(東京商工リサーチ全国企業倒産状況2026年度上半期)中小企業の生存戦略とは?【統計情報ダイジェスト】

経済活動の正常化が進む一方で、物価高騰や深刻な人手不足は、日本経済の基盤を支える中小企業にとって極めて重い経営負担となっています。東京商工リサーチが発表した最新の調査データによると、2026年度上半期の企業倒産件数は高水準での増加傾向が続いており、多くの企業が収益確保や資金繰りに苦慮している実態が浮き彫りになりました。

企業倒産 上半期推移

経営資源が限られる中小企業がこの厳しいマクロ環境を生き抜き、持続的な成長を実現するためには、客観的なデータを直視し、早急に「守り」と「攻め」の両面から経営戦略を見直す必要があります。

東京商工リサーチが発表した「2026年度上半期(4~9月)の全国企業倒産動向」によると、負債額1000万円以上の全国企業倒産件数は5373件(前年同期比3.8%増)となりました。特筆すべきは、これが5年連続で前年同期を上回っており、2013年度に次ぐ非常に高い水準を記録している点です。また、倒産件数だけでなく、負債総額についても8561億6900万円(前年同期比23.5%増)と大幅な増加に転じています。

2026年度上半期(4-9月)産業別倒産状況

このマクロ環境における大きな特徴は、外的なコスト負担の増大や人材確保の難しさに耐えきれなくなった企業が次々と脱落する「コストインフレ型の淘汰フェーズ」が本格化していることです。かつてコロナ禍の資金繰りを支えた各種支援策の効果が薄れる中、売上高の回復がコスト上昇のスピードに追いつかない企業が限界を迎えています。さらに、金融市場が「金利のある世界」へとシフトする中で、金融機関の姿勢にも変化が見られます。これまで返済猶予などで支えられてきた企業に対しても、今後は単なる延命ではなく、将来性や事業性をより厳しく見極めたうえでの選別が進む可能性が高まっています。経済全体が緩やかな賃上げや回復基調にある一方で、恩恵を十分に受けられない小・零細企業との二極化が深刻な課題となっています。

現在の経営環境において、中小企業を最も深く蝕んでいるのは、「物価高・コスト高」「人手不足と賃上げ疲れ」「価格転嫁の遅れ」という3つの構造的リスクです。これらは単独で発生するのではなく、互いに連鎖し合って企業の財務体力を容赦なく削り取っています。

1.物価高・コスト高

世界的な資源価格の動向や円安基調を背景に、原材料費、電力やガスなどのエネルギーコスト、さらに物流費など、企業活動に不可欠なあらゆるコストが高騰しています。売上高がコロナ前並み、あるいはそれ以上に回復している企業であっても、原価率の上昇によって営業利益が大きく圧迫され、手元に残るキャッシュが減少する「売上増・利益減」のジレンマに陥るケースが後を絶ちません。

2.人手不足と賃上げ疲れ

労働力人口の減少が続く中、人材確保のための採用コストや給与水準は上昇の一途をたどっています。東京商工リサーチの調査でも、「人手不足」を背景とした倒産が過去最多(240件)を更新しており、その深刻さが数字に表れています。優秀な人材の流出を防ぐために賃上げを余儀なくされるものの、それが生産性の向上や売上拡大に直結していない企業にとって、相次ぐ賃上げは財務基盤を直撃します。実施したくてもできない、あるいは無理に実施した結果として資金繰りが破綻するという痛ましい構図が存在します。

3.価格転嫁の遅れ

取引先との関係悪化や顧客離れを恐れるあまり、高騰した原材料費や人件費分を販売価格に十分反映できていない中小企業が非常に多く存在します。仕入先や外注費の値上げを受け入れる一方で、自社の販売価格は据え置いたままにした結果、コスト増のしわ寄せが自社の利益を削る形で跳ね返ります。この価格転嫁の遅れが、致命的な資金不足を招く最大の要因です。

倒産の傾向には規模や業種ごとに明確な特徴が現れています。規模別で特に注目すべきは、資本金1000万円未満の小・零細企業が倒産全体の6割を超える圧倒的な割合を占めている点です。大企業のような潤沢な内部留保や資金調達力を持たない小規模事業者にとって、数カ月の赤字や突発的なコスト増、あるいは一時的な資金の目詰まりは直ちに事業継続の断念を意味します。

また、産業別の動向を見ると、10産業のうち6産業で前年同期を上回るなど、幅広い分野に倒産の波が広がっています。例えば、長年にわたり高水準で推移してきた建設業では、資材価格の高騰に加え、深刻な人手不足や時間外労働の規制強化が重なり、受注を確保していながらも採算割れや工期遅延によって経営に行き詰まるケースが見られます。一方で、建設業全体としては前年同期を下回る動きも見られたものの、依然として1000件台の高水準が続いており、製造業や運輸業などを含めて、各産業がそれぞれ固有の課題を抱えながら苦しい運営を強いられています。このように、特定の業種にとどまらず、地域経済や日常生活に密着した身近な分野にまで淘汰の波が深く浸透しているのが現状です。

この過酷なマクロ環境を生き抜き、持続可能な企業へと生まれ変わるために、中小企業が早急に実行すべき「攻めと守りの生存戦略」として、次の3つの具体的な施策を提示します。

1.自社商品の価値再定義と、誠実かつ適切な価格転嫁の徹底

「値上げをしたら顧客がすべて離れてしまう」という漠然とした恐怖心を一度捨て去る必要があります。自社が提供している商品やサービスの真の価値、他社にはない強みを改めて棚卸しし、取引先や顧客に対してその必要性を論理的かつ誠実に説明して適正な価格交渉を行うことが不可欠です。サプライチェーン全体の持続可能性を守るためにも、適正な利益を確保する価格設定は避けて通れない経営課題です。

2.省力化・生産性向上のためのデジタルツール・IT活用の推進

深刻な人手不足と人件費の高騰に対抗するためには、限られた人員でこれまで以上の成果を生み出す業務効率化が絶対条件となります。クラウド型の業務管理システムやチャットツール、定型業務を自動化するソフトウェアなどを積極的に導入し、人手による作業を最小限に抑えましょう。各種補助金なども活用しながら計画的なIT投資を行い、浮いたリソースを付加価値の高いコア業務へとシフトさせることが求められます。

3.財務体質の強化と資金繰りの早期見直し

金融環境の変化を見据え、手元流動性を厚めに確保し、資金繰り表を用いた精緻なキャッシュフロー予測を行う「守り」の体制づくりが要となります。金融機関との日頃からのオープンな情報共有を行い、自社の事業計画を明確に示すことで、信頼関係に基づいた安定的な資金調達環境を維持することが企業の寿命を左右します。

東京商工リサーチの最新データが示すように、2026年度上半期の企業倒産動向は、物価高や人手不足が中小企業の経営に深刻な影を落としている現実を如実に物語っています。しかし、この厳しい環境のなかであっても、変化を直視して自らのビジネスモデルや財務体質を柔軟に変革し、高収益体質へと生まれ変わる企業は確実に存在します。

経営者に求められるのは、外的要因の変化を傍観することなく、自社の強みを再定義したうえで「攻めと守りの経営」を力強く実践することです。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。

■東京商工リサーチ 全国企業倒産状況 2026年度上半期(4-9月)■
https://www.tsr-net.co.jp/news/status/detail/1203308_1610.html

以上(2026年10月作成)

pj10216
画像:ChatGPT

「100人でみた日本」から読み解く! 人手不足・健康・両立支援の経営戦略【統計情報ダイジェスト】

厚生労働省は毎年「厚生労働白書」を公表する際、そのダイジェスト版の広報資料「100人でみた日本」「日本の1日」を併せて公表しています。

日本の人口は、1日当たり2516人のペースで減少しています。

日本の1日(人口について)

総人口を100人とすると、100人中65歳以上が29.4人、75歳以上も17.3人を占める超高齢社会となっています。

人口100人でみた日本(人口について)

こうした急速な人口減少と高齢化の波は、中小企業の経営基盤、特に採用や事業継続において避けて通れない構造的課題を突きつけています。経営者は、この大きなマクロの変化を正しく認識し、自社の舵取りを見直す時期にきています。

労働現場の実態に目を向けると、100人中55.4人が仕事に就いており、そのうち雇われている人は50.2人(男性26.8人、女性23.4人)です。雇用形態の内訳を見ると、正社員が30.1人を占める一方、パート(8.4人)やアルバイト(3.9人)、契約社員・嘱託(3.1人)、派遣(1.3人)など多様化が進んでおり、週35時間未満の短時間で働く人が19.6人に上ります。

人口100人でみた日本(労働について)

会社の健康診断で「有所見」となる人が100人中29.4人に達し、12歳以上の44.8人が日常生活で悩みやストレスを感じている現実があります。

人口100人でみた日本(健康・医療について)

労働相談件数は1日当たり3293件にのぼり、仕事中のけがなどの労働災害も1日当たり371人となっています。

日本の1日(労働について)

これは、現場の労働環境や心身の健康維持において、見過ごせないリスクが蓄積していることを示しています。

こうしたマクロなデータを自社の組織づくりにどう活かすべきでしょうか。例えば、6歳未満の子どもを持つ親が育児や家事に費やす時間は、夫が1日当たり1時間54分であるのに対し、妻は7時間28分と大きな偏りが見られます。また、介護サービスを受けている人が100人中4.5人存在します。仕事をしながら、育児や親の介護に直面する従業員も少なくありません。

日本の1日(育児について)

人口100人でみた日本(福祉・年金について)

経営者やマネジメント層は、旧来の画一的な長時間労働モデルや、個人の自己責任に依存したマネジメントから脱却しなければなりません。短時間勤務や多様な雇用形態を選択できる柔軟な労務環境の整備に加え、日々の対話を重視するマネジメントへ舵を切ることが、優秀な人材の離職を防ぎ、定着率を高める決定的なカギとなります。

人口減少や少子高齢化は避けられない現実ですが、それをただの経営リスクとして悲観する必要はありません。むしろ、自社の組織風土や働き方を現代の社会構造に合わせてアップデートする絶好の機会と捉えるべきです。一人ひとりの社員の健康や、育児・介護といったライフステージに寄り添う温かみのある経営体制こそが、これからの縮小社会を生き抜く中小企業の最大の強みとなり、持続的な成長を支える原動力となります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。

■厚生労働省「令和8年版厚生労働白書 これからの医療・介護・福祉の現場で働くことを考える (100人でみた日本、日本の1日)」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/26/26-3.html

以上(2026年10月作成)

pj10217
画像:ChatGPT

【高齢者雇用】法改正で変わる高齢社員の働き方、どうマネジメントする?

1 法改正の動向を押さえつつ、自社の方針を決めよう

日本の65歳以上人口は、1950年には総人口の5%にも満たなかったものの、その後はどんどん増加し、2025年10月時点では29.4%に達しています(内閣府「令和8年版高齢社会白書」)。

こうした少子高齢化の進行により、多くの会社が深刻な人手不足に直面しています。実際、製造業や建設業、運輸業などではその傾向が顕著で、長年の経験や技術を持つベテラン人材は、単なる「戦力の穴埋め」ではなく、若手の育成や品質の安定に欠かせない存在になっています。

会社にとって「高齢社員をどのように雇用し続けるか」は、今や避けて通れない経営課題。特に2025年・2026年は高年齢者雇用・給付制度において重要な節目を迎えています。いずれもすでに施行済の内容ですが、押さえておきたいものは次の4つです。

1.高年齢者雇用確保措置の経過措置が終了(2025年3月31日)

2.高年齢雇用継続給付の縮小(2025年4月1日)

3.在職老齢年金の支給停止調整額の見直し(2026年4月1日)

4.高齢社員の労災防止措置の実施が努力義務化(2026年4月1日)

これらの制度改正は相互に影響し合うため、就業規則・処遇制度の見直しや社員への説明を怠ると、誤解や不満がトラブルに直結するリスクがあります。まずは4つの改正点について、詳しく見ていきましょう。

2 高年齢者雇用確保措置の経過措置が終了(2025年3月31日)

会社は高年齢者雇用安定法により、社員を65歳まで雇用するために

  • 定年の引き上げ(65歳まで)
  • 定年制の廃止
  • 継続雇用制度(65歳まで)の導入

のいずれかの措置を実施する義務があります。このうち、継続雇用制度(65歳まで)については、以前は労使協定(2012年度以前に締結されたものに限る)により、例えば、「希望者のうち62歳以上のみを継続雇用の対象とする」といった基準を設けることが認められていました。

しかし、2025年3月31日をもってこの経過措置は終了し、

定年後も働くことを希望する社員は全員、継続雇用(65歳まで)の対象

になりました。

経過措置の流れ

すでに施行済の内容ですが、過去に経過措置を利用していて就業規則等に「希望者のうち62歳以上のみを継続雇用の対象とする」などの文言が残っている場合、速やかに「希望者全員を65歳まで雇用する」といった内容に修正しなければなりません。

ただし、例外として「心身の故障がある者」「勤務状況が著しく不良な者」など、合理的な理由により、65歳までの雇用が難しい人を就業規則等に基づいて対象から除くことは可能です。

3 高年齢雇用継続給付の縮小(2025年4月1日)

高年齢雇用継続給付とは、

賃金が「60歳時点の75%未満」に低下した状態で働く場合に支給される雇用保険給付

です。雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある、60歳以上65歳未満の社員が対象です。

社員を定年後に再雇用すると、定年前と比べ賃金がガクッと下がることがあります。こうした場合に、社員の仕事へのモチベーションが下がらないよう、高年齢雇用継続給付が減った分の賃金を補填するわけです。

この高年齢雇用継続給付は、以前は賃金低下率に応じて最大15%が支給されていましたが、

2025年4月1日以降に60歳になった新規受給者からは、最大給付率が「10%」に引き下げ

られています(2025年3月31日以前に60歳になった人の給付率は最大15%のまま。なお、将来的には給付自体の廃止が予定されています)。

高年齢雇用継続給付のイメージ(2025年4月~)

例えば、60歳時点の賃金が月額40万円、再雇用後が月額24万円(60歳時点の60%)の場合、

  • 改正前の給付額:3.6万円給付(24万円×15%)
  • 改正後の給付額:2.4万円給付(24万円×10%)

となり、月額1.2万円、年額14.4万円もの差が出てしまいます。

高年齢雇用継続給付の縮小により、60歳以降の社員は従来よりも実質収入が下がる可能性があります。社員のモチベーション低下を防ぐためには、会社としては「給付ありき」の賃金設計を避け、職務給・役割給の導入や評価制度の見直しなどを検討する必要があります。

4 在職老齢年金の支給停止調整額の見直し(2026年4月1日)

在職老齢年金とは、

年金を受け取りながら働くと、賃金が一定以上の場合、年金の一部がカットされる制度

です。厚生年金保険に加入しながら年金をもらう60歳以上の社員が対象で、賃金(ボーナスを含む)と年金の合計額が「支給停止調整額」というボーダーラインを超えると、十分な収入があるとみなされ、老齢年金の一部または全額が支給停止となる仕組みです。

ただ、「せっかく働いても年金が減ってしまうのは困る」という声が多く寄せられているのに加え、近年の賃金上昇の影響もあって、支給停止調整額は段階的に引き上げられています。

2026年4月1日からは、支給停止調整額は「51万円→62万円」

になりました。簡単に言うと、

  • 賃金(ボーナスを含む年収の1/12)と、老齢厚生年金の合計額が月62万円以下の場合、年金は全額支給される
  • 合計額が月62万円を超える場合、超えた分の1/2の額が年金から差し引かれる

という仕組みになっています。なお、支給停止を受けるのは年金のうち老齢厚生年金(厚生年金保険)だけで、老齢基礎年金(国民年金)は対象になりません。具体的には次のようなイメージです(図表3の「50万円」は2024年度の金額です)。

在職老齢年金の見直し(2026年4月~)

5 高齢社員の労災防止措置の実施が努力義務化(2026年4月1日)

現在、日本では労働者の高齢化が急速に進んでおり、さらに高齢社員が労災に遭った場合、重症化や長期休業の傾向が顕著であることが指摘されています。こうした状況から、

2026年4月1日からは、高齢社員の労災防止措置として「高齢社員の特性に配慮した作業環境の改善」「作業の管理その他の必要な措置」を実施することが努力義務化

されました。措置の内容としては、「高年齢者の労働災害防止のための指針」により、次のような内容が示されています。

高齢社員の労災防止措置(努力義務)

6 これからの高齢者雇用をどう考える?

制度改正の内容を踏まえた上で、企業は「高齢社員をどのような形で雇い続けるか」という方針を検討する必要があります。代表的な視点をいくつか紹介します。

1)70歳までの雇用機会をどう確保するか

高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保は義務ですが、70歳までは「努力義務」とされています。とはいえ、単なる「努力」ではなく、実際に具体的な措置を検討・導入することが求められています。例えば、

  • 定年を70歳に延長する
  • 継続雇用制度の対象を70歳まで広げる
  • グループ会社や他社での再就職を支援する
  • フリーランスや業務委託での就業機会を設ける

などの方法が考えられます。70歳までの就業機会をどう設計するかは、今後の人材戦略に直結する大きなテーマです。

2)高齢社員の待遇はこのままでよいか

定年後の社員を再雇用する場合、賃金は定年前よりも下がるのが一般的ですが、

「パートや嘱託だから」というだけで賃金を下げるのは、同一労働同一賃金違反

です。仕事内容や役職、労働時間、責任、ノルマなどが定年前とどう変わるのかを考慮した上で、待遇を決めるようにしないといけません。

特に、2025年4月1日以降は高年齢雇用継続給付が新規受給者から縮小されているため、「給付で差額を補う」従来型の設計では社員の不満が残りやすくなります。今後は、職務や責任に応じた合理的な賃金制度へ移行し、処遇に納得感を持たせる人事制度を整えることが重要です。

在職老齢年金にも注意しましょう。法改正でボーダーライン(支給停止調整額)が段階的に引き上げられているとはいえ、高所得であればあるほど老齢年金のカット幅が大きくなるのは変わりません。カットされた分の年金は退職後も戻ってきませんから、賃金設計を考える際は確認が必要です。

3)シニア労災をどう防ぐか?

厚生労働省「労働災害発生状況」によると、2025年の労働災害による休業4日以上の死傷者のうち、60歳以上の割合は31.3%に上ります。直近5年間の動向を見ても、全年齢に占める「シニア労災」の割合は徐々に上昇してきています。

シニア労災の状況

高齢社員の多くは、「自分はまだ若い」と思っているケースが少なくないので、健康診断や体力テストで自分の体の状態を正しく理解してもらうことが大切です。また、時短勤務やフレックスタイム制、在宅勤務制度、あるいは労働時間の枠にとらわれないフリーランスなど、加齢に合わせて自分のペースで稼働できる働き方を提案してみるのもよいでしょう。

以上(2026年10月更新)

pj00718
画像:ChatGPT

【著者紹介】

三原明日香(みはら あすか)

著者近影

東京都文京区在住の社会保険労務士。長年行政からの委託で町工場の調査やレポート記事を執筆してきた経験を活かし、小規模な製造業中心にサポートしている。フリーライターとしても15年以上活動中。

【朝礼】「聞き上手」は話を聞かない ― 傾聴の秋に考える”間”の効能

【ポイント】

  • 聞き上手な人ほど、話す量ではなく「間」の使い方がうまい
  • 沈黙を怖がって言葉をかぶせると、相手は考えをまとめる機会を奪われる
  • 相手が話し終えて3秒待つことを、今月から意識してみる

おはようございます。読書の秋、芸術の秋とよく言われますが、今日は「傾聴の秋」ということで、人の話を聞く姿勢について少しお話ししたいと思います。皆さんの周りに、「この人に相談すると、なぜか話しやすいな」と感じる人はいませんか。そういう人を思い浮かべると、実はよくしゃべる人よりも、口数が少なく、静かに聞いてくれる人であることが多いのではないでしょうか。

私たちは「聞き上手」というと、相づちが上手だったり、質問が的確だったりすることをイメージしがちです。もちろんそれも大切ですが、実はそれ以上に重要なのが「間」、つまり沈黙の使い方だといわれています。

人は誰かに何かを話すとき、頭の中で考えを整理しながら言葉を選んでいます。特に、悩みごとや込み入った相談ほど、話の途中で言葉に詰まったり、少し黙って考え込んだりする瞬間があります。このとき、聞き手が「気まずいから」と沈黙を埋めるように話しかけたり、先回りして「それってつまりこういうことですよね」と結論を急いだりすると、相手は自分の考えを最後まで言語化する機会を失ってしまいます。

これは、私たち自身にも心当たりがあるのではないでしょうか。後輩や部下から相談を受けたとき、早く答えを出してあげたい、力になりたいという気持ちから、つい相手の話を遮って自分の意見やアドバイスを挟んでしまう。もちろん、良かれと思ってなのですが、相手からすると「最後まで聞いてもらえなかった」という印象だけが残ってしまうこともあります。

そこで、ぜひ試していただきたいのが、相手が話し終えたと思ってもすぐに言葉を返さず、「3秒だけ待ってみる」ということです。たった3秒ですが、この間があることで、相手は「もう少し付け加えよう」と考えを深めたり、聞き手側も相手の言葉を咀嚼する余裕が生まれたりします。沈黙は気まずいものではなく、相手への信頼の表れです。「あなたの話をちゃんと受け止めていますよ」というメッセージにもなります。話す技術よりも「待つ」技術を意識して、周囲とのコミュニケーションを見つめ直してみましょう。

以上

pj17259
画像:Mariko Mitsuda

用がないのに「早出」する社員でも賃金は支払わないとダメ?

1 「業務外の早出」を放っておいたら、困った事態に?

ある朝、A社長がいつもより早く会社に来て仕事をしていると、まだ始業前だというのに、社員のBさんとCさんが出社してきました。驚いたA社長が声をかけると、2人は照れくさそうにこう答えました。

A社長「2人とも、ずいぶん早いね。始業は9時からだよ? 何か急ぎの用事でもあるのかい?」

Bさん「いえ、実は通勤ラッシュが少し苦手で……」

Cさん「最近、朝早く目が覚めてしまうもので、会社で読書でもしようかなと……」

特に用事がなくても、朝早くから出勤してくる社員は意外と多いものです。少しくらいなら問題ありませんが、あまり行き過ぎると、次のような困りごとが生じてしまう恐れがあります。

  • 早出のタイミングで勤怠を打刻すると、その分の賃金を支払わなければならなくなる
  • 始業前に万が一事故などが起きても、会社としてすぐには対応できない
  • 朝から空調設備を稼働させることになり、その分コストがかさんでしまう

一方で、社員にとっては「通勤ラッシュを避けられる」「朝の時間を自己啓発に充てられる」「(夏場は)涼しい時間帯に作業できる」といったメリットがあるのも事実です。そう考えると、

労務管理上のポイントをきちんと押さえたうえで、業務外の早出を認めてあげる

という選択肢も、十分に考えられるでしょう。

2 押さえておきたいのは「労働時間管理」と「安全管理」

業務外の早出を認めるかどうかを考える際に、まず押さえておきたいポイントは次の2つです。

1)労働時間管理:働いていない時間には、賃金を支払う必要はありません

業務外の早出に関しては、

基本的には労働時間には当たらず、賃金を支払う義務もありません。

これは、「ノーワーク・ノーペイの原則(働いていない時間には給料が発生しないという考え方)」にもとづくものです。ただし、完全月給制(1カ月単位で計算し、労働時間にかかわらず定額の賃金を支給する仕組み)のような例外もありますので、自社の給与体系と照らし合わせて確認しておくと安心です。

2)安全管理:業務外の早出でも、労災が認められることがあります

早出中に起きた事故でも、次のようなケースでは労災と認められる可能性があります。

  • 業務災害:業務にあたっていなくても、会社の施設や設備が原因で事故が起きた場合
  • 通勤災害:出勤日に、いつもより早く通勤している途中で事故が起きた場合

さらに、会社側に落ち度があった場合には、「社員の安全管理を怠った(安全配慮義務違反)」として行政指導の対象になったり、けがをした社員から損害賠償を求められたりするリスクもありますので、注意が必要です。

3 カギとなるのは、ルールを作って社員にしっかり伝えること

業務外の早出を認める場合には、会社がルールをはっきりと定め、社員にきちんと守ってもらう必要があります。これから紹介するようなルールを就業規則などに明文化し、社員にしっかりと周知していきましょう。

1)「事前申請」のルールで、早出をきちんと把握・区別しましょう

早出を希望する社員には、

理由を問わず「事前申請」をしてもらう

ようにしましょう(社員が早出を希望するときは、前日までに申請してもらうなど)。

その際、申請書(紙)や申請フォーム(Web)に「業務上の早出」「業務外の早出」のチェック欄を用意しておき、早出の時間については

  • 「業務上の早出」であれば、労働時間としてカウントする(賃金を支払う)
  • 「業務外の早出」であれば、労働時間としてカウントしない(賃金は支払わない)

というように、申請内容に応じて取り扱いを分けるとよいでしょう。

ただ、社員の中には、本当は業務外の早出なのに、業務上の早出だと偽って申請し、賃金を多くもらおうとするケースがあるかもしれません。その防止策として

業務上の早出をする場合には、「申請の際に業務内容もあわせて記載してもらう」「上司が成果物を確認する」

といった対応も必要になってくるでしょう。逆に、本当は業務上の早出なのに、「仕事が遅れていることを上司に知られたくない」「会社に余計な負担をかけたくない」といった理由から、業務外の早出として申請してしまう社員もいるかもしれません。こうした社員がいないかどうか、定期的に実態を確認してみることも大切です。

併せて勤怠管理システムについても、早出の時間が自動的に労働時間へ含まれてしまわないよう、設定をよく確認しておく必要があります。

2)「時差出勤制度」で、コストと柔軟性を両立させましょう

業務外の早出をする社員が増えると、社内の照明や冷暖房にかかる水道光熱費もかさんでしまいます。そこで、「時差出勤制度」の導入も検討してみるとよいでしょう。

時差出勤制度とは、所定労働時間を変えずに、始業・終業の時刻だけを変更するしくみ

です。例えば、1日の所定労働時間が8時間、休憩が1時間の社員であれば、始業・終業時刻だけを「9時始業、18時終業」から「8時始業、17時終業」に変更するようなイメージです。所定労働時間は8時間のまま変わりませんので、水道光熱費の問題も最小限に抑えることができます。なお、時差出勤制度を導入する際は、就業規則の変更・届け出が必要になりますので、忘れないようにしましょう。

さらに柔軟な制度を目指すのであれば、社員自身に始業・終業の時刻を管理してもらう「フレックスタイム制」を導入するのもひとつの方法です。ただし、「導入の要件が細かい」「社員が制度をきちんと理解し、適切に運用することが求められる」「社員の稼働する時間帯が時差出勤制度以上にばらつきやすい」といった注意点もありますので、押さえておきましょう。

3)危険な場所には、なるべく立ち入らせないようにしましょう

始業時刻前は、どうしても安全管理が手薄になりがちで、建設業や製造業では早出した社員が事故を起こしてしまうリスクが高まります(例えば、上司の目が届かないところで作業場に立ち入り、けがをしてしまうといったケースです)。

そこで、業務外の早出をする社員については、

事務室や休憩室など、安全な「待機場所」を決めておき、作業場には立ち入らせない

ようにルール化するとよいでしょう。出社してから始業までの時間は待機場所で過ごしてもらい、作業場などには立ち入らないよう、しっかりと伝えておくことが大切です。待機場所を決めることが難しい場合には、社員が行動してよい範囲をあらかじめ厳格に決めておくようにしましょう。

この他、早出のときの私物の持ち込みや、設備の利用(Wi-Fi、飲食など)に関するルールも、安全管理や情報管理の観点から整えておく必要があります。

4)場合によっては、早出そのものを禁止することも考えましょう

例えば、荒天や災害の際には、社員が「早めに出社しておこう」と考えることがありますが、それによって事故に遭ってしまうと、安全配慮義務違反として会社が責任を問われることもあります。ですから、

防災気象情報などの内容に応じて、社員に自宅待機を指示する(早出そのものを禁止する)

といった対応も必要になってくるでしょう。

以上(2026年10月更新)

pj00681
画像:SunnySide-Adobe Stock

退職金制度、このままで大丈夫? 制度の方向性は「廃止or変更」

1 退職金制度の導入率は10年間で14.7ポイント低下

中小企業の退職金制度の導入率は、2024年時点で64.2%です。2014年は78.9%だったので、10年間で14.7ポイント低下しました(東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情」)。

退職金制度の導入率の推移と退職金制度の種類の割合(%)

退職金制度には、一時金で支給する「退職一時金」、年金形式で支給する「退職年金(企業年金)」があります。中小企業の76.1%は退職一時金のみの導入で、基本的には長く働くほど金額が増える仕組みになっています。

ただ、最近は定年まで同じ会社で働き続ける人が減ってきた関係で、従来の退職金制度が実情に合わなくなってきている面は否定できません。とはいえ、経営者としては「従業員の頑張りに、何らかの形で報いたい」という思いもあるでしょう。

そこで、この記事では、退職金制度の見直しの方向性として、

1.退職金制度の廃止(制度を廃止して賃金に上乗せするなど)

2.退職金制度の変更(支払いの負担が少ない制度などに移行する)

の2つを紹介します。

2 退職金制度の廃止の方向性

1)退職金前払い制度

退職金制度を廃止して、その分を賃金に上乗せする方法です。次のように、「会社に勤め続けるか分からないから、それなら賃金が増えたほうがよい」と考える社員に寄り添ったものになります。

また、「今の収入を増やして運用に回したい」と考えている従業員がいれば、そのニーズに対応できます。

退職金前払い制度の背景にある社員と経営者の想い

常用雇用の社員1人1カ月当たりの労働費用(社員を雇用することで発生する費用)を見てみましょう。現金給与額(賃金)と退職給付等の費用(退職金)の関係は次のようになっています。

常用雇用の社員1人1カ月当たりの労働費用

退職給付等の費用を現金給与額に回せば、他社を上回る賃金水準にすることもできるかもしれません。ただし、次のような注意点があります。

  • 賃金の上げ幅によっては、社会保険の標準報酬月額(月例賃金を一定の金額幅で区分したもの)が上がり、社員と会社の社会保険料負担が増える
  • 退職一時金には「退職所得控除」、退職年金には「公的年金等控除」という非課税枠が設けられているが、現金給与として前払いする場合、その分の金額は「給与所得」として課税対象になる(手取りがさほど増えない可能性がある)
  • 賃金に上乗せした分は、時間外労働や休日労働の割増賃金(残業代)の算定基礎にも含まれるため、残業代の単価も上がる(割増賃金の基礎から除外できるのは、家族手当・通勤手当・住宅手当など法令で限定された7種類の賃金のみ)

退職金制度を完全に廃止することで、対外的なアピールポイントが下がる

なお、退職金制度の廃止や減額は、社員にとって労働条件の「不利益変更」に当たります。原則として社員一人ひとりの合意が必要で、合意を得ずに就業規則(退職金規程)の変更だけで進める場合は、変更の必要性、社員が受ける不利益の程度、賃金への上乗せなどの代償措置、労働組合等との交渉の経緯などから見て「合理的」と認められることが条件になります。

少なくとも、廃止時点までに積み上がった退職金相当額は保全する経過措置を設けた上で、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)の意見書を添えて変更後の就業規則を労働基準監督署に届け出(常時10人以上の社員を使用する場合)、社員に周知しましょう。

2)iDeCo+(イデコプラス)

iDeCo(イデコ)とは、社員が自分で掛金を拠出して運用し、60歳以降に受け取る個人型確定拠出年金です。このiDeCoの制度の中に、

拠出限度額の範囲内(社員の掛金と会社の掛金の合計で0.5万円以上、2.3万円以下)で、iDeCoに加入する社員の掛金に追加して、会社が掛金を拠出できる「iDeCo+(イデコプラス)」

という制度があります(正式名は「中小事業主掛金納付制度」)。

会社が拠出した掛金は全額損金に算入されます。つまり、

給与扱いにならないため、標準報酬月額に影響せず、社会保険料も増えない

ということです。また、個人の運用をサポートする制度なので、通常の退職金制度より事務負担が軽くなります。

ただし、次の点に注意が必要です。

  • 対象は、社員(厚生年金の被保険者)が300人以下で、企業型確定拠出年金(企業型DC)、確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金を実施していない中小企業に限定される
  • 導入するには、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)の同意が必要になる
  • 会社が、掛金(社員拠出分と会社拠出分)をまとめて実施機関に納付する必要がある(社員拠出分の掛金は、給与天引き)

なお、iDeCoについて2点、制度改正があります。現行のルールでは、会社員(国民年金の第2号被保険者)の場合、iDeCoに加入できるのが65歳未満となっていますが、

2026年12月1日から、加入可能年齢が70歳未満に引き上げ

られることが決まっています。また、同じく

2026年12月1日から、拠出限度額が2.3万円から6.2万円

に引き上げられます。

いずれも2026年12月分の掛金(2027年1月引落し分)から反映されます。iDeCo+の掛金合計の上限(2.3万円)もこれに合わせて引き上げられる予定で、国民年金基金連合会では2026年7月から、事業主掛金を増額したい会社向けの事前受付を始めています。

■厚生労働省「2025年の制度改正(確定拠出年金)」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2025kaisei.html
■iDeCo公式サイト「お知らせ」■
https://www.ideco-koushiki.jp/news/

iDeCo+を活用することで、社内の退職金制度を廃止した後も、社員への将来に向けた補助を継続させることが可能となります。また、iDeCo+を導入していることは採用面などにおいて、自社アピールに利用することができます。

3 退職金制度の変更の方向性

中小企業が導入できる退職金制度には次のようなものがあります。それぞれ特徴があるので、支払いの負担などを考慮して、自社に合ったものを選定しましょう。

退職金制度の主な種類

退職金制度の選択肢は、退職一時金と退職年金のどちらを採用するか、または併用するかです。支払いの負担を考えると、年金形式で支給する退職年金は、退職一時金に比べて負担を平準化しやすいメリットがあります。一方で、退職年金には「60歳以降など、一定の年齢にならないと引き出せない」というルールがあり、退職金を早くもらいたい社員からは敬遠されるかもしれません。

また、退職金の準備を自社で行うか、外部機関で行うかも重要です。例えば、中小企業退職金共済制度を利用していない場合、中小企業は自社で引当金を積むケースが多いですが、その場合、損金算入が認められません。一方、外部機関に積み立てる場合、損金に算入できる部分があるため、税法上のメリットがあります。

外部機関の代表例が中小企業退職金共済制度(中退共)です。掛金は全額が損金(個人事業主は必要経費)になる上、新規加入時には掛金月額の2分の1(社員1人当たり上限5000円)を加入後4カ月目から1年間、月額1万8000円以下の掛金を増額した場合には増額分の3分の1を1年間、国が助成します。退職金制度の変更先として検討する際は、この助成も織り込んで負担を試算しましょう。

■中小企業退職金共済事業本部「制度の特色」■
https://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/kentou/seido/seido02.html

退職金制度の種類は、どれも一長一短です。1つの退職金制度に絞り込むのではなく、退職金前払い制度なども含め、複数の仕組みを組み合わせるのも一策です。

なお、図表4のうち、企業型確定拠出年金(企業型DC)について1点、制度改正があります。企業型DCには、会社が拠出している掛金に、社員自身が掛金を上乗せすることができる「マッチング拠出」という仕組みがあります。かつては、社員の掛金が会社の掛金を超えられないという制限がありましたが、

2026年4月1日から、この掛金に関する制限は撤廃

されています。これにより、余裕があれば多くの掛金を拠出できるようになりました。

また、税務面でも2026年1月1日から退職金に関する改正が施行されています。企業型DCやiDeCoの一時金を2026年1月1日以後に受け取り、その翌年以降に会社の退職一時金を受け取る場合、受け取る年の前年以前9年内(改正前は4年内)に受け取ったDCの一時金が退職所得控除の重複調整の対象になりました(いわゆる「5年ルール」から「10年ルール」への見直し)。併せて、会社が2026年1月1日以後に支払う退職金については、受給者全員分の「退職所得の源泉徴収票」を税務署に提出することになったため、退職金の支払事務も見直しておきましょう。

■国税庁「源泉徴収のあらまし(令和8年版)税制改正等の内容」■
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2026/pdf/01.pdf

4 廃止と制度変更の「折衷案」

ここまで、退職金制度の廃止と変更の方向性について考えてきましたが「折衷案」として、

賃上げと退職金制度の縮小を同時に実施する

という方法もあります。

退職金制度の見直しの方向性(2つの方向性)

例えば、企業型DCを導入している場合、

賃金の一部を、引き続き賃金(手当など)として受け取るか、企業型DCの掛金にするかを社員が選択できる「選択制DC」

という制度があります。今の収入を多くしたい社員などは賃金として受け取り、将来に備えたい社員などは掛金にすることを選択します。掛金にすることを選択した場合、当然賃金は減りますが、その分、社会保険料負担なども下がる可能性があります。

ただし、掛金に回した分だけ標準報酬月額や雇用保険の賃金額が下がるため、将来の老齢厚生年金のほか、傷病手当金・出産手当金、雇用保険の基本手当・育児休業給付などの給付額も下がる可能性があります。選択制DCを導入する際は、こうしたデメリットも含めて社員に説明し、説明した記録を残しておくことが、後々のトラブル防止につながります。

■厚生労働省「確定拠出年金制度」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/index.html

退職金前払い制度に似ていますが、こちらは社員に受け取り方の選択肢を与えることで、実質的に賃上げと退職金制度の縮小を同時に実施するイメージです。

以上(2026年10月更新)
(監修 社会保険労務士 柴田充輝)

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経営者が知っておきたい 「褒めて伸ばす」技術

1 会社と社員の関係が変わってきた

「褒める」という行為が、改めて注目されています。もはや「厳しい指導も社員のため」という感覚は、多くの職場で通用しなくなりました。パワハラ相談が表面化するだけならまだしも、今、経営者にとってより厄介なのは、

反発すらせず、静かに心を離していく社員

の存在です。“静かな離職”と呼ばれるこの現象では、社員は不満を口にすることも、会社を辞めることもしません。しかし、必要最低限の仕事だけをこなし、それ以上の工夫や提案をしようとはしなくなります。不満をぶつけてくれるならまだ対処のしようがありますが、何も言わずに熱意だけが失われていく状態は、経営者にとって気付きにくく、それだけに深刻です。

こうした状態が進むと、現場で起きている小さな異常や改善のヒントが、経営層に上がってこなくなります。

言いたいことを言えない組織は、変化に気付けない組織になる

のです。売り上げや業績の数字にはまだ表れていなくても、水面下で組織の対応力は静かに失われていきます。

厳しい経営環境を勝ち抜くためには、社員を萎縮させるのではなく、伸び伸びと意見を言い、働いてもらうことが必要です。そして、そのきっかけとなるのが「褒める」という行為です。それも、

「具体的に、タイミングよく、全力で」褒める!

というのが大切です。ただし、褒めることは、社員に甘くする、何でも受け入れる、ということではありません。基準を曖昧にしたまま褒めるだけでは、単なる馴れ合いになってしまいます。褒めると同時に、評価の基準を明確にしておくこと。これこそが、社員が安心して意見を言える職場をつくる土台になります。以降で、褒めることについて少し掘り下げて考えていきましょう。

2 具体的に褒める

まず、経営者は

社員がいなければ会社は成り立たない

ことを認識し、感謝の気持ちを社員に伝えましょう。「よく頑張っているね」「いつもありがとう」といった声掛けをするのです。会社の規模にもよりますが、社員にとって経営者は遠い存在です。経営者が思っているよりもずっとです。そのような経営者から肯定的な言葉を掛けられれば、うれしくなり、声掛けの内容が漠然としたものであっても、「褒められた、認められた」と感じるはずです。

ここから一歩進んで全力で褒めるために、自社の管理職をお手本にしてみましょう。管理職は現場で部下を指導し、細かなことも把握しています。そして、管理職は部下が自分の教えた通りに、あるいは期待を超える成果を上げたときに褒め、逆の場合は叱ります。つまり、管理職が褒めたり叱ったりすることは、社員の仕事と連動した具体的な内容になっています。

例えば、社員がプロジェクトに成功した場合、

  • 経営者は「よくやった!」と声掛けします。
  • 管理職は「君がお客様から『○○があればいいな』という一言を引き出し、それに真剣に向き合ったからだ。よくやった!」といったように具体的に褒めます。

大切なポイントは、「相手が褒めてほしい、認めてほしい」と思っている部分を的確に捉えていることなのです。

3 基準を明確にし、タイミングよく褒める

社員とのコミュニケーションを深めたとしても、経営者が全社員の仕事を細かく把握することはできません。それに、経営者が社員とのコミュニケーションばかりに時間をかけることもできません。そこで、経営者は褒める基準と叱る基準を明確にしておきましょう。

例えば、

「イエスマンは評価しません。意見や、“異見”を言ってくれる社員を評価します」

と宣言し、実際にそのようにします。こうすることで、経営者の“ご機嫌取り”をして、褒められようとする社員のムダな行動を排除することもできます。

また、褒めるタイミングも大事です。1年前の成功でも褒められればうれしいものですが、成功直後ほどの効果はありません。

仕事に成功した社員を褒めるなら、社員の気分が高揚しているときが一番よい

のです。

4 褒める組織をつくる

社員をよく褒める経営者が率いる会社では、管理職も同じように部下のことをよく褒めるようになります。また、社員は経営者の人柄をよく見ています。いくら経営者が全力で褒めたとしても、そもそも社員に尊敬されていなければ、社員の心の琴線に触れることはできません。

そのため経営者は、仕事はもちろん、公私ともに“全力”で率先垂範し、ちょっとした声掛けであっても、社員が「尊敬する経営者に声を掛けてもらえた!」と思えるほどの存在になれるよう努力しなければなりません。

以上(2026年11月更新)

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令和7年分の平均給与は487万円。5年連続最高値を更新【経営者とっておきニュース】

国税庁が公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、2025年12月31日現在の民間給与所得者数は6080万人(対前年比0.0%増、2万人の増加)となり、1年を通じて勤務した給与所得者5163万人の平均給与は487万円(対前年比1.9%増、9万1000円の増加)を記録しました。

平均給与は5年連続で増加し、過去最高を更新。物価上昇や深刻な人手不足を背景とした賃上げの動きが広がりを見せており、民間の事業所が支払った給与の総額は247兆6479億円(同2.6%増)に達し、源泉徴収された所得税額は13兆1262億円(同17.4%増)と大きく増加しています。

雇用形態別では、正社員の平均給与が559万円(対前年比2.6%増)であるのに対し、正社員以外(パート・アルバイトなど)は210万円(同1.6%増)となっており、雇用形態による格差が存在します。

また、業種間の格差も鮮明です。最も平均給与が高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の854万円、次いで「金融業、保険業」の726万円である一方、最も低い「宿泊業、飲食サービス業」は276万円にとどまっています。このように、価格転嫁のしやすいインフラセクター等と、個人向けサービス業との間で収益力および賃上げの余力に大きな開きが生じています。

地域経済においては、物価高への対応として賃上げが不可欠である一方、中小企業の現場では労働力確保のための人件費高騰が経営を圧迫する課題も浮き彫りになっています。

今後、人材獲得競争の激化に伴い、企業規模や業種を問わず処遇改善への圧力は継続すると予測されます。一方で、賃上げ原資を容易に確保できない中小企業においては、単なる一律の給与引き上げではなく、業務効率化やデジタル技術の活用による生産性向上、高付加価値化への転換が急務となります。

自社の賃金水準が業界平均の中でどう位置付けられているかを客観的に把握し、「賃上げに見合う生産性の向上策をいかにデザインするか」という視点を経営戦略に組み込むことが極めて重要です。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」■
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2025/pdf/2025_001.pdf

以上(2026年10月作成)

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2026年阪神タイガース優勝。全国で1000億円超の経済効果!【経営者とっておきニュース】

プロ野球セ・リーグで阪神タイガースが球団初のリーグ連覇を果たしました。関西大学の宮本勝浩名誉教授が2026年10月5日に発表した最新の試算によると、2026年の阪神タイガース優勝に伴う経済効果は、全国で約1051億1105万円に達することが明らかになりました。

その内訳を見ると、関西地域における経済効果が約945億9995万円を占めており、地元経済への強力なインパクトが示されています。国内外の政治や経済の先行きの不透明感が増す現代社会において、スポーツが持つ熱狂や社会的波及効果の大きさが改めて浮き彫りとなりました。

プロ野球チームの優勝という一大イベントは、地域社会や関連産業に多大な経済的恩恵をもたらします。具体的には、ファンによる関連グッズの購買意欲の高まり、百貨店や商業施設での優勝記念セールの開催、さらには飲食店や宿泊施設などでのサービス利用の急増など、広範囲にわたる消費活動が活発化します。

特に今回の試算で全体の大部分を関西地域が占めている通り、地元の中小企業や小売・飲食業、サプライチェーン全体にとって、この盛り上がりは大きな売上向上のチャンスとなります。日常の景気停滞感を吹き飛ばす起爆剤として、地域経済を力強く下支えするメリットがある一方で、こうした特需が一過性で終わってしまうリスクや、過度な期待による在庫管理・人員配置の課題なども存在します。企業側は、単なる一時的な売上増に甘んじるのではなく、これを契機にいかに新規顧客を固定客化し、中長期的なファンコミュニティを構築するかという経営戦略が問われることになります。

今回のニュースは、スポーツが持つ経済的価値の高さを示すと同時に、人々の心理を高揚させ、閉塞感を打破するための強力なツールであることを示しています。宮本名誉教授が「スポーツを通じて世界の人々の心を一つにすることが大切である」と述べているように、経済的な側面を超えた精神的な連帯感の醸成こそが、現在の社会において大きな意義を持っています。

こうした地域特有の熱気や文化的イベントを自社のビジネスやマーケティングにどう接続するかという視点は非常に有益です。自社の所在地やターゲット層の文脈に合わせ、単なるブームへの便乗に留まらず、地域や顧客と一体となった「共創的な価値提供」を意識することが、今後の不確実性の高い市場を生き抜くための重要な教訓となります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■関西大学「『宮本勝浩 関西大学名誉教授が推定。2026年阪神タイガース優勝の経済効果』を配信」■
https://www.kansai-u.ac.jp/ja/about/pr/pressrelease_top/2026/10/post_94262.html

以上(2026年10月作成)

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ノーベル化学賞の不斉合成技術 中小企業の好機となるか?【経営者とっておきニュース】

スウェーデン王立科学アカデミーは2026年10月7日、今年のノーベル化学賞を東京理科大学の硤合憲三(そあい けんそう)名誉教授ら2氏に授与すると発表しました。

受賞理由は「不斉有機合成における非線形効果と自己触媒作用の発見」です。これは、成分は同じでも鏡写しの関係にある分子のうち、一方の分子だけを効率よく作り出す現象に関する画期的な研究であり、1世紀以上にわたる化学の謎を解き明かした偉業として世界中から高く評価されています。

なぜ、この研究がこれほど注目されているのでしょうか。その背景には、医薬品などの開発において、分子の「向き」が薬効や安全性に決定的な影響を与えるという事実があります。人間の身体は非常に繊細であり、分子の向きが少し違うだけで、期待される効果が出なかったり副作用が起きたりします。そのため、狙った向きの分子だけを高純度に作り分ける技術が極めて重要視されてきました。

この技術革新は、特に、ものづくりを担う中小企業や化学関連の事業者にとって、高付加価値な医療・先端材料分野へ参入する好機となるかもしれません。一方で、高度な生産ノウハウの導入や品質管理の徹底など、新たな投資や技術的適応が求められるという課題もあります。地域の中小企業がこの波に乗り遅れないためには、大学などの研究機関との連携を強め、先進的な知見をいち早く取り入れる体制づくりが急務となります。

今後は、今回の受賞をきっかけに基礎研究の成果が産業応用へと加速することが予見されます。環境に配慮した製造プロセスや、新しい機能性材料の開発が進み、幅広い市場でイノベーションが起きるでしょう。

自社の既存の枠組みに固執せず、最先端の科学や技術のトレンドにアンテナを張り、自社の強みとどう掛け合わせるかを模索し続ける姿勢が重要です。明日からのビジネスにおいて、外部の大きな変化の波を察知し、柔軟に対応する視点を持つことが、企業の持続的な成長を切り開くカギとなります。


【ご注意点】この記事は生成AIを活用して作成したものです。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。詳細については参照URLの情報を必ずご確認ください。
■東京理科大学「本学硤合憲三名誉教授がノーベル化学賞を受賞」■
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20261007_3541.html

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