【もっと早く知りたかった】未来が読めない時代に武器となる“生き方・考え方ベスト3”

不確実性の高い状況に対処する思考様式、「エフェクチュエーション」が話題だ。コロナ禍以降、社会経済環境は大きく変化している。テクノロジーの進化や国際情勢も目まぐるしく、先行きは不透明だ。そんな中で未来を予測するのは不可能に近い。不確実性の高い時代を生きる私たちにとって、「エフェクチュエーション」は大きなヒントとなるだろう。

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10月から75歳以上の医療費「2割負担」…実際の対象者と負担額を徹底解説

75歳になると全ての人が移行する「後期高齢者医療制度」。10月の制度変更で、医療費の自己負担割合が引き上げられる人が出てくる。引き上げ対象となる後期高齢者の条件と、その引き上げ金額を、制度変更の経緯とともに見ていく。

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【書籍ダイジェスト】『80年続いてきた革新』

本書では、自動車やカメラ、電化製品などに組み込まれる電子部品を製造し、目立たないが着実かつ高度な技術革新と事業展開を続けてきた帝国通信工業の歩みと今後の展望について、トップや経営幹部、現場の社員たちへの取材をもとに詳細に語っている。
1939年に東京無線電機の部品部門と合成樹脂部門が独立して設立された東京無線器材製造を前身に、軍需会社として1944年に創業した帝国通信工業は、戦後すぐに民需産業へ転換。スピーカーやラジオなどの製作から始め、より付加価値の高い電子部品とは何かを常に追求してきたという。

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【中堅社員のスピーチ例】大切なのは「ワークライフハーモニー」

【ポイント】

  • 我々は仕事とプライベートを分けて考えがちだが、実は両者は良い影響を与え合う関係
  • 仕事と関係ないと思っていた趣味の経験が、仕事に役立つこともある。逆も然り
  • 仕事とプライベートを切り離さず、“つないで高める”ことを意識しよう

皆さん、おはようございます。11月といえば、勤労感謝の日がありますね。今日はその勤労感謝の日にちなんで、「ワークライフハーモニー」をテーマにお話ししたいと思います。「ワークライフバランス」なら知っているけど、ワークライフハーモニーはあまりなじみがないという人もいるでしょう。まずは簡単に説明します。

ワークライフバランスは、仕事とプライベートを“分けて整える”、時間配分の釣り合いをとる考え方です。一方、ワークライフハーモニーは、仕事とプライベートを切り離さずに“つないで高める”、お互いが良い影響を与え合うという考え方です。

例えば、私の場合、今年から始めた「絵を描くこと」が仕事にとても良い影響を与えています。軽い気分転換ぐらいのつもりで始めたのですが、色使いや道具などをどのように工夫すると風景や人物をよりきれいに描けるのかを考えていくうちに、奥が深い世界だと気付き、夢中になりました。

そして、あるとき、プロジェクトの資料作成でデザインに悩んでいたら、絵を描く際に意識している色彩感覚や物の配置が、レイアウトのヒントになったのです。仕事と全く関係ないと思っていた趣味が意外なところで活かされると分かり、とても驚きました。逆に、仕事で普段心がけているスケジュールや納期の管理のしかたを、絵を描くときの工程に落とし込むことで、途中で飽きたり挫折したりすることがなくなり、絵を描くスピードも以前よりも上がったように感じています。

私は入社したばかりの頃は、とにかくがむしゃらに働いていましたが、仕事に慣れて5年目を迎えた今は心境が変わりつつあります。もちろん、入社当初から仕事に対する情熱は変わりませんが、それと同じくらい、仕事以外の時間も大切にしたいと思うようになりました。

仕事で新しい企画を考えるとき、プライベートで得た経験や知識がヒントになることがあります。逆に、仕事で身につけたスキルを、プライベートで活かすこともできるかもしれません。皆さんも、この勤労感謝の日を機に、ワークライフハーモニーについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。

以上(2025年11月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

知らないと恥ずかしいレベルの「労働時間」

1 自由な労働時間制度は会社の魅力

9時に出社して18時に退社する。変わりつつあるものの、未だにこれが労働時間の基本です。ところで、法定労働時間、所定労働時間、時間外労働など、労働時間にはさまざま取り決めがありますが、皆さんはどれだけ基本を押さえていますか?

この記事では、労務担当者でなくてもこれくらいは知っておきたいというレベルで、労働基準法(以下「労基法」)で定められている労働時間の基本を、分かりやすく説明します

2 法定労働時間:法律で定める労働時間の基本

法定労働時間とは、

労基法で定められている労働時間の上限で、原則として1日8時間、1週40時間(休憩時間を除く)

です。ただし、特例措置対象事業場(社員が常時10人未満の商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業)は、1日8時間、1週44時間(休憩時間を除く)です。

ちなみに、休憩時間とは、

社員が自由に利用できる時間(単なる手待ち時間などは含まれない)のことで、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上

与えなければなりません。

3 所定労働時間:会社が決める労働時間

所定労働時間とは、

会社が就業規則等で定める労働時間(ただし、法定労働時間を超えてはいけない)

です。例えば、所定労働時間が1日7時間なら問題ないですが、1日10時間だと違法です。つまり、

原則として、会社は法定労働時間を超えて社員を働かせることができない

ということです。

ただし、通称「36協定(さぶろく協定)」と呼ばれる労使協定を締結して所轄労働基準監督署に届け出ると、この後に紹介する時間外労働や休日労働を、社員に命じることができます。ちなみに、労使協定とは、

過半数労働組合(社員の過半数で組織する労働組合)、過半数労働組合がない場合は過半数代表者(社員の過半数を代表する者)との書面による協定

です。

4 時間外労働:いわゆる「残業」

時間外労働とは、

法定労働時間を超える労働(いわゆる「残業」)

のことです。例えば、9時始業で18時終業(休憩時間が1時間)の会社で、社員が9時から21時まで働いた場合、時間外労働は3時間(11時間-8時間)です。

時間外労働のイメージその1

また、法定労働時間は1週40時間ですから、通常、出勤は週5日になります。つまり、

8時間×5日=40時間

ということですから、社員が土曜日に出勤して8時間働くと、それは時間外労働となります。

時間外労働のイメージその2

会社は、時間外労働に対して割増賃金を支払わないといけません。また、1カ月当たりの割増率は時間外労働の長さによって次のように変わります。

  • 60時間以下:25%以上の割増
  • 60時間超:50%以上の割増

5 休日労働:土曜日と日曜日で違う?

休日労働とは、

法定休日(就業規則等で定める、毎週1日または4週間を通じ4日以上の休日)の労働

のことです。例えば、日曜日を法定休日とした場合、日曜日の労働は労働時間に関係なく全て休日労働になります。

会社は、休日労働に対して割増賃金を支払わないといけません。

  • 休日労働:35%以上の割増

なお、法定外休日(法定休日以外の休日)に働いても、休日労働にはなりません。例えば、土曜日と日曜日が休日の会社が、日曜日を法定休日とした場合、土曜日は法定外休日です。法定外休日の労働は、第4章で紹介した通り、法定労働時間を超える部分が時間外労働になります。その場合、会社は法定外休日の労働に対して割増賃金を支払わないといけません。

  • 法定外休日の労働(時間外労働になる場合):25%以上の割増

6 深夜労働:深夜というわりに早い?

深夜労働とは、

原則として22時から翌日5時までの労働

です。

会社は、深夜労働に対して割増賃金を支払わないといけません。

  • 深夜労働:25%以上の割増

7 割増率:要素のコンボで高くなる

時間外労働、休日労働、深夜労働の賃金は割増されますが、これは足し算されます。

  • 時間外労働が深夜に及んだ場合:50%(25%+25%)
  • 時間外労働が深夜に及び、1カ月60時間を超えた場合:75%(50%+25%)
  • 休日労働が深夜に及んだ場合:60%(35%+25%)

なお、「休日労働の時間外労働」という概念はありません。

8 時間外労働の上限規制

社員に時間外労働を命じる場合、会社は第3章で紹介した36協定に具体的な時間数を定めます。36協定の時間数の範囲内までなら、時間外労働を命じても違法にはなりません。ただし、

36協定に定められる時間数には上限があり、これを超える時間外労働は違法

になります。このルールを「時間外労働の上限規制」といいます。

時間外労働の上限規制は、2019年4月1日から(中小企業は2020年4月1日)から適用が開始され、さらに2024年4月1日から、適用が猶予されていた4つの業種・業務が対象に加わりました。どの業種・業務も、時間外労働は原則として「1カ月45時間まで、1年360時間まで」とされていますが、臨時的な特別な事情があり、かつ労使の合意がある場合については、それぞれ上限のルールが異なります。

時間外労働の上限規制

2024年4月1日からは、ほぼ全ての業種・業務が時間外労働の上限規制の適用を受けることになりましたが、唯一「新技術・新商品等の研究開発業務」は、適用除外とされています。

9 時差出勤:最も手軽な働き方改革

ここまで労働時間の基本をお話ししてきましたが、近年は柔軟な働き方を実現しようと、労働時間のルールを工夫している会社が増えてきています。ここでは、比較的少ない手間で取り組める「時差出勤」を紹介します。

時差出勤とは、

所定労働時間を変更せず、始業・終業時刻を変更する制度

です。9時始業で18時終業の会社が時差出勤を導入すると、例えば、10時始業で19時終業にすることができます。

時差出勤のイメージ

時間外労働などについて時差出勤特有のルールはないので、この記事の内容を守っていれば問題ありません。必要な手続きは、就業規則の変更と届け出です。具体的には次の通りです。

導入の手続き:時差出勤

以上(2025年11月更新)

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画像:Dhammarat Nunart-shutterstock

2025年 年金法改正がもたらす影響と実務対応

特に短時間労働者の適用拡大の対象となる会社で、保険料調整の特例措置を受ける場合には、給与計算等の事務処理が面倒になることが予想されます。
また、在職しながら、年金を受給している人にとっては有利になりますが、高所得者(標準報酬月額の上限該当者)にとっては、少し負担が増えることになります。

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人材採用・定着に貢献する福利厚生制度「iDeCoプラス」とは?

個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)に企業が掛け金を上乗せして補助する福利厚生制度「iDeCoプラス」が注目を集めています。
従業員がメリットをストレートに実感しやすい福利厚生制度で、企業における人材採用・定着に大きく貢献する可能性を秘めているiDeCoプラスについて解説します。

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知らなかったでは済まされない!オンラインカジノ問題と企業の対応策

オンラインカジノに接続して「賭博」を行うことは、犯罪です。
従業員のオンラインカジノ行為は、通常、従業員のプライベートな行動の範疇の行為ですから、企業がオンラインカジノ行為に関する直接責任を負うことは原則としてありません。ただし、企業には相応のリスクや責任が求められます。

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経営改善・事業再構築を後押しする専門家支援制度のご紹介

経営課題に向き合う中で、「誰に相談すればよいかわからない」「自社だけでは打開策を見いだせない」と感じたときに頼りになるのが、専門家によるハンズオン支援です。
経営改善や事業再構築を本格的に進めたい中小企業にとって、ハンズオン支援は現状打破と持続的成長を実現するための有効な手立てとなるでしょう。

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【税の勘所】押さえておきたい税金の「金額」

1 押さえておきたい税金の「金額」

この記事では、主な税金(法人税・所得税・消費税・相続税・贈与税)に関する「金額」を整理します。

主な税金

2 5億円超:消費税

5億円超は、消費税で一部の仕入税額控除が認められなくなる課税売上高です。

消費税の納税額は次のように計算されます(簡易課税制度の場合を除く)。

計算式

課税売上げに係る消費税額から、課税仕入れ等に係る消費税額を差し引くことを仕入税額控除といいます。消費税の仕入税額控除の計算方法には、

  1. 全額控除方式:課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除
  2. 個別対応方式:課税仕入れ等に係る消費税額の一部を控除
  3. 一括比例配分方式:課税仕入れ等に係る消費税額の一部を控除

の3つがあり、全額控除方式を利用できるのは、

課税期間における課税売上割合が95%以上で、かつ課税売上高が5億円以下の事業者

に限られます。課税売上割合とは、全体の売上高のうち、課税売上高(消費税が課される売上高)が占める割合です。

そのため、課税期間における課税売上割合が95%未満の場合、または課税売上高が5億円超の場合は、個別対応方式または一括比例配分方式のいずれかを利用することになり、課税仕入れ等に係る消費税額が一部控除できなくなります。

3 1億6000万円:相続税

1億6000万円は、相続税の配偶者に相続税がかからない取得財産の金額です。

配偶者が財産を相続する場合、同一世代間における財産の移転の場合が多いことや、配偶者は被相続人の遺産形成に貢献していること、また、被相続人が死亡した後の配偶者の生活水準を保つなどの理由から、相続税を軽減する措置が設けられています。

そのため、配偶者が財産を相続した場合、その財産の額が次のいずれか多い金額までは配偶者に相続税はかかりません。

  • 1億6000万円
  • 配偶者の法定相続分相当額(相続人が配偶者と子の場合は、遺産の2分の1相当額)

4 1億円以下:法人税

1億円以下は、法人税の優遇措置を利用できる中小企業者等の判定に関する金額です。

法人税には、中小企業者等が利用できるさまざまな優遇措置があります。主な優遇措置は次の通りで、いずれも資本金が1億円以下でなければ利用できません。

  1. 法人税の軽減税率
  2. 交際費等の損金不算入制度における定額控除限度額(年800万円)
  3. 欠損金の繰越控除
  4. 欠損金の繰戻還付
  5. 貸倒引当金の法定繰入率
  6. 特定同族会社における留保金課税の不適用
  7. 少額減価償却資産の取得価額の損金算入
  8. 賃上げ促進税制(中小企業向け)の適用

ただし、注意点があります。上記1.~6.は、資本金が1億円以下でも、資本金が5億円以上の法人と完全支配関係にある場合は利用できません。

また、上記7.~8.については、資本金が1億円以下でも、大規模法人に発行済株式の2分の1以上を所有されている場合、または2以上の大規模法人に発行済株式の3分の2以上を所有されている場合などは利用できません。なお、大規模法人とは、資本金が1億円を超える法人、資本もしくは出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1000人を超える法人、又は大法人(資本金が5億円以上である法人)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人をいいます。

5 5000万円以下:消費税

5000万円以下は、消費税の「簡易課税制度」が選択できる課税売上高です。

簡易課税制度は、事業の種類に応じ、課税売上高に一定割合を乗じて仕入税額控除を計算する方法で、

小規模事業者だけ

が利用できます。原則的な消費税の計算方法は複雑なので、簡易課税制度で小規模事業者の負担を軽減しています。簡易課税制度は、その課税期間の前々年または前々事業年度における課税売上高が5000万円以下で、「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に提出している事業者が利用できます。

6 2000万円超:所得税

2000万円超は、所得税の確定申告をしなければならない給与の年間収入です。

給与所得者は年末調整をするので、ほとんどの人は確定申告をする必要はありません。しかし、当該給与所得以外にも所得がある場合や給与の年間収入金額が2000万円を超える場合は、年末調整の対象外となるので、自身で所得税の確定申告をしなければなりません。

7 2000万円超:所得税

2000万円超は、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)が受けられない合計所得金額です。

住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローンを利用して、マイホームの取得や増改築した場合に、その住宅ローンの年末残高を基に計算した一定額を住み始めた年分以後の各年分の所得税額から控除できる制度です。住宅借入金等特別控除は、適用する年の合計所得金額が2000万円を超える年分については対象外となります。

8 2000万円以下:贈与税

2000万円以下は、住宅取得資金贈与を受けるための受贈者の要件の1つとなる金額です。

投資や賃貸用ではなく、自身の住宅を取得するため、直系尊属である父母や祖父母などから贈与により金銭を取得した場合、一定の金額までは贈与税がかかりません。この特例を受けるには、贈与を受けた年の受贈者(贈与を受ける人)の合計所得金額が原則2000万円以下であるなどの要件を満たす必要があります。

9 1000万円以下:消費税

1000万円以下は、消費税の納税義務が免除される基準期間の課税売上高です。

事業者は、国内において行った資産の譲渡や貸付け、役務の提供について、消費税を納めなければなりません。ただし、基準期間の課税売上高が1000万円以下の場合、一定の場合を除き、消費税の納税義務が免除されます。

10 1000万円未満:消費税

1000万円未満は、消費税の納税義務が免除される基準期間が無い場合の資本金の額です。

新規に設立された法人は基準期間がありません。そのため、その事業年度開始の日における資本金が1000万円未満なら、一定の場合を除き、消費税の納税義務が免除されます。

11 850万円超:所得税

850万円超は、所得税の給与所得控除の上限となる収入金額(195万円控除)です。

給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算し、上限は195万円です。

給与所得控除額

12 800万円:法人税

800万円は、中小法人における交際費等の損金算入限度額の1つとなる金額です。

原則として交際費等は損金算入できませんが、資本金が1億円以下の法人(中小法人)は、特例として、年800万円(定額控除限度額)まで交際費等を損金算入できます。ただし、資本金が1億円以下でも、資本金が5億円以上の法人と完全支配関係にある場合は対象外です。

なお、交際費等のうち、接待飲食の費用の50%相当額は損金算入できるので、年800万円と比較して有利なほうを選択しましょう。

13 800万円以下:法人税

800万円以下は、中小法人が法人税の軽減税率を受けられる所得金額です。

普通法人の場合、各事業年度に適用される税率は次の通りです。中小法人の場合、年800万円以下の所得金額部分については、通常よりも低い税率(軽減税率)が適用されます。ただし、資本金が1億円以下でも、資本金が5億円以上の法人と完全支配関係にある場合、軽減税率が適用されません。

適用される税率

14 300万円以下:法人税

300万円以下は、中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を全額損金算入できる限度額です。

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である少額減価償却資産を取得した場合、取得価額の全額を損金算入できます。ただし、1事業年度に損金算入できる限度は300万円以下です。事業年度が1年未満の場合は、月数で按分します。

15 110万円以下:贈与税、相続税

110万円以下は、贈与税(暦年課税)および相続時精算課税の基礎控除額です。

贈与税は個人が個人から財産をもらったときに課される税金ですが、個人がその年の1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計が110万円以下なら贈与税はかかりません。これを「基礎控除」といいます。基礎控除は、贈与をした人ごとではなく、贈与を受けた人ごとに1年間で110万円となります。なお、死亡日以前7年間(2023年12月31日以前の贈与については3年間)の分については、基礎控除分であっても、相続財産に加えることになっており、相続税の対象になります。

また、2024年1月以降は、相続時精算課税(贈与税については2500万円までの特別控除が受けられるが、贈与した財産については相続時にまとめて相続税が課せられる制度)の適用を選択した場合でも、毎年110万円の基礎控除が設けられるようになりました。以前は、相続時に生前贈与した財産の全額が相続税の課税対象となっていましたが、2024年1月以降の贈与については、毎年110万円を控除した残額の合計が相続税の課税対象とります。

16 1万円以下:法人税

1万円以下は、交際費等から除かれる一定の飲食代の1人当たりの金額です。

飲食等の費用のうち、1人1万円以下までなら損金算入できます。1万円の判定は、法人が適用している消費税等の経理処理(税抜経理方式または税込経理方式)に応じて行われます。

なお、経営者や社員、その親族の接待で使った飲食代は、1万円以下でも損金算入できません。

以上(2025年11月更新)
(監修 税理士法人アイ・タックス 税理士 山田誠一朗)

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