全額が損金算入できる福利厚生費。押さえておきたいルールとは?

1 福利厚生費は一石二鳥。社員は喜び、税負担も減る!

福利厚生費は、社員のモチベーション向上やコミュニケーションの円滑化のために必要な費用です。この支出には、「働きやすい会社にしたい!」という経営者の思いや、社員への感謝の気持ちが込められています。

税金計算においても、福利厚生費は全額を損金に算入できます。つまり、

福利厚生費を使えば社員が喜び、所得を減少させることもできて一石二鳥になる

のです。

ただし、経営者は福利厚生の目的で支出したつもりでも、全てが損金に算入できるわけではなく、あくまでも税法のルールにのっとって福利厚生費として認められるかが決まります。例えば、社員の昼食代を負担した場合、会社の飲み会で2次会や3次会に行った場合などはどうなのでしょうか。

この記事では、迷いやすい福利厚生費の判断基準や、シーン別の留意点を紹介していきます。

2 損金に算入できる福利厚生費とは?

福利厚生費について、税法上の明確な定義はありません。しかし、税金の計算上、福利厚生費を損金に算入するには、次の要件を全て満たす必要があります。

損金に算入できる福利厚生費の要件

1.会社の全社員(役員を含む。以下「社員等」)を対象とするものであること

2.支出する金額がおおむね一律で費用が社会通念上(常識的に)高額ではなく、通常要する費用として一般的な範囲内であること

3.原則、現金支給ではないこと

明確な金額の基準がなく、「社会通念上」や「通常要する費用として一般的な範囲内」など曖昧な面がありますが、とにかく上記の全ての要件を満たさないと、原則、福利厚生費として損金に算入できません。

なお、福利厚生費にならない費用は、支出の背景や用途などをもとに他の費用に振り分けられます。例えば、社内の特定の人だけに弁当を支給した場合や、豪華過ぎる懇親会などは、税務上の交際費として処理します。交際費の取り扱いは福利厚生費とは大きく異なり、一部しか損金に算入できません。

また、懇親会の費用などを、直接、社員等に現金で支給している場合、それは給与の一部支給となり、給与課税(源泉所得税として徴収)されます。福利厚生費と給与課税の関係については、次の記事でも紹介しています。

3 新年会や忘年会の飲み代は損金に算入できるか?

1)飲み会の費用に関する税務上の取り扱い

新年会、忘年会、歓迎会、送別会など、会社ではさまざまな飲み会が開かれます。いずれも社内の親睦を目的としたイベントですが、その費用を損金に算入するためには、前述した「損金に算入できる福利厚生費の要件」を全て満たす必要があります。

そのため、特定の社員等だけを対象にした懇親会や、残業で会社に残っている社員等を連れて飲みに行った場合(全員が残業している場合を除く)などは、社内の飲み会とはいえ、福利厚生費ではなく交際費となり、損金に算入できません。

2)2次会、3次会が実施された場合

そのときの流れで、飲み会が2次会、3次会と続くこともあります。この場合、福利厚生費として損金に算入できるかどうかの判断基準のポイントは、

前述した「損金に算入できる福利厚生費の要件」に加えて、お店の業態などの状況が会社のイベントとして社会通念上一般的であるか

です。

ただ、3次会まで行くと福利厚生費か交際費かという以前に、会社の経費として認められないケースが少なくありません。

3)参加人数が少ない場合

会社のイベントには参加したがらない社員もいます。実際、飲み会の連絡は全員にしたものの、参加した社員は少数だったということもあるでしょう。このようなケースでも、その飲み会費用は福利厚生費として損金に算入できます。

重要なのは参加人数ではなく、全員に飲み会があることを通知しているか否かにあるからです。なお、飲み会の告知は、口頭ではなくメールやチャットなど後から確認できる方法で行いましょう。

4 社員等の昼食代などを会社が負担するケース

次に、同じ飲食でも飲み会とは取り扱いが違うケースとして、社員等の昼食代(食事価額)などを会社が負担するケースを紹介します。昼食代などが損金に算入できるか否かについては、国税庁のタックスアンサーで明確な基準が示されています。

■国税庁タックスアンサー「No.2594 食事を支給したとき」■
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2594.htm

1)食事価額を損金に算入するための要件

会社が社員食堂を運営する場合や、まとめて弁当を注文して社員等の昼食代を負担する場合があります。社員等のための支出とはいえ、全額を無条件で損金に算入できるわけではありません。会社が負担した食事代を福利厚生費として損金に算入するためには、次の要件を満たす必要があります。

食事価額を損金に算入するための要件

1.社員等が食事価額(以下「食事代」)の半分以上を負担していること

2.次の算式により計算した金額が1カ月当たり7500円以下(税抜き)であること(令和8年度税制改正により、2026年4月1日以後の支給から、従来の3500円以下から引き上げられました)

食事代-役員または社員が負担している金額

なお、食事価額とは、例えば弁当支給の場合における仕出し弁当業者に支払う価額、社員食堂にて食事を提供している場合には、食事の材料費や調味料などの食事を作るために直接かかった費用の合計額になります。

例えば、1カ月当たりの食事代が5000円で社員等の負担が1000円の場合、上記の1つ目の要件(社員等が食事代の半分以上を負担していること)を満たしていません。この場合、食事代と社員等の負担の差額である4000円(5000円-1000円)は給与課税の対象となり、会社は源泉所得税を徴収しなければなりません。

2)休日出勤や深夜残業の際の食事代を負担した場合

休日出勤や残業をしている社員等に夜食を提供した場合、原則として福利厚生費として損金に算入できます。

なお、現物ではなく、夜食に代えて金銭を支給する場合には、1食あたり一定額以下であれば非課税として扱われます。この非課税限度額は、令和8年度税制改正により、2026年4月1日以後に支給する分から、従来の300円以下から650円以下に引き上げられています。

ただし、食事が豪華過ぎる場合などは、現物給与と見なされかねません。そのため、社内規定等により食事を提供する際の価額(通常の飲食としての範囲内)などをあらかじめ定めて社員等に通知しましょう。

3)社員食堂で社員等に無料で食事を提供した場合

無料の社員食堂を設置している会社があります。人材の確保やコミュニケーションの円滑化、健康経営の実践などが目的ですが、前述した「食事価額を損金に算入するための要件」を満たしていなければ給与課税されます。

そのため、「無料」をうたっている場合でも、実際は給与課税されているケースがあります。それでも会社と社員等の双方が望むのであれば、給与課税されるとしても、会社の経費(追加の給与)として検討する価値があるでしょう。

5 社員等の冠婚葬祭時に慶弔金を支給した場合

1)慶弔金に関する基本的な税務上の取り扱い

結婚祝い、出産祝い、香典、病気見舞いなど、社員等の冠婚葬祭時に会社が慶弔金を出す場合があります。あらかじめ「慶弔見舞金規程」に定められた慶弔金は現金支給であっても、福利厚生費として損金の額に算入することができます。

注意点は以下の通りです。

  • 社員等の間で不公平がないこと
  • 支給額は「慶弔見舞金規程」の範囲内で、役位別または勤続年数別、支給する親族の範囲別などにより世間相場からかけ離れていないこと

2)領収書等がない場合

慶弔金の支給については領収書がないケースが多いと思います。実務上、領収書がなくても支払いの事実が分かるメモ書きなどがあれば問題ありませんが、慶弔に関する案内状など、支給の事実が分かるものと一緒に保存しておくのが無難です。

以上(2026年8月更新)

(監修 辻・本郷税理士法人 税理士 安積健)

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知っていますか? 社会保険の未加入などを指摘する年金事務所の「社会保険調査」

1 パート等が多い会社は要注意? 社会保険調査が入るかも

年金事務所の「社会保険調査」なるものをご存じでしょうか? これは、

年金事務所が、会社の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続きに誤りや不正がないかをチェックする調査

で、主に次の2点を確認されます(社会保険に加入している場合)。

1.資格得喪関係(社会保険に加入すべき社員を、適正に加入させているか)

2.報酬関係(賃金や賞与に係る社会保険料を、適正に算定・届け出をしているか)

パート等(短時間労働者)を多く雇用する会社などが調査の対象になりやすいのが特徴で、罰則もあります。2026年10月からは「社会保険の適用拡大」により、

いわゆる「106万円の壁」が撤廃され、社会保険に加入するパート等の対象範囲が広がる

ことになります。

この記事では、社会保険調査の対象になる会社やチェックされる書類などを紹介するので、事前準備にお役立てください。

なお、社会保険調査には、

  • 総合調査(年金事務所が都度、時期を決め、資格得喪関係、報酬関係を総合的に調査)
  • 定時決定時調査(定時決定の手続きを行う6~7月ごろに、算定基礎届を中心に調査)

などがありますが、現在実施されているものは、基本的に全て「総合調査」です。次章以降に出てくる「社会保険調査」というワードも、特に断りがなければ年金事務所が実施する総合調査のことを指します。健康保険組合に加入している場合、健保組合独自の調査を受ける可能性もあるかと思いますが、健保組合によって内容や対応方法が異なりますので、本リポートでは触れません。

2 社会保険調査の流れは?

社会保険調査の流れは次の通りです。

社会保険調査の流れ

まず、年金事務所から「社会保険調査のご案内」などの名目で通知(書面)が届きます。通知が届くのは、年金事務所が「調査が必要」と判断したタイミングで、具体的には次のようなケースがあります。

  • 年金事務所が社員(被保険者)から通報を受けたとき
  • 社会保険関連の法改正があるとき
  • 前回の社会保険調査から一定の期間が経過したとき(数年に一度など)

一般的に、総合調査は3~5年の頻度で実施されると言われています。ただ、これには地域差があり、地方で法人数が少ない地域ではもっと短いスパンで実施される場合もあります。

一方で大都市圏のような膨大な法人数がある地域では、10年以上総合調査を受けていないというケースも少なくありません。

通知が届いたら、会社は通知に記載された書類を、郵送または対面で年金事務所に提出します。年金事務所が提出書類をチェックし、問題がない場合は調査終了、問題がある場合は年金事務所の指示に従い、問題点を是正すれば終了となります。

社会保険調査の通知を無視したり、是正の指示に従わなかったりすることは許されず、

悪質な場合、罰則(6カ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)を受ける

こともあります。

3 社会保険調査の最近の動向は?

年金事務所を統括する日本年金機構によると、

  • 調査事業所数(社会保険調査が行われた事業所の数、今回は総合調査を対象とする)
  • 指摘事業所数(社会保険調査により、指摘を受けた事業所の数)

の推移は次の通りです。

調査事業所数と指摘事業所数

調査事業所数は、2021年度(24万2793事業所)から2025年度(11万543事業所)にかけて54.5%減っているのに対し、指摘事業所数は、2021年度(9万5922事業所)から2025年度(8万8237事業所)にかけて8.0%しか減っていないので、

社会保険調査で指摘を受ける確率は、相対的に上がっている

といえます。

4 社会保険調査が入りやすい会社は?

日本年金機構は、2025年度に社会保険調査が実施された11万543事業所のうち、調査の優先度が高かった事業所として、次の10万3330事業所を挙げています。

社会保険調査の優先度が高かった事業所(2025年度)

赤字の項目は、対調査事業所数(%)が10%を超えているものです。「雇用保険には加入しているが、社会保険には加入していない社員がいる」「社会保険の適用拡大の対象になる社員がいる」「一定期間、社会保険調査が実施されていない」「定時決定に必要な算定基礎届を提出していない」といった場合、社会保険調査が入りやすく、さらに、そこで指摘を受けると、以降も社会保険調査の対象になる可能性が高まります。

5 どのような書類をチェックされるのか?

社会保険調査で年金事務所から提出を求められるのは、次のような書類です。

1.原則として必ず提出する書類(注):賃金台帳、出勤簿、源泉所得税領収書

2.必要に応じて提出する書類:就業規則、雇用契約書

(注)年金事務所によって異なりますが、過去2年分程度の提出を求められるケースが多いです。

例えば、賃金台帳には、社員の「賃金計算期間」「労働日数」「労働時間数」「賃金額」「支給項目」「控除項目」などが記載されています。仮に、

  • 社員が被保険者要件を満たすのに、社会保険に加入していない
  • 日本年金機構に届けている標準報酬月額と実際の給与額とに差が生じている(いわゆる月額変更の届け出忘れなど)
  • 月例給与の中に賞与に該当する支給があったにもかかわらず、届け出ていない

といった問題が見つかると、年金事務所から是正を指示されます。例えば、社員が被保険者要件を満たすのに、社会保険に加入していなかった場合、

  • 速やかに資格取得手続きを行う(被保険者資格取得届の提出)
  • 社員が被保険者要件を満たすようになった時期まで遡って、未払いの社会保険料を納付する(最大で過去2年分)
  • 未払いの社会保険料のうち、社員負担分を社員から徴収する(賃金から控除する場合、原則として社員の同意が必要)

などの手続きをします。

是正が完了しても、その旨を年金事務所に報告する必要はありません。社員の資格得喪や、社会保険料の納付が適正に行われれば、年金事務所内で把握できるからです。また、資格得喪の手続き漏れや社会保険料の未払いには、本来「6カ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」という罰則がありますが、これは悪質なケースの場合であり、実際は、

年金事務所の指示通りに速やかに手続きを行えば、罰則を受けずに済むケースが多い

ようです。

6 これで安心。事前に確認したい10項目

最後に、社会保険調査に備えて事前に確認したい10項目を紹介します。特に5.と10.は要注意です。

事前に確認したい10項目

5.については、取り急ぎ2026年10月からの「社会保険の適用拡大」で、被保険者要件を満たすようになるパート等がいないか確認しましょう。そして、該当者がいる場合は速やかに資格取得手続きを行います。

パート等の被保険者要件

10.は、本来、賞与として支給すべき金銭が、「○○手当」などとして月例賃金に組み込まれているケースの指摘です。法令上、

労働の対償として支給する金銭のうち、支給期間が3カ月を超えるものは全て「賞与」

に当たり、該当する場合、

「賞与」以外の名目で支給していたとしても、「賞与支払届」を年金事務所に提出して、社会保険料(賞与保険料)を納付

しなければなりません。たとえ社員1人にしか支給していなかったとしても、それが賞与に該当する場合、賞与支払届の提出が必要です。自社の就業規則(賃金規程など)をいま一度見直して、該当するものがないかチェックしておきましょう。

5.と10.以外は、資格得喪や定時決定などの決まった手続きを適正に行っていれば、基本的に問題ありません。手続きに不安がある場合は、日本年金機構のウェブサイトなどで確認しておきましょう。また、社会保険のうち健康保険の保険料率は定期的に改定されるので、こちらも保険者(全国健康保険協会など)のウェブサイトなどで確認するとよいでしょう。

■日本年金機構「健康保険・厚生年金保険の保険料関係」■
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/index.html
■全国健康保険協会「保険料率」■
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/

以上(2026年9月更新)
(監修 人事労務すず木オフィス 特定社会保険労務士 鈴木快昌)

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【かんたん法人税(1)】会計と税務の違いを理解しよう

1 経営者にとって最も身近な「法人税」

法人税は中期経営計画と関係性が深く、いわゆる「決算対策」の対象にもなります。そこで、このシリーズで、経営者が押さえておきたい法人税のポイントをまとめていきます。

この回では、法人税の課税対象や計算に関する全体像などをご説明します。経営者が特に押さえておきたいのは、

  • 会計:収益-費用=利益
  • 税務:益金-損金=所得

の違いです。決算対策で自社に有利な取り組みをするのも、税務調査で指摘を受けるのも、基本的にはこの違いから生じますので、しっかりと確認していきましょう。

2 法人税の概要

1)納税義務者は法人

法人税の納税義務者(税金を納める義務がある者)は「法人」です。法人には株式会社や合同会社の他、一般社団法人や医療法人など多くの形態があります。

法人税法上では、これらの法人を、

  • 内国法人:国内に本店または主たる事務所等を有する法人
  • 外国法人:内国法人以外の法人

の2つに区分しています。一般的な法人の多くは「内国法人」の、「1.普通法人」に該当します。

法人税法上における法人

2)課税対象は所得

法人税の課税対象は、

事業活動を通じて得た「所得の金額」

です。「所得」は会計上の「利益」に近い概念ですが、会社法と法人税法という法律の違いにより、

  • 会計上は収益となるが、法人税法上は収益とならないもの
  • 会計上は費用となるが、法人税法上は費用とならないもの

などが存在するため、必ずしも「利益=所得」とはなりません。この点の詳細は後述します。

3)税率は原則として23.2%

法人税の税率は、

原則として23.2%

です。ただし、中小法人の場合、

所得が年800万円以下の部分は15.0%(一定以上の所得金額がある場合には、17%または19%)に軽減

されます。例えば、所得が1000万円の中小法人(適用除外事業者には該当しない)の場合、800万円までは15.0%が適用され、800万円を超える部分(1000万円-800万円=200万円)には23.2%が適用されます。

なお、適用除外事業者とは、前3事業年度の平均所得金額が15億円超の中小企業者のことです。また、所得金額が年10億円超の中小法人については、所得のうち800万円以下の部分に適用される軽減税率が、17.0%となっています。

法人税の税率

4)申告期限

1.確定申告

法人税は、

原則として、事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に確定申告をして法人税を納付

します。ただし、災害その他やむを得ない事情がある場合などは上記申告期限を延長することも可能です。

2.中間申告

事業年度が6カ月を超える法人は、事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に中間申告書を提出して中間法人税を納付します。一般的な1年決算法人の場合、前事業年度の法人税の12分の6相当額を中間法人税として納付するのが基本です。

3 「利益」と「所得」の違いと税務調整

1)「利益」と「所得」の違い

会計上の利益は「収益-費用=利益」として計算されますが、法人税法上の所得は「益金-損金=所得」として計算されます。益金は収益、損金は費用に近い概念ですが、会社法と法人税法という法律の違いにより、

会計上は収益(費用)となるが、法人税法上は益金(損金)とならないものがあるなど、両者は必ずしも一致しない

ことになります。

益金の場合、会計上の収益に「会計上は収益とならない(していない)が、法人税法上は益金となるもの」を加算し、「会計上は収益となるが、法人税法上は益金とならないもの」を減算することによって、法人税法上の益金が計算されることになり、損金についても同様です。この加減算調整のことを「税務調整」といいます。これを図解すると次の通りとなります。

「利益」と「所得」の違い

2)税務調整の種類

税務調整項目として代表的なものは次の通りです。

1.益金算入項目:会計上は収益ではない、税務上は益金

  • 会計上と法人税法上の認識基準(どのタイミングで売上に計上するか)の違いによる売上の計上漏れなど

2.益金不算入項目:会計上は収益、税務上は益金ではない

  • 受取配当金(種類によって受取配当金の全額が益金にならないケースと、一部が益金にならないケースがある)
  • 法人税や住民税などの還付金
  • 資産の評価益(民事再生法の適用など税務上の所定の要件を満たす場合には益金となるケースもある)

3.損金算入項目:会計上は費用ではない、税務上は損金

  • 会計上と法人税法上の計上基準の違いによる売上原価の計上漏れ

4.損金不算入項目:会計上は費用、税務上は損金とならない

  • 法人税や住民税の本税
  • 延滞税や加算税などの附帯税
  • 賞与引当金や退職給付引当金の繰入額
  • 役員賞与
  • 減価償却超過額(税務上認められる限度額を超えて費用計上したもの)
  • 資産の評価損(災害や陳腐化など税務上の所定の要件を満たす場合には、損金となるケースもある)

4 法人税の具体的な計算過程と実務

1)所得金額の算定

収益と益金、費用と損金に違いがあるため、利益と所得は必ずしも一致しません。そこで税務調整が必要となりますが、実際の確定申告書を作成する上では、益金と損金について別々に税務調整を行うのではなく、「会計上の利益をスタート」として、この会計上の利益に直接所定の税務調整を行うことによって所得金額を算出します。

図表4において会計上のP/Lと税務上のP/Lの違いをイメージした上で、実際の確定申告書を作成すると図表5のようになります。

会計上のP/Lと税務上のP/L

確定申告書のイメージ

2)法人税額(特別控除等考慮前)の計算

法人税額(特別控除等考慮前)は、上で計算した税務上の所得金額(課税所得金額)に法人税率を乗じて求めます。

法人税額(特別控除等考慮前)

3)法人税額(特別控除等考慮後)の計算

法人税法においては、従業員の賃上げを行ったり、試験研究費の支出をしている法人に対しては、計算した法人税を減額する制度(税額控除制度)などがあったりします。また、法人税額の他、一定の同族会社に対して所定の追加税額を課する制度(特別税額制度)などがあります。

従って、上記2)で計算した法人税額に、税額控除制度や特別税額制度によって計算した金額を加減算して1事業年度の法人税の総額を求めます。

法人税額(特別控除等考慮後)の計算

4)納付すべき法人税額の計算

上記3)で計算した法人税額は1事業年度の法人税の総額ですので、最後にその事業年度中に納付した中間納付額を控除することで「確定申告により納付すべき法人税額」が計算されます。

納付すべき法人税額の計算

5)実務上の留意点

法人税の課税対象となる所得の金額は「会計上の利益」をスタートにして所定の税務調整を加減算して計算されます。従って、まずは期中における会計処理を正確に行い、正しい「会計上の利益」を計算することが大前提となります。

また、税務調整を行う上で必要な資料の保存には注意しましょう。「税金計算用ファイル」をあらかじめ用意しておくなど、税金計算作業にスムーズに入れるように普段から準備しておくことが重要です。確定申告時期に慌てて収集しようとしても資料が見つからなかったり、あるいは収集漏れが見つかったりすることがあります。その場合、本来は受けられる税額控除などが受けられない可能性もあります。

なお、この記事で紹介した税務調整項目はほんの一部であり、実務上は多岐にわたります。不明点などがある場合には、税理士と綿密にコミュニケーションを取って作業を進めることなども非常に有用です。

以上(2026年8月更新)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 森浩之)

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上司の「評価バイアス」が人事評価の妨げに。古くて新しい問題にどう対処する?

1 評価者バイアスは「昔からある問題」だけど……

人事評価における「評価バイアス」は、昔から知られてきた課題です。例えば「上司の評価が甘くなりすぎる」「無難な中間に寄せてしまう」「直近の出来事に引っ張られる」など、こうした偏りは、今も昔も多くの職場で起きています。

ただし、問題の中身は少し変わってきました。オンライン化や働き方の多様化、そして上司自身の余裕のなさ。評価バイアスは、昔と同じ理由だけでは説明できないほど強まっています。本記事では、バイアスが強まる「いまどきの理由」を3つ挙げ、それぞれについて上司が明日からできる行動を紹介します。最後に、この問題を放置できない理由にも触れます。

2 評価者バイアスの典型例は?

評価者バイアスとは、評価する上司の心理的なクセや思い込みが、部下の実際の成果や行動よりも強く評価に影響してしまう現象です。

典型例としては、全体的に甘い点をつけてしまう「寛大化傾向」、極端な評価を避けて全員を中間に寄せる「中心化傾向」、評価直前の出来事だけが強く印象に残る「直近バイアス」などが挙げられます。

代表的な評価バイアス

こうした偏りは、評価制度の欠陥というより、評価する人間の認知の限界として昔から指摘されてきました。産業心理学の分野では、寛大化や、ある一面の印象が評価全体に波及する「ハロー効果」などの評価エラーが、20世紀を通じて研究されてきています。

評価バイアスは特別な失敗ではなく、誰にでも起こる人間のクセです。だからこそ、個人の注意力に頼るのではなく、仕組みと行動の両方で対処する必要があります。以降では、バイアスが強まる「いまどきの理由」と、明日からできる行動を順に見ていきます。

3 いまどきの理由1:判断材料が複雑になった

評価が難しくなっている理由の一つは、判断材料が複雑になったことです。オンライン会議やチャット、非同期のやり取りが増えると、上司は部下の仕事ぶりを断片的にしか見られなくなります。すると、チャットの発言量や会議での目立ち方が評価に影響しやすくなり、黙々と成果を出す社員を見落とすリスクが高まります。

ここで役立つのが、厚生労働省の「職業能力評価基準」です。仕事に必要な知識・技術と、成果につながる具体的な行動例を、職種別・レベル別に整理した公的資料で、こうした「見えにくい成果」を言葉にして評価に反映させる手がかりになります。

明日からできる行動としては、評価前に部下ごとに「印象→具体行動→成果」の3段階で書き出し、自分の印象を客観的な事実で裏付けられるか確認する方法が有効です。さらに、週1回でも短い評価メモを残しておけば、直近の印象に引っ張られにくくなります。

【社労士の実務メモ】

社労士として相談を受ける中で感じるのは、オンライン化が進んだ職場で「部下の仕事ぶりが見えない」と悩む会社ほど、日々の記録が残っていないことです。働く場所や働き方が多様になっても、会社には労働時間や業務内容を適切に把握・管理する責任が残ります。評価メモは、バイアス対策であると同時に、労務管理や後述する評価トラブルの予防にも役立つ一石二鳥の記録です。後から人事評価の資料として使うことを想定し、「いつ・何を・どう行ったか」という事実を中心に書き、感情的な表現は避けてください。

4 いまどきの理由2:上司自身に余裕がなくなっている

今の評価バイアスを強めている背景には、上司自身の余裕のなさがあります。管理職はプレイヤー業務も抱えやすく、部下管理や時間管理の負担も増えています。その結果、じっくり比較検討する時間が取りにくくなり、思い出しやすい出来事や目立つ行動に判断が寄りやすくなっています。

これは、2章で挙げた「直近バイアス」がさらに強まるほか、目立つ行動を過大に評価してしまう「顕著性バイアス」、そのときの感情が採点に混ざる「感情バイアス」といった形で現れます。評価制度の問題というより、考える余裕の不足が招く評価の偏りといえます。

対処はシンプルです。評価メモを続けること、評価直前に評価期間全体を均等に振り返るチェックリストを使うこと、忙しいときほど即断しないルールを決めること。この3つだけでも、評価のぶれはかなり抑えられます。

【社労士の実務メモ】

上司の「余裕のなさ」は、本人の頑張りの問題ではなく、会社の労務管理の問題でもあります。見落とされがちですが、会社は「管理監督者を含む全ての労働者」について、労働時間の状況を把握する義務を負っています。プレイングマネジャーの長時間労働を放置すれば、評価の質が下がるだけでなく、健康障害が生じた際に安全配慮義務違反を問われかねません。実務としては、評価作業を「空き時間にやる仕事」にせず、評価期間中に評価のための時間を業務として確保することをおすすめします。評価者に余裕を持たせる体制づくりは、評価の精度と管理職の健康、その両方を守る施策です。

5 いまどきの理由3:評価基準が言語化されていない

もう一つ見落とされがちなのが、評価基準の言語化不足です。何をもって高評価とするのかが曖昧だと、上司ごとの「自分基準」が前面に出てしまいます。結果として、同じ成果でも上司によって評価がばらつき、部下は「何を頑張ればいいのか」が分からなくなります。

明日からできる行動としては、評価前に「成果・行動・再現性」の3軸で自分の評価基準を書き出し、部下に事前共有することです。さらに、同じ部門の上司同士で5分だけでも評価のすり合わせを行うと、基準の属人化をかなり防げます。

【社労士の実務メモ】

評価そのものには会社の広い裁量が認められますが、評価結果を降給・降格に反映させる場合は別問題です。実務でよくあるのが、就業規則に降給・降格の根拠規定がないまま賃金を引き下げてしまうケースで、労働条件の不利益変更として無効と判断されるリスクがあります(労働契約法上、不利益変更には原則として本人の合意が必要です。同法第8条・第9条参照)。また、基準が不明確なまま特定の社員だけを低く評価すると、「人事権の濫用」と判断されるおそれもあります。評価基準の明文化と評価記録の保存は、バイアス対策であると同時に、法的リスクへの備えです。評価と賃金の連動が就業規則に明記されているか、いま一度確認してください。

6 評価ミスが離職に直結する時代になった

ここまで、評価バイアスが強まる3つの理由を見てきました。最後に、なぜ今すぐ対処すべきなのかを押さえておきましょう。答えは、評価ミスの代償が大きくなったからです。

転職市場が活発な今、不公平な評価を受けたと感じた社員は、我慢するより先に転職を考えます。評価への不満は、単なるモヤモヤではなく、離職につながる現実的な問題になっているのです。

明日からできる行動としては、1on1や評価面談を通して「次にどうすれば評価が上がるか」を具体的に共有することです。制度の説明を尽くすより、次の行動が明確になるほうが、不公平感は大きく下がります。

【社労士の実務メモ】

評価への不満は、退職だけでなく労務トラブルにも発展します。社労士として紛争対応の場面で痛感するのは、「不当な低評価だ」「評価を口実にした嫌がらせだ」といった主張に対し、会社側が評価の根拠を説明できないと非常に不利になることです。日々の評価メモと面談記録は、評価の合理性を示す説明材料そのものです。記録は評価が確定してもすぐに破棄せず、少なくとも次の評価期間が終わるまでは保存しておいてください。

7 評価前チェックシート:評価をつける前に25項目を確認する

ここまで紹介した対策を、評価をつける直前に一枚で点検できるようにまとめたのが、次のチェックシートです。部下一人あたり5分もかかりません。すべてに✔がつく必要はなく、✔がつかなかった項目こそ、バイアスが入り込んでいるサインです。その項目だけ記録や事実に立ち返ってから、評価を確定してください。

評価前チェックシート(25項目)

8 評価を変える最初の一歩

評価バイアスは昔からある問題ですが、いまの働き方の中でむしろ強く出やすくなっています。だからこそ、個人の注意力だけに頼らず、評価メモ、基準の言語化、面談でのフィードバック、上司同士のすり合わせを組み合わせることが重要です。評価の精度は、上司の「勘」ではなく、日々の記録と基準の共有で上げていく時代です。

以上(2026年9月作成)
(執筆 社会保険労務士 三原明日香)

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画像:ChatGPT

【規程・文例集】カスハラ対策にもなる「苦情対応マニュアル」のひな型

1 重要なのは、苦情対応の方針を共有しておくこと

会社が商品・サービスを提供する上で、お客様からの不平・不満(以下「苦情」)は避けられないものですが、苦情の内容は様々であり、その対応に絶対の正解はありません。とはいえ、

臨機応変な対応は大切ですが、まずは会社としての対応方針や対応例を定めておく

ことが望ましいです。そこで必要になるのが「苦情対応マニュアル」です。

昨今は、暴力、暴言、土下座の要求など、いわゆる「カスハラ(カスタマーハラスメント、お客様による著しい迷惑行為)」が問題になっています。直近では、

カスハラの定義が明確化され、防止措置についても実施が義務化(2026年10月1日施行)

されることになりました。苦情はお客様からの貴重な意見であり、尊重すべきものですが、

カスハラは決して許容せず、会社として毅然とした対応をし、従業員を守る姿勢を示す

ことも必要です。

カスハラに対する姿勢も含め、会社としての苦情対応の方針をマニュアルに示しておくことは、苦情対応に当たる従業員にとって安心材料になります。

2 苦情対応マニュアルのひな型

以下で紹介するひな型は、苦情対応に関する一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業の業務内容や形態、対応方針などによって定めるべき内容は異なってきます。実際にこうした規程を作成する際には、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【苦情対応マニュアルのひな型】

第1章(はじめに)

第1条(目的)

本マニュアルは、当社が提供する商品・サービスなどへの苦情に対する対応手順および留意点について定め、苦情への適切な対応および円滑かつ円満な解決を図ることを目的とする。

第2条(定義)

1)苦情とは、当社が提供する商品・サービスやそれらの提供に伴う諸活動などに対してお客様から寄せられる不平・不満の表明のことをいう。

2)カスタマーハラスメントとは、1)の苦情のうち、次のいずれかに該当する言動であって、従業員の就業環境を害するものをいう。

  1. 要求の内容が妥当性を欠く言動(当社が提供する商品・サービスに瑕疵・過失が認められない要求、当社が提供する商品・サービスの内容とは無関係の要求など)
  2. 要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動(暴力、脅迫、誹謗中傷、暴言、土下座の要求、セクシュアルハラスメントなど)

第3条(苦情対応の基本方針)

1)苦情は、お客様からの貴重な意見であり、前向きに捉え、尊重する。

2)苦情を受領した際には、公正・真摯な態度で、丁寧に話を聞く。

3)苦情がカスタマーハラスメントに当たる場合には、毅然とした態度で対応する。当社は、カスタマーハラスメントを許容せず、従業員の安全確保および心身の健康への配慮のため、次の通り対応する。

  1. カスタマーハラスメントの発生時には、対応した従業員の安全確保および心身の健康への配慮を最優先に行動する。
  2. カスタマーハラスメントへの対応を現場任せにすることなく、会社全体の問題として組織的に対応する。責任者は、カスタマーハラスメントの報告を受けた場合、対応した従業員を一人にせず、必要に応じてその従業員を一時的に顧客対応業務から外すなどの措置を講じる。
  3. 当社は、対応した従業員にメンタル不調の兆候がある場合、産業医やカウンセラーとの面談機会を提供するなど、精神的ケアのための支援を行う。
  4. 従業員の身体に危害が加えられる、またはその危険性が高いと判断される場合には、躊躇なく警察に通報する。

4)プライバシーや人権の尊重に努め、知り得た情報(個人情報等)の管理を徹底する。

第2章(苦情対応の手順)

苦情対応は次の手順で行う。

苦情対応の手順

第3章(担当者等の職務)

苦情の受付を担当する従業員(以下「担当者」)、苦情解決に責任を有する従業員(以下「責任者」)をあらかじめ定め、担当者以外の従業員に苦情があった場合には、速やかに担当者に引き継ぐ。担当者・責任者が行う職務は、次のとおりとする。

1)苦情の受理

  1. 苦情受理時、担当者は、お客様の話を十分に聞き、苦情内容とお客様の要求の把握に努める。その際、お客様の話を否定するような発言はしない。
  2. 担当者は、お客様に不愉快な思いをさせたこと、手間を取らせたことについて謝罪する。ただし、問題の発生原因など、責任の所在が不明なことについては、不用意に謝罪することは避ける。
  3. 担当者は、お客様のプライバシーや名誉に配慮し、別室で話を聞くことができる。その際は、責任者などを交え、必ず複数名で話を聞くこととする。また、必要に応じてお客様との会話を録音する。
  4. 担当者は、苦情の内容を責任者に報告する。
  5. 苦情の申出が、電子メールや手紙など、直接の対話を伴わない手段で行われた場合には、担当者は受理した旨をお客様に通知し、責任者に報告する。
  6. 担当者は、苦情の受理に当たってカスタマーハラスメントやそれに類似する言動があった場合、本章第6項の「苦情対応の中断および終了」に従う。

2)苦情内容の評価・調査

  1. 責任者は、受理した苦情について、妥当性、重大性、複雑性、即時処置の必要性などの点から評価する。
  2. 責任者は、必要に応じて担当者などに事情聴取を行い、苦情の内容、原因およびお客様の状況などの客観的な事実の調査を行う。

3)苦情対応方法の検討

  1. 責任者は、必要に応じて担当者などを交え、適切な苦情対応方法(解決策)の検討を行う。
  2. 当社のみで対応することが困難な場合には、関係機関や専門家などへ苦情内容を報告し、協力を求めることができる。
  3. 検討や対応に時間がかかる場合には、お客様に回答期日の目安を伝える。

4)苦情対応の実施

  1. 担当者または責任者は、検討された苦情対応方法をお客様に提案する。
  2. 上記対応でお客様の了承を得られれば、迅速かつ確実にその対応を行う。お客様の了承を得られない場合には、必要に応じてお客様と話し合いながら、再度対応方法の検討を行う。
  3. 問題の発生原因などに関するお客様への報告は、文書を用いて行う。

5)苦情情報の記録

  1. 担当者は、苦情の内容、対応経過などを別途定める「苦情対応報告書」にまとめ、責任者に提出する。
  2. 責任者は、苦情対応報告書を受領し、保管する。
  3. 責任者は、苦情対応についてお客様に改善を約束した事項がある場合には、その実施状況について記録するとともに、必要に応じて当社の商品・サービスなどにも反映し、再発防止に努める。

6)苦情対応の中断および終了

  1. 担当者は、お客様の言動がカスタマーハラスメントに該当すると判断し、中止を求めたにもかかわらず、改善がなされない場合には、お客様にその旨を伝えた上で、対応を中断または終了することができる。
  2. 対応を終了した後もお客様が退去しない場合、または電話を繰り返し行う場合には、速やかに責任者に報告し、警察への通報を含めた対応を検討する。

第4章(マニュアルの見直し)

本マニュアルは、当社への苦情の状況や社会の情勢などに応じ、定期的に見直しを行う。

■苦情対応報告書■

苦情対応報告書

以上(2026年9月更新)

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画像:ESB Professional-shutterstock

【朝礼】感謝も不満も心の持ち方次第で決まる

【ポイント】

  • 最近、「ありがとう」や「すみません」を言うハードルがますます高くなっている
  • 心の持ちようによって、どのようなことにも感謝することができる
  • 相手の態度に惑わされて、これらの言葉を伝えるハードルを上げてはいけない

最近、「ありがとうございます!」を聞く機会が減ってきたように感じます。私が、何かのきっかけになればと人を紹介したり、新たなサービスを付加してあげたりした際、相手は感謝こそするものの、「ありがとうございます!」と分かりやすい言葉で伝えてくることがあまりありません。

「すみません」という言葉についても同じです。先日、取引先が納期ギリギリで、しかも完成度の低い仕事をしたため、当社がフォローをしなければなりませんでした。にもかかわらず、その取引先が「申し訳ございませんでした」と潔く謝罪することはありませんでした。

私は幼い頃から、「『ありがとう』と『すみません』は人間の基本である」と教えられてきたので、なおさら今のような状況には違和感を覚えます。また、相手が「ありがとう」や「すみません」を言ってくれないことへの不満が募ると、こちらも「ありがとう」などと言うのをやめようという、ちょっと意地悪な気持ちになってしまいます。そうなると、「ありがとう」や「すみません」を言うハードルがますます高くなっていき、何となくギスギスとした関係になってしまうのです。

ですが、先日、ある人が私にこんな言葉をかけてくれました。その言葉とは、「どのようなことでも、心の持ちようで捉え方は変わるものである。義理を欠いた言動があったとしても、それはあなたに『これをしてはいけないよ』と教えてくれているのだと考えれば、相手に感謝することができる。そして、心の中で『ありがとう』と言えばよい」というものでした。

心の持ちようによって、どのようなことにも感謝することができます。たとえ相手の態度が礼を欠くものだったとしても、そこから学ぶことができるのです。私たちは、意識して気持ちをフラットにしていないと、自分の固定観念によって、偏ったものの見方しかできなくなってしまいます。

皆さん、相手に何かをしてもらったら気持ちよく「ありがとうございます!」、こちらがミスをしてしまったら潔く「申し訳ございませんでした」と伝えてください。相手の態度に惑わされて、これらの言葉を伝えるハードルを上げてはいけません。

以上(2026年8月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

大企業を超えた中小の賃上げ率。人手不足時代を生き抜く攻めと守り 【経営者とっておきニュース】

東京商工リサーチの調査によると、2026年度に賃上げを実施した企業は83.2%となり、3年ぶりに前年度を上回りました。

企業規模別では大企業が93.8%、中小企業が82.3%と、ともに前年度から上昇しています。さらに、賃上げ率「5%以上」を実施した企業の割合は中小企業が42.6%に達し、大企業の41.4%を3年ぶりに上回りました。

内容面では定期昇給(72.7%)に加え、ベースアップを実施した企業が61.1%に上り、基本給を引き上げる動きが広がっています。

この背景には、深刻化する人手不足や物価高騰、そして従業員の退職を防ぐ必要性に迫られた「防衛的賃上げ」の側面が強く作用しています。大企業の賃上げ率が一服感を見せる一方、人材の流出を阻止したい中小企業は、限られた原資の中で思い切った還元へ踏み切らざるを得ない状況です。

産業別で見ると、製造業(90.0%)や運輸業(89.6%)が高い実施率を記録したのに対し、不動産業(59.1%)や情報通信業(72.5%)ではばらつきが目立ちます。特に不動産業では大企業と中小企業の実施率の差が32.2ポイントと非常に大きく、業態や収益構造による二極化の進展が鮮明となっています。

サプライチェーン全体においては、人件費やコストの上昇分を適切に価格転嫁できるかが焦点です。価格転嫁が進まない企業では収益が圧迫され、今後の事業継続や雇用の維持に影響が出るリスクを抱えています。

トランプ関税などの懸念が和らぎつつある一方で、今後の持続的な賃上げには単なるコスト負担からの脱却が必要です。今後は、単に「他社に合わせた賃上げ」を行う企業と、収益力を伴った賃上げを行う企業とで格差がさらに拡大すると予測されます。

意識すべき視点は、「価格転嫁と生産性向上を通じた『稼ぐ力』の強化」です。一過性の防衛策で終わらせず、提供価値の見直しや業務効率化を進め、持続的に賃上げを行える好循環を構築することが求められています。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■東京商工リサーチ「2026年度の『賃上げ』83.2%の企業で実施 賃上げ率5%以上、中小企業が大企業を上回る」■
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1203140_1527.html

以上(2026年8月作成)

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画像:terovesalainen-Adobe Stock

残業45時間の一律指導が撤廃へ! 中小企業に必要な労務対策とは 【経営者とっておきニュース】

厚生労働省は、労働基準監督署による時間外労働の指導方針を2026年9月1日より見直すと発表しました。従来、特別条項付き36協定を締結している企業に対しても行われていた「一律月45時間以内への削減指導」が取りやめとなります。

この見直しは、政府の「日本成長戦略」や「経済財政運営と改革の基本方針2026」を受けた取り組みです。従来の画一的な時間抑制から、労使の柔軟な合意と健康確保に則った実質的な指導へ転換することを目的としています。

今後は、労使合意に基づく健康・福祉確保措置の実施状況を重点確認し、事業場の実態に応じた指導が行われます。また、全国の働き方改革推進支援センターへの専門相談窓口設置や労働基準監督署との連携による訪問支援に加え、よろず支援拠点や商工会議所と連携した経営と労務の一体的な相談支援体制が強化されます。

この動きは、人手不足や季節的な繁忙に悩む地域の中小企業に大きなメリットをもたらします。形式的な時間上限の指導から解放されることで、繁忙期における柔軟な人員運用が可能となり、機会損失を防ぎやすくなります。

また、これは「無制限な残業の容認」ではありません。過重労働による健康障害のおそれが高い場合には引き続き厳正な指導が行われるため、企業には医師の面接指導や休日確保といった実質的な健康確保措置の策定と運用が強く求められます。

今後は、単なる「労働時間の削減」から「労働時間の柔軟性と健康管理の実効性をいかに高めるか」へと、労務管理の重点が移行していきます。過重労働を抑えつつ、自社の労働実態に即した制度を運用できる企業が、人材定着と生産性向上を実現できるでしょう。

意識すべき視点は、残業削減自体を目的にするのではなく、「自社に最適化された柔軟な労働制度と健康確保措置のセット構築」を経営戦略として捉え直すことです。公的支援機関を積極的に活用し、経営と労務の一体改革を推し進める姿勢が不可欠となります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■厚生労働省「時間外労働等に係る相談・支援及び監督指導を見直します」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75454.html

以上(2026年8月作成)

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脱・内需依存!日本経済の現状と企業の生き残り策【経営者とっておきニュース】

内閣府が発表した2026年4~6月期のGDP(1次速報)によると、実質GDP成長率は前期比0.3%(年率1.1%)となりました。プラス成長を維持したものの、内訳を見ると国内需要(内需)の寄与度がマイナス0.2%ポイントとなる一方、純輸出などの外需寄与度がプラス0.5%ポイントとなり、外需が全体を底上げする構図が鮮明になっています。

主要項目では、個人消費(民間最終消費支出)がマイナス0.0%、設備投資(民間企業設備)がマイナス1.2%と振るいませんでした。

今回の動きの背景には、持続的な物価高による消費者の生活防衛志向と、企業の設備投資に対する慎重姿勢があります。名目GDPが前期比1.2%(年率4.8%)伸びている一方で実質GDPが低迷している点は、物価の上昇に賃金や購買力が追いついていない実態を示しています。

この状況は、地域経済や中小企業に相反する二つの影響をもたらします。結果として、「内需型」と「外需型」の企業間で業績の二極化が一段と進む可能性があります。

  • 課題(内需依存企業):地元密着型の飲食・小売・サービス業や、国内向け製造業は、購買力の伸び悩みと原材料費の高騰というダブルパンチを受けています。需要の停滞が収益を圧迫するリスクが高まっています。
  • メリット(外需獲得企業):インバウンド需要を取り込む観光関連産業や、海外市場への販路を持つ企業、海外企業のサプライチェーンに組み込まれている事業者は、外需の恩恵をダイレクトに受けて業績を伸ばしています。

今後は、国内市場の急速な拡大が見込みにくい中で、外需の取り込みや高付加価値化へ舵を切れるかが地域企業の存続を左右します。「国内需要の縮小を前提とした、外需・インバウンド獲得へのシフト」という視点が不可欠です。自社の製品やサービスを「海外客にどう売るか」「海外市場にどう届けるか」という外需目線を持つことが、今後の成長戦略における強力な鍵となります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■内閣府経済社会総合研究所「2026年4~6月期四半期別GDP速報(1次速報値)」■
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
■デジタル庁「GDPの四半期別速報に関するダッシュボード」■
https://www.digital.go.jp/resources/japandashboard/gdp-quarterly-estimates

以上(2026年8月作成)

pj10141
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建設・運輸の働き方改革 発注者の協力が握る地域経済の未来 【経営者とっておきニュース】

厚生労働省は、建設業および運輸業における長時間労働の解消を目指し、俳優の内田有紀さんを起用した新PR動画「その手で広げる はたらきかたススメ!」を公開しました。国土交通省とも連携を図り、総合サイト「はたらきかたススメ」や各専門ポータルサイトを通じて、法制度や取引ルールの普及、事業者の改善事例紹介を進めています。

両業界では他産業に比べ労働時間が長い実態があり、その背景には短工期の設定や長時間の荷待ち時間といった、単なる現場の作業効率にとどまらない、発注者や取引先との関係性に起因する構造的な要因が存在します。無理な納期設定や非効率な荷待ち時間などは、受注側の努力だけでは解決が難しく、サプライチェーン全体での取引慣行の見直しが極めて重要となっています。

労働環境の改善が進むことで、若手や女性をはじめとする人材の定着・確保が期待でき、深刻化する人手不足の解消につながる点が大きなメリットです。一方で、適正な工期設定や配送スケジュールの見直しにより、短期的には調達コストの増加や調整プロセスの煩雑化といった課題が生じる可能性もあります。

しかし、持続可能な協力関係を構築することは、結果として地域インフラや物流網の安定した維持に寄与します。地域の中小企業にとっても、自社が「選ばれる発注者」となるための適切な取引ルールの確立が求められています。

今後は、単なる法令遵守の枠組みを超え、発注側も含めたサプライチェーン全体で適正な取引環境を築く動きが一段と加速すると予測されます。パートナー企業の労働環境に配慮できない事業者は、取引先からの信頼を失い、持続的な事業継続が困難になる時代へと変化しています。

意識すべき視点は、「自社の発注姿勢や取引慣行が、パートナー企業の働き方を圧迫していないか」という当事者意識を持つことです。自社内の業務効率化だけでなく、取引先を尊重した相乗的な働き方改革の推進こそが、地域経済の中で強固な経営基盤を築くための重要な鍵となります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■厚生労働省「建設業・運輸業の働き方改革に向けた新PR動画を公開」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74962.html

以上(2026年8月作成)

pj10145
画像:terovesalainen-Adobe Stock