(愛媛県)いうらの車いす用昇降機 「+あんしん」を受賞【経営者とっておきニュース】

四国経済産業局は2026年11月2日、経済産業省が実施する製品安全対策優良企業表彰「PSアワード」の令和8年度製品部門「+あんしん」で、四国地域から株式会社いうら(愛媛県東温市)の製品が受賞したと発表しました。受賞したのは車いす用電動昇降機で、テーブル位置、遮断棒、スロープ、ブリッジを機械的に連動させるインターロック機構により、転落のリスクを低減した点が評価されました。

経済産業省は10月30日、令和8年度の受賞企業・製品を公表しています。企業・組織部門では9社、「+あんしん」では5製品が受賞し、いうらの製品のほか、エレコムの半固体モバイルバッテリーやタイガー魔法瓶の蒸気レス電気まほうびんなどが選ばれました。表彰式は11月12日に東京都内で開かれます。PSアワードは2007年度から実施されており、今年度で20回目を迎えます。

「+あんしん」は、消費者による誤使用や不注意による製品事故のリスクを減らした製品を表彰し、分かりやすい表示を行う制度です。経済産業省によると、重大製品事故の発生要因の約3割は消費者の誤使用や不注意によるもので、若年層や60歳以上の高齢者層では6割を超えています。製品の安全性を高めることに加え、利用者が間違った使い方をしても事故につながりにくい設計が求められている背景があります。

地方の中小企業が、大手メーカーと並んで国の表彰を受けたことは、技術力を広く示す機会となります。製品安全への取り組みが公的に認められれば、取引先や利用者からの信頼を高め、販路の拡大にもつながります。特に、福祉や介護の分野では、高齢化の進展とともに安全性の高い機器への需要が高まっており、安全性を強みとして打ち出せることは大きな差別化の要素となります。一方で、誤使用まで想定した設計には、利用場面への深い理解と開発の手間が求められます。

今後、製品安全は品質の一部として、企業が選ばれる理由の一つになっていくと予想されます。

ものづくりに携わる中小企業にとって、「利用者がどのように間違えるか」を設計の段階から考えることは、事故を防ぐだけでなく、製品の価値を高める取り組みでもあります。自社の製品の使われ方を現場で観察し、改善につなげていく姿勢が、地方から全国に評価される製品を生み出す鍵となるでしょう。


【ご注意】本記事は公的資料等を基に生成AIを活用して作成し、編集部で事実確認を行っています。技術の特性上、記述の正確性を完全に保証するのは難しいところがありますので、正確な最新情報については、必ず参照URLの一次情報をご確認ください。
■四国経済産業局「令和8年度「PSアワード」受賞企業及び「+あんしん」受賞製品を決定しました」■
https://www.shikoku.meti.go.jp/01_releases/2026/11/20261102b/20261102b.html
■経済産業省「令和8年度「PSアワード」受賞企業及び「+あんしん」受賞製品を決定しました」■
https://www.meti.go.jp/press/2026/10/20261030003.html

以上(2026年11月作成)

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企業に求められる「カスハラ対策」セミナー第2弾を開催いたします!

2026年12月10日(木)13:00から、【オンラインセミナー】企業に求められる「カスハラ対策」第2弾を開催します!

カスハラ(カスタマーハラスメント)対策が企業に義務付けられてから約2か月後に開催される今回のセミナーは、対策義務化後の実務対応を深めることを目的に開催いたします。

様々な事例に対して、会社としてどのような対策基準を設けるか? カスハラ対策で一番知りたい疑問を、第1弾で大好評だった講師が、今回もわかりやすく解説します。

この機会をぜひ、お役立てください!


お申し込みはこちらから!

お申し込み締め切りは、【2026年12月8日(火)18:00】です。

【開催概要】

  • 登壇者:東京エクセル法律事務所 弁護士 日本ハラスメントカウンセラー協会顧問 弁護士 坂東 利国 氏
  • 日程:2026年12月10日(木)13:00~14:15(12:30開場)
  • 参加費:無料
  • 定員:100名
  • 内容:長時間の電話/同じ要求の繰り返し/居座り/執拗なメールなどのカスハラについて、会社としてどのような対策基準を設けるか、誰にどの程度の権限を持たせるか 等

【坂東先生のセミナー実績】

  • カスタマーハラスメントのリスクマネジメントと裁判例
  • カスタマーハラスメント対策研修
  • ハラスメント防止のための管理職のあるべき姿
  • ハラスメントの事実確認・和解調整担当者のための研修
  • メンタルヘルスの法律問題・裁判例を踏まえた企業対応
  • など多数。セミナーのほか、実践的な管理職研修なども実施

主催

  • 株式会社日本情報マート(きらやか情報ステーション運営会社)

第1回「従業員を守るカスハラ対策」のイベントリポートはこちら!

きらやか情報ステーションでは、カスハラ対策に役立つコンテンツも公開しています。ぜひご覧ください!

そのapple.com、本物ですか? 目では見抜けない偽URL

1 あなたのメールアドレス、漏れていませんか?

日々の業務に欠かせないインフラとなっている「メール」と「ウェブ」。しかし、2026年秋、日本国内ではかつてないほどの勢いで情報漏えい事案の報告が相次いでいます。

実際、2026年には100万件を超える大規模な個人情報の漏えいが過去最悪のペースで発生しており、もはや「対岸の火事」ではなく、私たち自身のプライベートや日常業務に直結する切実なリスクとなっています。

この記事では、ご自身のメールアドレスが危険にさらされていないかを確認する方法と、万が一漏れていた場合に、ビジネス・私生活双方で最大の脅威となる「ホモグラフ攻撃」の巧妙な手口と対策について解説します。

2 まずは、自身のメールアドレスが安全か確認!

2026年9月から10月にかけて、流通、サービス、メディア、インフラなど、国内のさまざまなウェブサービスで、第三者の不正アクセスを起点とする大規模な情報漏えい事案が連鎖的に発生しました。

私たちが普段利用している身近なプラットフォームや公式アプリからも、数百万件単位のメールアドレスやパスワード、個人情報が流出しています。

国家サイバー統括室(NCO)のハンドブックや各関係機関でも、自身の情報がダークウェブなどに流出していないか確認するよう強く呼びかけています。

まずは、自身のメールアドレスが安全かどうか、実績のあるメジャーな確認サイトでチェックしてみましょう。

1)Have I Been Pwned?

世界最大級の漏えいチェックサイトです。自身のメールアドレスを入力するだけで、過去にどのサービスから情報が漏えいしたのかを確認できます。

■Have I Been Pwned?■
https://haveibeenpwned.com/

2)Mozilla Monitor

ウェブブラウザ「Firefox」やメールソフト「Thunderbird」で知られるMozilla財団が運営する漏えいチェックサイトです。高精度な「Have I Been Pwned?」のデータベースを基に構築されており、日本語表示にも対応しています。英語に抵抗がある方でも直感的に利用できます。

■Mozilla Monitor■
https://monitor.mozilla.org/

3)トレンドマイクロ ID プロテクション

国内のセキュリティ大手トレンドマイクロが提供する漏えいチェックサイトです。「個人情報の流出チェック」で、インターネットとダークウェブでメールアドレスまたは携帯電話番号の流出を確認できます。

■トレンドマイクロ ID プロテクション■
https://idprotect.trendmicro.com/ja-jp/leakchecker

4)ノートン 個人情報流出チェックページ

セキュリティソフト「Norton」で知られるGen Digital(Symantec社を前身とする旧NortonLifeLock)が提供する漏えいチェックサイトです。メールアドレスを入力するだけで、潜在的な脅威が迫っているかどうかを調べられます。

■ノートン 個人情報流出チェックページ■
https://japan.norton.com/dwm/c/

3 漏れていた人は特に要注意。ホモグラフ攻撃の対策方法

メールアドレスが漏えいした場合、最大のリスクとなるのが、それを足がかりにした「フィッシングメール」です。特に近年、人間の目を欺くだけでなく、ブラウザの安全装置すらもすり抜ける「ホモグラフ攻撃(国際化ドメイン名悪用攻撃)」という極めて悪質な手口が猛威を振るっています。

ホモグラフ攻撃は、キリル文字やギリシャ文字など、ラテン文字(アルファベット)と見た目が酷似している別言語の文字を組み合わせて、本物のドメイン名そっくりの偽URLを作り出す手口です。

例えば、「apple.com」を例にとってみましょう。パッと見では完全に本物のApple社のドメインに見えますが、一部の文字に見た目がそっくりなキリル文字などの別コードが使われている場合、人間の目では判別はほぼ不可能です。

こうした文字が含まれている場合、ブラウザが、アドレスバーに不審な文字列(「xn--」から始まるPunycode)を表示して警告してくれました。しかし、攻撃の手口やブラウザの仕様の隙を突いた高度な迂回手法が登場し、最新の「Google Chrome」などの主要ブラウザの偽装対策すらもすり抜けられる手法が見つかり、悪用される恐れが指摘されています。

巧妙化するホモグラフ攻撃やフィッシングから自身と組織を守るためには、もはや「怪しいメールを見分ける」という個人の注意力頼みでは限界があります。次のような対策を徹底しましょう。

1)メッセージ内のリンクからアクセスしない

これが最も確実な基本原則です。重要なお知らせやサービスへのログインを促すメールを受け取った際、本文中のリンクを直接クリックする癖を断ち切りましょう。あらかじめブラウザに登録した「ブックマーク」や、公式の「スマートフォンアプリ」経由でアクセスする習慣を徹底してください。

2)パスワード管理ツールの活用

人間の目では、わずかに文字が異なる偽サイト(ホモグラフドメイン)を見破ることは困難ですが、ブラウザのパスワード管理機能や、専用のパスワード管理ツールは、登録されたドメインの正当性を厳密に判定します。偽サイト上ではパスワードが自動入力されないため、致命的な詐欺への誘導を防ぐ強力な盾になります。

3)ブラウザを常に最新版にアップデートする

攻撃手法の進化に合わせて、Google Chromeをはじめとする各ブラウザベンダーは日々、セキュリティの脆弱性修正やドメイン偽装対策の強化を行っています。アップデート通知を放置せず、常に最新版を維持することが不可欠です。

4)セキュリティソフトを最新版に保つ

エンドポイント(PCやスマホ)を保護するセキュリティソフトも、未知のフィッシングサイトや不正ドメインへのアクセスをリアルタイムでブロックする上で重要な役割を果たします。定義ファイルやプログラムを常に最新の状態に更新しておきましょう。

4 問題の背景と今後の展開

なぜ、これほどまでにサイバー攻撃や情報漏えい、そしてそれを悪用した詐欺の手口が高度化・急増しているのでしょうか。その背景には、生成AI技術の急速な普及と悪用があります。

かつてのフィッシングメールは、不自然な日本語や、あからさまに怪しい内容が目立ち、「注意していれば気づく」レベルのものが主流でした。しかし現在、攻撃者は生成AIを用いて、日本企業の実務や文脈に完全に適応した、不自然さのない極めて流暢なビジネスメールや、本物と区別のつかない精巧な偽装サイトを瞬時に大量作成できるようになっています。

さらに、ダークウェブ上で売買されるインフォスティーラー(情報窃取マルウェア)や漏えいしたメールアドレス・認証情報が組み合わさることで、攻撃は「無差別のばら撒き」から「個人や企業をピンポイントで狙い撃つ高精度な罠」へとシフトしています。

今後、人間の直感や目視による確認だけで安全性を担保することは、事実上不可能になっていくと予想されます。中小企業のビジネスパーソンにとっても、サイバーセキュリティは「IT部門の仕事」ではなく、一人ひとりが正しいツール(パスワード管理や公式ブックマーク運用など)を規律正しく使いこなす「ビジネスのリテラシー」そのものとなっています。

まずはご自身のメールアドレスが安全な状態にあるかを確認し、日々のアクセス手順やパスワード管理の運用を見直すことから、確実な防衛を始めていきましょう。

以上(2026年11月作成)

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【資金繰り】自社に必要な運転資金の計算方法と余裕のある資金繰りの心得

1 入出金のズレを賄うのが運転資金

経営者なら、売上や利益以上に資金繰りが気になるはずです。なぜなら、

利益が上がっていても、資金がショートすれば会社は倒産してしまう

からです。利益は「売上-費用=利益」という関係で導かれますが、「売上=入金、費用=出金」といったように、入金も出金も即時ならば資金繰りに困ることはありません。しかし、現実には、「末締め翌月末払い」のように即時決済とはならないのが通常です。そこで登場するのが運転資金です。運転資金とは、

売上の入金、費用の出金のタイミングのズレをカバーする資金

です。

資金繰りにおいて、大きな設備投資をしたような場合なら、その影響に注意するでしょう。難しいのは、こうした大きな要因ではなく、

日常的な運転資金が資金繰りに影響している

場合があることです。運転資金は資金繰りにおいて非常に重要なので、この記事で分かりやすく解説していきます。

2 運転資金はいくら必要なのか?

経営者が最も気になるのは、

結局、自社に必要な運転資金はいくらなのか?

ということでしょう。

その1つの答えは、

御社に必要な運転資金=売掛金+棚卸資産-買掛金

となります。なお、より正確にいうと、売掛金は受取手形も含む「売上債権」で、買掛金は支払手形も含む「仕入債務」となります。

運転資金とは

上記の図は、その時点の状況を示していますが、資金繰りではその先の入出金のタイミングに注意しなければなりません。入金と出金のどちらが先かによって、状況は大きく変わります。

売上債権と仕入債務の入金・支払タイミング

例えば、売掛金は20日に入金され、買掛金は月末に支払う場合、先に入金される売掛金を買掛金の支払いに回せます。ですので、月末に売掛金、棚卸資産の合計と買掛金の差額だけ運転資金を準備すれば大丈夫です。

逆に、買掛金は20日に支払い、売掛金は月末に入金される場合、先に買掛金を支払わなければなりません。そうすると、売掛金と棚卸資産の合計の全てが運転資金として必要になります。

以上から分かるポイントは、「入金は早く、支払うのは遅く」ということです。なお、運転資金は、会社にある現預金で賄ってもよいですし、銀行から借りてもよいですが、いずれにしても自社に必要な運転資金をシミュレーションしておくことが不可欠です。

資金繰りでは、運転資金の中身である売掛金、棚卸資産、買掛金の残高を確認することが重要なので、個別に説明していきます。

3 売掛金の残高分析

売掛金は貸借対照表の資産の項目です。そして、同じ資産の項目にある現預金(資金)とはトレードオフの関係にあります。つまり、売掛金が増えれば資金は減り、売掛金が減れば資金は増えます。

売掛金の残高分析として、まずは、前期末(または、前月や前年同月)と比較をしましょう。これにより、前年と違う今年のトレンドを把握することができます。さらに、売掛金を月商で割ることで、売掛金が月商の何カ月分たまっているのかを確認します。その際に利用するのが、売掛金の回転期間という指標です。

売掛金の回転期間=売掛金の月末残高/1カ月の売上高

計算をしたら、増えたり減ったりした原因を具体的な事業活動に落とし込んでいきましょう。例えば、特定の取引先からの売掛金が未回収のために売掛金が増えているのであれば、その取引先と入金時期を交渉したり、今後の取引条件の見直しを検討したりすることができます。

なお、取引先との関係もありますが、売掛金の回収はなるべく早くしたほうが、自社の資金繰りに余裕が出ます。

4 在庫の残高分析

製造業、卸売業、小売業に在庫はつきものです。すぐに売れればよいですが、製造や仕入れから販売までにはタイムラグがあり、その間は在庫となります。建設業にも「未成工事支出金」という在庫があります。期末に仕掛かり中の工事の売上は翌期になるため、費用も未成工事支出金として翌期に持ち越すのです。

さて、在庫も売掛金と同じ貸借対照表の資産の項目です。そして、現預金(資金)とはトレードオフの関係になります。つまり、在庫が増えれば資金は減り、在庫が減れば資金は増えます。なお、在庫には材料費、外注費、人件費、経費といった、仕入れや製造などにかかる費用が漏れなく含まれます。材料費や外注費など社外に支払うものは分かりやすいのですが、人件費は忘れがちなので注意しましょう。

在庫の残高分析として、売掛金と同じように、前期末(または、前月や前年同月)との比較をしましょう。これにより、前年と違う今年のトレンドを把握することができます。さらに、在庫を月次の売上原価で割ることで、在庫が月次の売上原価の何カ月分たまっているのかを確認します。その際に利用するのが、在庫の回転期間という指標です。

在庫の回転期間=月末在庫/1カ月の売上原価

計算結果を具体的な事業活動に落とし込んで検討することも、売掛金で説明した通りです。

実務では、分母を求めやすい1ヵ月の売上高の金額にしておくこともあります。簡便的な方法ですが、継続すれば異常値の発見をするのに役立つはずです。

5 買掛金の残高分析

買掛金は貸借対照表の負債の項目です。ですので、売掛金や在庫と違い、買掛金が多いほうが現預金(資金)に余裕ができます。支払いを待ってもらう間、手元には資金があることをイメージしてください。

これまでと同じように、買掛金の残高分析として、まずは、前期末(または、前月や前年同月)と比較をしましょう。これにより、前年と違う今年のトレンドを把握することができます。さらに、買掛金を月次の仕入高で割ることで、買掛金が月次の仕入高の何カ月分たまっているのかを確認します。その際に利用するのが、買掛金の回転期間という指標です。

買掛金の回転期間=買掛金の月末残高/1カ月の仕入高

これまでと同じように、計算結果を具体的な事業活動に落とし込んで検討します。取引先との関係もありますが、買掛金の支払いはなるべく遅くしたほうが、自社の資金繰りに余裕が出ます。

以上(2026年10月更新)

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2027年は未年~干支のエトセトラ(未編)

1 未(ひつじ)に関する話

1)未年に起きた出来事

2027年の干支(えと)は、「未(ひつじ)」です。前回の未年は、2015年(平成27年)の乙未(きのとひつじ)でした。2015年は、安全保障関連法が成立した年。また、TPP交渉が大筋合意に至ったり、寄生虫による感染症に対する治療法の発見で大村智氏がノーベル生理学・医学賞を、「ニュートリノ振動」の発見で梶田隆章氏がノーベル物理学賞を受賞したりしたことも注目を集めました。

過去5回の未年に起きた主な出来事や流行語は次の通りです。

未年に起きた出来事

2)未年生まれの有名人

未年生まれの日本の有名人には、次のような人がいます(既に亡くなられた方も含みます)。

未年生まれの有名人

3)ひつじの話

未年の未(ひつじ)とは羊を指します。

現在、日本では主に北海道や岩手県など、冷涼な地域で約2万5000頭の羊の飼育が行われていますが、古来の日本には野生の羊がいたという証拠は見つかっておらず、羊の毛を織った毛織物が初めて日本にもたらされるのは、戦国時代から江戸時代にかけての南蛮貿易などを通じてであったとされています。

毛織物は当時の日本の大名などに献上品として用いられたといわれ、毛織物の中でも特に高価なものをラシャ(羅紗)といい、戦国時代の武将の中にはこれを陣羽織にして愛用し、その高価さと希少さから自らの権威の象徴とした者もいました。

さて、ニュージーランドでは人口より羊の頭数のほうが多いのは有名な話ですが、実は世界一羊の飼育頭数が多いのは、日本のお隣の国・中華人民共和国です。約1億8千万頭と、日本の全人口より遥かに多い頭数の羊が飼育されています。

2 未(ひつじ)にちなんだスピーチ事例

1)スピーチ事例1

未(ひつじ)は十二支の1つに数えられていますが、日本では、牛や馬などに比べれば影の薄い動物でした。高温多湿な日本の風土では羊の健康を保つことが難しく、国内で本格的な飼育が始まったのは、技術が発達した明治以降でした。

しかし、世界に目を向けると、最古級の文明のひとつであるメソポタミア文明では、羊毛は金などの品物を手に入れるための大切な交易品だったとの記録があり、王の役所や神殿が羊の群れを管理するほど、重視されていたそうです。

つまり、日本に羊が根付く何千年も前から、羊は私たちの知らないところで人々の暮らしを支え、文明の繁栄を後押しした動物だったのです。

私たちが「影が薄い」と思っていた羊が、実は文明を支える存在だったように、職場にも、私たちが気づいていないだけで、チームを大きく支えている仕事や人がいます。皆さんの周りにも、派手な成果を上げるわけではないけれど、準備や細かな確認、後輩へのフォローなどを黙々とこなしている人がいるのではないでしょうか。今年は、そうした仲間の働きにもしっかりと目を向け、その貢献を認める姿勢を大切にしていきましょう。

また、もしも皆さんの中に、自分の仕事を「地味な仕事ばかり……」と思っている人がいるのだとしたら、そのように卑下する必要はありません。自分では気づきにくくても、その仕事は確かに組織の土台を支えています。今年はぜひ、胸を張っていきましょう。

2)スピーチ事例2

英語で「黒い羊(Black sheep)」といえば、集団になじめない「変わり者」のことを指します。羊の中にはまれに黒い毛で生まれてくるものがいますが、白い羊の群れの中では黒が悪目立ちするうえ、黒い羊毛は加工をする際に他の色に染められないので、使い道に困る厄介者とされてきました。

ところが今では、「黒い羊」が見直されているそうです。染めなくても自然な色味を出せる黒い羊の羊毛は、イタリアの高級服飾ブランドでも、服作りの材料として注目されています。かつて嫌われた個性が、今では唯一無二の強みになっているのです。

この話が教えてくれるのは、「周りと違うことは、弱みではなく強みになりうる」ということです。皆さんも、会議で「みんなと違う意見だから」と発言を控えたり、前例と違う方法を思いついても「浮いてしまうかも」と飲み込んだりしてしまった経験があるのではないでしょうか。それは、「白に染まっていたほうが安全だ」という、自己防衛的な行動なのかもしれません。

しかし、実際に大切なのは、周りに合わせることを目的にせず、自分ならではの視点や得意分野を磨くこと。そして、同僚の「違い」も、否定せずに価値として受け止めることです。

私の今年の目標は、職場の「黒い羊」が遠慮なく自由に駆け回れる環境を作ることです。皆さんも、無理に白に染まろうとせず、自分ならではの色を活かす一年にしてください。

3 干支の起源・豆知識

1)干支の起源

ところで、「干支とは何か?」と聞かれたら、どう答えますか? 一般的に、干支とは、巳(へび)年や申(さる)年など、12種類の動物を、年ごとに当てはめたものと認識されています。しかし、実は干支(えと=かんし)とは、古代中国に起源を持つ、年月日や時刻、方位などを表す呼称で、10種類の「干」と12種類の「支」を組み合わせた60通りがあるのです。本章では、意外と知られていない干支の起源についてご紹介します。

干支の「干(え)」は10種類あり、十干(じっかん)といいます。

十干

これに陰陽五行思想(木・火・土・金・水)を結び付けて、次のようにも読みます。

陰陽五行思想と結び付けた読み方

一方、干支の「支」は古代中国の天文学で、木星の位置を示すために天を十二分した呼称を起源にしており、十二支といいます。

十二支

さらに、十二支を動物に当てはめて、次のように呼ばれるようになったのです。

動物に当てはめた読み方

中国では、古く殷(いん)の時代(紀元前16世紀~紀元前11世紀ごろ)から、この十干十二支の組み合わせで年月日が数えられたといいます。これが干支の起源です。

2)干支と十二支

現在の日本では、干支は十二支を指すように使われていますが、このように、厳密には干支と十二支とは異なります。本来の干支(十干十二支)の組み合わせは全部で60通りあり、日本で使われている12通りの十二支とは違うのです。干支は年月日や時刻に当てられますが、日本では一般的に年に当てて使われています。満60歳を還暦(かんれき、もしくは生まれ年の干支を「本卦(ほんけ)」と呼ぶことから本卦還(がえ)りともいう)というのは、干支が1周して生まれ年の干支に還(かえ)るところからきています。

ちなみに、2026年の干支は丙午(ひのえうま)、2027年の干支は丁未(ひのとひつじ)です。自分の生まれ年の干支が何かを、下表で確認してみましょう。

干支(十干十二支)の組み合わせ

3)干支が表す歴史年代

干支は年月日などの時間を表す呼称として、古くから使われており、具体的な年がすぐ分かるため、歴史上の事件の呼称としても多く用いられています。

有名な例としては、以下のようなものがあります。

  • 672年  みずのえさる 壬申(じんしん)の乱
  • 1592年 みずのえたつ 壬辰(じんしん)倭乱(わらん)(注)
  • 1868年 つちのえたつ 戊辰(ぼしん)戦争
  • 1911年 かのとい   辛亥(しんがい)革命

(注)日本でいう「文禄(ぶんろく)の役」です。

ちなみに、阪神甲子園球場は、「甲子(きのえね)」年の1924年に完成したことから名付けられています。

以上(2026年12月更新)

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経営のヒントとなる言葉(井伊直弼)

「一期一会」(*)

出所:「茶湯一会集」(彦根城博物館所蔵 井伊家伝来資料)

冒頭の言葉は、

「後悔の無いよう、常にチャンスは一度しかないと考え、何事にも取り組むべきである」

ということを表しています。

「安政の大獄」など、強権を行使した大老として、一般的には悪名高い直弼。一方で、地元近江では名君として領民から慕われており、諸外国の情勢にも関心を抱くなど、優れた素養を持つ大名でもありました。また、茶道を愛した直弼は、自らの茶道観をまとめた書物を記しており、その中で冒頭の言葉を残しています。若い頃の直弼は世継ぎでは無かったため、学問や文化に触れる自由な時間があったようです。

しかし、兄の死によって藩主を任されることになり、その人生は一変します。直弼が藩主となった3年後、ペリーの来航という世間を揺るがす事件が起こりました。諸藩の中でも高い地位にあった彦根藩は、幕府から意見を求められます。直弼は彦根藩士の意見をまとめ、「外国船への防御は実際に役立つ備えにすべきである」「鎖国するのではなく、交易を開き、年月をかけて外国に勝てるようにすべきである」といった意見を提出しました。この当時、開国による富国強兵を主張することは珍しく、直弼は優れた先見性を持っていたようです。

その後、幕府は米国総領事のハリスから日米修好通商条約を結ぶように持ちかけられます。ハリスはアロー(第2次アヘン)戦争が休戦となることで、英仏軍が日本へ侵略する可能性を指摘し、日本に友好的な米国と調印するように迫りました。このとき、幕府内の大多数がハリスの主張を受け入れて、即時調印に賛成したのに対し、直弼は天皇の勅許(ちょっきょ)が必要だと反対し、調印を引き延ばすように主張しました。しかし、交渉担当者が天皇の判断を待たずに調印したため、大老の要職にあった直弼は尊王攘夷派の怒りを買うことになります。

加えて、将軍である徳川家定(とくがわいえさだ)の跡継ぎ問題を巡って、尊王攘夷派の反幕府運動が一層の高まりを見せ、幕府は吉田松陰(よしだしょういん)などの反体制派を処分するに至ります(安政の大獄)。直弼の独断によって反体制派を処罰したとする説があるものの、当時の評議の在り方から考えて、それは不可能だったという説もあります。明治維新後、大きな影響力を持っていた薩長の出身者が、直弼を「国賊」としたことが、今日までの直弼の悪評に大きく影響しているようです。

安政の大獄によって松陰らが処罰されてから間もなく、直弼は桜田門外にて反体制派の急先鋒(せんぽう)であった水戸藩の浪士によって暗殺されました。直弼の周囲は事前に不穏な動きがあることを察知しており、警護を強化するように忠告していたようです。それに対して、直弼は次のように答えたとされています。

「人各々(おのおの)天命あり、刺客(せっかく)が果して余を斃(たお)そうとすれば、たとえいかほどに戒心してもかなわないものである」
(**)

直弼は大老である自分が、幕府の定める警護の数を変えては諸藩に示しがつかないと考え、警護の増員をしなかったようです。

残された言葉や逸話から見るに、直弼は自身の考えや行動の礎となる価値観やルールを重視し、それを貫こうとした人ではないでしょうか。一期一会の大切さを感じていたからこそ、自らが信じる正しさを貫き、後悔の無い一生を送りたいと考えていたのかもしれません。

自身の価値観やルールを重視し、ビジネスに取り組む姿勢は大切です。しかし、ビジネスでは、自身も相手も、自らにとってベストな結果を求めて行動します。ビジネスは競争であり、互いに自分の利益を追求するのは当然のことですが、自らの正しさを優先するばかりでは、どちらかが損をする「Win-Lose」の結果に終始しがちです。現状のビジネスをより良いものへと進化させていくためには、相手にも利益をもたらす「Win-Win」の結果を導く視点が求められます。

芯を通しながらも、近視眼的な視点に終始していないかを注意することで、自らも相手も成長できる余地を広げていくことができるでしょう。

【本文脚注】

本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになっている情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありません。

【経歴】

いいなおすけ(1815~1860)。近江国(現滋賀県)生まれ。1850年、彦根藩藩主となる。1858年、大老に任ぜられる。1860年、桜田門外の変にて暗殺。

【参考文献】

(*)「茶湯一会集」(彦根城博物館所蔵 井伊家伝来資料)

(**)「【次代への名言】3月3日・井伊直弼(産経新聞 東京朝刊(2009年3月3日付))」(産経新聞社、2009年3月)

「井伊直弼と開国150年祭ウェブサイト」(彦根城博物館)

以上(2026年11月更新)

pj15195
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11/24(火)人材セミナー「求人魅力化セミナー」を開催します!

2026年11月24日(火)、きらやか銀行は、Indeed Japanの協力で「求人魅力化セミナー」を開催します!

人口減少が加速する中、企業にとって人材確保は事業継続を左右する重要課題となっています。

本セミナーでは、採用成功の鍵を握る求人内容の解像度にフォーカスし、ターゲットを惹きつけるための実践的なノウハウをお伝えいたします。

多くのお客様のご参加をお待ちしております。

このページの最後に、人材採用に役立つコンテンツも紹介していますので、ぜひご覧ください!


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登壇者

  • 「求職者の心を掴む3つのポイント」
    Indeed Japan株式会社 髙田 巧 氏

プログラム

  • 15:00-15:30 受付開始
  • 15:30-16:45 「求職者の心を掴む3つのポイント」Indeed Japan株式会社 髙田巧氏
  • 16:45-17:00 質疑応答
  • 17:00 閉会
お問合わせ先
きらやか銀行 地域デザイン部 担当:鈴木、井上
電話:023-628-3822(直通)

きらやか情報ステーションでは、人材採用に役立つコンテンツも公開しています。ぜひご覧ください!

なぜか社員が辞めてしまう…… 社労士が教える「10の落とし穴」

会社では、社員が突然辞めてしまうことは珍しくありません。ですが、「真面目で不満なんて言ってなかったのに……」「何となく空気が合わなかったのかも」「転職は時代の流れだし、仕方ないよね」などと、社員の離職を運の悪い出来事として片付けていませんか?

実は辞めた社員本人に聞くと、「だいぶ前から限界だった」というケースが非常に多いんです。また、実際に退職はしていないものの、「静かな退職」といって、仕事へのモチベーションを失い、最低限の業務しかこなさなくなる社員が増えているという問題も指摘されています。

経営者や上司には悪気がない。けれど、どこかに小さなボタンの掛け違いがあり、それが積み重なると、気が付いた時には社員が去ってしまう、あるいは心ここにあらずの状態になってしまうのです。

この記事では、社労士の視点から、あなたの会社に潜む「無自覚の落とし穴」となりがちな10のポイントと、具体的な解決策をご紹介します。

(落とし穴1)賃金が新人の「後追い」になっている

「最低賃金が上がったから、それに合わせて新卒の基本給を引き上げた。でも、ベテラン勢は据え置きなんだよね……」。こうした声は、多くの会社で聞かれます。いつの間にか新入社員に基本給が抜かれていると気づいたら、頑張って会社を支えてきた既存社員から「私は頑張っても結局、報われないんですか?」と、不満の声が上がるかもしれません。

特に昨今の物価高騰は、社員の生活に大きな影響を与えています。

既存社員の賃金が世間の相場から乖離していると、転職サイトなどで他社の求人情報に触れた際に、自身の待遇への不満が募り、離職に繋がりやすくなります。

【解決策】

まずは、勤続年数などに対応した「賃金テーブル(賃金表)」を整備しましょう。近年は最低賃金の大幅な引き上げが続いているので、例えば、時給ベースで

  • 勤続5年以上:最低賃金+50円
  • 勤続10年以上:最低賃金+100円
  • 勤続15年以上:最低賃金+150円

といった加給方式にすると、トラブルが起きにくくなります。

「役割」や「成果」に応じた昇給ルートを明確にすることも大切です。特に、会社への貢献度が高いにもかかわらず、給与が伸び悩んでいる中堅層には「成長の見える化」と「報酬の納得感」が必要です。

定期的な昇給レビューに加え、業績連動型のインセンティブや、個人のスキルアップに応じた手当の導入も有効です。透明性の高い評価と、それに基づいた報酬体系を構築することで、社員は自身の努力が正当に評価され、報われると感じることができます。

(落とし穴2)長時間労働が当たり前になっている

「ウチは皆、体力勝負だから!」「繁忙期なんだから、多少の無理は当たり前だろ?」など、体育会系の意識が根強く、無自覚な長時間労働が蔓延している会社は少なくありません。加えて、そうした雰囲気のせいで、定時で退勤打刻をした後、サービス残業が当たり前になってしまっている会社もちらほら……。

周囲についていけず、身体と心をすり減らした社員は、我慢の限界を迎えると静かに去っていきます。厚生労働省の「過労死等防止対策白書」でも、長時間労働などが心身の健康を損ない、離職や休職に繋がる深刻な問題であることが示されています。

【解決策】

まずは「長時間労働が当たり前」という雰囲気を社内から取り除く必要があります。社長から全社員に対し、「過去はなあなあでやっていたかもしれないが、もうサービス残業はさせないし、無駄な残業は削減していく」と宣言しましょう。特に上司が残業削減に消極的だと、その部下も早く帰れないので、上司の意識から変えていきましょう。部署の残業削減の成果を上司の評価にプラスすることなどが考えられます。

DX化などで残業削減を図っていくことも大切です。今やメール文面や提案書、ウェブページの作成などは、生成AIを使えば簡単にできるようになっていますし、ブルーカラーの業務でも、例えば「測量や土量算出をドローンで行う(建設業)」「ロボットを活用した自動点呼を行う(物流業)」などの形でDX化が進んでいます。

(落とし穴3)ルールが曖昧すぎる

「あの部署は年次有給休暇を申請すれば認められるのに、ウチの部署は閑散期しか認めてもらえない」「あの人は時短勤務ができるのに、私は認めてもらえない」など、休暇や働き方の自由度が人によってまちまちで、不公平感が広がっていることがあります。

原因はさまざまですが、「就業規則に制度の内容が明記されていない」「制度はあるが、対象者や利用方法が明確でない」など、社内ルールの曖昧さがこうした状況を生み出しているケースが少なくありません。

【解決策】

就業規則で「制度の内容・対象者・利用方法」が明確になっているかを確認しましょう。就業規則の内容が社員に伝わりにくい場合、誰が読んでも分かるように「社内マニュアル」も作成しておくと安心です。例えば、年次有給休暇の取得ルールや、テレワーク時の勤怠管理方法、残業代の計算方法や申請フローなどを明確にすることで、社員は安心して働けるようになります。

「ルール通りに休暇を申請しているのに、上司が認めてくれない」など、上司の匙加減で恣意的な運用がされているケースもあります。上司としての裁量権の範囲を勘違いしている人もいるでしょうから、管理職研修などを通じて、正しい運用を徹底させることが大切です。

(落とし穴4)社内コミュニケーションが偏っている

「ウチの会社のコミュニケーションはバッチリ!」と思っていても、よく見ると特定の部署やグループ間だけコミュニケーションが活発で、他の社員は蚊帳の外……。「ここにいても自分は大事にされていない」と感じて、離職の引き金になることも多々あります。

部署や役職、雇用形態によって話す相手が固定化され、他の社員との交流が少ない状態が続くと、孤独を感じる社員が出てきてしまいます。

【解決策】

最近は、いわゆる「飲みニケーション」を敬遠する社員も少なくなく、多くの会社がどのように社員とコミュニケーションを取ればいいか、困っていると思います。「業務時間外」のイベントで拘束されることを嫌う社員もいるので、例えば「社員が多く集まる社内会議の際に、全員で昼食を摂る」などハードルの低いところから始めてみましょう。

社員が一堂に会する形が難しければ、スマホなどを使ったゲームイベントを実施するのもよいでしょう。例えば、歩数計のスマホアプリを使った社内イベントを実施している会社などがあります。通勤時などの毎日の歩数を集計してチームで競わせるイベントなので、社員が同じ場に集まる必要がありません。「社員が集まらなきゃ意味がないのでは?」と思うかもしれませんが、共通の話題を作ればそれがコミュニケーションのきっかけになります。

(落とし穴5)マネジメントが昭和のまま

上司の皆さん、「若いヤツは黙って俺たちのやり方を覚えろ!」「昔はこうだったんだ!」なんて、ついつい言っていませんか? 悪気はないと思いますが、これでは今の若手社員の心は動きません。今の若手社員は一方的な指示には反発を感じやすい傾向にあります。上意下達の一方的なマネジメントでは、「自分の意見が尊重されない」と感じてしまいます。

それに、今は多様な働き方が浸透しつつある時代。小さい子どもを育てる社員や、闘病中の人、家族の介護中の人など。個々人の状況に配慮せず、「ウチの会社は昔からこうだから!」と一方的に押し付けると、脱落してしまう社員も出てくるでしょう。

【解決策】

月並みですが、まずは相手(若手社員)の話によく耳を傾ける、「傾聴」を心がけましょう。昔ながらの文化や風習を大事にしたい気持ちも分かりますが、相手の話に「一理あるかもしれない」と思ったら、それを取り入れていくという意識が大切です。ただし、若手の言うことが何でもかんでも正しいわけではありません。大切なのは「道理」があるかどうかですから、明らかなワガママや間違いがあれば、毅然と指導します。

昨今の法改正の流れにも敏感になりましょう。例えば、

  • 3歳以上小学校就学前の子を育てる社員に対し、「短時間勤務」「テレワーク」などの措置を講じることが義務化(2025年10月から)
  • 病気を抱える社員が治療と仕事を両立できるよう、会社が支援に取り組むことが努力義務化(2026年4月から)

など、社員の働き方に関する改正が続いています。人手不足の会社では対応に苦慮する部分もあるでしょうが、「法律で定められたら、その働き方が社会のスタンダードになる」ということを認識しておきましょう。「ウチの会社はこうやっている!」はいつまでも通用しません。

(落とし穴6)人事評価が「社長や上司の匙加減」

「〇〇さんは、いつも頑張っているし、来年は昇給させようかな」「あの子は気が利くから、ちょっと評価を上げてあげよう」。こんな風に、人事評価が特定の担当者の主観や感覚で決まっている会社、心当たりありませんか? この状況だと、頑張りが見えにくい部署の社員やアピールが苦手な社員は、「どうせ頑張っても報われない」と静かに心を閉ざしてしまいます。なかには今、話題の「静かな退職(最低限の仕事しかやらない)」状態に陥る人も……。

評価基準が曖昧で、プロセスも不透明だと、社員は自分の努力が正しく評価されていないと感じ、会社への不信感を募らせてしまうんです。

【解決策】

評価基準を「見える化」して、誰もが納得できる仕組みを作りましょう。単一の評価者に頼るのではなく、複数の視点で確認する制度設計が重要です。例えば、社員一人ひとりが達成すべき具体的な行動目標や成果目標を設定し、その達成度で評価する「目標管理制度(MBO)」の導入を検討してみてください。

さらに、上司だけでなく同僚や部下も評価に参加する「360度評価」や、社員自身が自分の実績や貢献を申告する「自己申告制度」なども効果的です。客観的で透明性の高い評価は、社員のモチベーションを維持する上で不可欠であり、会社全体のパフォーマンス向上にも直結します。

(落とし穴7)フィードバックがない

評価面談が年に1回きり、普段の仕事ぶりには何も言わない。これは、多くの中小企業でありがちです。評価者になる社長や上司の立場からすると、「忙しいし、褒めるのは照れくさい。特別問題も起こしてないから、指摘しなくても大丈夫だろう……」というところなのでしょう。

ただ、この状況では、社員は「自分がどう見られているのか」「自分の仕事がどう評価されているのか」が分からず、不安になり、やがて成長意欲を失っていきます。特に新入社員や若手社員は要注意。日本能率協会マネジメントセンターの調査でも、若手社員は「自分の行動や言動に自信が持てず、前向きな1歩を踏み出しきれない」という傾向が顕著に現れています。

■日本能率協会マネジメントセンター「最新調査から見えるイマドキ新入社員が示す『働き方』の新潮流」(2025年1月30日)■
https://www.jmam.co.jp/topics/1289756_1893.html

【解決策】

年に1度だけでなく、日常的に「小さなフィードバック」を意識してください。業務の進捗や結果について、タイムリーに良い点や改善点を伝えることが重要です。できれば1on1ミーティングを月1回導入すると効果的です。定期的に行うことで、社員は自身の業務に対する客観的な評価を得られ、安心して業務に取り組めることでしょう。

また、フィードバックでは社長や上司が一方的に話をするだけでなく、社員との「対話」を意識しましょう。社員が疑問に思っていること、不満に思っていることなどを吸い上げる努力も忘れないようにしましょう。

(落とし穴8)「相談しても無駄」と思わせている

相談している部下に向かって、上司が「そんなことで悩むなよ、甘えるな!」「今忙しいから後にして!」と言ってしまう。それによって、部下の心がシャットダウンしてしまうこと、ありませんか?

こうした状況が繰り返されると、社員は問題を抱え込み、「相談しても無駄」と離職してしまうこともあります。特に怖いのは、部下が「ハラスメントを受けている」など深刻な悩みを抱えているにもかかわらず、上司が相談を受けてくれない場合です。こうした場合、上司が社員を守らなかったとして、「安全配慮義務違反」で訴えられるリスクもあります。

【解決策】

繰り返しになりますが、上司の「傾聴」する技術が大切です。忙しくても話の腰を折らず、「うんうん、それで?」「他には何かある?」と促すだけでも、社員の感じる印象は激変します。忙しくて話を聞く時間がない場合も、「忙しいから後にして!」で終わらせず、いつなら話を聞けるのか、具体的な時間を提示しましょう。あるいは毎日、上司と部下で業務の報告や相談事について話をする時間を決めておくのでもかまいません。

ハラスメントなどについては、上司に直接相談しにくいケースもあるので、相談窓口の存在を改めて周知しておきましょう。中小企業の場合、社内の相談窓口だと社員が相談しにくいケースもあるので、弁護士事務所やコンサルタントなどに委託して外部相談窓口を設けることも検討するとよいでしょう。

(落とし穴9)仕事の意味が見えない

毎日ひたすらルーティン作業を繰り返すだけだと、社員は「この仕事、一体誰の役に立っているんだろう?」と疑問に思うかもしれません。多くの会社で、目の前の業務に追われて、仕事の全体像やお客様への貢献が見えにくいことがあります。

「なぜ、この仕事をするのか」が明確でなく、自分の仕事が単なる作業の繰り返しで終わってしまう状態だと、社員は働く意味を見失い、モチベーションを低下させてしまいます。

【解決策】

例えば、期首に「針路説明会」を開催するなどしてみましょう。社長が全社員に対し、会社の事業や製品・サービスが社会にどのような影響を与えていて、今後どのような方向に向かっていくのかを具体的に伝える機会を設けるのです。上司はその内容を噛み砕いて、部下1人1人の仕事がどのように会社の事業や製品・サービスを形作っているのかを説明します。

あとは、部下との1on1などで、お客様からの感謝の声や、社員の仕事が具体的にどのような成果に結びついたのかを定期的にフィードバックしましょう。加えて、プロジェクトの「成果の可視化」を工夫したりすることで、社員は自分の仕事が社会や会社にどう貢献しているかを実感できます。

(落とし穴10)ホワイトすぎてやりがいがない

残業はほとんどないし、ノルマもゆるやか。一見「ホワイト企業」に見えるけれど、実は社員からは「毎日同じことの繰り返しで、成長を感じられない」「もっとチャレンジしたいけど機会がない」という声が上がっていませんか?

安定志向の社員には良いかもしれませんが、自律性や成長意欲の高い社員は物足りなさを感じ、結果的にモチベーションを失ってしまうことがあります。これは、社員のエンゲージメント低下に繋がる大きな要因の一つです。

【解決策】

まずは1on1などで認識のすり合わせをすることが大切です。上司は、今の仕事をあとどのぐらいの期間若手に任せるつもりなのか、次に何の仕事を任せる用意があるのかなどを明らかにしつつ、若手にも今の仕事に対する不満などを聞いてみます。若手が「新しい仕事に挑戦したい」と考えているなら、その仕事について何を勉強しているのか、今任せている仕事に支障が出ないかなどを確認した上で挑戦させてみるのも1つの手です。

また、別の問題として、上司が部下から「パワハラ」と言われるのを恐れて、簡単な仕事しか振っていないケースがあります。部下を指導し、成長させるのが上司の役目であること、「業務上必要かつ相当な指導」はパワハラにならないことを、研修などを通して上司に教育することも大切です。

以上(2026年11月更新)

pj00784
画像:ChatGPT

【業務効率化】24時間は1440分。社員の成長を促すスケジュール管理

1 24時間は1440分、8時間なら480分

24時間は1440分、8時間なら480分。「そのぐらい、誰でも知っている」と言われてしまいそうですが、こうして数字で表すと「時間は有限である」という実感が湧いてくるのではないでしょうか? しかも、何か予定を入れれば、その間は別のことができなくなるので、常に機会損失が発生しています。

スケジュール管理が苦手な方にとっては耳の痛い話ですが、この記事が、御社の社員に時間の大切さをいま一度、考えていただくきっかけになれば幸いです。

2 脱「他力本願」のやらされリスト

1)他人に決められるのは楽?

スケジュール管理ができない人に共通する特徴は、

働き方に主体性がないこと

です。試しに、社員にこの先1~2週間のスケジュールを登録するように指示してみてください。対応できる社員は全体の1~2割といったところでしょう。

この先の予定が決まっていないのに、なぜ社員は忙しいのでしょうか? 理由は人それぞれでしょうが、おそらく多くの人に当てはまるのは、

“他人が決めたToDoリスト”に振り回されているから

です。つまり、メールやチャットが届いた順にアポイントを入れ、仕事の納期も指定された通りに動いているのです。

しかも、上司の指示が入れば、ほぼ何も考えずにそちらを優先するので、優先順位もぐちゃぐちゃになります。「他人にスケジュールを決められるなんて、たまったものではない」と思いますが、主体性がない社員にとっては、“他人が決めたToDoリスト”に従うほうが楽なのです。

2)ToDoリストとスケジュールの違い

ToDoリストはスケジュールとは似て非なるものです。

ToDoリストは、「文字通りのやることリスト」

で、「(1)〇〇さんにメールを送る、(2)企画書を作る、(3)食事会の調整をする」などの内容が登録されます。長いToDoリストができるということは、それだけやることが多いということかもしれません。ただ、重要なのはその作られ方と中身です。“他人が決めたToDoリスト”が長くなるほど、自主性のない働き方に拘束される時間も長くなるからです。

これに対し、

スケジュールは、「目標を実現するための計画が行動ベースに落とし込まれたもの」

です。やるべきことと、それを実現するための計画が明確であれば、1~2週間先までスケジュールを登録することはたやすいはずです。

ToDoリストとスケジュールの関係は、「スケジュール→ToDoリスト」といった感じです。

スケジュールを細かく分解したものがToDoリスト

であり、ToDoリストの積み重ねがスケジュールになるわけではありません。

3)業務効率化の正しいアプローチ

「時間を大事に使おう!」となると、誰もが「同じ60分をいかに実のあるものにするか」を考えるでしょう。例えば、「順番を変えてみる」「ツールを導入してみる」「やらないことを決めてみる」といったアプローチになります。

やるべきことと向き合っているのなら、それでよいでしょう。しかし、“他人が決めたToDoリスト”をこなすための効率化だと、話は違ってきます。

重要ではないことの効率を上げるよりも先に、そもそも着手しない(断る、精度を落とす)という選択肢を持つべき

です。“他人が決めたToDoリスト”をこなすためにあれこれと苦労すると、かえって生産性の妨げになる、ということを認識しておきましょう。

また、この点は、仕事をこなす本人だけでなく、経営者や管理職も大いに反省する必要があります。社員の時間を無神経に奪ってはいけません。

4)生成AIでToDoを棚卸しする

“他人が決めたToDoリスト”を社員自身が客観的に整理し直す入り口として、生成AIの活用も有効です。抱えているタスクを箇条書きで生成AIに入力し、「緊急度・重要度で分類して」「まとめて処理できるものはないか」と問い掛けるだけで、優先順位付けやスケジュールへの落とし込みのたたき台が得られます。

もちろん最終判断は本人や上司が行う必要がありますが、「何から手を付ければよいか分からない」という初動の迷いを減らし、“やらされ”から“自分で選ぶ”スケジュールへの転換を後押しするきっかけになるでしょう。

3 「目標」設定から始めよう

1)「仏作って魂入れず」になる2つの理由

多くの会社では、半期ごとに人事考課面談を行い、中期経営計画に基づいた業務目標を決めているはずです。しかし、それがなかなかスケジュールに反映されません。これには、大きな理由が2つあります。

1つは、

社員が目標の達成に本気で取り組んでいないから

です。多くの社員は、すぐに中期経営計画の内容を忘れてしまいます。また、日々、“他人が決めたToDoリスト”に忙殺され、本当に大事なことを後送りにしています。

もう1つは、

社員はそれなりにやる気があっても、やるべきことを分解し、スケジュールに落とし込むことができていないから

です。目指すべきゴールは分かっているけど、ゴールにたどり着く道筋が分からないわけです。特に、受注的な事務作業が中心の社員の場合、「目標達成のためにやるべきことを分解する」というアプローチが苦手な人が多いかもしれません。

2)本気でなくても取り組む環境をつくる

この状態を打破するために、経営者が社員に「今、自分がやるべきこと」を正しく認識し、それを実行するように働き掛けなければなりません。

有効な手段は、社員に少なくとも1週間先までスケジュールを立てさせること

です。最初は多くの社員が戸惑うでしょうが、強制的にやらせます。

そうすると、“他人が決めたToDoリスト”が入り込む余地がなくなってくるので、社員はスケジュールの取捨選択をせざるを得なくなります。ここで初めて、会社にとって、チームや自分にとって、大切な仕事が何かを考えるようになります。

本気でない社員のマインドを変えるのは難しいことです。しかし、大事な仕事が後送りされない環境をつくることはできます。そして、このスケジュールをこなすことは社員の成長につながっていくのです。

3)経験と考え方の伝授

どうしても、やるべきことを分解して、スケジュールに落とし込めない社員がいたら、考え方を整理する方法を教えます。

経営者や管理職が1on1のミーティングを行い、そこでやるべきことと、それを達成するために最も効果的なことを明確にして、いつから始めるのかまで決めてしまう

のです。

後は、社員がスケジュールを意識しながら実行できる環境をつくります。前述した通り、少なくとも1週間先までスケジュールを立て、不要な仕事が入らないよう時間をブロックします。

4 学習時間をスケジュール化する

新しい仕事をするときはそれなりの準備が必要です。例えば、新しい業界に営業を展開するときは、その業界のことを勉強しなければなりません。こうした学習時間は、きちんとスケジュールに登録し、「2時間の読書、勉強会に参加」といったように記録しておきましょう。

もし、手を動かす業務でないと、「さぼっている」「他にやることがない」と勘違いする人がいるようなら、経営者がきちんと説明しなければなりません。

5 スケジュール管理のテクニック

1)基準時間を設ける

経営者や上司から見ると、「時間がかかり過ぎだ」と感じる社員がいます。しかし、その社員に「何かてこずっているの?」と聞いてみると、「いえ、計画通りです」という意外な答え。どうも釈然としないということはありませんか?

こうしたギャップは、業務の基準時間が決まっておらず、客観的に判断できないために生じます。主な業務については、「ベテランなら60分、新人なら120分」といったように、完了までの時間の目安を設けましょう。

また、タイムトラッキングツールを使えば、実際にどの業務にどれだけの時間がかかっているかを客観的なデータとして把握できます。見積もりと実績のズレが可視化されれば、基準時間の精度を継続的に高めていくことができます。

2)基本は20分単位で取り組む

スケジュールは20分単位とします。こうすると、60分の中に3つの業務を組み込めます。また、20分の業務と10分のバッファーで30分の固まりを設定すれば、60分の中に無理なく2つの業務を組み込むことができます。20分以上かかる仕事については、まとめて固まりの時間を確保します。

最近はオンラインでの商談も増えましたが、訪問が必要な場合、アポイントの前後に「移動時間」を必ず登録します。東京都区内の場合、20分あればかなりの距離を移動できます。現地の準備時間を20分取れば40分なので、やはり20分単位だとスケジュールが組みやすくなります。

また、オンライン会議は「移動時間ゼロ」で次々と入れられてしまうため、休憩なく会議が詰め込まれがちです。オンライン会議の前後にもあえて5~10分の休憩ブロックを意図的に確保し、頭を切り替える時間をつくることが重要です。

3)機会損失を意識する

今月のスケジュールを確認してみてください。既にかなり埋まっていることでしょう。では、来月のスケジュールはいかがでしょうか。まだまばらな状況で、比較的余裕があるかもしれません。

しかし、そこで来月はまだ余裕があると考え、簡単に決めてしまってはいけません。決して、今月は忙しく、来月は暇というわけではないのです。来月になれば、今と同じように忙しくなります。この点を意識していないと、

1カ月前に軽い気持ちで登録した、あまり意味のないアポイントと、とても大切なアポイントがバッティングしてしまう

のです。

同じ時間に2つのアポイントは入れられません。1つアポイントを入れた時点で、別の選択肢を排除していることを忘れてはなりません。

Googleカレンダーや Outlook の共有カレンダー機能を活用し、他部署や取引先とも予定を可視化しておくと、バッティングを未然に防ぎやすくなります。特に複数人が絡む会議やプロジェクトでは、自分のスケジュールだけでなく、関係者全員の予定を横断的に確認できる環境を整えておくことが欠かせません。

4)優先順位は細かな粒度で考える

業務の優先順位は、緊急度と重要度で考えます。ここにA、B、C、Dの業務があり、最も緊急度と重要度が高いのはAだとします。この場合、当然Aから着手します。ところが、正しいはずのこの着手で、なぜか問題が生じます。

それは、緊急度と重要度が2番目に高いBの業務を遂行するために必要な事前準備を、Aの業務よりも前に着手していないからです。そうすると、Aの業務が終わってBの業務を始めようと思ったときに、段取りができていないことに気付くのです。

優先順位が下であっても、全体をスムーズに進めるために先に着手すべきことがある

ということです。

5)後半こそ悲観的に考える

スケジュールが立て込んできて、いよいよギリギリの状況になると、「あれとこれがうまくいったら間に合う」と、楽観的に考える癖はありませんか。いまさらジタバタしても仕方がないと考えるのでしょうが、これは危険です。

後半になるほど関係者が増え、計画通りにいかなかった場合の影響も大きくなるから

です。それに、スケジュールがギリギリの状況になっているということは、それまでがうまくいっていないことの裏返しでもあります。スケジュール管理は、後半ほど悲観的に見積もるのが基本であり、予備日を多く設けておくべきでしょう。

6)パーキンソンの凡俗法則に立ち向かう

「パーキンソンの凡俗法則」とは、大切なことよりも、ささいなことが議論されがちな状況を指摘したものです。

例えば、原子力発電所と駐輪場の建設に関する住民の会合があったとします。原子力発電所の建設は本当に重要ですが、住民にはスケールの大き過ぎる話であり、技術的なことも分からないため議論が深まらず、比較的あっさり決まります。一方、駐輪場は原子力発電所に比べて明らかに重要度が劣るのに、住民にとって身近な問題であるため、ささいな点まで活発に議論され、決定に時間がかかるのです。

パーキンソンの凡俗法則に陥る最大の理由は、メンバーの知識や経験の不足です。

時間をかけて的外れな議論をし、本当に重要な点を見逃してしまうリスク

があります。必要に応じて、コストをかけても外部の知見を利用することを検討しましょう。

7)「ちょっといい?」は原則禁止

経営者や管理職がちょっと疑問に感じた途端、部下のスケジュールを顧みずに招集して臨時の会議を始めたりしていないでしょうか。当初は5分の予定だったのに、気付けば60分かかっていることも珍しくないでしょう。

仕事なので、経営者や管理職の疑問は解消しなければなりません。しかし、社員にスケジュール管理を徹底させている張本人(経営者や管理職)が、そのスケジュールを自ら破壊してはいけません。「ちょっといい?」にも配慮が必要な時代なのです。

8)通知オフの時間帯をつくる

メールやチャットの通知が届くたびに手を止めていては、“他人が決めたToDoリスト”に逆戻りしてしまいます。1日のうち一定時間は通知をオフにし、自分が決めたスケジュールに集中する「デジタルデトックス」の時間帯を意図的につくることも、主体的なスケジュール管理を定着させる有効な手段です。

【参考文献】

「1440分の使い方―成功者たちの時間管理15の秘訣」(ケビン・クルーズ(著)、木村千里(訳)、パンローリング、2017年8月)

「仕事は『段取りとスケジュール』で9割決まる!」(飯田剛弘、明日香出版社、2018年12月)

以上(2026年11月更新)

pj00288
画像:ChatGPT

【朝礼】俳句に学ぶ「想像すること」の面白さ

【ポイント】

  • 俳句は、五・七・五のわずかな言葉から、詠まれたときの情景を想像して楽しむもの
  • 言葉尻だけを捕まえて騒ぐのではなく、話し手の言葉に注意深く耳を傾ける
  • 日ごろのビジネスでも想像力を働かせ、言葉の裏にあるものをくみ取る

おはようございます。突然ですが、私は最近、季節の変わり目などに、昔の俳人が読んだ俳句を探すのにハマっています。私自身は素人なので、とても多くを語れるレベルではないのですが、「五・七・五」という短い文字数で、かつその季節ならではの「季語」を織り交ぜるという、俳句独特のルールがとても好きです。なぜなら、そんな制約に縛られながら、人々の心をつかんできた昔の俳人たちの俳句に触れると、「日本語とは、こんなに美しいものなのか」と感動させられるからです。

今日は、ある秋の俳句を紹介します。「柿くへ(え)ば 鐘が鳴るなり 法隆寺」です。ご存じの方も多いでしょう。明治時代の俳人・正岡子規(まさおかしき)の詠んだ有名な句です。意味は、柿を食べていると、法隆寺の鐘が鳴り、その響きに秋を感じたというものです。「なんだ、そのままじゃないか」と思った人もいるかもしれませんが、そう思った人はぜひ私の話を聞いてください。

柿は奈良を代表する農産物。多くの場合、果実は小さいときには緑色をしていますが、秋が近づくにつれ、だいだい色の大きな実へと成熟します。実をたくさんつけた柿の木、その先には、これまた奈良を象徴する建造物、法隆寺が建っています。ご存じ世界最古の木造建築、古き日本の歴史を伺い知れる、金堂や五重塔が印象的なお寺です。だいだい色の実をたくさんつけた柿の木、その先にある落ち着いた色合いの法隆寺、そしてその法隆寺から聞こえてくる鐘の音色、皆さんの頭にも、秋の情景が浮かんでくるのではないでしょうか。五・七・五に記されたわずかな情報から、その句が詠まれたときの情景を「想像してみること」、これが俳句の1つの楽しみ方です。

さて、私が皆さんに俳句についてお話しした理由は、日ごろのビジネスでも「想像力を働かせる」ということを、もっと意識してほしいからです。今は、SNSなどでちょっとした発言が炎上したり、ハラスメントとしてトラブルに発展したりする時代です。もちろん、許されない発言はありますし、それらには毅然と対応しなければなりません。ただ、一方で言葉尻だけを捕まえて大騒ぎするのが健全なのかというと、それもまた違うと私は思うのです。話し手の言葉に注意深く耳を傾け、言葉の裏にあるものを想像してみる。こうしたスキルもビジネスパーソンには必要です。

以上(2026年11月更新)

pj17196
画像:Mariko Mitsuda