人手不足と労務リスクに挑む!中小機構とKECC共催 実践労務セミナー【経営者とっておきニュース】

中小企業基盤整備機構近畿本部は、関西圏雇用労働相談センター(KECC)と連携し、中小企業やスタートアップ企業を対象とした全2回の「労務管理セミナー」を2026年11月にオンラインで開催します(参加費無料で、Zoomウェビナーにて実施)。

第1回は11月20日に「人手不足時代の多様な人材戦略における雇用対策と労務管理のポイント」をテーマとし、高齢者や外国人、女性など多様な人材の活用手法や実務対応を解説します。第2回は11月26日に「スタートアップ経営者が知っておきたい職場のハラスメント」をテーマとして開催され、ハラスメントの基礎知識や健全な職場づくりをワークショップ形式で学びます。

現在、多くの企業が直面している人手不足は一時的なものではなく、構造的かつ長期的な経営課題となっています。特に経営基盤が脆弱な中小企業やスタートアップにとって、優秀な人材の確保は事業継続を左右する死活問題です。こうした背景から、従来の日本型雇用にとらわれず、女性活躍や高齢者、外国人の登用といった多様な人材(ダイバーシティ)の活用が急務となっています。しかし、採用手法を変えるだけでは不十分であり、受け入れる現場の労務管理体制が整っていなければ、離職や労務トラブルを招くリスクが高まります。

さらに、スタートアップ企業においては、急速な事業拡大を優先するあまり、労働条件の明示不足や曖昧な業務範囲が放置されがちです。その結果、「これくらいは当たり前」という無意識の思い込みが生まれ、長時間労働の常態化やハラスメントにつながるケースが後を絶ちません。加えて、2026年10月からはカスタマーハラスメント対策などが全企業の義務(社員1人でも対象)となっており、コンプライアンス遵守のプレッシャーは一層高まっています。今回のセミナーは、関西圏の中小企業やスタートアップがこうした制度変更や労務リスクに対応し、持続可能な職場環境を構築するための大きな足がかりになると期待されています。

労働人口の減少が加速する中、労務管理の不備やハラスメントの発生は、企業の採用力低下やレピュテーション失墜に直結する致命的なリスクとなります。今後は、福利厚生や給与水準だけでなく、「働きやすさ」と「働きがい」を両立できる組織づくりを行えるかどうかが、企業の優劣を分ける決定的な要因となるでしょう。まずは自社の現在の労務環境を客観的に見つめ直し、手遅れになる前に基本的なルールの整備や予防策を講じることが求められます。


【ご注意】本記事は公的資料等を基に生成AIを活用して作成し、編集部で事実確認を行っています。技術の特性上、記述の正確性を完全に保証するのは難しいところがありますので、正確な最新情報については、必ず参照URLの一次情報をご確認ください。
■中小企業基盤整備機構「人手不足時代の人材活用と職場のハラスメント対策を学ぶ!中小機構近畿本部×KECC共催『労務管理セミナー』を開催」■
https://www.smrj.go.jp/press/2026/qsktgp000000ecm4-att/20261020_kinki_press01.pdf

以上(2026年10月作成)

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最先端EVが示す常識を超えたイノベーションと中小企業の戦略【経営者とっておきニュース】

米国の電気自動車(EV)大手テスラ社は、次世代スポーツカー「ロードスター(Roadster)」の最新デモを披露しました。同社CEOのイーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業「SpaceX」との共同開発により、ロケット技術を応用した高圧エアスラスター(推進装置)を搭載。時速0マイルから時速60マイル(時速約96キロメートル)までの加速が「最上位グレードで0.59秒未満」という驚異的な動力性能に加え、車体を浮上させて短距離を「飛ぶ」ホバリング実演を行うなど、従来の自動車の概念を覆す革新的なパフォーマンスで世界を驚かせました。

テスラ社の取り組みの背景には、単なるEVの性能競争から脱却し、宇宙ロケット技術という異分野との融合によって圧倒的なブランド価値と技術的優位性を誇示する狙いがあります。従来型の自動車開発の延長線上では生まれ得ない、高度な流体力学や高圧気体制御技術が車体設計に組み込まれています。

この動きは、自動車産業のサプライチェーンに新たな構造変化をもたらすかもしれません。従来の機械加工や量産技術だけでなく、航空宇宙レベルの超高耐圧・軽量部材、高度なエア制御機器、複合材料などの需要が高まることが予想されます。

最先端分野との接点を持つ一部の技術系中小企業にとっては参入機会となる一方、自社技術のアップデートを怠り従来のパーツ供給に依存し続ける企業にとっては、顧客需要の急速な変化や参入障壁の高さが大きな課題となります。

今後は、こうした「異分野の技術融合」がモビリティ分野全体へ波及し、従来の業界境界がさらに曖昧になっていくことが見込まれます。

中小企業が本件から学ぶべき教訓は、「自社の既存技術を全く異なる業界や用途へどう転用・応用(クロスオーバー)できるか」という視点です。自社が当たり前に持つ技術やノウハウも、別の領域と掛け合わせることで全く新しい価値を生み出す可能性があります。

自動車業界の枠組みに固執せず、商流の変化を捉えながら「自社のコア技術の再定義」と「他分野とのパートナーシップ」を進める姿勢こそが、今後の生き残り戦略において不可欠となります。


【ご注意】本記事は公的資料等を基に生成AIを活用して作成し、編集部で事実確認を行っています。技術の特性上、記述の正確性を完全に保証するのは難しいところがありますので、正確な最新情報については、必ず参照URLの一次情報をご確認ください。
■TESLAジャパン「Roadster – EVスポーツカー」■
https://www.tesla.com/ja_jp/roadster

以上(2026年10月作成)

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国内EC市場は拡大傾向:BtoC/BtoBの最新動向と中小企業の戦略【経営者とっておきニュース】

経済産業省が公表した「電子商取引に関する市場調査」によると、2025年の国内BtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は物販系分野が15兆8233億円(前年比3.97%増・EC化率9.80%)、サービス系分野が8兆9362億円(同8.64%増)、デジタル系分野が2兆7985億円(同4.52%増)となり、合計で27兆5580億円規模に拡大しました。また、BtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模も560兆870億円(前年比8.9%増)となり、EC化率は前年から2.8ポイント上昇して45.9%を記録しています。

国内EC市場拡大の背景には、コロナ禍を経て定着したオンライン取引の利便性に対する評価に加え、各事業者のデジタル投資の加速、物価上昇による名目上の金額増加などがあります。

中小企業の現場やサプライチェーンにおいて、この動向は大きな影響をもたらしています。BtoB-EC分野では、卸売業や製造業(食品や輸送用機械など)を中心に受発注のデジタル化(EDI標準化など)が進んでおり、業務効率化や人手不足への対抗策としてメリットを生む一方で、対応が遅れる企業にとっては商流からの置き去りや受発注コストの増大といったリスクが顕在化しています。

また、物販系BtoC市場ではネットスーパーやモール型・自社サイトの活用が日常化する一方、リアル店舗を持つ中小小売業は、オンラインと実店舗を融合させるOMO(Online Merges with Offline)戦略など、独自の付加価値提供が急務となっています。

今後は、国内市場の成熟や人口減少を見据え、単なる国内向けのEC展開にとどまらず、グローバルな視点や効率的なデジタル投資が不可欠となります。世界全体で越境ECが急拡大する中、日本の高品質な製品やコンテンツに対する潜在需要は依然として高い水準にあります。

限られた予算や人員リソースの中小企業がこの波を乗りこなすためには、大掛かりなシステム投資を急ぐのではなく、まずは身近なクラウドツールや少人数で運用可能なSaaSを活用し、最小限のコストから始めるスモールスタートの実践が求められます。自社の強みをデジタル上でいかに表現し、継続的な顧客接点を構築できるかが今後の成長を分ける鍵となるでしょう。


【ご注意】本記事は公的資料等を基に生成AIを活用して作成し、編集部で事実確認を行っています。技術の特性上、記述の正確性を完全に保証するのは難しいところがありますので、正確な最新情報については、必ず参照URLの一次情報をご確認ください。
■経済産業省「令和7年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」■
https://www.meti.go.jp/press/2026/10/20261021001.html

以上(2026年10月作成)

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ブルーインパルス展示飛行で注目 国産SAF廃食用油回収キャンペーン【経営者とっておきニュース】

国土交通省は、経済産業省・農林水産省・防衛省・Fry to Fly Projectと連携し、2027年3月に横浜で開幕する「GREEN × EXPO 2027」の開幕日に予定されている、航空自衛隊ブルーインパルスの展示飛行において、国産のSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)を使用することを発表しました。

このSAFの原料として、家庭から排出される廃食用油を回収するキャンペーンが、2026年12月9日から2027年2月28日まで実施される予定です。国内での資源循環と航空分野の脱炭素化を同時に推進する官民連携の取り組みとして、大きな注目を集めています。

航空分野における温室効果ガスの削減は世界的な急務となっており、化石燃料に代わるSAFの導入拡大が強く求められています。しかし現状では、製造コストや原料調達の面で多くの課題が存在します。今回の取り組みは、大規模なイベントを契機に国民的な認知度を高めると同時に、家庭の廃食用油という身近な資源を国内のサプライチェーンに組み込む画期的な試みです。

この動きは、航空業界やエネルギー産業にとどまらず、地域経済や中小企業の現場にも多大な影響を与えます。例えば、飲食店や食品関連の中小企業から排出される廃食用油の価値が見直され、新たなリサイクルネットワークや地域循環型ビジネスの創出につながる可能性があります。環境配慮型の取り組みが企業の信頼性を左右する現代において、サプライチェーン全体での持続可能性の確保は、中小企業が生き残るための重要な要素となっています。

今後、航空分野の脱炭素化の流れはさらに加速し、SAFの需要は確実に対象範囲を広げていくと予想されます。それに伴い、廃食用油をはじめとするバイオマスの回収・流通市場においても、地域密着型の新たなビジネスチャンスが生まれるでしょう。

中小企業においても、身近なところから環境負荷低減を図ることが肝要です。「身近なツールや少人数で、最小限のコストから始める実践ステップ」を意識し、まずは自社の業務から出る廃棄物の見直しや、地域のエコ活動への参画といったスモールスタートから取り組むことが求められます。


【ご注意】本記事は公的資料等を基に生成AIを活用して作成し、編集部で事実確認を行っています。技術の特性上、記述の正確性を完全に保証するのは難しいところがありますので、正確な最新情報については、必ず参照URLの一次情報をご確認ください。
■経済産業省「ブルーインパルスによる展示飛行に国産SAFを使用し、原料となる廃食用油を回収するキャンペーンを実施します」■
https://www.meti.go.jp/press/2026/10/20261020001.html

以上(2026年10月作成)

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(東北経済産業局)事業会社とスタートアップの共創支援を開始【経営者とっておきニュース】

東北経済産業局は、地域内における中堅・中小企業等(以下「事業会社」)とスタートアップの共創を促進する新たなマッチング支援策を発表しました。公募により選定された事業会社が提示する課題や新規事業の共創ニーズに対し、自社の技術やサービスを活かして連携を希望する域内スタートアップのエントリーを募集します。応募期間は2026年10月19日から11月27日までで、費用は無料です。

共創の可能性が高いスタートアップには、事業会社1社につき最大3社程度が選定され、個別面談や成果報告会・交流会を通じた事業化の支援が行われます。地域経済を支える中堅・中小企業では、既存事業の成熟化や人手不足が進む中、新規事業の立ち上げや業務プロセスの変革が急務となっています。しかし、社内リソースや最新技術の知見が限られるため、単独でのイノベーション創出には限界がありました。

一方で、先進的な技術や柔軟なアイデアを持つスタートアップも、地域での実証実験の場や、信頼性の高い顧客ネットワーク、生産基盤の獲得に課題を抱えています。

本事業の推進により、以下のような好循環が期待されます。

  • 事業会社側のメリット:自社の経営資源とスタートアップの機動力を掛け合わせることで、低リスクかつスピーディーに新規事業を検証できます。
  • サプライチェーン・地域経済への影響:域内での事業連携が活性化することで、外注依存からの脱却や新たな地場産業の育成、高度人材の定着につながります。
  • 現場の課題:文化や事業スピードの違いによるミスマッチを起こさないよう、相互の役割分担を明確に管理する体制構築が求められます。

この取り組みを通じて、従来の「親会社と下請け」的な取引構造から、互いの強みを活かし合うフラットなオープンイノベーション構造への移行が地域全体で加速すると予想されます。

中小企業が持続的に成長するためには、自社単体での経営効率化にとどまらず、発注元や提携先、エンドユーザーを含めた商流全体の価値を高める視点が欠かせません。スタートアップの技術を自社の強みと融合させて商流の上流へと進出するか。本事業のような共創機会を活かし、自社のビジネスモデルを再定義することが、今後生き残る鍵となります。


【ご注意】本記事は公的資料等を基に生成AIを活用して作成し、編集部で事実確認を行っています。技術の特性上、記述の正確性を完全に保証するのは難しいところがありますので、正確な最新情報については、必ず参照URLの一次情報をご確認ください。
■東北経済産業局「『域内事業会社とスタートアップとのマッチング支援事業(スタートアップ枠)』の公募について」■
https://www.tohoku.meti.go.jp/koho/koshin/kobo/2026/k261019001.html

以上(2026年10月作成)

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(中国経済産業局)副業・兼業人材で切り拓く! 中小企業の人材確保術【経営者とっておきニュース】

中国経済産業局は、中小企業における人材確保と経営課題の解決を目的とした「副業・兼業人材活用セミナー」を、2026年11月2日に開催することを発表しました。本セミナーは、会場(庄原市交通交流施設・備後庄原駅舎)とオンラインのハイブリッド形式で実施され、参加費は無料です(申込期限2026年11月1日まで)。

内容は、都市部から離れた地域における副業・兼業人材活用のポイントや実践事例の紹介に加え、NPO法人MEGURUを迎えた講演が予定されています。「自社の課題にどのような人材が必要か」「外部の専門人材をどう活用するか」を学べる構成です。さらに、セミナー後には個別相談会も実施され、企業が抱える具体的な活用可能性への疑問に踏み込んだ支援が行われます。

少子高齢化が加速する地方において、中小企業の人手不足は深刻な経営課題となっています。特に都市部から離れた地域では、優秀なフルタイム人材の採用が難しく、既存の従業員への負担増加や事業縮小を余儀なくされるケースも少なくありません。こうした背景の中、注目されているのが都市部の高度なスキルや専門性を持つビジネスパーソンを「副業・兼業」として迎え入れる手法です。

この動きは、自社のリソースだけでは解決できなかったマーケティング、DX、新規事業開発などの課題を、限られたコストで突破する有効な一手となります。一方で、地方の中小企業にとっては、「自社のどの業務を切り出して外部人材に任せるべきか」という事前の課題整理や、社外の人間と協働するための受け入れ態勢の整備が不可欠です。

地元経済全体で見ても、外部の知見が流入することで新たなイノベーションが生まれ、地域企業の持続可能性を高める重要な転換点となっています。

人口減少が進む地方市場において、自社単体のリソースだけで持続的な成長を描くことは一段と難しくなっていきます。今後は、雇用形態にとらわれず、必要な時・必要な専門性だけを外部から柔軟に調達する「関係人口」や副業人材の活用が、中小企業の生存戦略としてさらに一般化していくとみられます。


【ご注意】本記事は公的資料等を基に生成AIを活用して作成し、編集部で事実確認を行っています。技術の特性上、記述の正確性を完全に保証するのは難しいところがありますので、正確な最新情報については、必ず参照URLの一次情報をご確認ください。
■中国経済産業局「副業・兼業人材活用セミナー『企業成長のカギは、「社外」にある。』を開催します」■
https://www.chugoku.meti.go.jp/r8fy/event/jinzai/261020.html

以上(2026年10月作成)

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(四国経済産業局)「採る」から「育てる・活かす」へ。人財共創の新戦略【経営者とっておきニュース】

四国経済産業局は、中小企業における深刻な人手不足の解消と持続的な成長を支援するため、2026年11月6日に香川県高松市にて「四国人財共創フォーラム」を開催すると発表しました。

対象は四国地域の中小企業、経営支援機関、自治体、教育機関などで、参加費は無料です。本フォーラムの最大の特徴は、これまでの「人材をただ採用する」という枠組みから脱却し、地域全体で人材を育み活かす「人財共創」へ舵を切る点にあります。当日は、「地域の人事部」による採用・育成支援、外部の副業・兼業人材の活用、そして若者との新たな接点となる地域連携型インターンシップの推進に関する実践事例が紹介される予定です。

少子高齢化が進む現在、地方の中小企業における人材確保の難易度は年々高まっています。大手企業のような十分な採用予算や知名度を持たない中小企業にとって、従来の求人広告を出して待つだけの「採る」手法には限界が訪れています。こうした背景から、自社単体での努力にとどまらず、地域社会や教育機関、他社と連携して人材を呼び込み、定着させる仕組みづくりが急務となっています。

一社の力では解決できない採用や育成の課題を、地域全体で補完し合う「地域の人事部」のような取り組みが浸透すれば、個社を超えたノウハウの共有や雇用の流動化が促進されます。また、都市部の優秀なプロ人材を副業・兼業として呼び込むことは、自社に不足しがちな新規事業開発や組織変革のノウハウをもたらし、中小企業の経営基盤を強固にする起爆剤となります。一方で、自社の魅力を言語化し、オープンに発信する姿勢を持たない企業は、ますます人材獲得競争から取り残されるという二極化のリスクも孕んでいます。

今後、地域経済や中小企業を取り巻く労働環境は、単なる「人手不足の深刻化」というフェーズから、「自社の存在意義(パーパス)や、いかに多様な人材とつながるか」が問われる選別の時代へとシフトしていくことが予想されます。

限られた経営資源の中で持続的な成長を遂げるためには、自前主義にこだわり続けるのではなく、外部の知見や地域のリソースを柔軟に受け入れるオープンな組織体制への変革が欠かせません。こうした先進的な取り組みや他社の成功事例に触れ、自社の採用・育成戦略をアップデートしていくための今後の動向に、引き続き高い注目が集まります。


【ご注意】本記事は公的資料等を基に生成AIを活用して作成し、編集部で事実確認を行っています。技術の特性上、記述の正確性を完全に保証するのは難しいところがありますので、正確な最新情報については、必ず参照URLの一次情報をご確認ください。
■四国経済産業局「四国人財共創フォーラム『人が集まる企業には、理由がある“採る”から“つながる・育てる・活かす”へ』を開催します」■
https://www.shikoku.meti.go.jp/01_releases/2026/09/20260924a/20260924a.html

以上(2026年10月作成)

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採用や評価の判断、どこまでAIに任せる? 海外事例に学ぶAI人事

1 事例をなぞる前に決めておきたい「線引き」の話

「有給休暇の残日数は?」「申請書の置き場所は?」「慶弔休暇は何日取れる?」など、人事にはこうした質問が毎日届きます。どれも規程に書いてあるのに、質問は人のところへ来ます。制度の見直しや就業規則の整備に手が回らない理由の多くは、こうした問い合わせ対応に時間を取られていることにあります。

現在、こうした定型的な問い合わせ対応を含め、人事に関する業務を「AI(人工知能)」に任せる取り組み(以下「AI人事」)が進んでいます。特に海外の大企業の取り組みは先進的で、例えばIBMが人事への問い合わせをAIへ集約したり、Workdayが社員のスキルをAIで可視化したりしています。

一方、日本の中小企業の状況はどうでしょうか。中小機構(中小企業基盤整備機構)の調査で、すでにAIを導入している企業について業務分野別にみると、導入が最も進んでいるのは「総務・管理部門」(68.3%)です。人事を含む管理業務がAIを取り入れやすい分野である点は、海外と共通しているようです。

ただ、そもそもAIを導入している企業の割合が、企業全体の20.4%と低く、導入予定・検討中の企業を含めても39.0%にとどまっています。「成功事例や活用事例などの情報」を十分に入手できていない企業が83.3%に上っており、情報不足が導入の壁の一つになっているようです。

■中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査 (2026年3月)」■
https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/202603_AI_point.pdf

そこで、この記事ではまず、先進的な海外企業で何が起きているのか、どのような経緯で今の形になったのかを紹介し、その事例から見えてくるAIと人の役割分担、さらに中小企業が何から取り組むべきかを掘り下げていきます。

また、AI活用を急ぐあまり壁にぶつかった例や、採用へのAI活用をめぐって訴訟に発展した例もあります。だからこそ重要になるのが、何をAIに任せ、どこから人が判断するのかという「線引き」です。

2 海外ではAI人事がどこまで進んでいるのか

1)IBM――繰り返される問い合わせをAIへ集約

海外AI人事の代表例の一つが、IBMの社内人事エージェント「AskHR」です。

AskHRは、給与、福利厚生、休暇、異動、証明書の発行、キャリア、スキル開発など、人事への問い合わせや手続きを一つの窓口へ集約しています。

■IBM「Transforming HR support with agentic AI」■
https://www.ibm.com/case-studies/ibm-askhr

IBMの公表によると、AskHRは2024年に従業員との1150万件以上のやり取りを処理し、よくある質問の94%をAskHRだけで解決しました。人事の専門担当者へ引き継がれたのは6%です。AskHRを含むAI活用は、過去4年間で人事チームの運用コストの40%削減に貢献しました。また、2022年から2024年にかけて、一部の人事業務では生産性が最大75%向上したとしています。休暇申請や給与明細の閲覧など、約80のタスクについて自動化が組み込まれています。

ただし、最初からこの形だったわけではありません。出発点は、社内に複数の人事向けボットや問い合わせ窓口が存在し、従業員が「結局どこに聞けばいいのか分からない」状態でした。そこでIBMは、バラバラだったボットをAskHRという一つの窓口へ統合します。さらに2018年には、全従業員向けの人事電話・メール窓口を停止し、管理職に対する人事パートナーの直接支援も見直しました。多くの管理職にとってAskHRが人事支援の中心的な窓口となり、従来の個別対応からセルフサービス型へ大きく転換したのです。

AskHRのポイントは、AIが人事判断を代行したことではありません。

答えの決まっている問い合わせをAIに任せ、人事担当者が制度設計や複雑な個別対応へ時間を使える状態をつくった

ことにあります。そして、もう一つ重要なのが前提条件です。IBMでは、規程や人事情報がデジタル化され、決まった形式で整理・管理されていました。

就業規則が最新版か分からない、規程が複数のファイルに散らばっている状態では、検索させる材料自体が存在しないため、AIが十分に機能しないのです。

2)Workday――社員を「所属」ではなく「スキル」で見る

もう一つの方向性が、社員の能力をAIで可視化する使い方です。ある部署でデータ分析のできる人材が必要になったとき、多くの会社はまず「経験者を採用しよう」と考えます。しかし、その採用、本当に必要でしょうか? もしかしたら、営業や企画、経理、研究開発など別の部門に、関連する経験やスキルを持つ社員がいるかもしれません。

そこに気づければ、社内異動、兼務、短期プロジェクトへの参加、追加研修など、採用以外の選択肢が生まれます。

人材管理プラットフォーム大手のWorkdayは、社員を所属部署や役職だけでなく「何ができるか」で捉える仕組みとして「Skills Cloud」を展開しています。

■Workday「Workday Skills Cloud」■
https://www.workday.com/ja-jp/products/human-capital-management/skills-cloud.html

Workday Skills Cloudでは、社員の経験や学習履歴、保有スキルを一元的に整理します。AIがそれらの関連性を分析することで、「社内にどんなスキルを持つ人がいるのか」「どのスキルが不足しているのか」「誰を育成・配置すればよいのか」といった情報を見える化します。

ここでもポイントはAIそのものではありません。

AIに分析をさせるためには、資格や研修履歴、過去に担当した業務、社内で身につけた技能など、社員の情報が蓄積されている必要があるため、AIを入れる前に、「自社ではどんなスキルが必要で、それを誰が持っているのか」を会社側が把握できる状態にしておかなければならないのです。

3)Meta――「AIを入れた分だけ人を減らす」は成立しなかった

一方、AI活用を一気に組織再編まで広げようとして、壁にぶつかった企業もあります。Metaです。

2026年8月のロイター報道によると、Metaでは「Project OT(Organization Transformation)」と呼ばれる組織改革が検討され、AIエージェントを前提にチームを小規模化する構想が進められていました。大幅な人員削減を前提とした案も含まれていたとされます。しかし報道によると、AIが期待通りの生産性を発揮しなかったことに加え、急激な組織変更への社員の反発などもあり、当初構想されていた追加の大規模削減は見送られたそうです。

■Reuters「Mark Zuckerberg had a bold plan to replace Meta staff with AI. Here’s how it imploded.」■
https://www.reuters.com/investigations/mark-zuckerberg-had-bold-plan-replace-meta-staff-with-ai-heres-how-it-imploded-2026-08-26/

報道で紹介された社内の数字では、コードの変更量は前年比220%増と大きく伸びた一方、ユーザーが実際に使える新機能や改善につながった変更は36%増にとどまっていました。AIによってコード生成や変更は大きく増えたものの、ユーザーに届く成果は同じペースでは増えなかったということです。

AIの技術と資金を潤沢に持つ企業でも、「AIを入れた分だけ人を減らせる」という単純な計算は成立しませんでした。ここから学ぶべきは、

AI導入の目的を「何人減らせるか」に置くべきではないということです。考えるべきは、人がやらなくてよい仕事は何か、そこで生まれた時間を何に使うのかという業務設計

です。

3 3社から見えてくる「AIに任せる仕事」と「人が決める仕事」

IBM、Workday、Metaの事例はそれぞれ違いますが、共通して見えてくることがあります。

AIは「情報を検索する」「整理する」「集計する」「候補を示す」といった仕事は得意ですが、人の生活やキャリアを左右する判断までAIに委ねると、リスクが急激に高まる

のです。人事へのAI活用を、大きく4つの領域に分けて考えてみましょう。

1)問い合わせ対応

規程の検索、休暇や福利厚生の案内、申請方法の説明、定型文書の作成などは、AIと相性がよい業務です。一方、制度の個別解釈、例外的な運用、労務トラブルやハラスメント相談は、人が対応する必要があります。

2)採用

求人票の下書き、応募者からの定型質問への回答、面接日程の調整、書類の不備確認、候補者情報の要約などはAIが支援しやすい業務です。ただし、採否の最終判断、面接、採用基準の設計は人が中心となります。

3)配置・育成

スキルの抽出、研修の推薦、社内公募候補の提示、キャリア情報の整理はAIが支援できます。しかし異動、昇進、処遇の最終決定や本人との面談は、人が担うべき領域です。

4)人事分析

勤怠、従業員サーベイ、離職傾向の集計や組織課題の可視化はAIの得意分野ですが、「この社員を異動させる」「評価を下げる」「懲戒を行う」といった個人への介入を、分析結果だけで決めるべきではありません。

目安はシンプルです。「AIの判断だけで、その人の働き方や待遇が変わるか」。変わるのであれば、自動決定にはせず、人による確認と最終判断を残します。

【社労士の実務メモ】
「AIで人事を効率化したい」という相談を受けたときは、まず業務を一覧にしてもらいます。すると、AIに任せやすい定型業務と、人が判断すべき業務が混ざったまま処理されているケースが少なくありません。特に採否、評価、昇進、異動、休職対応、懲戒、退職勧奨などは、AIに最終判断を委ねない運用をあらかじめ決めておくことが重要です。

4 AIが選んでも、責任は会社に残る

AIに判断を任せすぎたとき、どんな問題が起きるのでしょうか。その象徴的な事例が、Workdayをめぐる訴訟です。

Workdayは現在、米国でAIを使った採用スクリーニングをめぐる訴訟の被告となっています。いわゆる「Mobley v. Workday」です。

■SHRM「The Workday AI Lawsuit Is a Wake-Up Call for HR」■
https://www.shrm.org/topics-tools/news/technology/workday-ai-lawsuit-wake-up-call-hr

原告のデレク・モブリー氏は、自身が黒人であり、40歳以上で、障害があると述べています。同氏はWorkdayのシステムを利用する企業の求人に100件を超えて応募しましたが、全て不採用でした。なかには、応募から数時間、場合によっては数分後に自動の不採用通知が届いたものもあり、同氏は「人種、年齢、障害を理由とする差別に当たる」として訴訟を起こしています。ただし、現時点では原告側の主張であり、裁判で差別が認定されたわけではありません。

それでもこの訴訟が注目されているのは、AIツールを導入した企業だけでなく、AIを提供するベンダーの責任まで争点になっているからです。

2024年7月、裁判所はWorkday側の主張を一部認める一方で、原告の請求の一部については審理の継続を認めました。具体的には、Workdayを職業紹介事業者とみる原告の主張は退けました。しかし、応募者の選別や不採用の判断といった採用の中核的な機能をWorkdayが顧客企業に代わって担っているのであれば、雇用主の「代理人(agent)」として差別禁止法上の責任を負う可能性があるとしました。2026年6月22日にも、カリフォルニア州法などに基づく差別請求について審理継続を認める判断が示されています。

ここから読み取れることはシンプルです。

AIを活用した採用ツールを導入しても、選考の責任が会社から離れるわけではなく、「AIがそう判定した」「ベンダーのシステムが落とした」は通用しない

ということです。

日本でも、採用選考は応募者の基本的人権を尊重し、本人の適性や能力に基づいて行うことが基本とされています。職業安定法第5条の5は、求職者の個人情報について、業務の目的の達成に必要な範囲で収集・使用することを求めています。

人種、信条、社会的身分、病歴、障害などに関する情報は、個人情報保護法上の要配慮個人情報に当たり、特に慎重な取り扱いが必要です。

さらに、AIは過去のデータをもとに判断するため、過去の採用に偏りがあれば、その傾向を再現する可能性があります。担当者一人の偏りとは違い、AIは偏った基準を大量の応募者へ一度に、しかも即時に当てはめてしまう点にも注意が必要です。

【社労士の実務メモ】
採用ツールは、機能の多さだけで選ばないことが重要です。会社側で判定の根拠を確認できるか、問題が起きたときに検証できるかまで見ておきましょう。

5 では、中小企業はどこから始めるか

ここまで海外の事例を見てきましたが、中小企業がIBMやWorkdayと同じ仕組みをそのまま導入する必要はありません。まず必要なのは、AIを導入することではなく、AIを使える状態をつくることです。

1)繰り返される問い合わせを洗い出す

最初に、人事へどのような問い合わせが集中しているのかを確認します。直近3カ月に寄せられた質問を書き出し、「規程を見れば答えられる」「毎回ほぼ同じ説明をしている」ものを分けてみてください。

有給休暇、各種申請、福利厚生、社内制度など、繰り返し寄せられる問い合わせが、最初にAIに任せる候補になります。ただし、その前に就業規則や社内規程が最新版になっているか、情報が1箇所に整理されているかも確認しておく必要があります。

2)「誰が何をできるか」を整理する

次に、人事データを見直します。まず自社の主要な仕事を挙げ、それぞれに必要な知識、経験、資格、技能を書き出します。その上で社員ごとに、

  • 保有資格
  • 受講した研修
  • これまで経験した業務
  • 現在担当できる仕事
  • 今後身につけてほしいスキル

を整理します。最初から精密なスキルデータベースをつくる必要はありません。まずは「どの仕事を、誰ができるのか」が一覧で分かる状態を目指します。

この整理は、AI活用のためだけのものではありません。社員の経験やスキルが記録されていれば、人が替わっても情報が失われにくくなり、配置転換や育成を考える材料にもなります。

3)AIに任せる範囲を決める

次に、人事業務を「AIに任せやすい仕事」と「人が判断する仕事」に分けます。規程検索、日程調整、書類の要約などはAIに任せやすい業務です。一方、採否、評価、昇進、異動、懲戒など、本人の処遇を左右する判断では、人による最終判断を残します。

誰が最終確認をするのかも、あらかじめ決めておきましょう。

4)AIツールの契約内容を確認する

すでに採用管理システムやAIを活用した採用支援ツールを使っている場合は、契約書や利用規約も確認してください。特に確認したいのは、

  • バイアス検証をどのように行っているか
  • AI機能を停止・変更できるか
  • 入力データの保存・二次利用・学習条件はどうなっているか
  • 問題が起きたときの責任分担はどう定められているか

の4点です。

6 AI導入より先に「利用ルール」が必要な会社もある

そして、中小企業にとっては、AI導入の方法を考えるより先に対応した方がよい問題があります。それは、社員がすでに生成AIを使い始めているケースです。

商工中金が2026年1月に実施した調査では、生成AIについて「会社での導入はなく、使用は個人の判断に任せている」と答えた中小企業が64.9%で最も多くなりました。多くの中小企業では、会社主導で生成AIを導入するより先に、社員個人の判断による利用が広がっていることがうかがえます。

■商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査(2026年1月調査)」■
https://www.shokochukin.co.jp/report/data/assets/pdf/futai202603.pdf

特に人事部門には、履歴書、職務経歴書、面接メモ、人事評価、給与情報、休職情報、健康情報など、外部へ出すべきではない情報が集まっているため、生成AIの利用にはくれぐれも注意が必要です。

個人情報保護委員会も、生成AIサービスへ個人情報を入力する際には、利用目的の達成に必要な範囲かを確認するとともに、入力した情報がAI提供事業者の機械学習などに利用されないかを十分に確認するよう注意を促しています。

■個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)■
https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/

例えば、

「文章を要約してほしい」「休職者へのメールを考えてほしい」

と軽い気持ちで、実名や具体的な事情を一般向け生成AIへ貼り付ける運用は避けるべきです。

こうしたリスクを回避するには、「AI利用規程」など、AIの使い方に関する社内ルールを定めておくことが有効です。といっても、最初から何ページものAI利用規程をつくる必要はありません。まずはA4用紙1枚でも構いませんので、

  • 入力してよい情報
  • 入力してはいけない情報
  • 利用目的
  • 確認者

の4項目を決めてください。

【社労士の実務メモ】
健康に関する情報は、病歴など内容によっては要配慮個人情報に当たり、漏えいや不適切な利用が起きたときの影響が大きくなります。AIツールの性能比較を始める前に、「何を入力してよくて、何を入力してはいけないのか」という最低限のルールを決めておくことが重要です。

7 AI人事の成否を分けるのは「線引き」

海外事例から見えてくるのは、最新のAIを導入すれば人事が変わる、という単純な話ではありません。IBMでは、AIに問い合わせを任せる前に、情報と窓口を整理していました。Workdayのようなスキル活用も、社員の経験や能力に関するデータがなければ始まりません。Metaの事例からは、AI導入をそのまま人員削減へ結びつける難しさが見えてきます。

中小企業も同じです。まず業務と情報を整理する。その上で、検索や整理、分析といったAIが得意な仕事はAIに任せ、人の処遇に関わる判断は人が担う。そして、個人情報の扱いや責任の所在を決めておく。

AIによって生まれた時間を、社員との対話や組織の改善にどう使うのかまで設計できて、初めて人事のAI化が意味を持ちます。

何をAIに任せ、どこから人が判断するのか。その線を引くのは、AIではありません。経営者と管理職の仕事です。

以上(2026年11月作成)

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画像:ChatGPT

内部積立の退職一時金、もうやめたい場合はどうすれば?

創業期から会社を支えてきた従業員が、来年2人続けて定年を迎える。退職金規程に沿って支給額を計算してみたら、想像していたより大きな額になった。決算書には引当金が載っているけれど、その分の現金が手元にあるわけではない……。

退職金を社内で積み立ててきた中小企業では、こうした場面をきっかけに「今の退職金制度のままでいいのか」と制度の見直しを考え始めるケースが少なくありません。

この記事では、内部積立の退職一時金が抱える問題を整理した上で、移行先の制度、自社の課題に合わせた選び方、移行で失敗しないための注意点を解説します。

1 内部積立の退職一時金は、何が問題なのか

厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、従業員30~99人の企業で退職給付制度があるのは70.1%で、そのうち77.2%が「退職一時金制度のみ」です。また、この規模で退職一時金制度がある企業が退職金の資金をどう準備しているかを見ると、「社内準備」が49.6%と約半数を占めています。

このように多くの企業が導入している内部積立の退職一時金制度ですが、実は次のような懸念点もあります。

1)資金繰りと見えない債務

従業員が辞めたときに企業がまとめて現金で払うため、定年退職が重なる年には大きな支出が一度に発生します。退職給付引当金を計上して会計上は費用にしても、その繰入額は税務上の損金になりません。また、引当金を計上するだけでは、支払いに必要な現金は確保されません。将来払う退職金は見えにくい債務でもあり、事業承継やM&A、融資審査で評価を下げる要因になります。

2)従業員のニーズとのずれ

勤続年数が長いほど退職金が増える仕組みの企業は多いですが、転職を前提にキャリアを考える若手には、必ずしも魅力的に映りません。また、物価上昇を反映する仕組みがなければ、退職金の実質的な価値が目減りする可能性があります。資産運用への関心も高まっており、「退職金も自分で運用できないのか」という声も出てくるかもしれません。

試しに自社の退職金規程をもとに、

「今、全員が自己都合で退職したら合計でいくら払うか」を試算

してみてください。今後10年間に定年を迎える従業員の人数と時期も一覧にすると、支出が集中する年が見えてきます。

なお、この試算は現状を把握するための目安です。退職一時金から別の退職金制度に移行を検討する場合、定年まで勤めた場合の支給額や将来の増加分も含めて、移行前後を比べる必要があります。

【社労士の実務メモ】
見直しの出発点としてまず確認していただきたいのが、退職金の総額です。決算書に引当金が載っていても、規程どおりの要支給額と一致しているとは限りません。見直しの前に、要支給額を従業員ごとに算出し、決算書の数字と突き合わせてください。

2 移行先にはどんな制度があるのか

中小企業の主な移行先は、中退共と企業型確定拠出年金(企業型DC)です。

1)中退共(中小企業退職金共済制度)

中退共は国の退職金共済制度です。企業が毎月掛金を払い、退職金は中退共から本人に直接支払われます。掛金は法人なら全額損金です。加入できるのは中小企業に限られ、従業員数または資本金が次の条件を満たす必要があります。

  • 一般業種(製造業、建設業等):300人以下または3億円以下
  • 卸売業:100人以下または1億円以下
  • サービス業:100人以下または5千万円以下
  • 小売業:50人以下または5千万円以下

なお、新規加入時には、掛金月額の2分の1(1人当たり上限5000円)を、加入後4カ月目から1年間、国が助成します。

2)企業型DCと選択制DC

企業型DCは、企業が掛金を出し、従業員が自分で運用商品を選ぶ制度です。運用で損失が出ても、企業に補填する義務は原則としてありません。ただし、継続的な投資教育など、制度を運営する責任は企業が負います。資産は従業員ごとに管理され、転職時には転職先の企業型DCやiDeCo(イデコ)に移せます。なお、

拠出限度額は、2026年12月から月額5.5万円から6.2万円に引き上げ(他の企業年金と併用していない場合)

となります。

企業型DCには、

給与の一部を掛金にするか給与で受け取るかを従業員が選べる「選択制DC」

という制度もあります。企業の追加負担を抑えられる一方、掛金にした分は社会保険料の算定対象から外れるため、将来の厚生年金などの給付が減る可能性があります。また、企業負担の退職金をやめて給与からの選択拠出だけに置き換えると、それまで企業が負担していた分がなくなり、従業員の不利益が大きくなります。社会保険給付への影響に加えて、企業の負担額がどう変わるかも比べる必要があります。

3)iDeCo+(イデコプラス)と制度の組み合わせ

この他、企業年金を実施しておらず、厚生年金被保険者が300人以下の企業の場合、「iDeCo+」という選択肢もあります。これは、従業員が自ら掛金を拠出するiDeCoに、企業が掛金を上乗せするというものです(中退共との併用も可能)。制度は1つに絞る必要はなく、中退共で最低限の退職金を確保し、選択制DCを上乗せするといった組み合わせもできます。主な制度の違いは次の通りです。

主な制度の違い

4)企業が取り組むべきこと

自社が中退共の加入範囲に入っているかを、業種と従業員数・資本金から確認してください。数年以内に範囲を超えそうな場合は、その点も判断材料にしてください。なお、中小企業の範囲を超えた場合でも、一定の要件を満たせば確定給付企業年金や企業型DCへ資産を引き継げます。

【社労士の実務メモ】
社労士として相談を受ける中で、特に慎重に検討していただきたいのが選択制DCです。「企業の負担なしで導入できる」という面だけで判断すると、社会保険の給付が減る可能性という従業員側の不利益を見落としがちです。検討の段階で、年収別に手取りと将来の給付への影響を試算した資料を用意してください。

3 自社の課題から、どの制度を選べばよいのか

制度選びの決め手は「どれがいちばん得か」ではなく、「自社のどの課題を解決したいか」です。

1)資金繰りの負担と見えない債務を減らしたい場合

将来の一括支出を毎月の掛金に置き換えたいなら、中退共か企業型DCが基本です。どちらも、将来の支払いに備える費用を、毎月一定額で計画できるようになります。ただし、移行前の分の支払義務が残る場合があります。また、社内規程で約束した額が中退共などの支給額を上回る場合、その差額も企業が負担することがあります。

手続きの負担を抑えたい小規模な企業には中退共が向いています。ただし中退共は、掛金納付が11カ月以下だと原則として退職金が支給されず、12~23カ月では掛金総額を下回るため、早期離職が多い職場では従業員から不利に見えることがあります。

難しいのは、これまでに積み上がった過去分の扱いです。主な方法は次の4つです。

これまでに積み上がった過去分の扱い

中退共の「過去勤務期間通算制度」を使えるのは新規加入時だけで、対象は加入時点で1年以上勤務している従業員、通算できるのは最長10年です。企業型DCへの移換は4~8年度にわたり、年度ごとに均等に分けて行うのが原則で、一括移換は認められていません。

そのため、M&Aや事業承継を控えている企業は、承継の時期から逆算して着手してください。打切支給を退職所得として扱うには、中退共や企業型DCへの移行など相当の理由による規程改正に伴う支給であり、その後の退職金の計算で打ち切った期間を一切加味しないことが条件です(所得税基本通達30-2)。要件を満たすかは、顧問税理士と事前に確認してください。

2)採用に活かし、運用ニーズに応えたい場合

若手へのアピールと資産運用ニーズの両方に応えるなら、企業型DCが適しています。持ち運べる資産であることは、退職一時金にはない強みです。選択制DCを軸にする場合も、全員に月数千円でも企業拠出を上乗せすると、企業が資産形成を後押ししているというメッセージが伝わります。

ただし、DCの資産は原則60歳まで引き出せず、60歳から受け取るには通算加入者等期間が10年以上必要です。「持ち運べる」と「すぐに使える」は別物であることを、説明会で明確に伝えてください。運用結果は従業員本人が負うため、企業は継続的な投資教育に取り組む必要があります。商品を選ばない人への対応として、「指定運用方法」の設定も検討してください。

3)税と手取りへの不満に応えたい場合

企業型DCは、拠出・運用・受取の各段階で税制上の優遇があります。拠出時は事業主掛金が損金になり、従業員の給与所得にもなりません。運用益は非課税で、受け取るときは一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除の対象です。制度を比較するときは、受取時だけでなく、拠出時・運用時を含めた税務上の扱いを確認することが大切です。

一方で、DCの一時金と勤務先の退職金の両方を受け取る場合のルールは変わりました。DCの一時金を先に受け取り、その後に勤務先の退職金を受け取る場合、勤続期間の重複を調整する判定期間が「前年以前4年内」から「前年以前9年内」に延びました。

この9年の調整ルールは、先に受け取るDCの老齢一時金が2026年1月1日以後の支払いである場合に適用されます(国税庁「源泉徴収のあらまし」令和8年版)。

勤務先の退職金を先に受け取り、その後にDCの一時金を受け取る場合の判定期間は「前年以前19年内」で、今回は変わっていません。DCと退職一時金を併用する企業は、受け取りの順序と時期によって税額が変わることを従業員に案内する必要があります。

4)移行の流れ

移行は、退職金債務の算定、過去分の扱いの決定、制度設計と運営機関の選定、従業員への説明と労使協議、規程改定、個別通知、制度開始の順で進みます。説明と協議を重ねてから規程改定に進むのが基本です。

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、退職金規程を含む就業規則を変更した場合、過半数労働組合または過半数代表者の意見書を添えて、所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。

企業型DCの場合は、就業規則の「意見聴取」とは異なり、対象となる厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数代表者)の「同意」を得て規約を作成し、地方厚生(支)局長の承認を受けます。過去分の扱いも含めると、年単位の計画が必要です。

5)企業が取り組むべきこと

第1章で試算した「今、全員が自己都合で退職したら合計でいくら払うか」の額をもとに、過去分を図表2の4つの方法のどれで扱えば資金繰りが回るかを比べてください。その上で解決したい課題を1つに絞ると、制度選びの軸が定まります。

【社労士の実務メモ】
社労士として相談を受ける中で、制度選びと並行して必ず進めていただきたいのが、過去分の扱いの検討です。制度を決めても、過去分の扱いが決まらなければ移行は進みません。従業員がいちばん気にするのも「これまでの分が減らないか」です。移行日時点の要支給額を一人ひとりに書面で示せる準備を、制度設計と同時に進めてください。

4 移行で失敗しないために気をつけること

1)不利益変更のルールを外さない

退職金は賃金の後払いとしての性格を持つ重要な労働条件で、企業が一方的に廃止・減額しても原則として効力は認められません。就業規則の変更で不利益に変えるには、労働契約法第10条に基づき、変更が合理的で周知されている必要があります。

企業側の必要性が高いだけでも、減額への署名があるだけでも、変更が有効になるとは限りません。最高裁は、退職金など重要な労働条件に実質的な不利益を及ぼす変更には、高度の必要性に基づいた合理的な内容であることを求めています(最高裁第三小法廷昭和63年2月16日判決)。

また、減額に同意する書面に署名押印があっても、その同意が本当に従業員の自由な意思によるものか、客観的に見て合理的な理由があるかが問われます。判断に当たっては、不利益の内容や程度をどこまで説明したかが重視されます(最高裁第二小法廷平成28年2月19日判決)。

減る部分があるなら代償措置を設計し、定年退職時の支給額や将来の増加分、受取時期を含めた移行前後の比較を書面で示し、検討期間を確保した上で同意を得てください。

2)引当金と手元資金は別物

引当金は会計上の負債であって、お金を取り分けておく仕組みではありません。過去分を一括清算しようとして初めて資金不足に気づくケースもあります。凍結を選ぶ場合も、凍結額に利息相当を付けるか、倒産時にどう保全するかを事前に詰めておく必要があります。

3)説明会を形だけで終わらせない

説明会を1回開いてその場で同意書を回収する進め方は、法的リスクを高めるうえ、不信感も生みます。受け取りが近い従業員は「もらえる額が減らないか」、まだ先の従業員は「自分で運用できるか」「持ち運べるか」と、立場によって気にする点が異なります。

説明会を対象者に応じて分け、個別シミュレーションを渡し、受け取りが近い従業員には旧制度を継続できる経過措置も検討してください。質問と回答はQ&Aにまとめて全員に配ると、後の「聞いていない」を防げます。

4)企業が取り組むべきこと

従業員の年齢構成を確認し、移行の影響が特に大きい層を特定してください。その層に必要な説明資料と経過措置を書き出しておくと、労使協議の準備が具体的になります。

【社労士の実務メモ】
社労士として相談を受ける中で、特にお伝えしておきたいのが、同意書に署名があるだけでは、同意が有効とは限らないということです。後から「説明が不十分だった」と争いになったとき、企業の説明を裏付けるのは記録です。説明会の資料、個別面談の記録、質問への回答を、すべて日付入りで保管してください。

移行前のチェックリスト

□ 規程に基づく要支給額を従業員ごとに算出し、決算書の引当金と突き合わせた

□ 今後10年間の定年退職者の人数と時期を把握した

□ 解決したい課題を1つに絞った

□ 過去分の扱いと、それぞれの資金計画を比べた

□ 定年時の支給額や将来の増加分を含めた、移行前後の比較を用意した

□ 代償措置と経過措置の内容を決めた

□ 説明会・個別面談の記録を残す体制を整えた

5 退職金制度の見直しは「未来への投資」

内部積立の退職金を社外の制度へ移すことは、退職時にまとめて支払う負担を軽減し、退職金を毎月の費用として計画しやすくする取り組みです。従業員にとっても、社外に積み立てた分は企業の業績や手元資金に左右されずに確保されるという安心につながります。

ただし、その効果は制度の選び方以上に、現状の正確な把握、過去分への配慮、丁寧な合意形成という移行の進め方で決まります。本稿の内容は2026年10月時点の制度に基づく一般的な解説です。制度設計や税務・会計処理は企業ごとに条件が異なるため、着手の前に、社会保険労務士や税理士、運営管理機関に相談しながら進めることをおすすめします。

以上(2026年11月作成)

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画像:ChatGPT

経営のヒントとなる言葉(松平春嶽)

「我に才略なく我に奇無し。常に衆言を聴きて宜しきところに従ふ」(*)

出所:「福井市立郷土歴史博物館ウェブサイト」(福井市立郷土歴史博物館)

冒頭の言葉は、

  • 「自分には特別な才能はない。従って、常に周囲の意見に耳を傾け、よいと思った点を取り入れる」

ということを表しています。

1838年、養父の松平斉善(まつだいらなりさわ)の急逝により、春嶽は若くして福井藩藩主の座に就きました。当時、福井藩は財政面で困窮し、領民の生活も貧窮していたことを背景に、春嶽は藩内の人事改革に取り組み、橋本左内(はしもとさない)や横井小楠(よこいしょうなん)などの有能かつ革新的な人材を積極的に登用し、家臣の意見も取り入れて教育改革や財政改革、軍事改革に力を注ぎました。

そうした中、1853年にペリーが黒船を率いて来航します。当初、春嶽は攘夷(じょうい)(外国人や外国文化を排斥すること)を主張していましたが、周囲の意見を受け入れて開国派に転じました。同年には将軍徳川家慶(とくがわいえよし)が逝去し、健康面で問題を抱えていた徳川家定(とくがわいえさだ)が跡を継ぐこととなりました。そこで、春嶽をはじめとする有力大名は、黒船来航という緊急時に対応できる将軍として一橋慶喜(ひとつばしよしのぶ。後の徳川慶喜)の擁立運動に取り組みました。しかし、この動きに反対する保守派に敗れ、春嶽は保守派の大老井伊直弼(いいなおすけ)による粛清(安政の大獄)を受け、隠居を強いられてしまいました。しかし、1860年に桜田門外の変で直弼が倒れると、春嶽は幕政への参加を許されることとなります。

その後、政事総裁職に就任した春嶽は、一橋慶喜とともに幕政改革に取り組み、幕末から明治にかけての激動の時期に臨機応変に対応しました。

春嶽は、生涯を通じ、身分や立場にこだわることなく幅広い人材を登用したことで知られています。例えば、熊本藩に生まれた横井小楠は、藩の要職に就くこともなく私塾を開いていましたが、春嶽に政治顧問として招かれ、その後は福井藩の藩政改革、そして政事総裁職である春嶽の助言者として活躍しました。

また、坂本龍馬(さかもとりょうま)との出会いも春嶽の気質をよく表しています。当時は、春嶽のような身分の高い者が、土佐藩の脱藩浪士であった龍馬に会うことなど考えられない厳しい封建制度の時代だったのです。しかし、春嶽は龍馬に会い、その話に熱心に耳を傾け、さらには幕府の軍艦奉行並であった勝海舟(かつかいしゅう)への紹介状を渡します。これがきっかけとなって龍馬と海舟が出会い、以降、明治維新への道が大きく開けたといわれています。

中国古典「孟子」の一節である次の言葉は、春嶽の座右の銘とされ、直筆の墨書としても残されています。

「自ら反(かえり)みて縮(なお)からずんば、褐寛博(かつかんぱく)と雖(いえど)も、吾(われ)惴(おそ)れざらんや。自ら反(かえり)みて縮(なお)くんば、千万人と雖(いえど)も、吾(われ)往(い)かん」(**)

この言葉は、「自らを省みて、やましい点があれば、たとえ相手が自分よりも地位の低い者であっても、私は恐れる。しかし、自らを省みて、正しいと確信できるのであれば、私は千万人の敵であろうと恐れることはない」といった意味があります。

一人の人間の思考には限度があり、狭い世界しか見ることができません。しかし、多くの人の意見に耳を傾ける柔軟性を持つことで、見える世界は大きく広がります。それと同時に、人の意見に流されるままではなく、確固たる基準をもって、それに基づいた決断を下すことができれば、リーダーとしての信頼を得て、春嶽のように多くの優れた人材を引き寄せることができます。春嶽のリーダーとしての姿勢は、現代の経営者にとっても見習うべきものだといえるでしょう。

【本文脚注】

本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになっている情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありません。

【経歴】

まつだいらしゅんがく(本名:松平慶永(まつだいらよしなが))(1828~1890)。江戸(現東京都)生まれ。1838年、福井藩(現福井県)第16代藩主。

【参考文献】

(*)「福井市立郷土歴史博物館ウェブサイト」(福井市立郷土歴史博物館)
(**)「孟子 新訳 『孔子の正統な後継者』が唱えた理想的なリーダーの心得」(守屋洋(訳)、PHP研究所、2012年12月)
「松平春嶽のすべて」(三上一夫、舟澤茂樹(編)、新人物往来社、1999年12月)

以上(2026年10月更新)

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画像:日本情報マート