11/8(土)、11/9(日)徳島・香川「トモニマルシェ」開催!

11/8(土)、11/9(日)に東京交通会館1Fピロティ(JR有楽町駅前)にて徳島・香川「トモニマルシェ」を開催いたします!


また、11/3(月)~11/9(日)にトモニ市場では、「トモニ市場感謝祭」も行われます!

11/8(土)の13時~と15時~には、徳島県マスコットキャラクター「すだちくん」がトモニ市場店頭に登場予定です。


ご家族・ご友人をお誘い合わせの上、ぜひお越しください!

【開催概要】

  • 日時 2025年11月8日(土)11:00~17:30、2025年11月9日(日)11:00~17:30
  • 場所 東京交通会館1Fピロティ(JR有楽町駅前)東京都千代田区有楽町2丁目10番1号
  • 主催 東京交通会館(交通会館マルシェ事務局)
  • 共催 トモニホールディングス、徳島大正銀行、香川銀行

場所

当行及びとくぎんトモニリンクアップ株式会社と鳴門市が「ゼロカーボンシティの実現に向けた連携協定」を締結しました!

当行及びとくぎんトモニリンクアップ株式会社は、鳴門市と「ゼロカーボンシティの実現に向けた連携協定」を令和7年9月29日に締結いたしました。

3者は、脱炭素経営の普及啓発や事業者支援を通じて、鳴門市の温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に向けて連携して取り組みます。

連携内容
(1)カーボンニュートラルに関する普及啓発に関すること
(2)事業者間の情報・意見交換の場づくりに関すること
(3)脱炭素経営の取組を進める事業者の支援に関すること
(4)その他、鳴門市のゼロカーボンシティの実現に必要なこと

ゼロカーボンシティの実現に向けた連携協定


以上(2025年10月作成)

【ハラスメント対策】行為者の処分と被害者のケア 事実が確認できなくても対応する!

1 行為者の処分と被害者のケア

事実確認の結果、ハラスメントがあったことが明らかになったら、すぐに行為者の処分と被害者のケアをします。

  • 行為者の処分の基本は、行為の内容と懲戒処分の重さを釣り合わせること
  • 被害者のケアの基本は、被害者がつらくないよう、行為者と被害者とを引き離す

です。以降で詳しく見ていきましょう。

2 行為者の処分:行為の内容と処分の重さを釣り合わせる

まずは行為者の処分について見ていきましょう。懲戒処分を検討する場合、その根拠となるのが就業規則です。一般的には、ハラスメントを就業規則の「服務規律違反」に当たるとして、「戒告(口頭注意)、けん責(始末書の提出)、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇」などの懲戒処分を適用します。ただ、

行為者のやったことに対して重すぎる懲戒処分は無効になる

ので、どの処分を適用するかは、次の事項などを踏まえて慎重に判断する必要があります。

1.行為の悪質性・重大性

言動の内容・質や頻度・量を考慮します。犯罪に当たるようなハラスメントをした場合などは、情状が悪くなります。

2.結果(被害)の重大性

被害者に与えた身体や精神への被害(苦痛)の大きさなどを考慮します。ハラスメントが原因で被害者が休職や退職をした場合などは、情状が悪くなります。

3.懲罰歴や指導・注意歴

過去に懲罰歴や指導・注意歴がない状態で、反省や改善の機会を与えないまま厳しい懲戒処分を科すと、懲戒権の濫用として処分が無効となることがあります。

次章でハラスメントに関する懲戒処分の事例を紹介しますが、実際に処分の内容を検討する際は、事前に弁護士などの専門家に相談するのが無難です。

3 事例に見るハラスメントの懲戒処分

1)懲戒解雇の事例

犯罪になるようなハラスメントについては、懲戒解雇が認められやすい傾向にあります。例えば、嫌がる女性社員に無理やりキスをするなど、強制わいせつ罪(現行法では、不同意わいせつ罪)に当たり得る行為をした部長について、懲戒解雇が認められた裁判例があります(東京地裁平成22年12月27日判決)。

逆に犯罪に当たらないようなハラスメントの場合、懲戒解雇が認められにくくなります。例えば、慰安旅行の宴会で女性社員の肩を抱いたり、「胸が大きいね、何カップかな」などと発言したりした支店長への懲戒解雇が有効かを争った裁判例があります。裁判では、ハラスメント自体は悪質と判断されましたが、行為者の会社への貢献、反省の程度、指導・注意歴がないなどの事情から、懲戒解雇は認められませんでした(東京地裁平成21年4月24日判決)。

2)出勤停止の事例

女性の派遣社員に対し、「もうそんな歳になったん。結婚もせんでこんな所で何してんの。親泣くで」などのセクハラ発言を、1年余りにわたって繰り返した課長代理について、10日間の出勤停止処分が有効かを争った裁判例があります(大阪高裁平成26年3月28日判決、最高裁第一小平成27年2月26日判決)。この裁判では、大阪高裁と最高裁とで意見が分かれました。

大阪高裁では、被害者がはっきりと拒否しなかったため、課長代理が自分の発言を許されていると勘違いしたこと、会社から警告や注意を受けなかったことなどから、出勤停止処分は認められませんでした。

一方、最高裁では、課長代理は部下を指導する立場にあることや、セクハラの被害者は職場の人間関係が悪くなることなどを心配して行為を拒否できないケースが多いこと、この事案のセクハラ発言の多くが周囲に人のいない状況で行われ、会社が警告や注意をする機会がなかったことなどから、出勤停止処分が認められました。

3)降格の事例

成果の低い部下に「(一定の成績が上がらなければ)会社を辞めると一筆書け」「会社に泣きついて居座りたい気持ちは分かるが迷惑なんだ」などの発言を繰り返し、退職を迫った役員補佐について、降格処分が認められた裁判例があります(東京地裁平成27年8月7日判決)。

4 被害者のケア:行為者と被害者とを引き離す

ハラスメントの事実が確認できても、行為者が自主退職したり、解雇されたりするとは限りません。行為者が会社に残る場合、被害者がつらくないよう、行為者と被害者とを引き離すことが重要です。一般的な方法は「配置転換」ですが、この際、

被害者ではなく、行為者を配置転換することがポイント

です。被害者を配置転換してしまうと、被害者はハラスメントだけではなく、仕事の内容についても被害を受けることになりかねません。「せっかく勇気を出して相談をしたのに、不利益な取り扱いを受けた!」と被害者が会社を訴える恐れもあります。

中小企業では、社員数の関係で配置転換が難しいケースがありますが、その場合、席替えや業務上の関わりをなくすなどして、行為者と被害者の接点を減らします。また、定期的に状況を確認し、被害者が望むなら、会社が行為者と被害者との関係を修復するように努めます。

なお、被害者が「行為者の処分を社内に公表してほしい」と求めてきても、それは行為者のプライバシー情報なので公表できません。

5 ハラスメントの事実が確認できなかったら?

ハラスメントは、

被害者が主張する事実が確認できない、確認できた事実がハラスメントであると判断できないなど、いわゆる「グレーゾーン」のケースが多い

です。とはいえ、簡単に対応を打ち切ると、

  • 行為者は「自分は正しい」と思い込み、また同じような言動を繰り返す
  • 被害者は「自分はないがしろにされた」と会社を信用しなくなり、外部に相談する

といったように事態が悪化します。

そこで、被害者には、

事実確認の調査や調査結果を丁寧に説明し、会社が真剣に対応したことを伝える

ようにします。被害者が調査結果に納得できない場合、再調査を求められることがありますが、そのときはどのような点に不満があるのかなど、被害者の意見を丁寧に聞きましょう。

また、行為者には、

今回はハラスメントに当たらないと判断したけれど、次は違う判断になるかもしれないから、言動を改めたほうがいい

などと注意・指導します。

とにかく、

ハラスメントの事実が確認できなくても、行為者と被害者への対応は必要である

ことを押さえておきましょう。

以上(2025年10月更新)
(監修 Earth&法律事務所 弁護士 岡部健一)

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【規程・文例集】 株式移転計画書のひな型

1 株式移転計画書に定めるべき内容

中小企業のM&Aのスキームとして株式移転が採用されることは基本的にはなく、株式移転が採用されるのは、

  • 事業承継の準備段階として、グループ経営を行っている企業において、複数の会社を一つの会社の管理下に置くために株式移転によって新たな親会社を設立する場合
  • 所有と経営を分離するために、グループ経営を行っている複数の会社の持ち株会社となるホールディング会社を設立するために株式移転を行う場合

などになるでしょう。同じような理由で株式交換というスキームが用いられる場合も少なくありませんが、株式移転は新たに設立する会社を親会社にすることに対して、株式交換は既に存在する会社を親会社にするという大きな違いがあります。

株式移転を行うときには、株式移転計画書を作成する必要があり、次の事項(法定記載事項)を定めなければなりません(会社法第773条)。なお、新株予約権を発行している場合などには別途追加で定めるべき事項がありますが、この記事では省略します。

  • 設立する会社の目的、商号、本店の所在地および発行可能株式総数(第2条)
  • 完全親会社の定款で定める事項(第2条)
  • 完全親会社の設立時取締役等役員の氏名(第3条)
  • 株式移転に際して完全子会社の株主に対して交付する完全親会社の株式の数または算定方法および割当てに関する事項(第4条)
  • 完全親会社の資本金および準備金の額に関する事項(第5条)

2 株式移転計画書

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業によって定めるべき内容が異なってきます。実際に就業規則を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【株式移転計画書のひな型】

株式会社○○(以下「当社」という。)は、単独株式移転の方法により、当社を株式移転完全子会社とする株式移転設立完全親会社(以下「本持株会社」という。)を設立するための株式移転を行うにあたり、次のとおり株式移転計画(以下「本計画」という。)を定める。

第1条(株式移転)

本計画の定めるところに従い、当社は、本持株会社成立日(第7条に定義する。)において、当社の発行済株式の全部を本持株会社に取得させる株式移転(以下「本株式移転」という。)を行う。

第2条(本持株会社の目的、商号、本店の所在地、発行可能株式総数その他定款で定める事項)

本持株会社の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数は、次のとおりとする。

1.目的

本持株会社の目的は、別紙1「株式会社○○定款」第○○条に記載のとおりとする。

2.商号

本持株会社の商号は、「株式会社○○」と称し、英文では、「○○」と表示する。

3.本店の所在地

本持株会社の本店の所在地は、○○とし、本店の所在場所は、○○とする。

4.発行可能株式総数

本持株会社の発行可能株式総数は、○○株とする。

5.前項に定めるもののほか、本持株会社の定款で定める事項は、別紙1「株式会社○○定款」に記載のとおりとする。

第3条(本持株会社の設立時取締役の氏名及び設立時会計監査人の名称)

1)本持株会社の設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く)の氏名は、次のとおりとする。

1.取締役 ○○

2.取締役 ○○

3.取締役 ○○

4.取締役 ○○

2)本持株会社の設立時監査等委員である設立時取締役の氏名は、次のとおりとする。

1.取締役 ○○

2.取締役 ○○

3.取締役 ○○

4.取締役 ○○

3)本持株会社の設立時会計監査人の名称は、次のとおりとする。

○○

第4条(本株式移転に際して交付する株式及びその割当て)

1)本持株会社は、本株式移転に際して、当社の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」という。)における当社の株主に対し、その保有する当社の普通株式に代わり、当社が基準時に発行している普通株式の合計に1を乗じて得られる数の合計に相当する数の本持株会社の普通株式を交付する。

2)本持株会社は、前項の定めにより交付される本持株会社の普通株式を、基準時における当社の株主に対し、その保有する当社の普通株式1株につき、本持株会社の普通株式1株をもって割り当てる。

第5条(本持株会社の資本金及び準備金に関する事項)

本持株会社の設立時における資本金及び準備金の額は、次のとおりとする。

1.資本金の額 ○○円

2.資本準備金の額 ○○円

3.利益準備金の額 ○○円

第6条(本株式移転に際して交付する新株予約権及びその割当て)

1)本持株会社は、本株式移転に際して、基準時における当社が発行している各新株予約権の新株予約権者に対して、それぞれの保有する当社の新株予約権に代わり、基準時における当該新株予約権の総数と同数の本持株会社の新株予約権をそれぞれ交付する。

2)本持株会社は、本株式移転に際して、基準時における当社の新株予約権者に対して、その保有する新株予約権1個につき、本持株会社の新株予約権を1個を割り当てる。

第7条(本持株会社の成立日)

本持株会社の設立の登記をすべき日(以下「本持株会社成立日」という。)は、○○年○○月○○日とする。ただし、本株式移転の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合は、当社の取締役会の決議により本持株会社成立日を変更することができる。

第8条(本計画承認株主総会)

当社は、○○年○○月○○日を開催日として定時株主総会を招集し、本計画の承認及び本株式移転に必要な事項に関する決議を求めるものとする。ただし、本株式移転の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、当社の取締役会の決議により当該株主総会の開催日を変更することができる。

第9条(本計画の効力)

本計画は、第8条に定める当社の株主総会において本計画の承認及び本株式移転に必要な事項に関する決議が得られなかった場合、本持株会社成立日までに本株式移転についての国内外の法令に定める関係官庁の許認可等が得られなかった場合、または、次条に基づき本株式移転を中止する場合には、その効力を失うものとする。

第10条(本計画の変更等)

本計画の作成後、本持株会社成立日に至るまでの間において、天災地変その他の事由により当社の財産または経営状態に重大な変動が生じた場合、本株式移転の実行に重大な支障となる事態が発生した場合、その他本計画の目的の達成が困難となった場合は、当社の取締役会の決議により、本株式移転の条件その他本計画の内容を変更し、または本株式移転を中止することができる。

○○年○○月○○日

株式会社○○

代表取締役 ○○

以上(2025年9月作成)
(執筆 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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鳴門市と「持続可能な地域社会の形成とWell-being向上に向けた共創」に関する連携協定を締結しました!

当行及びとくぎんトモニリンクアップ株式会社は、株式会社サーキュレーション、株式会社RCGと連携し、鳴門市と「持続可能な地域社会の形成とWell-being向上に向けた共創」に関する連携協定を令和7年9月30日に締結しました。

地域資源の活用や多様なライフスタイルの推進を通じて、鳴門市のまちづくりに貢献していきます。

連携内容
(1)Well-beingの向上に関すること
(2)地域資源を活用したまちづくりの推進に関すること
(3)住民参加型の地域活動の推進に関すること
(4)企業版ふるさと納税を活用した関係人口の拡大に関すること
(5)その他、本協定の目的達成に必要な事項

締結式の様子

ネットワーク・コミュニティ

集合写真


以上(2025年10月作成)

【中小企業のためのM&A】 M&Aで大切な法律の視点。会計処理や税金だけではない大切なポイント

1 成功するM&Aのために法的な整理も忘れずに

M&Aをする経営者が気にするのは、

M&A後の会計処理や税務上のインパクト

であることが多く、法的な整理は後回しにされがちです。しかし、M&Aのスキーム(手法)によって、

  • 承継する権利関係やリスクの負担度合いが異なる
  • クロージングまでのスケジュールが大きく異なる

などといった注意点があり、法的な整理をきちんと確認しないとM&Aで失敗してしまうこともあります。そうならないように、この記事では、M&Aについて最低限知っておくべき法的な注意点を、スキームごとに整理します。

2 株式譲渡を進める際の注意点

1)株券発行会社の場合は、株券の交付やこれまでの株主の異動に注意する

株式譲渡は、他のスキームに比べて譲渡手続きが簡便といえ、M&Aに慣れていない経営者でも理解しやすい手法です。ただし、株式譲渡では対象会社を包括的に譲り受けるため、その分、リスクも大きくなるので、十分に注意しましょう。

例えば、株券発行会社では、法律上、株券を交付しなければ株式譲渡の効力が生じません。特に2004年以前は株券の発行が義務付けられていました。しかし、こうした決まりを知らずに、当事者間の意思表示だけで株式を譲渡している場合が多々ありました。そのため、以下の点には十分に注意しましょう。

  • 株券発行会社で、現在の株主が設立時から変更されているときは、当該株主が株券の交付を受けて、適法に株式を譲り受けているかを確認する
  • 現在の株主名簿に記載されている株主が株券を所持していない場合、その理由を確認する(株券不所持に過ぎないのか、株券を紛失したのかなど)

2)会社に内在する問題を包括的に承継することを理解する

中小企業のM&Aでは、簿外債務が問題になることが少なくありません。意図せずとも、

  • 正しく会計処理をしていなかった
  • 未払残業代があった(みなし残業代を支払っていたが、法律上、みなし残業代とは認められない状態だった)

などのケースがあるからです。この他、必要な許認可を取得していなかったり、許認可の有効期間が切れていたりすることもあります。M&A後に飛躍的に売り上げが伸びるなどして注目を浴びるようになった際にこうした問題が露呈し、買収した親会社のレピュテーションが低下することもあります。

そのため、

デューデリジェンス(DD)をしても見つからないリスクについては、株式譲渡契約書で表明保証に関する定めや損失補償条項を設けるなどしてケアする

ことが大切です。

3 事業譲渡を進める際の注意点

1)取引先との契約は全て締結し直す必要がある

事業譲渡は、前述した株式譲渡と異なり、対象会社の全てを包括的に承継するのではなく、当事者間で合意した事業に関する権利義務だけを切り出して承継するスキームです。

一見すると大変使い勝手が良いスキームのように感じますが、

譲渡対象になった契約などが自動的に譲渡先に移転するわけではないため、全て譲渡先と新たに契約を締結し直す

必要があります。これは大変煩雑な手続きとなることもあり、それが理由で事業譲渡を断念する場合もあります。

2)譲渡対象を明確にして締結をする必要がある

事業譲渡のポイントは、当事者間で、どの事業のどの取引・権利義務・資産等を譲渡対象にするかを明確にすることです。譲渡対象によって譲渡金額も変わるため、後々、譲渡を受けたと考える譲渡先会社と、譲渡をしていないと考える譲渡会社でトラブルになることもあります。

特に中小企業の場合、個人の資産と会社の資産が明確に分かれていない場合も多いので、譲渡対象を明確にすることがより重要になります。

4 会社分割を進める際の注意点

1)手続きに時間がかかる

法律上、会社分割の進め方は決まっています。単に会社分割契約を締結するだけでなく、労働契約承継法で定められた労働者保護の手続き、会社法で定められた債権者保護の手続き(債権者保護のための公告・催告などを行う)などを経る必要があります。そのため、最短で手続きを進めようと思っても、1カ月半~2カ月程度はかかります。

また、求められる手続きも色々とあるため、会社分割を選択する場合は専門家に相談することをお勧めします。

2)債権者や労働者の理解が得られないと思わぬ落とし穴がある

会社分割は、法律上の手続きを踏むことで、取引先から個別の承諾を得ることなく、契約等を承継会社に承継させることができます。

ただし、労働者保護の手続きにより、承継会社に承継される事業に主として従事する労働者は、自分の意思で承継会社に移籍するか否かを決めることができます。また、債権者保護手続きにより債権者から異議を出された場合、当該債権者に対して、債務を弁済する、相当の担保を提供するといったことが必要になります。

以上から、会社分割においては、場合によっては、事前に労働者や債権者に根回しをしておく必要があります。

3)分割対象を明確にして締結をする必要がある

会社分割も事業譲渡と同じように、何を分割対象にするかを当事者間で決めることができます。そのため、分割内容を明確にしておかなければ、分割会社と承継会社との間で認識のずれが生じ、トラブルになることがあります。

5 合併を進める際の注意点

1)手続きに時間がかかる

会社分割と同じく、法律上、合併の進め方は決まっています。そのため、最短で手続きを進めようと思っても、1カ月半~2カ月程度はかかります。

2)債権者の理解が得られないと思わぬ落とし穴がある

会社分割と同じく、合併においても債権者保護手続きなどを経る必要があります。そのため、債権者から同意が得られないと、合併手続きを進めるにあたって影響が出てきます。

3)会社に内在する問題を包括的に承継することを理解する

合併の場合には、会社に内在する簿外債務等のリスクを全て承継することになりますので、その点に留意し、きちんとデューディリジェンスを行うなどの対策を講じることが必要になるといえるでしょう。

以上(2025年9月作成)
(執筆 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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【規程・文例集】 株式交換契約書のひな型

1 株式交換契約書に定めるべき内容

中小企業のM&Aのスキームとして株式交換が採用されることはそれほど多くはありませんが、

  • 自社株を用いて現金を用いることなく、譲渡企業を完全子会社化することを計画している場合
  • 株主全員と交渉を行うことなく、株主総会決議でもって完全子会社化することを計画している場合

などに採用されることがあります。同じような理由で株式移転というスキームが用いられる場合も少なくありませんが、株式移転は新たに設立する会社を親会社にすることに対して、株式交換は既に存在する会社を親会社にするという違いがあります。また、株式交付というスキームが用いられる場合がありますが、このスキームは株式交換と異なり、譲渡企業の株式の全部ではなく一部を取得するスキームであるという点で違いがあります。

株式交換を行うときには、株式交換契約書を作成する必要があり、次の事項(法定記載事項)を定めなければなりません(会社法第768条)。なお、新株予約権を発行している場合などには別途追加で定めるべき事項がありますが、この記事では省略します。

  • 完全親会社および完全子会社の商号および住所(第2条)
  • 完全子会社の株主に対して交付する対価の内容等および割当てに関する事項(第3条)
  • 効力発生日(第5条)

2 株式交換契約書のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業によって定めるべき内容が異なってきます。実際に就業規則を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【株式交換契約書のひな型】

株式会社○○(以下「甲」という。)及び株式会社○○(以下「乙」という。)は、○○年○○月○○日(以下「本契約締結日」という。)、以下のとおり株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(株式交換の方法)

甲及び乙は、本契約に従い、乙を甲の株式交換完全親会社、甲を乙の株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行い、乙は、本株式交換により甲の発行済株式の全部を取得する。

第2条(当事者の商号及び住所)

甲及び乙の商号及び住所は、それぞれ次のとおりである。

甲: 株式交換完全子会社

    商号:株式会社○○

    住所:○○

乙: 株式交換完全親会社

    商号:株式会社○○

    住所:○○

第3条(株式交換に際して交付する株式及びその割当て)

1)乙は、本株式交換に際して、本株式交換により乙が甲の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」という。)において甲の株主名簿に記載または記録された甲の株主(以下「本割当対象株主」という。)に対し、その保有する甲の普通株式の合計に○○を乗じて得た数の乙の普通株式を交付する。

2)乙は、本株式交換に際して、基準時における甲の各株主に対して、その有する甲の普通株式1株につき、乙の普通株式○○株の割合をもって、乙の普通株式を割り当てる。

3)前二項の規定に従って本割当対象株主に対して割り当てるべき乙の普通株式の数に、1に満たない端数がある場合には、甲は会社法第234条その他関係法令の規定に従って処理する。

第4条(乙の資本金及び準備金の額)

本株式交換により増加すべき乙の資本金及び準備金の額は以下のとおりとする。

1.資本金の額    ○○円

2.資本準備金の額  ○○円

3.利益準備金の額  ○○円

第5条(本効力発生日)

本株式交換がその効力を生ずる日(以下「本効力発生日」という。)は、○○年○○月○○日とする。但し、本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は、協議し合意の上、これを変更することができる。

第6条(株主総会の承認)

1)甲及び乙は、○○年○○月○○日に開催予定の株主総会において、本契約の承認及び本株式交換に必要な事項に関する株主総会の決議を求めるものとする。

2)本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は、協議し合意の上、株主総会の開催日を変更することができる。

第7条(事業の運営)

甲及び乙は、本契約締結日から本効力発生日までの間、それぞれ善良な管理者の注意をもって自らの業務の遂行並びに財産の管理及び運営を行い、その財産若しくは権利義務に重大な影響を及ぼす行為を行おうとする場合については、あらかじめ甲乙協議し合意の上、これを行う。

第8条(本株式交換の条件変更及び中止)

本契約締結日以降本効力発生日に至るまでの間において、本株式交換の実行に重大な支障となる事態が生じ又は明らかとなった場合その他本契約の目的の達成が困難となった場合には、甲及び乙は、誠実に協議し合意の上、本株式交換の条件その他の本契約の内容を変更し、又は本株式交換を中止し、若しくは本契約を解除することができる。

第9条(本契約の効力)

本契約は、本効力発生日の前日までに、甲又は乙の株主総会における承認が得られないとき又は前条に従い本株式交換が中止され、若しくは本契約が解除されたときは、その効力を失う。

第10条(準拠法及び裁判管轄)

本契約は、日本法に準拠し、同法に従って解釈されるものとし、本契約に起因し又はこれに関連する一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第11条(誠実協議)

甲及び乙は、本契約の条項の解釈につき疑義が生じた場合及び本契約に定めのない事項については、誠意をもって協議して解決する。

本契約締結の証として本書面2通を作成し、甲乙記名捺印のうえ、各1通を保有するものとする。

○○年○○月○○日

以上(2025年9月作成)
(執筆 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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【参加無料】ネイチャーポジティブ普及促進・実践研究会「徳島プロジェクトを考える」開催!

令和7年11月14日、徳島県と徳島ネイチャーポジティブ経済移行推進本部が主催する、ネイチャーポジティブ普及促進・実践研究会「徳島プロジェクトを考える」が、文化の森総合公園内の徳島21世紀館イベントホールで開催されます。

詳細はチラシか徳島ネイチャーポジティブ経済移行推進本部公式サイトにて、ご確認いただけます。


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お申し込みはこちらから!


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【ネイチャーポジティブとは?】
ネイチャーポジティブとは日本語訳で「自然再興」といい、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを指します。これまでの自然環境保全の取り組みだけでなく、経済から社会、政治、技術までの全てにまたがって改善を促していくことで、自然が豊かになっていくプラスの状態にしていこうというのがネイチャーポジティブの趣旨です。国内では、2023年3月に閣議決定した生物多様性国家戦略2023-2030において2030年までにネイチャーポジティブを達成するという目標が掲げられています。
【徳島ネイチャーポジティブ経済移行推進本部とは?】
徳島県内でネイチャーポジティブの取り組みを推進し「未来に引き継げる徳島」の実現を図ることを目的として、徳島大学、徳島県、株式会社徳島大正銀行、とくぎんトモニリンクアップ株式会社(徳島大正銀行子会社)の4者で2025年4月28日に設立した組織です。
県内外の多数の事業者様のご協賛により事業を行ってまいります。
推進本部へのご入会も可能です。ご入会は、推進本部のリーフレットか、実践研究会のチラシの二次元コードから行うことができます。

以上(2025年10月作成)

【ハラスメント対策】ハラスメントの事実確認 順番は「相談者→第三者→行為者」

1 事実確認は「焦らず、じっくりと」

ハラスメントに関する相談が相談窓口に寄せられた場合、会社はすぐにハラスメントの事実があったか否かを確認します。これを「事実確認」といいます。具体的には、

「相談者(被害者など)→第三者(目撃者など)→行為者」の順番で事情聴取をする

ことになります。経営者としては、早く白黒をつけたいので、ついつい事実確認を行う担当者をせかしがちですが、調査不足は事実誤認のもとです。後々の対応(社内処分など)を誤らないためにも、「焦らず、じっくりと事実確認を行うこと」を心がけましょう。

2 相談者に事実確認する際の留意点

1)中立的な立場を貫く

相談者に確認する内容は次の通りです。相談者がメールや録音、SNSなどの客観的証拠を持っているようなら、相談者の同意を得てデータをコピーさせてもらいます。

相談者に事実確認する際の留意点

担当者は中立的な立場で臨み、相談者や行為者に変に肩入れをしないよう注意します。また、必要なのは事実確認と、ハラスメントがあった場合の処分に必要な情報ですから、興味本位の質問や「あなたにも隙があったのではないですか?」などの発言、「それはハラスメントに当たると思います」などの評価をしてはいけません。

2)行為者の言動を具体的に聞き取る

ハラスメントは客観的証拠が乏しいことが多く、「言った、言わない」の問題になりがちです。相談者の話を信じてよいか判断に迷ったときは、その話が

  • 実際に体験した者でなければ語れないような内容であるか、
  • 具体的で迫真性に富んだ内容であるかどうか
  • 発言が一貫しているか
  • 発言に不合理な点がないか
  • 他の目撃者の発言や客観的証拠と矛盾しないかどうか

などの事情を考慮して慎重に判断するようにしましょう。そして、これを確認するには、

行為者の実際の言動を、できる限り具体的に、実際の発言の通りに話してもらうこと

が大切です。

ハラスメントを受けた相談者が、精神的なショックなどからうまく話せない場合もありますので、辛抱強く丁寧に聞き取るようにしましょう。相談を受けたり、事情聴取を行ったりする人数や場所、時間なども、相談者が安心して話ができるよう配慮する必要があります。

また、セクハラの場合は羞恥心の問題もあるので、相談者と同性の担当者が事情聴取を行うようにしましょう。

3)相談者を安心させる

相談者は「行為者に報復されるかも……」と心配しているケースが多いので、その場合は

「相談したことで不利益を受けることはないし、行為者には勝手に相談者に接触しないよう強く警告する」

とはっきり伝えるようにしましょう。相談者の精神状態によっては、カウンセリングの実施も検討します。

また、相談者から行為者の処分について質問されることがあります。社内処分は最後に決まるものなので、この段階では「社内処分のことはまだ話せない」と回答しましょう。

相談者によっては、「事を大きくしたくない」「とりあえず報告したかった」と考えているケースもあります。したがって、必ず相談者に対して、第三者への事実確認を行うか、どのように事後対応を進めていくかの確認を取る必要があります。

3 第三者に事実確認する際の留意点

メールや録音、SNSなどの客観的証拠が残っているのであれば、必ずしも第三者に事実確認をしなくてもよいでしょう。逆に客観的証拠がなければ、第三者に事実確認する必要性が高くなってきます。第三者に事実確認する際は、相談者や行為者のプライバシーを守るために、

  • 事実確認する第三者は最小限とし、外部に情報が漏れることを防止する
  • 第三者が事実確認の内容などを他者に漏らさないように「誓約書」を取る

などの対応が必要になってきます。

4 行為者に事実確認する際の留意点

行為者に事実確認する際も中立的な立場で臨みます。事実確認の際は、「虚偽や言い逃れは許さない」という毅然とした態度で臨むことが大切ですが、最初から行為者を犯人扱いしたり、無理に自白を取ろうとしたり、語気を荒らげたりしてはいけません。

また、相談者から相談があったことを行為者に伝えるときは、勝手に相談者に接触しないよう強く警告します。そうしないと、行為者が相談者に「そんなことあった? あのとき、君も笑っていたよね?」などと言って、相談の取り下げを迫ることがあるからです。

なお、ハラスメントの事実が認定できた場合には、行為者には必ず「弁明の機会」を与えます。弁明の機会を与えるのは、

弁明の機会を与えないと、手続きが不適切として行為者を処分(懲戒処分、配置転換など)できなくなる恐れがある

からです。

5 その他の留意点

事実確認の際は、あらかじめヒアリングする事項をリストにしておく、あるいはヒアリングシート作成しておくなどして、聞き漏れがないようにしましょう。また、あらかじめ録音することを伝えたうえで、聴取の様子を録音しておくと、「言った、言わない」の問題を回避できます。

なお、相談者と行為者の言い分が食い違うケースはよくあります。また、行為者が経営者や役員など会社内で地位の高い人物であるケースも多いです。このような場合には、社内だけで事情確認を行うことが難しくなるため専門家である弁護士に相談しましょう。

以上(2025年10月更新)
(監修 弁護士 田島直明)

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