1 STOP詐欺被害。「ニセ社長詐欺」に要注意!
自社の経営陣や取引先などになりすまして特定の企業や個人にメールを送り、機密情報や金銭をだまし取る「ビジネスメール詐欺」。
IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威2026」では、「ビジネスメール詐欺」が第10位としてランクイン
しています(初選出の2018年以来、9年連続9回目)。
特に気をつけたいのが、2025年の末頃から急増している「ニセ社長詐欺」です。その手口は、
社長になりすまして一般社員や経理担当者にメールを送り、LINEグループを作らせた上で、業務命令を装って指定した口座に送金させる
というものです。警察庁によると、2026年1月から2月末までの2カ月間だけで、全国で58件、計20億円あまりの被害が発生したといいます。
「ニセ社長詐欺」をはじめとする「ビジネスメール詐欺」は、人の心理的な隙を突くものです。この記事では、怪しいメールを見破る方法、「おかしいな?」と気付いて手を止めるための心構えをお伝えします。
2 怪しいメールを見破る方法
1)類似するドメインが使用されていないか確認
ビジネスメール詐欺では、Gmailなどのフリーメールがよく使われますが、
正規のドメインに類似するドメインが送信元メールアドレスとして使われる
こともあります。例えば、ドメイン名を1文字入れ替える、追加する、削除する、ドメイン名に使われている「m(エム)」を「rn(アールエヌ)」にすり替えるなどがあります。
メールの差出人のメールアドレスが正しいか、必ず確認しましょう。
2)メールのヘッダ情報を確認
メールのヘッダ情報とは、
受信したメールがどこから、どのような経路で送られてきたのかを記録したもの
です。
具体的には次のような内容が記録されています。注目すべきなのは、FromとReturn-Pathです。通常、これらは同じになりますが、Fromが正規のドメインを偽装したものである場合、Return-Pathが本当の送信元である可能性があります。
- 送信元:From
- 送信先:To
- メールが送信された時刻:Date
- メールが配送されたルート:Received
- メールの返信先:Reply-To
- メール配信エラーの際の差し戻し先:Return-Path
- メールの識別番号:Message-ID
- 送信元の使用メールソフト:X-Mailer
ヘッダ情報の確認方法については、日本データ通信協会の次のウェブサイトを参照ください。
また、マイクロソフトが提供する「Message Header Analyzer」では、コピーしたヘッダ情報を貼り付けて、1クリックするだけで解析結果を表形式で確認することができます。
3 「おかしいな?」と気付いて手を止めるためには
1)LINEグループの利用を指示されたら要注意
「新しいプロジェクトのため」などといって、LINEグループの作成や、作成したLINEグループの招待用QRコードの返信を指示されたりしたら、疑ってかかりましょう。
特に、LINEグループに振込権限を持った担当者を含めるよう指示を受けたら、ほぼ間違いなく詐欺です。
もし、LINEグループに誘導されてしまった場合は、LINE内のトーク画面やプロフィール画面などに通報機能がある場合は通報をした後、速やかにLINEグループから退出します。
2)緊急の送金依頼や振込先口座の変更依頼を受けたら必ず指示した本人に確認
メールやLINEで緊急の送金依頼や振込先口座の変更依頼を受けた場合、
必ず指示した本人に確認する
ことを徹底します。その際、メールやLINEに記載された電話番号は偽装されている恐れがあるので、その番号にかけてはいけません。
3)社内で情報共有し、送金ルールを再確認
ビジネスメール詐欺(特に「ニセ社長詐欺」)の被害が全国で発生していることを、社内で情報共有します。その上で、送金ルールを再確認しましょう。
経理担当者だけでなく、一般社員に対しても、定期的にビジネスメール詐欺に関する注意喚起やセキュリティ教育を行うことが大切です。
4 ニセ社長詐欺にかからないためのチェックリスト
| チェック項目 |
済 |
| 受信したメールの差出人のアドレスを正確に確認している |
□ |
| LINEグループの作成や招待用QRコードの送付を指示されたら、詐欺かもしれないと疑っている |
□ |
| 送金依頼や振込先の変更依頼があった場合、指示した本人に対面や社内電話などで直接確認している |
□ |
| 送金や振込先の変更は、必ず責任者の承認を得て行うことになっている |
□ |
| 「ニセ社長詐欺」などの被害事例について、社内へ情報共有を行っている |
□ |
| 経理担当者だけでなく一般社員も含めた、定期的なセキュリティ教育を実施している |
□ |
5 参考
以上(2026年7月更新)
pj60095
画像:日本情報マート