会によって構成されています。
■メンテナンス・レジリエンス2026■
https://mente.jma.or.jp/
3 統計・政策情報編
7月は日銀短観(四半期ごと)の公表が行われる他、春闘(春季生活闘争)の妥結結果が固まる時期でもあります。図表2に、本章で取り上げる統計・政策文書の一覧を示します。

1)日銀短観(全国企業短期経済観測調査)6月調査
日本銀行が全国の企業などに直接アンケートを行い、景気が「良い」と答えた割合から「悪い」を引いた景況感(業況判断DI)を算出します。
2月末から数カ月にわたり長期化しているホルムズ海峡封鎖に伴うナフサショックや、円安などの影響が、経済活動にどの程度ダメージ(仕入価格の上昇・収益の圧迫)を与えているかが初めて明確なデータとして表れます。特に注目すべきは、中小企業の「仕入価格判断DI」と「販売価格判断DI」の乖離幅です。他の中小企業が原材料などの高騰分をどれくらい価格転嫁できているかを紐解くヒントとなります。
■日本銀行「短観(調査全容)一覧 2026年~」■
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/zenyo/2026/index.htm
2)2026年春闘 第7回(最終)回答集計
連合(日本労働組合総連合会)から、2026年春闘の第7回(最終)回答集計が公表されます。賃上げ率・賃上げ額の最終的な「相場」が分かる他、組合員数300人未満の「中小組合」の賃上げ状況も別掲されるため、大手と中小の賃上げ格差を確認できます。
ここ数年、約30年ぶりともいわれる高水準の賃上げが続いており、2026年春闘では「こだわろう! くらしの向上 ひろげよう! 仲間の輪」をスローガンに、全体で賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上の実現が目標として掲げられています。
3)情報通信白書(令和8年版)
情報通信白書は、総務省が公表する、国内外のICT(インターネット・スマホ・通信インフラ・デジタル経済など)の動向や課題、国の情報通信政策の方向性をまとめた白書です。
近年は、爆発的な進化を遂げるAIの技術開発や導入の状況なども掲載されており、会社における今後のAI活用を考える際の参考にもなります。
4)中小企業実態基本調査(令和7年確報・令和6年度決算実績)
中小企業実態基本調査は、中小企業庁が、全国の約11万社の中小企業を対象に毎年実施する業種横断的な実態調査です。中小企業の従業者数、資産・負債・純資産、売上高・営業費用、設備投資とリースの状況など幅広い内容が分かります。
社長(個人事業主を含む)の年齢構成、就任経緯(創業者か親族内承継かなど)、事業承継の意向など、社長個人に踏み込んだ項目も記載されており、事業承継を検討する際の参考にもなります。
■中小企業庁「中小企業実態基本調査」■
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/kihon/index.html
4 話題のタネ
訪問時の雑談のきっかけに。7月ならではのトピックを集めました。
1)七夕は、天気が良くない?
毎年7月7日の「七夕」は、願いごとを書いた短冊を笹竹に飾り、星に祈りを捧げる日本の伝統的なイベントです。織姫と彦星が一年に一度、天の川を渡って会えるロマンチックな日とも言われていますが、梅雨まっただ中のこの時期、晴れる年は少ないようです。
気象庁の基準では、「1日の降水量が1.0mm未満」かつ「日平均雲量が8.5未満」の日を「晴れ」と定義していますが、過去の気象データを基に天気出現率(1991年〜2020年の30年間統計)を計算すると、例えば、東京の7月7日の晴天率は30.0%となります。
■気象庁「過去の気象データ検索」■
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php
2)「海の日」のルーツは?
毎年7月の第3月曜日は国民の祝日「海の日」。海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日です。
1876年に明治天皇が灯台巡視船「明治丸」で横浜港に帰着した7月20日が「海の日」のルーツで、今年は150年目の節目にも当たります。
■政府広報オンライン「2026年の祝日は?知ってそうで知らない『国民の祝日』とその趣旨や経緯」■
https://www.gov-online.go.jp/article/202112/entry-9910.html
3)土曜の丑の日、「完全養殖ウナギ」が食べられる日も近い?
2026年の「土用の丑の日」は7月26日。季節の変わり目である「土用」の期間に巡ってくる「丑の日」に、無病息災を願って「う」のつく食べ物を食べる風習は古くからあり、江戸時代、発明家として知られる平賀源内が土用の丑の日に「ウナギ」を食べる習慣を広めた説もあります。
今年は、水産庁の委託事業で生産された人工種苗のシラスウナギを成鰻まで養殖した「完全養殖ウナギ」の蒲焼きが試験販売され、話題となりました。なお、当初の販売期間は7月20日までの予定でしたが、既に完売状態となっています。
■水産研究・教育機構「完全養殖ウナギ蒲焼の試験販売」■
https://www.fra.go.jp/home/kenkyushokai/press/pr2026/20260520_press_unagi.html
以上(2026年6月作成)
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画像:日本情報マート





















