物流データ連携補助金の3次公募開始 中小事業者が目指すべき生産性向上【経営者とっておきニュース】

国土交通省は2026年8月7日、中小物流事業者の労働生産性向上を目的とした「物流データ連携促進支援事業」の3次公募を開始しました。本事業は、荷主企業2社以上を含む協議会が「物流情報標準ガイドライン」を活用し、共同輸配送や帰り荷確保、輸送経路最適化に向けたデータ連携プラットフォームを構築・運営する取り組みに対して、経費の1/2(1協議会あたり上限4000万円)を補助するものです。申請受付は同年9月18日まで行われます。

本施策の背景には、ドライバー不足や労働時間の制限による物流能力の低下、いわゆる「物流問題」の本格化があります。特に中小のトラック運送事業者では、荷主ごとに異なるデータ形式への対応や、片道輸送による空車率の高さが生産性低迷の大きな要因となっていました。

今回のデータ連携基盤の整備は、荷主や物流ソリューション事業者との垣根を越えた効率化を後押しします。これにより、競合関係にある事業者同士でも車積率向上や空車撲滅を図る「共同輸配送」がスムーズに推進できるようになります。地域の物流網においては、輸配送の集約によってCO2排出削減や輸送コストの抑制が期待され、地元の製造業や流通業の供給網安定化にも寄与します。一方で、標準ガイドラインに沿ったシステム改修や荷主間の調整コストをいかに抑えるかが導入への課題となります。

今後は、データ連携を軸とした企業の枠組みを超えたアライアンス(連携)が標準化すると予想されます。単社での効率化には限界があるため、地域や業界全体で輸送リソースをシェアする動きが加速するでしょう。「自社単独のデジタル化ではなく、サプライチェーン全体での標準化と協調」という視点を持つことが極めて重要です。競合や取引先とデータを共有し合える環境づくりこそが、今後の生き残りを分ける鍵となります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■国土交通省「中小物流事業者の労働生産性向上事業費補助金(共同輸配送や帰り荷確保等のための物流データ連携促進支援事業)の3次公募開始について」■
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_001036.html

以上(2026年8月作成)

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5年ぶり貿易黒字!経常黒字17兆円突破の背景と企業への影響【経営者とっておきニュース】

財務省が2026年8月10日に公表した上半期の国際収支状況(速報)によると、経常収支は17兆4292億円の黒字となり、比較可能な1996年以降で上半期として過去最大を記録しました。この大幅な黒字拡大をけん引したのは、5年ぶりに黒字転換した貿易収支(7421億円の黒字)です。

半導体等電子部品(前年同期比41.1%増)や自動車(同7.1%増)の輸出が大きく伸びたことで、輸出額が59兆1929億円に達しました。サービス収支の赤字幅は拡大したものの、海外投資利子・配当等の第一次所得収支(20兆4914億円の黒字)が全体を力強く支えています。

今回の貿易改善の背景には、対アジアや西欧向けを中心とした世界的な需要回復と、期中平均1ドル=158.24円という歴史的な円安水準があります。円安により外貨建ての輸出金額が大幅に押し上げられました。

この動きは業界や地域経済に明暗双方の影響を与えています。自動車や半導体関連の企業が集積する地域では、大手メーカーの輸出好調に伴い地元サプライチェーン企業への発注増加や雇用・設備投資の活性化というメリットが生まれています。また、海外事業から得られる投資収益(第一次所得)の還元も日本経済の下支えとなっています。

一方で課題も深刻です。円安によるエネルギーや原材料価格の高騰は、内需依存の中小企業を直撃しています。コスト上昇分を十分な価格転嫁につなげられない企業では収益が圧迫されています。さらに、6月単月では経常収支および貿易収支が赤字へ転化しており、海外景気の変動や為替に左右される不透明さが浮き彫りとなっています。

今後は、海外の景気減速懸念や為替の反転リスクにより、上半期のような黒字基調が継続するかは予断を許しません。特に単月での赤字転落は、構造的な不安定さを示唆しています。

単に「円安による価格優位性」に依存するビジネスモデルから脱却し、自社の技術やサービスを高付加価値化し、コスト増を適切に販売価格へ反映できる価格決定力を確保すること、そして自社製品が間接的にでもグローバル市場でどう貢献できるかを意識した事業戦略の構築が不可欠となります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■財務省「令和8年上半期中 国際収支状況(速報)の概要」■
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg2026half.htm
■財務省「令和8年上半期中 国際収支状況(速報)」■
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/bpch2026.pdf

以上(2026年8月作成)

pj10129
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中小企業でAI導入率が2割突破 最新調査で見る課題と活用戦略【経営者とっておきニュース】

中小企業基盤整備機構が発表した最新の実態調査によると、全国の中小企業におけるAI導入率は20.4%に達し、導入検討中の企業も含めると約4割(39.0%)がポジティブな意向を示していることが明らかになりました。本調査は、全国の中小企業10,000社を対象に実施されたWebアンケートに基づきます(調査期間:2025年11月17日~12月12日)。

AIの導入率は20.4%となり、部門別では「総務・管理部門」(68.3%)や「営業・販売部門」(60.3%)で高い水準を見せています。利用されているAIツールの中では「生成AI」が82.6%と群を抜いて高く、音声認識や需要予測を大きく引き離しています。導入目的は「業務効率化・時間短縮」が87.0%で最多でした。

深刻化する人手不足や生産性向上の要請を背景に、導入の手軽な生成AIを中心に活用が進んでいます。次のようなメリットと変化が期待されています。

  • 業務の付加価値化:AIの導入効果として「付加価値創出」を挙げた企業は22.3%と、従来のIT活用(7.4%)を約15ポイント上回りました。単なる自動化を超えた企画・提案精度の向上に貢献しています
  • 業績へのポジティブな連動:直近3年で増収傾向にある企業では、導入目的として「品質向上」を重視する割合が38.6%に達し、減収企業(26.4%)に比べて高い傾向がみられます

一方で、社内の情報不足が大きな障壁となっています。「成功事例や活用事例などの情報」が不足していると感じる企業は83.3%に上り、公的支援に対するニーズでも「導入費用の助成」(77.9%)に次いで「事例情報の提供」(70.5%)が高く求められています。

今後は、バックオフィスでの部分利用から、需要予測や開発などのコア業務へとAI活用がシフトしていくと予想されます。意識すべき視点は、

効率化の先にある自社固有の「品質向上」を定義すること

です。AIを単なるコスト削減・時短ツールにとどめず、提供サービスの価値を高める手段として位置付けることこそが、増収企業へのステップとなります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等利活用に係る実態調査(2026年3月)」■
https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/202603_AI_report.pdf

以上(2026年8月作成)

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中東情勢悪化が直撃!中小企業8割超が抱える仕入れ難と転嫁の壁【経営者とっておきニュース】

日本政策金融公庫総合研究所が発表した調査により、

中東情勢の悪化により、中小企業の82.1%が仕入れに「マイナスの影響」を受けた

ことが明らかになりました。この調査は2026年6月中旬、三大都市圏の取引先企業499社を対象に実施されたものです。具体的影響として「仕入先による価格引き上げ」(56.9%)や「ナフサ等原油系資材の調達難」(49.4%)が上位に挙がっています。仕入価格上昇への対応として、価格転嫁を「できていない」企業が45.6%と半数近くに達し、コスト増加分を自社で吸収せざるを得ない窮状が浮き彫りになりました。

今回の窮状の背景には、地政学リスクの高まりに伴う原油・原材料価格の高騰と、物流混乱によるリードタイムの長期化があります。特に影響が大きいのは以下の3分野です。

  • 衣生活関連: 仕入れへのマイナス影響が92.9%、売上へのマイナス影響も82.1%と最も深刻な打撃を受けています
  • 電機・電子関連: 87.0%の企業が仕入れ悪化を訴え、資材調達難が目立ちます
  • 食生活関連: 86.4%が仕入れに悪化影響を受け、さらに価格転嫁割合の低さ(転嫁できていない企業が57.4%)が収益を圧迫しています

サプライチェーンの停滞は、取引先の生産調整(20.3%)や納入遅延(23.2%)を引き起こし、最終需要者への供給にも悪影響を及ぼしています。地域経済においては、価格転嫁が進まないままでは利益率が急速に低下し、地域全体の景気低迷へ波及するリスクを孕んでいます。

地政学リスクの長期化に伴い、従来のコスト吸収による耐える経営は限界を迎える見通しです。金融機関からの資金調達を「今後の予定あり」とする企業は25.2%にとどまりますが、今後は資金繰り支援の活用とともに、構造的なコスト対策が不可欠となります。

本ニュースから他地域のビジネスパーソンが学ぶべき教訓は、「単一のサプライチェーンや原材料に依存しない多角化構造の構築」と「納得感のある適正価格交渉(価格転嫁)の仕組み化」です。コスト高騰を受動的に待つのではなく、工程見直しによる付加価値向上や、調達ルートの複線化を早期に進める視点が、今後の生き残りを左右します。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■日本政策金融公庫総合研究所「中東情勢の悪化による中小企業への影響に関する調査結果(2026年7月14日発表)」■
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_260714.pdf

以上(2026年8月作成)

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「従業員退職型」の倒産が過去最多に。価格転嫁と賃上げの決断を【経営者とっておきニュース】

帝国データバンクの調査によると、2026年1〜7月に発生した従業員や経営幹部の退職を起因とする「従業員退職型」の倒産が、前年同期比約12.2%増の83件に達しました。2022年以降5年連続で増加しており、単年での過去最多更新が確実視されています。

業種別では、老人福祉施設や美容室などの「サービス業」が22件で最も多く、次いで現場の職人や営業担当者の退職が目立つ「建設業」が20件、ドライバー不足に陥る「運輸・通信業」が12件と続いています。社会的・経済的背景として、急激なコストアップに対し、適切な価格転嫁を行えない企業が増加していることが挙げられます。

価格転嫁が進まないことで「賃上げの原資」を確保できず、市場の流動化に伴い競合他社や他業界へキーマンが流出する悪循環

が発生しています。こうした動きは、例えば、次のように各方面へ多角的な影響を及ぼしています。

  • 地元経済とサプライチェーンへの打撃:地域の物流や建設を支える中小企業の倒産は、周辺企業の取引停止や工事の遅延を招き、サプライチェーン全体を停滞させます。
  • 残された従業員と生活者への負荷:従業員の離脱は残されたスタッフの負担を激増させ、さらなる連鎖退職やサービスの質の低下を引き起こします。

特に少数の熟練技術者や中心メンバーに依存している中小零細企業ほど、1人の退職が即座に事業継続の危機に直結するリスクを抱えています。

労働市場での人材獲得競争が激化する中、待遇改善の原資を作れない企業の「従業員退職型」の倒産は、今後も高水準で推移する見込みです。今や「新しい人材が採れない採用難」だけでなく、「今いる社員が辞めていく退職リスク」こそが最大の経営課題と言えます。

コスト増加分の価格転嫁をためらうことは、実質的に「賃上げの断念」を意味し、結果的に大切な人材を失う原因となります。自社サービスの価値を正しく再評価し、勇気を持って適切な価格へ改定することこそが、大切な社員を守り、持続可能な経営を実現する最初の一歩となります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■帝国データバンク「『従業員退職型』の倒産動向(2026年1-7月)」■
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260807-taisyoku2026y1-7/

以上(2026年8月作成)

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【管理会計】新任役員が知っておきたい管理会計の心得

1 新任役員が押さえておきたい管理会計の基本

会計は、法令に基づく「制度会計」と「管理会計」とに大別され、さらに制度会計は「財務会計」と「税務会計」とに分かれます。新任役員は、まずは管理会計を押さえておくといいでしょう。管理会計とは、

業績を改善するために社内で活用する会計であり、「利益を出すための会計」

といえます。一方の制度会計は、税金の法律や会計の基準といった社会のルールに従って、社外に業績を報告するものです。こちらは基本的に経理部に任せておいても問題ありません。

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役員に求められるのは、自分の主管する部門(以下「自部門」)からより多くの利益を上げることです。そこで、利益獲得につながるヒントを提供してくれる管理会計を押さえることが効率的です。自部門の業務内容を決算書の数字に結びつけて、定点観測することがポイントです。

2 自身が求める管理会計を導入するために必要なこと

1)KPIを押さえる

自部門の管理会計としては、KPIを押さえることから始めましょう。KPIとは、業績に大きな影響を与える数字のことです。正確には、Key Performance Indicatorの頭文字をとったもので、日本語では重要業績評価指標と呼ばれますが、名称はそれほど気にしなくて構いません。営業部門であれば販売単価や販売個数、製造部門であれば歩留まり率や機械稼働率がKPIの代表例です。

例えば、販売単価をKPIとして、「来年度は10%アップの110円を目指そう」と目標を立てた場合、メンバーは販売単価を110円にすることを目指して活動します。従来よりも単価が高い商品を積極的に売る人もいれば、これまでよりも値引き幅を抑えようと得意先と交渉する人もいるでしょう。KPIには、何を頑張ったらいいのか、そしてどのくらい頑張ったらいいのかをブレなくメンバーに理解してもらうことで、メンバーがとるべき行動が分かりやすくなる効果があります。

取り組みの手順として、まず、自部門で従来、大切にされていた指標が何かを特定します。社内で実際に使われているKPIのほとんどは、長年の経験から業績向上につながることが分かっており、そのために使われていることが多くあります。それ以外にも、もし業績向上につながるKPIが分かっていれば追加してもいいでしょう。このとき、そのKPIは自部門が頑張れば達成できる性質のものなのか、複数の類似する指標がある場合には最適な指標なのかといった点に注意が必要です。

また、KPIは1つだけとは限りません。KPIを複数設定する場合は、おおよそ5つまでが把握、管理しやすいと思います。その場合には、優先順位をつけるようにします。さらに、KPI同士の関係にも注意が必要です。一般に、単価を下げれば販売個数が伸びる傾向があるため、販売単価と販売個数はトレードオフの関係にあるといえます。このとき、どちらも同じように大事にすると、部門のメンバーはどちらを伸ばしていいのか分からず、業務目標の方向性がバラバラになってしまいます。中途半端な取り組みの結果、目標が達成できないという事態につながることもあります。KPIは、メンバーの行動を方向付けるためのツールですので、このような矛盾が発生しないよう注意しましょう。

2)KPIの実績数値の収集、分析、予測

KPIを設定したら、次に、そのKPIの実績数値を数カ月分集めてみましょう。そこで見られる変動の要因が何なのかを納得いくまで分析します。KPIに影響を与える要因を分析することで、何を頑張ればKPIが向上するのかのヒントを得ることができます。数値の良しあしに一喜一憂するだけではいけません。数値の裏側にある情報を押さえることのほうが重要です。

実績数値の分析ができたら、今度は予測に挑戦するといいでしょう。これから数カ月分のKPIの数値を予測します。自部門の活動予定や外部環境の変化などの前提条件を考えたうえで、その情報に基づき数値化します。実績の分析は「数値から情報」という流れでしたが、予測は「情報から数値」という逆の流れです。時が過ぎ、実績数値が出たら、予測との「答え合わせ」をしましょう。もし答えがあっていなかった場合、それは押さえるべき情報が漏れていたのか、それとも読み間違ったのか。この振り返りを何度も行うことで、今後の予測の精度を上げることができます。

正しく将来を読めるようになることは、管理会計の要です。これから自部門、ひいては自社の業績がどうなるのかを正しく予測できれば、必要な対処をとることができます。管理会計は「未来のための会計」ともいわれますが、正しく未来を予測し、必要な場合には適切なアクションをとることで、自社をより良い未来へ導くことができるのです。

3)KPIと決算書の数値の連動

最後に、KPIと決算書の数値を連動させて説明できるようになるといいでしょう。管理会計の目的は業績の向上、つまり、より多くの利益を出すことにあります。決算書上の利益が目標ですので、これと自部門のKPIがどのような関係にあるのかを把握します。

例えば、製造部門の主力製品の歩留まり率をKPIに置いた場合、これが1%改善したらいくらの利益改善効果があるのかを、「金額」で知っておくことが大切です。決算書や利益の話になると、及び腰になる役員も多いのですが、KPIを入り口にして、最終的には決算書の金額に結びつけられるようにならなければなりません。

なぜなら、経営者は、決算書を見て会社の全体像を把握します。つまり、経営者からしてみれば、KPIは会社の一部分の指標にすぎないのです。また、KPIはパーセンテージで表示されることも多く、実際の利益への影響が見えにくいものです。役員は、経営者が意思決定に必要な情報を正確に理解するために、自部門の数値であるKPIと、全社の数字の集合体である決算書上の利益の間を「翻訳」できるようになりましょう。経営者に対して自部門の状況を「翻訳」して説明するのは、役員に求められる必須のスキルといえます。

3 現場で管理会計を定例化させるために必要なこと

1)データベース形式で共有する

日常的にKPIを管理するためには、KPIの実績数値を容易に把握できる仕組みが必要です。丁寧に確認するのは月次で構いませんが、月中にも途中経過を確認できるほうがいいでしょう。KPIを管理するために、必ずしも立派なシステムは必要ではありません。エクセルでも結構ですので、確認したいと思ったときにすぐ確認できる仕組みをつくりましょう。必要なときにいつでも参照できるよう、データベース形式にして共有するのもいいでしょう。他人に頼まないと数値が見られないというのでは、役員として意思決定への活用がしづらくなってしまいます。

2)1つのKPIを管理するのは1つの部門に限定する

同じKPIを複数の部門で集計、管理している場合がありますが、これはなるべく避けましょう。業務が重複して手間が余分に掛かるだけでなく、新たな業務を生みがちだからです。KPIは小数点以下の数値を含むことも多く、複数の部門で管理していると、数値間に差異が発生することが多くあります。数値に差異があると、役員としては安心してその数値を使えず、迅速な意思決定ができなくなりますし、現場も差異の確認に不要な時間がとられます。ぜひ1つの部門で責任を持って計算、管理する方法を採用しましょう。部門をまたぐ話ですので、役員だからこそできる決断でもあります。

3)定期的にアウトプットする

KPIの管理を確実に運用するためには、定例会議資料の項目に織り込むことをおすすめします。定点観測がしやすくなり、また分析のためにいろいろなコメントを得ることができます。そして、KPIの管理に力を入れたい役員自身の本気度を、メンバーに対して伝えることにもつながります。同様の趣旨で、定期的に数値をメールで配信するのもいいかもしれません。小売業のような動きの速い業種では、前日の売上に関するKPIを毎朝配信するのが一般的です。

4)管理サイクルをルーティン化し、スピード感をもって取り組む

初めは、KPIの種類を1~2個に絞り込んだうえでスタートしても構いません。大事なのは、現場を巻き込みながら、定期的なKPIの管理サイクルを回すことです。KPIをはじめ、管理会計はスピード感を持って取り組むことが大切です。数値を確認するのに時間がかかると、分析や実際のアクションにかける時間が減ってしまいます。また、途中で挫折してしまっては、状況の把握が不十分になってしまいます。数値を集計し、分析し、報告する。この流れをタイムリーに運用し続けることを目標に、自部門の管理会計を構築することが、新任役員には求められているのです。

以上(2026年9月更新)
(執筆 管理会計ラボ株式会社 代表取締役・公認会計士 梅澤真由美)

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中小企業を狙う「ランサムウェア」から会社を守る3つの鉄則

1 サイバー攻撃は「対岸の火事」ではない

2025年秋、アサヒビールの親会社アサヒグループホールディングス(アサヒグループHD)、通販大手のアスクルを襲ったサイバー攻撃によるシステム障害。受注・出荷業務の停止、飲食店や小売店への商品供給が長期にわたって滞るなど、サプライチェーンに深刻な影響を及ぼしました。これらはランサムウェア(身代金要求型ウイルス)に感染したことが原因です。

こうしたランサム攻撃は、従来のように「データを元に戻してほしければ金を払え」と脅すだけでなく、「金を払わなければ盗んだ機密情報・個人情報を公開するぞ」と脅す二重、三重の恐喝が主流

となっています。

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威2026」では、「ランサム攻撃による被害」が第1位としてランクイン

しました(初選出の2016年以来、11年連続11回目)。

「サイバー攻撃といっても、うちは中小企業で、狙われるような機密情報もないし、大丈夫だろう」と、仮にあなたがそう考えているのであれば、すぐ認識を改める必要があります。警察庁「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等」によると、2025年の1年間で報告されたランサムウェアの被害件数は226件、そのうち、中小企業が143件(約6割)を占めています。

サイバー攻撃の対象は無作為で選ばれ、大企業のみならず、中小企業が狙われることもあります。決して「対岸の火事」ではない

のです。

大企業に対する攻撃の踏み台として、「取引先である中小企業」が標的にされることもあります。自社が踏み台にされ、大切な取引先に多大な迷惑をかけてしまう。さらに、賠償責任や社会的信用の失墜により、再起不能なダメージを受ける恐れがあります。

この記事では、難しい技術の話は抜きにして、これだけはやってほしいアクションを「3つの鉄則」として紹介します。

2 今日から始める「3つの鉄則」

1)「怪しいメール」の添付ファイルやURLリンクを開かない

サイバー攻撃の入り口の多くは、依然として「人の不注意」を突くメールです。見覚えのない差出人からのメールはもちろん、知っている差出人でも、

件名や本文の内容に違和感(「至急」「未払い」「請求書」など)があれば、添付ファイルやURLリンクは開かない

ようにしてください。

URLリンクは画像などに仕込まれている場合もあるので、

文字列だけでなく、画像などもクリック/タップしない

ように注意が必要です。また、本文に記載された電話番号なども偽装されている恐れがあります。その番号に電話をかけてはいけません。

2)「パスワードの使い回し」を即刻やめる

パスワードは、容易に推測できないよう、

大小英字・数字・記号を混ぜた複雑なものにして、他のサービスと同じものは使わない

ようにしてください。パスワードを使い回ししていると、一つのアカウント情報が漏洩してしまったとき、他のウェブサービスやアプリにも不正アクセスされて、芋づる式にアカウントを乗っ取られる恐れがあるからです。

3)オフラインの「バックアップ」を確保する

重要なデータは定期的に、

ネットワークから切り離した「物理的な外付けハードディスク」や「専用のクラウド」に保存する体制を構築

します。ランサムウェアは、ネットワーク上の全てのデータを暗号化して使えなくします。物理的に隔離されたバックアップさえあれば、労力・時間はかかるとしても、自力で復旧できる可能性があります。

3 ランサム攻撃は「ビジネス」として横行している

今や、ランサム攻撃は「ビジネス」として横行しているのが現実です。ダークウェブ(一般的な方法ではアクセスできず、Googleなどの検索エンジンで見つけることも不可能なウェブサイト)には、サービスとしてのランサムウェア(RaaS: Ransomware as a Service)が存在し、サブスクリプション(月額制)や利益の分配など、複数の収益モデルが成立しているといいます。つまり、

専門知識がなくてもツールを「購入」して、ランサム攻撃を実行できる仕組みが世界中に普及している

のです。

4 もし「おかしい」と思ったら

どれだけ対策をしても、ランサム攻撃を100%防ぐことは不可能です。大切なのは、「ランサムウェアに感染したかもしれない」と思ったときの初動です。

他のPCへの感染拡大を防ぐため、

まずは物理的にネットワークから切り離します。LANケーブルでネットワークに接続しているなら、LANケーブルを抜く。Wi-Fiでネットワークに接続しているならWi-Fiを切る

といった対応が必要です。その際、PCの電源を切る必要はありません。

そして、情報システムの担当者・責任者に、すぐに報告します。

自分のミスを責められるのを恐れて隠すのが一番の悪手、「おかしい」と思ったら即報告

です。

サイバー攻撃から会社を守るためには、情報システムの担当者・責任者だけの力では限界があります。経営者の皆さんの強いリーダーシップと、全従業員の「自分事」としての意識改革が何よりも求められます。

5 ランサム攻撃による被害を食い止めるためのチェックリスト

チェック項目
見覚えのないメールの添付ファイルやURLは絶対に開いていない
業務で使うすべてのサービスで、パスワードの使い回しをしていない
パスワードは容易に推測できないように、大小英字・数字・記号を混ぜた複雑なものにしている
重要なデータは定期的に自動・手動でバックアップを取っている
バックアップデータは、ネットワークから物理的に切り離した外付けHDDや専用クラウドに隔離している
パソコンやサーバーのOSやソフトは常に最新状態にアップデートしている
「画面がおかしい」「ウイルスかも」と思ったら、まずLANケーブルを抜く/Wi-Fiを切る手順を知っている
異変に気づいたとき、社内で報告するべき先(担当者の連絡先)を把握している
たとえ自分のミスであっても隠さず即座に報告できる

以上(2026年7月更新)

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画像:日本情報マート

自社のウェブサイトが改ざんされないためのセキュリティ対策とは

1 加害者にもなりかねない「ウェブサイトの改ざん」

「ウェブサイトの改ざん」は、ウェブサイトのシステムの脆弱性を突かれて、コンテンツやデザイン、機能が不正に書き換えられてしまうもので、例えば、次のような危険があります。

  • リンクが不正に書き換えられ、クリックするとフィッシングサイトに誘導される
  • 悪意のあるスクリプトが埋め込まれ、アクセスするとマルウェアに感染してしまう
  • 悪意のあるスクリプトが埋め込まれ、入力フォームに記入した情報が窃取されてしまう

自社が運営するウェブサイトが改ざんされてしまうと、自分たちは被害者なのにもかかわらず、ウェブサイトを訪れた人たちに対する加害者になってしまう恐れがあります。

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威2026」では、「システムの脆弱性を悪用した攻撃」が第4位としてランクイン

しました(初選出の2016年以来、6年連続9回目)。

安全にウェブサイトを運用管理するためには、ウェブアプリケーション、ウェブサーバー、ネットワークなどについて、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

IPA(情報処理推進機構)の「ウェブサイトのセキュリティ対策のチェックポイント20ケ条」を基に、対策が実施できているか確認してみましょう。次のページからチェックリスト(エクセルファイル)をダウンロードできます。

■IPA「ウェブサイトのセキュリティ対策のチェックポイント20ケ条」■
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity/sitecheck.html

2 ウェブサイトのセキュリティ対策のチェックポイント

ここでは、IPA「ウェブサイトのセキュリティ対策のチェックポイント20ケ条」を、順に、少し解説を足して紹介します。

1)ウェブアプリケーションのセキュリティ対策

1.公開すべきでないファイルを公開していませんか?

個人情報や機密情報の記載されたファイル、「.htaccess」などのシステムファイルなどは、公開すべきでないファイルです。誤って公開してしまっていた場合、単に非公開にするだけでは検索エンジンのキャッシュとして残っている恐れもあります。

例えば、所有するウェブサイトの情報をGoogle検索結果から削除しようとする場合、Google Search Consoleを通じて手続きできます。

■Google Search Consoleヘルプ「ウェブサイトの情報を Google から削除する」■
https://support.google.com/webmasters/answer/7479439

2.不要になったページやウェブサイトを公開していませんか?

不要になったウェブサイトを公開したまま放置していると、管理が及ばず、脆弱性が発覚した際に影響を受ける恐れがあります。期間限定のページなどは、公開期間が終了になった際に非公開にするようにします。

3.「安全なウェブサイトの作り方」に取り上げられている脆弱性への対策をしていますか?

後述の第3章でもう少し詳しく触れますが、IPA「安全なウェブサイトの作り方(改訂第7版)」では、ウェブアプリケーションの脆弱性のうち、届出件数が多い脆弱性や攻撃による影響度が大きい脆弱性を取り上げ、概要や対策方法を解説しています。必ず確認し、対策を実施しましょう。

4.ウェブアプリケーションを構成しているソフトウェアの脆弱性対策を定期的にしていますか?

ウェブアプリケーションは様々なソフトウェアやフレームワーク、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)などで構成されています。これらに脆弱性が発見された場合、都度、セキュリティパッチを当てたり、バージョンアップしたりするといった対策が必要です。

5.不必要なエラーメッセージを返していませんか?

ウェブアプリケーションのエラーメッセージから、ウェブサイトの設定情報などが漏えいし、攻撃に悪用されることがあります。攻撃者に余計な情報を与えないためにも、エラーメッセージの内容は必要最低限にします。

6.ウェブアプリケーションのログを保管し、定期的に確認していますか?

ログ情報は、不正アクセスやその兆候、故障などの事故があった際、原因を追究するために必要な情報源です。必要な期間、ログを保管し、正しく取得できているか定期的に確認しましょう。

7.インターネットを介して送受信する通信内容の暗号化はできていますか?

ウェブアプリケーションと利用者の間で交わされる通信は、盗聴や改ざん、なりすましなどの被害を受ける恐れがあります。通信内容を暗号化(HTTPS化)すれば、仮に盗聴などの被害を受けても重要情報が不正に取得されることを防止できます。

ウェブサイトを運営するときは、第三者機関からサーバー証明書を取得し、TLS(現在の主流はTLS1.2およびTLS1.3)を設定することが安全性の担保につながります。

8.不正ログインの対策はできていますか?

別のウェブサイトやサービスから漏えいしたIDやパスワードを使った不正ログインは後を絶ちません。ログイン機能のあるウェブサイトでは、利用者に対して、「複雑で推測されにくいパスワードを設定する」「パスワードを使いまわさない」という基本対策をアナウンスするとともに、IDやパスワードの入力を一定回数間違った場合にアカウントをロックする機能の実装や、多要素認証の導入などを検討しましょう。

2)ウェブサーバーのセキュリティ対策

9.OSやサーバーソフトウェア、ミドルウェアをバージョンアップしていますか?

OSやサーバーソフトウェア、ミドルウェアのバージョンアップは、セキュリティ対策の基本です。ただし、バージョンアップをすることで、今まで動作していたウェブアプリケーションが正常に動作しなくなる場合もあるため、事前に検証することが重要です。

10.不要なサービスやアプリケーションがありませんか?

ウェブサーバー上で不要なサービスが起動している場合、そのサービスが悪用されることがあるため、最低限必要なもの以外は、停止します。不要になったアプリケーションも削除します。

11.不要なアカウントが登録されていませんか?

ウェブサーバーやウェブサーバーを管理する端末に不要なアカウントが登録されている場合、悪用される恐れがあります。最低限必要なアカウント以外は削除しましょう。特に、開発工程やテスト環境で使用したアカウントが残っていないか注意しましょう。

12.推測されやすい単純なパスワードを使用していませんか?

推測されやすい単純なパスワードを設定している場合、アカウントを乗っ取られ、悪用される恐れがあるため、推測されにくい複雑なパスワードを設定・使用するようにします。特に管理者権限を持ったアカウントやリモート管理ソフトなどのアプリケーションは注意が必要です。

13.ファイル、ディレクトリへの適切なアクセス制御をしていますか?

サーバー上に配置されているファイル、ディレクトリに適切なアクセス制限がされていない場合、非公開のはずのファイルを第三者に見られたり、不正なプログラムを設置されて実行されたりする恐れがあります。

14.ウェブサーバーのログを保管し、定期的に確認していますか?

ウェブサーバーのログ(「システムログ」「アクセスログ」「データベース操作ログ」など)は不正アクセスなどがあった際、原因を追究するために必要な情報源です。必要な期間、ログを保管し、正しく取得できているか定期的に確認しましょう。

3)ネットワークのセキュリティ対策

15.ルータなどを使用してネットワークの境界で不要な通信を遮断していますか?

境界ルータなどのネットワーク機器を使用して、不要な通信を遮断することで、攻撃の糸口を減らすことができます。運用上、外部から内部ネットワークへの通信が必要な場合は、情報を秘匿するためVPNなどを利用することを検討します。内部の通信の場合でも、不要な通信を遮断することで、万が一、侵入された場合の被害を軽減できる可能性があります。

16.ファイアウォールを使用して、適切に通信をフィルタリングしていますか?

ファイアウォールを設置していても、適切なフィルタリング設定がなされていない場合、防御することができません。「どのサーバー」の「どのサービス」に「どこから」のアクセスを許可する(許可しない)のか、設定を見直しましょう。

17.ウェブサーバー(または、ウェブアプリケーション)への不正な通信を検知または、遮断していますか?

IDS(Intrusion Detection System:不正侵入検知システム)、IPS(Intrusion Prevention System:不正侵入防止システム)、WAF(Web Application Firewall:ウェブアプリケーションファイアウォール)を導入することで、ウェブサイトと利用者の間の通信を検査し、自動的に検知、遮断をすることができます。

18.ネットワーク機器のログを保管し、定期的に確認していますか?

ネットワーク機器のログは不正アクセスなどがあった際、原因を追究するために必要な情報源です。必要な期間、ログを保管し、正しく取得できているか定期的に確認しましょう。

4)その他のセキュリティ対策

19.クラウドなどのサービス利用において、自組織の責任範囲を把握した上で、必要な対策を実施できていますか?

クラウドやホスティングのサービスを利用してウェブサイトを運営している場合、サービス提供事業者側がセキュリティ対策を実施しているケースも少なくありません。サービス提供事業者側の責任範囲を把握した上で、不足する対策は自社で対応することを検討します。

20.定期的にセキュリティ検査(診断)、監査していますか?

セキュリティ対策を実施しているか、自社内で確認した上で、第三者機関による脆弱性診断やセキュリティ監査を受けることは、対策漏れなどを洗い出すために効果的な手段です。

3 ウェブサイト改ざんにつながる代表的な脆弱性

足元では、CMS(コンテンツ管理システム)の脆弱性を突かれて、プラグイン経由で改ざんされる被害が増えています。特に、WordPressは、世界で一番利用されているCMSであるが故に、本体やプラグインの脆弱性を狙った自動攻撃の標的になりやすいので要注意です。

また、IPA「安全なウェブサイトの作り方(改訂第7版)」では、ウェブサイト改ざんにつながる11種類の脆弱性を取り上げ、脆弱性の原因そのものをなくす根本的な解決策などが解説されています。

■IPA「安全なウェブサイトの作り方(改訂第7版)」■
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity/about.html

これらは、よく知られている脆弱性であり、全てに対応が必要です。ここでは代表的な3つの脆弱性を取り上げて紹介します。

1)SQLインジェクション

SQLインジェクションは、ウェブアプリケーションのSQL文(データベースへの命令文)の組み立て方の脆弱性を突き、不正なSQL文を実行させてデータベース内の情報を窃取・改ざん・消去するものです。

運営主体やウェブサイトの性質を問わず、データベースを利用するウェブアプリケーションを設置しているウェブサイトに存在しうる問題です。

根本的な解決策として、次が挙げられます。

  • SQL文の組み立ては全てプレースホルダで実装する。
  • SQL文の組み立てを文字列連結により行う場合は、エスケープ処理等を行うデータベースエンジンのAPIを用いて、SQL文のリテラルを正しく構成する。
  • ウェブアプリケーションに渡されるパラメータにSQL文を直接指定しない。

2)クロスサイトスクリプティング(XSS:Cross-Site Scripting)

クロスサイトスクリプティング(XSS)は、ウェブアプリケーションの出力処理(画面への表示)の脆弱性を突き、不正なスクリプトを埋め込んで、ウェブサイトにアクセスした利用者のブラウザ上で実行するものです。「XSS」と略すのは、スタイルシート言語(Cascading Style Sheets)で使用されている「CSS」と混同しないようにするためです。

運営主体やウェブサイトの性質を問わず、あらゆるサイトにおいて注意が必要な問題です。Cookieを用いたセッション管理を行っているサイトや、フィッシング詐欺の標的になりやすいログイン画面や個人情報の入力画面などを持つサイトは、特に注意が必要です。

根本的な解決策として、次が挙げられます。

  • ウェブページに出力する全ての要素に対して、エスケープ処理を施す。
  • URLを出力するときは、「https://」で始まるURLのみを許可する。
  • <script>…</script> 要素の内容を動的に生成しない。
  • スタイルシートを任意のサイトから取り込めるようにしない。

3)クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)

クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)は、ウェブアプリケーションのセッション管理(リクエストの正当性確認)の脆弱性を突き、ログイン中の利用者に不正なリンクを踏ませるなどして、あたかもその利用者が操作をしたかのようにウェブアプリケーションに不正なリクエストを送信し、実行させるものです。

Cookieを用いたセッション管理や、Basic認証、SSLクライアント認証を実装しているウェブサイトは、CSRFによる影響を受ける可能性があります。

根本的な解決策として、次が挙げられます。

  • 処理を実行するページをPOSTメソッドでアクセスするようにし、その「hiddenパラメータ」に秘密情報が挿入されるよう、前のページを自動生成して、実行ページではその値が正しい場合のみ処理を実行する。
  • 処理を実行する直前のページで再度パスワードの入力を求め、実行ページでは、再度入力されたパスワードが正しい場合のみ処理を実行する。
  • Refererが正しいリンク元かを確認し、正しい場合のみ処理を実行する。

4 ウェブサイトの改ざんの被害に遭ってしまったら

警察庁は、ウェブサイト改ざんの被害に遭った場合、アクセスログ等の資料を持参して、最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口に通報・相談するように呼びかけています。

e-Gov電子申請(デジタル庁が運営する電子申請のポータルサイト)からオンラインで「サイバー事案に関する通報等」を行うこともできますが、e-Govアカウントの取得やアプリのインストールなどが必要です。いざというときに備えて、事前に対応しておくとよいでしょう。

■警察庁「ウェブサイト改ざん対策」■
https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/hacked-website.html

以上(2026年7月更新)

pj60384
画像:日本情報マート

個人情報の取り扱いについて苦情が来たら、どうすればいいの?【かんたん個人情報保護法(8)】

1 個人情報の取り扱いについて苦情が来ても対応できる準備を

個人情報の取り扱いについて苦情が来たときの処理は、法律上あくまで努力義務ですが、消費者などの本人との信頼関係を構築し、事業活動に対する社会の信頼を確保するため、実務上は対応が必須と考えられます。

「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、苦情の適切かつ迅速な処理を行うに当たり、必要な体制の整備として、

  • 苦情処理窓口の設置や苦情処理の手順を定める

ことなどを挙げています。また、

  • いわゆるプライバシーポリシーを策定し、それを公表する(ホームページへの掲載、店舗の見やすい場所への掲示など)ことで、あらかじめ、対外的に分かりやすく説明する
  • 委託の有無、委託する事務の内容を明らかにする等、委託処理の透明化を進める

といったことも重要です。特に、前者のプライバシーポリシーの掲載等は、消費者等との信頼関係を構築するのに役立つでしょう。

なお、個人情報取扱事業者は、保有個人データの取り扱いに関する苦情の申出先について、本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む)に置かなければなりません。「本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む)」とは、

ホームページへの掲載、パンフレットの配布、本人の求めに応じて遅滞なく回答を行うこと等、本人が知ろうとすれば、知ることができる状態に置くこと

で、常にその時点での正確な内容を本人の知り得る状態に置く必要があります。この対応は努力義務ではなく「義務」です。

苦情の申出先としては、苦情を受け付ける担当窓口名・係名、郵送用住所、受付電話番号その他の苦情申出先(個人情報取扱事業者が認定個人情報保護団体の対象事業者である場合は、その団体の名称および苦情解決の申出先を含む)とされています。

2 (参考)認定個人情報保護団体制度

認定個人情報保護団体は、個人情報保護委員会の認定を受けて、業界・事業分野ごとに個人情報の保護の推進を図るための自主的な取り組みを行っている団体です。

認定個人情報保護団体は、消費者と事業者の間に立ち、対象事業者である個人情報取扱事業者の個人情報の適正な取り扱いの確保を目的として、消費者からの苦情の処理や相談対応を行うこととされています。

対象事業者になると、認定個人情報保護団体から苦情処理の第三者機関としての関与・アドバイスを受けられます。また、個人情報保護法などに関連する最新の情報提供も受けられます。

個人情報保護委員会では、認定個人情報保護団体一覧を公表しています。対象事業者になるための要件は、認定個人情報保護団体ごとに異なります。

■個人情報保護委員会「認定個人情報保護団体一覧」■

https://www.ppc.go.jp/personalinfo/nintei/list/

以上(2026年7月更新)

pj60355
画像:Orapun-Adobe Stock

経営のヒントとなる言葉(福澤諭吉)

「見込みあればこれを試みざるべからず。いまだ試みずしてまずその成否を疑う者はこれを勇者と言うべからず」(*)

出所:「学問のすすめ」(中央公論社)

冒頭の言葉は、

「たとえ実現が困難と思われるようなことであっても、少しでも成功する見込みがあれば、積極的に取り組まなくてはならない」)

ということを表しています。

福澤氏は、幼い頃から漢学の分野で非凡な才能を発揮していました。しかし、中津藩(現大分県)の下士という低い身分の家に生まれたため、門閥制度が厳しい藩内では能力を発揮する場が与えられませんでした。このため、藩を出ることを決意し、長崎での留学を経て大坂(現大阪府)の蘭学者緒方洪庵(おがたこうあん)の適塾に入り、蘭学の習得に努めました。

1858年、福澤氏は中津藩の命を受けて江戸で蘭学塾を創設しました。その後、開港して間もない横浜を訪れ、世界ではもはやオランダ語ではなく英語が主流となっていることを知り、独学で英語の習得に取り組みました。

こうした中、1860年に江戸幕府が米国に使節団を派遣した際、福澤氏も随行して渡米し、西洋文明に触れて大きな衝撃を受けました。その後、1862年には欧州への使節団として諸国を視察し、議会制度や医療制度、教育制度などさまざまな海外事情についての見聞を広め、帰国後に自らの渡米・渡欧体験を基に『西洋事情』を出版しました。

『西洋事情』は、西洋諸国の社会制度や文化、技術、歴史などについて体系的に解説した書籍です。厳しい封建制度の下、加えて依然として攘夷(外国人や外国文化を排斥すること)の機運が残っていた当時、西洋文明についての理解を得ることは困難であり、命さえ狙われかねない危険をともないました。

しかし、福澤氏は、近代国家としての日本の創造において西洋文明の導入が不可欠であることを確信し、西洋文明を広く人々に知らしめるべく啓蒙活動に情熱を傾けたのです。

こうして、その後全10冊にわたって出版された『西洋事情』は、当時しては空前のベストセラーとなり、幕末の日本人および新生日本の誕生に多大な影響を与えることとなりました。

福澤氏は、学問について、次のように述べています。

「学問の要は活用にあるのみ。活用なき学問は無学に等し」(*)

学ぶだけでは学問を修めたとはいえません。学んだことを実際の行動に生かすことで学んだことが生きてくるのです。この福澤氏の実学の精神は連綿と受け継がれ、現在の慶應義塾大学の教育理念として根付いています。

積極的な挑戦を続ける姿勢と、そこから得られたものを実践する行動力。この二つの精神によって、学んだことを最大に生かすことができるのです。

【本文脚注】

本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになっている情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありません。

【経歴】

ふくざわゆきち(1835~1901)。大坂(現大阪府)生まれ。1858年、江戸(現東京都)で蘭学塾(現慶應義塾大学)設立。1872年より「学問のすゝめ」刊行。

【参考文献】

(*)「学問のすすめ」(福沢諭吉、中央公論社、1984年7月)
「福翁自伝」(福沢諭吉(著)、富田正文(校訂)、岩波書店、1978年10月)
「福澤諭吉旧居・福澤記念館」(公益財団法人福澤旧邸保存会)

以上(2026年5月更新)

pj​15061
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