日没前後の運転は要注意!(2025/11号)【交通安全ニュース】

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

日没前後の時間帯は薄暮時間帯※と言われ、視界が刻々と変化していきます。

特に、秋から冬にかけては、帰宅や夕食の買い物などで自動車や人の動きが活発になる時間帯と重なるため、交通事故のリスクが高まります。

今号では、薄暮時間帯の事故防止について考えます。

日没前後の運転は要注意

※警察庁では、日没前後1時間を「薄暮時間帯」としています。
(日の入り時刻は、月日や都道府県により異なります。)
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/hakubo.html

薄暮時の事故発生状況

令和2年~6年の5年間における時間帯別死亡事故件数(図1)は、日没時刻と重なる17時台~19時台に多く発生しています。

時間帯別死亡事故件数(令和2年~6年)

さらに、薄暮時間帯の当事者別死亡事故(図2)を見てみると、「自動車対歩行者」が半数を占めています。

薄暮時間帯に事故が増加する要因の1つとして、視界の急激な変化と目の働きの低下による「見落とし」が考えられます。

薄暮時間帯 当事者別死亡事故件数(令和2年~6年)

※図1、図2ともに 出典:警察庁交通局「薄暮時間帯における交通時事故」より当社作成
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/hakubo.html

薄暮時間帯の視界の変化

秋から冬にかけての薄暮時間帯は、刻々と視界が変化していきます。

薄暮時間帯の視界の変化

  • 目が暗い状態に慣れるまでには時間がかかるため、自動車や自転車、歩行者などお互いの発見が遅れる。
  • 暗くなるにつれて、明るい場所と暗い場所との差(コントラスト)が大きくなり、物の色や形がはっきりと見えにくくなる。

特に、黒やグレーなど暗い色の服装の歩行者は、路面や背景の色に溶け込んでしまい、ほとんど見分けがつかない状態になるため「見落とし」に注意が必要です。

事故防止のポイント

下記を実践して薄暮時間帯の事故を回避しましょう。

①早めのライト点灯

日没30分前を目安に、意識してヘッドライトを点灯しましょう。薄暗くなったなと感じたら、即点灯が基本です。ライトの目的は、「自分がよく見るため」だけではなく、「自分の車の存在を周囲に知らせるため」です。歩行者や自転車に早く気付いてもらうことも重要です。

②ハイビームを積極的に活用する

基本はハイビームで走行します。遠くまで見通せることで危険をいち早く発見できます。見える距離はハイビームでは約100m、ロービームでは約40mです。なお対向車や先行車がある場合は、ロービームにして、こまめな切り替えを行いましょう。

③歩行者や自転車を意識して見に行く

暗がりや物陰、電柱の影など、見えにくい場所に注意深く目を配り、 意識して見にいくようにしましょう。特に住宅街や交差点など歩行者や自転車が多い場所では、認知が遅れてもすぐに対応ができるように、速度を抑えて走行しましょう。

以上(2025年11月)

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画像:amanaimages

【参加無料】中小企業向け「省エネ推進セミナー2025」を開催します(オンライン)

令和7年11月5日(水)、一般社団法人環境共創イニシアチブが経済産業省資源エネルギー庁の補助事業の一環として中小企業等を対象とした「省エネ推進セミナー2025」を開催します。

本セミナーでは、経済産業省が補助事業として実施している「令和6年度補正 中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費(地域エネルギー利用最適化・省エネルギー診断拡充事業)」の活用方法を、事例を交えてわかりやすく紹介します!

詳細はチラシ、もしくはWEBページをご参照ください。


↑クリックで拡大表示↑

以上(2025年10月作成)

【朝礼】なぜ、あなたの「話し方」では伝わらないのか

【ポイント】

  • 独り善がりで、一方的に話していたら、お客さまは聞く耳を持ってくれない
  • 大きな声でハッキリとした口調で話すことをおろそかにしない
  • まともな話し方ができなければ、営業のスタートラインにも立てない

先日、「お客様に私の話を真剣に聞いていただけなくて、悩んでいます……」という相談を若手社員から受けました。そこで、私がお客様役になり、彼にいつもやっているように話してもらったのですが、「お客様が話を聞かない気持ちが分かる」というのが率直な感想でした。彼の話には、2つの問題があったのです。

1つ目は、独り善がりで、一方的に話していたことです。営業担当者は「売りたい!!」という気持ちを強く持っています。売るために、お客様に自分の考えや知識を伝えたいと強く思うほど、独り善がりで、一方的に話しがちです。しかし、お客様の立場になってみてください。「営業」と聞けば、多くのお客様は「売り込まれそう……」と身構えます。その上、一方的に話しては、お客様は一歩引いてしまい、聞く耳を持ってくれません。皆さんの周囲にいる優秀な営業担当者を観察すれば、一方的に話すのではなく、お客様との会話を大切にし、お客様の求める情報を提供していることが分かるはずです。

2つ目の問題は話し方です。くだんの若手社員は、小さな声で語尾も曖昧な話し方でした。皆さんは大きな声で、ハッキリとした口調で話していますか? たとえ営業担当者が有益な情報を話していても、小さな声で「ボソボソ……」と自信なさげでは、熱意を感じられません。内容以前に、聞く気が半減します。一方、同じ内容でも、大きな声でハッキリとした口調で話されれば、気持ち良く、より真剣に聞こうという気になります。まず耳を傾けてもらうために、大きな声でハッキリとした口調で話すことをおろそかにしてはいけません。

私たちがお客さまから選ばれるためには、商品のスペック、価格、対応の迅速さなど、私たちの優れた点をお客様に認めてもらうことです。そのために一役買うのが、話し方だといえます。

もちろん、話し方が優れているだけでは、ビジネスで成功を収めることはできません。しかし、まともな話し方ができなければ、スタートラインに立つことさえかなわないのです。その点を強く認識しておいてください。

以上(2025年10月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【2025年版】 年末調整の改正点と書き方の解説

1 2025年末の年末調整の作業に係る改正は4点

年末調整は、役員、従業員・パート社員(以下「従業員」)の源泉所得税の最終調整を行うものです。年に1度の作業である上、改正も頻繁に行われるため、毎年よく分からず、前年と同じような作業を繰り返すだけという方も多いのではないでしょうか。

しかし、確定申告を自分でしない場合、自身が源泉所得税の還付を受けられる唯一の作業になるため、改正点を踏まえた上で、正確な書類を作成するようにしましょう。

今回(2025年末)の年末調整の作業に係る改正は、次の4点です。

1.基礎控除の引き上げ

基礎控除額が所得額に応じて16万~95万円(改正前は16万~48万円)に引き上げられ、所得区分が見直されます。

2.給与所得控除の引き上げ(給与の収入金額190万円以下の場合)

給与所得控除額が一律65万円(改正前は所得に応じて55万~65万円)に引き上げられます。

3.扶養親族控除・配偶者控除・勤労学生控除の所得要件の緩和

それぞれ所得要件が、扶養親族控除は58万円以下(改正前は48万円以下)、配偶者控除は58万円超133万円以下(改正前は48万円超133万円以下)、勤労学生控除は85万円以下(改正前は75万円以下)に緩和されます。

4.特定親族特別控除の新設

19歳以上23歳未満の子供がいる世帯を対象に、新たに「特定親族特別控除」が設けられ、本人の所得に応じて、控除額が3万~63万円に設定されます。なお、特定親族とは19歳以上23歳未満の親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払いを受ける人および白色事業専従者を除く)で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人をいいます。

これらの改正は、原則として2025年12月1日に施行され、2025年分以降の所得税について適用されます。このため今年(2025年)12月に行う年末調整などの源泉徴収事務に変更が生じます。

以降では、2025年の年末調整でほとんどの従業員が記入しなければならない主な申告書である、

  • 令和7年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼  給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書 
  • 令和7年分 給与所得者の保険料控除申告書
  • 令和8年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(扶養控除等申告書)

の書き方について、項目ごとに詳しく解説していきます。

2 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書

給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書

1)給与所得者の基礎控除申告書【対象:従業員全員】

「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」の欄には、給与明細書などを参考に、2025年中の給与所得の「収入金額」を記載します。所得金額については、申告書の裏面に掲載されている「各申告書の合計所得金額について」で紹介されている国税庁のウェブサイトを参考に計算します。また、給与所得以外に所得がある場合は、2025年中の合計所得金額の見積額を記載します。

次に、控除額の計算の判定欄のA~Cのいずれかを「区分Ⅰ」に転記し(合計所得金額の見積額が1000万円超の人は空欄)、かつ合計所得金額の見積額を、左の「控除額の計算」の表に当てはめ、該当する控除額を「基礎控除の額」に転記します。

昨年から変更された主な箇所は、下記の2点です。

  • 所得区分が昨年に比べ細かく区分され、基礎控除額が変更されている
  • 定額減税対象の記載項目が削除(昨年限定の措置であったため)されている

2)給与所得者の配偶者控除等申告書【対象:年間合計所得が133万円以下の配偶者がいる人】

配偶者に関する事項を記載し、「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の計算」の欄には、上記1)と同様に配偶者の給与明細書などを参考に、2025年中の給与所得の「収入金額」を記載します。所得金額については、申告書の裏面に掲載されている「各申告書の合計所得金額について」で紹介されている国税庁のウェブサイトを参考に計算します。また、給与所得以外に所得がある場合は、2025年中の合計所得金額の見積額を記載します。

次に、「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の計算」の判定欄の①~④のいずれかを区分Ⅱに転記します。区分Ⅰ・Ⅱに記載したアルファベットと数字を下の「控除額の計算」の表に当てはめ、該当する控除額を配偶者控除の額または配偶者特別控除の額の欄にそれぞれ転記します。

なお、区分Ⅱの欄が①または②の場合は配偶者控除の額の欄に、③または④の場合は配偶者特別控除の額の欄に金額を転記します。

昨年から変更された主な箇所は、下記の2点です。

  • 区分Ⅱの判定欄における所得要件の下限金額が変更されている
  • 配偶者定額減税対象の記載項目が削除(昨年限定の措置であったため)されている

3)給与所得者の特定親族特別控除申告書【対象:合計所得が58万円超123万円以下(所得が給与所得だけの場合は収入金額が123万円超188万円以下)の19歳以上23歳未満の子供がいる人】

特定親族に関する事項を記載し、「特定親族の本年中の合計所得金額の見積額」の欄には、特定親族の給与所得のみだけでなく、全ての所得の合計金額を記載します。それぞれの所得金額については、申告書の裏面に掲載されている「各申告書の合計所得金額について」で紹介されている国税庁のウェブサイトを参考に計算します。

次に、合計所得金額の見積額を下の「控除額の計算」の表に当てはめ、該当する控除額を「特定親族特別控除の額」に転記します。

この項目は、

今年新設された項目

になります。

4)所得金額調整控除申告書【対象:給与等の収入金額が850万円を超える人】

給与等の収入金額が850万円を超え、かつ扶養親族が特別障害者であること、または23歳未満(2003年1月2日以後生まれ)などに該当する場合は、要件欄のいずれか該当する項目にチェックを付けます。要件欄の指示に沿って「☆扶養親族等」の欄に該当する扶養親族等に関する事項と、「★特別障害者」の欄に障害の状態や交付を受けている手帳の種類などを記載します。

3 給与所得者の保険料控除申告書

給与所得者の保険料控除申告書

1)生命保険料控除【対象:生命保険に加入している人】

生命保険料控除の欄には、2025年中に支払った一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料に関する事項を記載します。

それぞれの区分ごとに、保険会社から郵送される「保険料控除証明書」の内容を転記します。なお、保険料控除証明書をインターネット上で電子発行できるサービスもあるため、各社のウェブサイトなどから電子発行を受けることもできます(ID取得のため、証券番号などの登録が必要)。

一般の生命保険料と個人年金保険料については、保険の契約時により、取り扱い(所得控除額)が異なります。2011年12月31日以前に契約したものは旧保険契約として、2012年1月1日以後に契約したものは新保険契約として取り扱われます。

それぞれ旧保険契約に係る所得控除額は最高5万円、新保険契約に係る所得控除額は最高4万円となります。

実務上は、保険会社から郵送される「保険料控除証明書」に記載されている内容を、申告書に転記してもらうことになります。月払いにより保険料を払い込んでいる場合は、控除証明書の発行日までの保険料の他、年間(12月31日まで)の見積払込保険料が記載されていることが多くあります。12月31日まで保険を継続しているのであれば、年間払込保険料を申告書に転記すれば問題はありません(後述の地震保険・社会保険・小規模企業共済も同様)。

もし、発行日から12月31日までの間に解約し、実際の年間払込保険料と、保険料控除証明書に記載してある見積払込保険料に相違がある場合は、実際の年間払込保険料を申告するようにしましょう。

2)地震保険料控除【対象:地震保険に加入している人】

地震保険料控除の欄には、2025年中に支払った地震保険料に関する事項を記載します。地震保険料と一緒に支払いをしている火災保険料は対象になりません。ただし、2006年12月31日以前に契約した長期損害保険契約等については、一定の金額が控除の対象になります。

3)社会保険料控除【対象:国民健康保険など一定の保険に加入している人】

社会保険料控除の欄には、2025年中に支払った従業員本人または従業員本人と生計を一にしている親族分の、次の保険料に関する事項を記載します。

  • 国民健康保険の保険料や国民健康保険税
  • 健康保険、厚生年金保険や船員保険の保険料
  • 介護保険法の規定による介護保険の保険料
  • 国民年金の保険料や国民年金基金の加入員として負担する掛金
  • 農業年金の保険料や雇用保険の労働保険料など

4)小規模企業共済等掛金控除【対象:小規模企業共済やiDeCoに加入している人】

小規模企業共済等掛金控除の欄には、2025年中に支払った小規模企業共済と確定拠出年金の掛金の金額を記載します。なお、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は、この欄の「個人型」に記載することになります。

4 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(扶養控除等申告書)

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(扶養控除等申告書)

1)氏名・個人番号(マイナンバー)・生年月日等【対象:従業員全員】

従業員の氏名、個人番号(マイナンバー)、住所又は居所、生年月日、世帯主の氏名と続柄、配偶者の有無を記載します。マイナンバーについては記述を省略する会社もあります。

2)源泉控除対象配偶者【対象:翌年の合計所得金額(見積額)が95万円以下の配偶者がいる人】

源泉控除対象配偶者の欄には、次の要件を満たした配偶者がいる場合に記載します。

  • 従業員(合計所得金額の見積額が900万円以下の人に限る)と生計を一にする配偶者
  • その配偶者が青色事業専従者として給与の支払いを受ける人及び白色事業専従者でないこと
  • その配偶者の2025年中の合計所得金額(見積額)が95万円以下(給与所得だけの場合は給与等の収入金額が160万円以下)であること

なお、非居住者である親族(国外に住んでいる親族)の項目については、該当する親族がいる場合に、該当チェック欄にチェックマークを記入し、チェック欄の区分に応じた添付書類(パスポートやビザなど)も併せて提出することになります(下記「3)源泉控除対象親族(16歳以上)」の欄についても同様)。

3)源泉控除対象親族(16歳以上)【対象:16歳以上の扶養親族がいる人】

源泉控除対象親族(16歳以上)の欄には、扶養控除の対象である次の親族がいる場合に記載します。

  • 16歳以上(2011年1月1日以前生まれ)の親族
  • 上記の親族が従業員と生計を一にしていること
  • 上記の親族の年間の合計所得金額が58万円以下(給与所得だけの場合は給与等の収入金額が123万円以下)であること

なお、19歳以上23歳未満(2004年1月2日~2008年1月1月生まれ)の親族を「特定扶養親族」といい、70歳以上(1957年1月1日以前生まれ)の親族を「老人扶養親族」といいます。これらに加えて、冒頭で解説した「特定親族」に該当する親族がいる場合は、チェックマークを付す箇所があるので忘れないようにしましょう。

また、非居住扶養親族がいる場合は、生計を一にする事実として、1年間に実際に送金した金額を記載する欄があります。この欄には、2025年末に見積額ではなく実際の送金額を追加で記載すると同時に、送金関係書類を提出しなければならない点に注意しましょう。

昨年から変更された主な箇所は、下記の2点です。

  • 源泉控除対象親族に項目名が変更(昨年は控除対象扶養親族)
  • 特定親族のチェック項目が追加

4)障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生【対象:左のいずれかに該当する人】

障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生の欄には、従業員本人が障害者である場合(生計を一にする配偶者や扶養親族が障害者の場合を含む)や、寡婦、ひとり親である場合、学校に通いながら働いている場合に記載します。

障害者とは、身体障害者手帳に身体上の障害がある者として記載されている人など、一定の障害者をいいます。なお、特定親族は障害者控除の対象外となります。

寡婦とは、合計所得金額の見積額が500万円以下で、夫と死別または離婚した後に再婚をしていない人などをいいます。

ひとり親とは、合計所得金額の見積額が500万円以下で、現在婚姻しておらず(未婚や配偶者の生死が明らかでない場合で、かつ事実上婚姻関係にあるパートナーなどがいない状況)、生計を一にする子供がいる人をいいます。なお、2019年までの年末調整項目であった「寡夫」はひとり親に含まれます。

勤労学生とは、合計所得金額の見積額が85万円以下(給与所得だけの場合は給与等の収入金額が150万円以下)で、大学などの学生や一定の要件を備えた専修学校の生徒などをいいます。ただし、給与所得等以外の所得が10万円を超える人を除きます。

5)他の所得者が控除を受ける扶養親族等【対象:夫または妻が、子供の扶養控除の適用を受けている人】

他の所得者が控除を受ける扶養親族等の欄には、夫婦が共働きなど、この申告書を提出する人以外の人が、家族を扶養親族としている場合に記載します。例えば、子供(控除対象親族)がいる共働きの夫婦のうち、夫が扶養控除を受ける場合に、その妻はこの欄に夫と子供の氏名等を記載します。

6)16歳未満の扶養親族【対象:16歳未満の扶養親族がいる人】

16歳未満の扶養親族の欄には、16歳未満(2011年1月2日以後生まれ)の扶養親族がいる場合に記載します。

7)退職手当等を有する配偶者・扶養親族・特定親族【対象:2026年中に左に該当する配偶者・扶養親族・特定親族がいる人】

退職手当等を有する配偶者・扶養親族・特定親族の欄には、2026年中に退職所得をもらう予定のある配偶者・扶養親族・特定親族がいる場合に記載します。この欄については、2026年末に記載してもらう欄となりますので、2025年末においては空欄で提出することになります。

なお、扶養控除等(異動)申告書は、その年、最初に給与をもらう日の前日(中途採用の場合は、就職後最初の給与の支払いを受ける日の前日)までに提出してもらいます。そのため、実務上は、年末調整の際に配布される申告書は翌年分(令和7年分の場合は令和8年分)であるのが一般的です。

もし、年の中途で扶養親族の状況などに変化があった場合には、その都度、異動申告をしてもらう必要があります(2025年中のものは、2024年末に提出してもらった令和7年分を修正)。この場合、年末調整の対象となる年分の扶養控除等(異動)申告書に訂正する部分を二重線で消し、余白に新しい情報を記載し、「異動月日及び事由」の欄にもその旨を記載します。

以上(2025年10月作成)
(監修 税理士 石田和也)

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画像:琢也 栂-Adobe Stock

ヒント4[採用4]:入社日までに「入社後のギャップを最小化する」/武田斉紀の『人が辞めない会社、10のヒント』(5)

1 「好きな人は好き」にさせる事実の一行は見つかりましたか?

今シリーズの狙いは、経営者、人事担当者、現場の皆さんのお悩みである「社員を採ってもすぐに辞めてしまう上に、そもそも採れない」という課題を解決すること。『人が辞めない会社、10のヒント』と題して、毎回1つずつご紹介していきます。

『人が辞めない会社』に変わるための課題、その原因と解決策は会社によってさまざまです。

今回ご提示するヒントが皆さんの抱える原因に明らかに当てはまらない場合は、読み飛ばしてくださって結構です。ですが、ヒントの1~9までが該当しなくても、10が当てはまるかもしれません。

全社共通の原因もあれば、部署ごとの固有の原因も存在することでしょう。原因が1つだけというケースは少ないので、何回分か読んでいただければ「これはうちにも当てはまるな」というものを見つけていただけるのではと思います。

第2回から前回の第4回までは、採用は会社の入り口であり、『人が辞めない会社』に変わるための重要な最初の一歩であることをお話ししてきました。

自社を必要以上に大きく見せることなく、会社が“目指すこと”、“大切にしたいこと”を明示する。それを体現している社内の事実を見つけ出し、分かりやすい一行キャッチフレーズにしてアピールする。そうすればSNSの時代、「好きな人は好き」という人が全国、世界から集まってくれます。

「好きな人は好き」で集まってくれた人は、会社が“目指すこと”、“大切にしたいこと”に強く共感してくれた人材です。あとはその中から、自社で予め設定した「求める人材像」の資質・性格、経験やスキルなどの基準に沿って、本当に“採用したい人材”を絞り込んでいけばいいのです。

ただ、本当に“採用したい人材”を絞り込めて相思相愛で内定まで出せたとして、その人材が入社後すぐに辞めてしまう可能性はないでしょうか。

ということで、

今回は採用編の最後となるヒント4:入社日までに「入社後のギャップを最小化する」です。

あなたの会社では、これから入社してくる人材に対して、入社後のギャップが極力ないよう、事前に必要な情報や、入社後のイメージを十分に伝えられていますか。良いことだけでなく、悪いことも全てです。

2 内定者に伝えるべき全ての情報を、入社前に伝えられていますか?

残念なことに、私がこれまで採用をご支援してきた会社で、内定者に対して入社後のギャップが極力ないよう「入社日までに伝えるべき情報」をきちんと整理し、全て伝えきれている所はほぼ皆無でした。

原因は主に2つ。1つは、「マイナス情報を伝えたら、入社してくれなくなるのではないか」という懸念です。

担当者としては苦労して内定までこぎつけた候補者には、辞退せず入社して欲しいと願うもの。「〇名入社させた」という実績を見せたい気持ちもあるでしょう。

でも本当は分かっているはずです。入社後にギャップを感じてすぐに辞めてしまった場合、本人にも会社にもデメリットしかないということを。

本人は何より悔しいでしょう。「なぜ、そういう情報を入社前に教えてくれなかったのだ」と。事前に「〇〇について気になるので教えてください」と質問していたら、なおさらでしょう。履歴書には「〇〇社 4月入社 5月退社」というように“傷”を付けてしまいます。

会社にとっても「入社者がすぐに辞めた」という事実はマイナスでしかありません。事前に分かっていれば、他の適した候補者を採用し入社してもらうこともできたでしょう。二重の損失です。どこかの部署が欠員となり、再募集をかけなければなりません。

もう1つの原因は、採用する側が自社のことをよく知っているつもりで、実はよく分かっていないというものです。

つまり、内定者に対して入社後のギャップが極力ないように「入社日までに伝えるべき情報」をきちんと整理できていないのです。

前者の原因については、採用担当者とその上司に考え直していただくしかありません。何人入社させたかも大事ですが、そこから何人が辞めずに残ったかのほうがより大事なのですから。

3 「入社日までに伝えるべき情報」を、5×3のマトリクスで整理する

後者の原因を解決するポイントは、改めて内定者、あるいは応募者、採用候補者に対して「入社日までに伝えるべき情報」を整理することです。次の5×3のマトリクスで情報を網羅してみることをお勧めします。

【縦軸の項目】
1)企業理念(目的・価値観)・ビジョンなど…各々の内容および社内での共有度
2)会社情報…基本情報(売上・利益・従業員数の推移、拠点など)/歴史沿革のポイント/事業内容と業績・比率、業界でのポジション、強みなど
3)仕事情報…配属可能性/仕事内容/勤務地/勤務日と時間および残業/教育/異動/キャリアステップなど
4)待遇情報…入社時と将来の給与・年収・諸手当・昇給賞与・報償制度/人事評価制度/休日休暇/福利厚生など
5)企業文化、職場環境…特徴キーワード、具体的エピソード、社外・業界でのイメージなど

【横軸の項目】
A.一般に+(プラス)情報…ほぼ万人にとってプラスと思える情報
B. [〇〇な人]に+(プラス)情報…人によってはマイナスだが、〇〇な人ならプラスに感じてくれそうな情報
C.一般に-(マイナス)情報…ほぼ万人にとってマイナスと思える情報

縦軸の5項目は分かりやすいと思いますので、横軸のほうを補足しましょう。少し「社員を採ってもすぐに辞めてしまう」ではなく、「そもそも採れない」の解決策の話になってしまいますが。

A.は、ふだん自社の強みとして前面に打ち出しているものでよいのですが、他にも例えば

 例)毎週2回まで当日申請でリモートワークできる制度あり など

小さなことと思えても、できる限りたくさんピックアップしましょう。A.の情報は全て採用時の武器になります。小さくても独自だったり、量があったりすれば勝ちきれるのです。

B.の例を挙げてみましょう。

例)企業相手の仕事(いわゆるto B)で一般に分かりにくい →一般顧客ではなくプロ相手の仕事がしたい人には成長を感じられて楽しい職場
例)休日が土日ではない →平日休みたい人にはプラス(旅行好きなど)。加えて例えば「イベントが土日の際は〇回まで優先的に他の曜日と交替できる制度あり」だとお子様など家族のイベントや推し活時にも対応できてデメリットが軽減される
例)古い業界 →会社としては業界を改革したいと思っていて、同志を探している

B.ではどれだけプラスに感じてくれる「〇〇な人」をイメージできるかが重要です。「こんな事実を伝えたらみんな他社に行ってしまう」と考えないことです。どう伝えようとマイナスに感じる人は他社に行きます。けれどプラスに感じる人にとってはA.以上に「好きな人は好き」と引きつける可能性が高いのがB.の情報です。

最後にC.の例を挙げますが、ほぼ万人にとってマイナスである以上、伝えてプラスに感じてもらうことは無理としても、ゼロに近づける努力をするべきです。以下の→部分のようにできる限りマイナスをひっくり返せるかもしれない事実を拾ってみてください。

例)初任給が安い →平均年齢が若く昇進は早い、課長の年収は悪くない
例)三交替制で生活が不規則 →慣れれば意外と便利、管理職以上は時間固定勤務
例)急対応が多く海外旅行など無理 →複数担当制を試験的に導入中、既に海外旅行経験者もいる

細かすぎると思える内容でも、入社後にギャップを感じて退職につながりそうな項目は丁寧に拾ってみてください。同時にB.やC.に当たる情報については、プラスに感じてくれる「〇〇な人」をイメージしたり、あまりマイナスに感じないですむトークを用意したりしましょう。

なお、過去にすぐに退職した人の理由が分かれば、それに関わる情報も必ず入れておきましょう。同じような人を二度と生まないために。

4 全て伝えるにしても、どの情報をいつ伝えるかのタイミングは重要!

採用担当者でC.情報を先に伝える人はいないでしょう。募集時に伝えるべきはA.情報ないしはB.情報です。

A.情報を1つ掲げたくらいでは大手企業、人気企業にはかなわないかもしれませんが、独自色のあるA.情報やたくさんのA.情報なら戦えるかもしれません。腹をくくってB.情報にこだわって伝えれば「好きな人は好き」という人材がSNSなどを通じて集まってくれる可能性があります。

また、仕事内容への悪いイメージが原因でそもそも人が集まらないという業界・業種の会社へのアドバイスとしては、入社までに最終的に仕事内容を見せる前に、仕事の前提となる“高次”の情報提供から入ることをお勧めします。

例えば、1)の掲げている企業理念への熱い思いや、2)の会社情報で社会からいかに強く期待され感謝されている会社であるか、あるいはその歴史といった情報です。それらの情報があるかないかで、仕事内容は同じでも全く違った見え方になるからです。

そろそろ「社員を採ってもすぐに辞めてしまう」話のほうに戻しましょう。

ここで天秤(てんびん)ばかりをイメージしてみてください。就職希望者は候補とした会社ごとにこの天秤ばかりを持っています。片方の皿がプラス情報、反対がマイナス情報です。

本人は候補とした各社を回るたびに、その天秤ばかりの左右に新たに知った情報を乗せていきます。ささいなように見えて本人にとっては重い情報もあれば、重要そうに見えて本人にとっては軽い情報もあります。そして、最終的に自分を選んでくれた会社の中で、プラスのほうに一番傾いた会社を選ぶのです。

ところが最終的に選んだ会社から内定をもらい、入社したところが知らされていなかったマイナス情報が飛び込んできたらどうでしょう。たくさんの天秤ばかりを並べ、迷いながら時間をかけて自分が信じた1つを選んだだけにショックは大きい。

そのショック度とマイナス情報の程度によっては、天秤ばかりはマイナス側に完全に傾いてしまい、彼らは退職を決意するのです。

ではどうすればよいか。簡単に言えば、出会いから入社までの間に「入社日までに伝えるべき情報」を全て伝えつつ、天秤ばかりをなるべくマイナス側に傾かせないようにすることです。プラス情報を先に伝えておいて、マイナス情報を小出しにし、マイナス側に傾き過ぎないようにするのです。

採用プロセスにおいて、候補者一人ひとりの自社用天秤ばかりの現状は、頻繁に声をかけたり、相手の表情を確認したりしながら、次の情報を選んで乗せるしかありません。

本人は就職活動中に自社だけでなく、他社とも日々接触しています。自社の天秤ばかりの状態は、他社で得られた情報と比較されることでも傾きが変わります(マイナス側だけでなく、ラッキーにもプラス側に傾くこともあります)。

候補者一人ひとりの天秤ばかりを頻繁にいちいち確認することなど面倒に思えるかもしれません。が、とりわけ中小企業で採用に成功している会社はそこまで丁寧に対応しているのです。

とはいえ、伝えるべき大きなマイナス情報が残っているときはどうすればいいのでしょうか。まず、対策を考えましょう。現時点でできていないことでも、トップが何とかしたいと真剣に考えているのであれば(できればいつまでにかを約束)、それを説明することで説得できるかもしれません。

そうして、プラス側の傾きを維持しつつ、マイナス情報も丁寧に伝えていくしかないのです。本人のマイナスの傾きが大きくなってしまうようなら、残っているA.やB.の情報を順次投入しましょう。

それでも傾きが戻らず他社に行ってしまうのであれば、最後は諦めるしかありません。残念ながらそれが現在の貴社の採用力です。今後もっと採用力を上げていく努力をすればいいでしょう。

すでにお分かりと思いますが、「入社日までに伝えるべき情報」を全て伝えるにしても、どの情報をいつ伝えるかのタイミングはとても重要!なのです。

5  伝えるべき情報を、全て伝えきれているかチェックする

5×3のマトリクスに整理した情報は、基本的には全てを、内定者全員に入社までに伝えましょう。

採用実務を担当した人なら分かると思いますが、どの内定者や採用候補者にどの情報を伝えているのか、あるいは伝えていないのかを把握しておくことは大変です。ですが、そこは5×3の一覧表を意識しつつ、丁寧にチェックしていくしかありません。

全項目をチェックしていくのは厳しいですが、多くの退職者の退職理由に関係していると思われる重要情報については、伝え漏らしてはいけません。相手の志向や価値観などを見極めながら、個々に適したタイミングを判断して伝えましょう。

「これについて伝えておくね」と話して、仮に本人が他の社員や周囲からすでに同じ情報を得ていたのであれば、「そう、で、どう思った?」と本人の受け止め方を確認すればいいでしょう。「全然気になりません」という人もいれば、「早く聞いていたら他社に変えていました」という人もいます。

互いの貴重な時間を無駄にしないためにも、タイミングとともに全ての伝えるべき情報を伝えきれているかのチェックに努めてください。とりわけ外してはいけない情報については赤字にするなど注意しておきましょう。

6 入社後のギャップが少なければ少ないほど、人は辞めない

入社までにかかる時間は、採用する側にとってもそうですが、採用される側にとっても膨大です。それだけの時間をかけて、実に多くの候補の中から、自分の行きたい会社を絞り込んできたわけです。

最後に決めた会社に入社して、思っていたこととのギャップさえなければ辞めたくなるわけがありません。なぜなら自分で描いた中で一番の理想の職場であるはずだからです。

もちろん、いくら伝えるべき情報を、5×3のマトリクスで整理してタイミングよく伝えきれたとしても、本人の入社後のギャップを100%埋めることは不可能です。

理由の1つ目は、情報伝達が完璧なケースはまずないということ。人はそれぞれ背景や個性も異なり、こちらが意図したことと相手の情報の受け取り方がずれることは当たり前にあるからです。

「この点は内定する前に話したよね」「えっ? そうでしたっけ。記憶になくて今びっくりしているのですが……」といった会話は珍しくありません。担当者はできる限り内定者の記憶に残るようなコミュニケーションを心がけましょう。

理由の2つ目は、たとえ本人の入社後のギャップがゼロに近かったとしても、配属された職場の状況は個々に異なるかもしれないということ。

職種別採用ではない場合、配属された仕事内容と本人のイメージにギャップが生まれることもあるでしょう。また制度や社風なども、月日を経て内定時から変わっている場合もあります。

これらについても、入社後に採用担当者や配属された職場のメンバーおよび上司が本人に声をかけ続ければ、理解を得られ、退職防止につなげることができます。

第2回から今回第5回まで、『人が辞めない会社』に変わるためには[採用]という入り口が肝心ということでお話ししてきました。

人材獲得の入り口である採用においては、自社を「必要以上に大きく見せることなく」、求める人材像として「会社が“目指すこと”、“大切にしたいこと”を明示」してみましょう。ネットやSNSの力で、あなたの会社が本当に“採用したい人材”にアプローチすることができます。

そうして内定までこぎつけた人材に、「入社日までに伝えるべき情報」を整理して全て伝え、入社後のギャップが少なければ少ないほど、人は辞めないのです。

第5回を最後までお読みいただきありがとうございました。次回からはしばらく[仕事]についてのヒントをご紹介していきます。

毎回ご紹介するヒントを参考にしながら、自社を退職する一人ひとりの「辞める理由」と、働いている一人ひとりの「辞めない理由」を丁寧に拾ってみましょう。見えてきた自社ならではの“課題”を解消し“強み”を活かせれば、『人が辞めない会社』へと変われるはずです。

<ご質問を承ります>

ご質問や疑問点などあれば以下までメールください。※個別のお問合せもこちらまで

Mailto:brightinfo@brightside.co.jp
https://www.brightside.co.jp/

※武田が以前上梓した書籍『新スペシャリストになろう!』および『なぜ社長の話はわかりにくいのか』(いずれもPHP研究所)が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより電子書籍として復刻出版されました。前者はキャリア選択でお悩みの方に、後者はリーダーやトップをめざしている方にお薦めです。

『新スペシャリストになろう!』
https://amzn.asia/d/e8GZwTB
『なぜ社長の話はわかりにくいのか』
https://amzn.asia/d/8YUKdlx

以上(2025年11月作成)
(著作 ブライトサイド株式会社 代表取締役社長 武田斉紀)
https://www.brightside.co.jp/

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「ファシリテーションツール」活用ハンドブック(2025年11月号)

管理職や指導者には、組織の潤滑油として「職場のコミュニケーション活動」を活発にすることが求められます。しかし、現実には「会議で部下の意見を引き出せない」「意見が対立し混乱する」「意見をまとめきれない」といった悩みを抱える人も少なくありません。これらのコミュニケーションの問題点を改善し、円滑に進めていくのが「ファシリテーション」です。ファシリテーションには「コミュニケーションを促進する働き」があり、そのコミュニケーションの促進役を「ファシリテーター」、促進するスキルを「ファシリテーションスキル」と呼びます。

本冊子では、ファシリテーションのスキルを「場づくり・場の構造化スキル」「対話スキル」「整理・誘発・統合スキル」の3つで分け、シーンに応じて職場で活用できる「ファシリテーションツール」を紹介していきます。


11/8(土)、11/9(日)徳島・香川「トモニマルシェ」開催!

11/8(土)、11/9(日)に東京交通会館1Fピロティ(JR有楽町駅前)にて徳島・香川「トモニマルシェ」を開催いたします!


また、11/3(月)~11/9(日)にトモニ市場では、「トモニ市場感謝祭」も行われます!

11/8(土)の13時~と15時~には、徳島県マスコットキャラクター「すだちくん」がトモニ市場店頭に登場予定です。


ご家族・ご友人をお誘い合わせの上、ぜひお越しください!

【開催概要】

  • 日時 2025年11月8日(土)11:00~17:30、2025年11月9日(日)11:00~17:30
  • 場所 東京交通会館1Fピロティ(JR有楽町駅前)東京都千代田区有楽町2丁目10番1号
  • 主催 東京交通会館(交通会館マルシェ事務局)
  • 共催 トモニホールディングス、徳島大正銀行、香川銀行

場所

当行及びとくぎんトモニリンクアップ株式会社と鳴門市が「ゼロカーボンシティの実現に向けた連携協定」を締結しました!

当行及びとくぎんトモニリンクアップ株式会社は、鳴門市と「ゼロカーボンシティの実現に向けた連携協定」を令和7年9月29日に締結いたしました。

3者は、脱炭素経営の普及啓発や事業者支援を通じて、鳴門市の温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に向けて連携して取り組みます。

連携内容
(1)カーボンニュートラルに関する普及啓発に関すること
(2)事業者間の情報・意見交換の場づくりに関すること
(3)脱炭素経営の取組を進める事業者の支援に関すること
(4)その他、鳴門市のゼロカーボンシティの実現に必要なこと

ゼロカーボンシティの実現に向けた連携協定


以上(2025年10月作成)

【ハラスメント対策】行為者の処分と被害者のケア 事実が確認できなくても対応する!

1 行為者の処分と被害者のケア

事実確認の結果、ハラスメントがあったことが明らかになったら、すぐに行為者の処分と被害者のケアをします。

  • 行為者の処分の基本は、行為の内容と懲戒処分の重さを釣り合わせること
  • 被害者のケアの基本は、被害者がつらくないよう、行為者と被害者とを引き離す

です。以降で詳しく見ていきましょう。

2 行為者の処分:行為の内容と処分の重さを釣り合わせる

まずは行為者の処分について見ていきましょう。懲戒処分を検討する場合、その根拠となるのが就業規則です。一般的には、ハラスメントを就業規則の「服務規律違反」に当たるとして、「戒告(口頭注意)、けん責(始末書の提出)、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇」などの懲戒処分を適用します。ただ、

行為者のやったことに対して重すぎる懲戒処分は無効になる

ので、どの処分を適用するかは、次の事項などを踏まえて慎重に判断する必要があります。

1.行為の悪質性・重大性

言動の内容・質や頻度・量を考慮します。犯罪に当たるようなハラスメントをした場合などは、情状が悪くなります。

2.結果(被害)の重大性

被害者に与えた身体や精神への被害(苦痛)の大きさなどを考慮します。ハラスメントが原因で被害者が休職や退職をした場合などは、情状が悪くなります。

3.懲罰歴や指導・注意歴

過去に懲罰歴や指導・注意歴がない状態で、反省や改善の機会を与えないまま厳しい懲戒処分を科すと、懲戒権の濫用として処分が無効となることがあります。

次章でハラスメントに関する懲戒処分の事例を紹介しますが、実際に処分の内容を検討する際は、事前に弁護士などの専門家に相談するのが無難です。

3 事例に見るハラスメントの懲戒処分

1)懲戒解雇の事例

犯罪になるようなハラスメントについては、懲戒解雇が認められやすい傾向にあります。例えば、嫌がる女性社員に無理やりキスをするなど、強制わいせつ罪(現行法では、不同意わいせつ罪)に当たり得る行為をした部長について、懲戒解雇が認められた裁判例があります(東京地裁平成22年12月27日判決)。

逆に犯罪に当たらないようなハラスメントの場合、懲戒解雇が認められにくくなります。例えば、慰安旅行の宴会で女性社員の肩を抱いたり、「胸が大きいね、何カップかな」などと発言したりした支店長への懲戒解雇が有効かを争った裁判例があります。裁判では、ハラスメント自体は悪質と判断されましたが、行為者の会社への貢献、反省の程度、指導・注意歴がないなどの事情から、懲戒解雇は認められませんでした(東京地裁平成21年4月24日判決)。

2)出勤停止の事例

女性の派遣社員に対し、「もうそんな歳になったん。結婚もせんでこんな所で何してんの。親泣くで」などのセクハラ発言を、1年余りにわたって繰り返した課長代理について、10日間の出勤停止処分が有効かを争った裁判例があります(大阪高裁平成26年3月28日判決、最高裁第一小平成27年2月26日判決)。この裁判では、大阪高裁と最高裁とで意見が分かれました。

大阪高裁では、被害者がはっきりと拒否しなかったため、課長代理が自分の発言を許されていると勘違いしたこと、会社から警告や注意を受けなかったことなどから、出勤停止処分は認められませんでした。

一方、最高裁では、課長代理は部下を指導する立場にあることや、セクハラの被害者は職場の人間関係が悪くなることなどを心配して行為を拒否できないケースが多いこと、この事案のセクハラ発言の多くが周囲に人のいない状況で行われ、会社が警告や注意をする機会がなかったことなどから、出勤停止処分が認められました。

3)降格の事例

成果の低い部下に「(一定の成績が上がらなければ)会社を辞めると一筆書け」「会社に泣きついて居座りたい気持ちは分かるが迷惑なんだ」などの発言を繰り返し、退職を迫った役員補佐について、降格処分が認められた裁判例があります(東京地裁平成27年8月7日判決)。

4 被害者のケア:行為者と被害者とを引き離す

ハラスメントの事実が確認できても、行為者が自主退職したり、解雇されたりするとは限りません。行為者が会社に残る場合、被害者がつらくないよう、行為者と被害者とを引き離すことが重要です。一般的な方法は「配置転換」ですが、この際、

被害者ではなく、行為者を配置転換することがポイント

です。被害者を配置転換してしまうと、被害者はハラスメントだけではなく、仕事の内容についても被害を受けることになりかねません。「せっかく勇気を出して相談をしたのに、不利益な取り扱いを受けた!」と被害者が会社を訴える恐れもあります。

中小企業では、社員数の関係で配置転換が難しいケースがありますが、その場合、席替えや業務上の関わりをなくすなどして、行為者と被害者の接点を減らします。また、定期的に状況を確認し、被害者が望むなら、会社が行為者と被害者との関係を修復するように努めます。

なお、被害者が「行為者の処分を社内に公表してほしい」と求めてきても、それは行為者のプライバシー情報なので公表できません。

5 ハラスメントの事実が確認できなかったら?

ハラスメントは、

被害者が主張する事実が確認できない、確認できた事実がハラスメントであると判断できないなど、いわゆる「グレーゾーン」のケースが多い

です。とはいえ、簡単に対応を打ち切ると、

  • 行為者は「自分は正しい」と思い込み、また同じような言動を繰り返す
  • 被害者は「自分はないがしろにされた」と会社を信用しなくなり、外部に相談する

といったように事態が悪化します。

そこで、被害者には、

事実確認の調査や調査結果を丁寧に説明し、会社が真剣に対応したことを伝える

ようにします。被害者が調査結果に納得できない場合、再調査を求められることがありますが、そのときはどのような点に不満があるのかなど、被害者の意見を丁寧に聞きましょう。

また、行為者には、

今回はハラスメントに当たらないと判断したけれど、次は違う判断になるかもしれないから、言動を改めたほうがいい

などと注意・指導します。

とにかく、

ハラスメントの事実が確認できなくても、行為者と被害者への対応は必要である

ことを押さえておきましょう。

以上(2025年10月更新)
(監修 Earth&法律事務所 弁護士 岡部健一)

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【規程・文例集】 株式移転計画書のひな型

1 株式移転計画書に定めるべき内容

中小企業のM&Aのスキームとして株式移転が採用されることは基本的にはなく、株式移転が採用されるのは、

  • 事業承継の準備段階として、グループ経営を行っている企業において、複数の会社を一つの会社の管理下に置くために株式移転によって新たな親会社を設立する場合
  • 所有と経営を分離するために、グループ経営を行っている複数の会社の持ち株会社となるホールディング会社を設立するために株式移転を行う場合

などになるでしょう。同じような理由で株式交換というスキームが用いられる場合も少なくありませんが、株式移転は新たに設立する会社を親会社にすることに対して、株式交換は既に存在する会社を親会社にするという大きな違いがあります。

株式移転を行うときには、株式移転計画書を作成する必要があり、次の事項(法定記載事項)を定めなければなりません(会社法第773条)。なお、新株予約権を発行している場合などには別途追加で定めるべき事項がありますが、この記事では省略します。

  • 設立する会社の目的、商号、本店の所在地および発行可能株式総数(第2条)
  • 完全親会社の定款で定める事項(第2条)
  • 完全親会社の設立時取締役等役員の氏名(第3条)
  • 株式移転に際して完全子会社の株主に対して交付する完全親会社の株式の数または算定方法および割当てに関する事項(第4条)
  • 完全親会社の資本金および準備金の額に関する事項(第5条)

2 株式移転計画書

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業によって定めるべき内容が異なってきます。実際に就業規則を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【株式移転計画書のひな型】

株式会社○○(以下「当社」という。)は、単独株式移転の方法により、当社を株式移転完全子会社とする株式移転設立完全親会社(以下「本持株会社」という。)を設立するための株式移転を行うにあたり、次のとおり株式移転計画(以下「本計画」という。)を定める。

第1条(株式移転)

本計画の定めるところに従い、当社は、本持株会社成立日(第7条に定義する。)において、当社の発行済株式の全部を本持株会社に取得させる株式移転(以下「本株式移転」という。)を行う。

第2条(本持株会社の目的、商号、本店の所在地、発行可能株式総数その他定款で定める事項)

本持株会社の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数は、次のとおりとする。

1.目的

本持株会社の目的は、別紙1「株式会社○○定款」第○○条に記載のとおりとする。

2.商号

本持株会社の商号は、「株式会社○○」と称し、英文では、「○○」と表示する。

3.本店の所在地

本持株会社の本店の所在地は、○○とし、本店の所在場所は、○○とする。

4.発行可能株式総数

本持株会社の発行可能株式総数は、○○株とする。

5.前項に定めるもののほか、本持株会社の定款で定める事項は、別紙1「株式会社○○定款」に記載のとおりとする。

第3条(本持株会社の設立時取締役の氏名及び設立時会計監査人の名称)

1)本持株会社の設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く)の氏名は、次のとおりとする。

1.取締役 ○○

2.取締役 ○○

3.取締役 ○○

4.取締役 ○○

2)本持株会社の設立時監査等委員である設立時取締役の氏名は、次のとおりとする。

1.取締役 ○○

2.取締役 ○○

3.取締役 ○○

4.取締役 ○○

3)本持株会社の設立時会計監査人の名称は、次のとおりとする。

○○

第4条(本株式移転に際して交付する株式及びその割当て)

1)本持株会社は、本株式移転に際して、当社の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」という。)における当社の株主に対し、その保有する当社の普通株式に代わり、当社が基準時に発行している普通株式の合計に1を乗じて得られる数の合計に相当する数の本持株会社の普通株式を交付する。

2)本持株会社は、前項の定めにより交付される本持株会社の普通株式を、基準時における当社の株主に対し、その保有する当社の普通株式1株につき、本持株会社の普通株式1株をもって割り当てる。

第5条(本持株会社の資本金及び準備金に関する事項)

本持株会社の設立時における資本金及び準備金の額は、次のとおりとする。

1.資本金の額 ○○円

2.資本準備金の額 ○○円

3.利益準備金の額 ○○円

第6条(本株式移転に際して交付する新株予約権及びその割当て)

1)本持株会社は、本株式移転に際して、基準時における当社が発行している各新株予約権の新株予約権者に対して、それぞれの保有する当社の新株予約権に代わり、基準時における当該新株予約権の総数と同数の本持株会社の新株予約権をそれぞれ交付する。

2)本持株会社は、本株式移転に際して、基準時における当社の新株予約権者に対して、その保有する新株予約権1個につき、本持株会社の新株予約権を1個を割り当てる。

第7条(本持株会社の成立日)

本持株会社の設立の登記をすべき日(以下「本持株会社成立日」という。)は、○○年○○月○○日とする。ただし、本株式移転の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合は、当社の取締役会の決議により本持株会社成立日を変更することができる。

第8条(本計画承認株主総会)

当社は、○○年○○月○○日を開催日として定時株主総会を招集し、本計画の承認及び本株式移転に必要な事項に関する決議を求めるものとする。ただし、本株式移転の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、当社の取締役会の決議により当該株主総会の開催日を変更することができる。

第9条(本計画の効力)

本計画は、第8条に定める当社の株主総会において本計画の承認及び本株式移転に必要な事項に関する決議が得られなかった場合、本持株会社成立日までに本株式移転についての国内外の法令に定める関係官庁の許認可等が得られなかった場合、または、次条に基づき本株式移転を中止する場合には、その効力を失うものとする。

第10条(本計画の変更等)

本計画の作成後、本持株会社成立日に至るまでの間において、天災地変その他の事由により当社の財産または経営状態に重大な変動が生じた場合、本株式移転の実行に重大な支障となる事態が発生した場合、その他本計画の目的の達成が困難となった場合は、当社の取締役会の決議により、本株式移転の条件その他本計画の内容を変更し、または本株式移転を中止することができる。

○○年○○月○○日

株式会社○○

代表取締役 ○○

以上(2025年9月作成)
(執筆 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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