少しだけ未来を見る、経営者のための月次ニュースレターです。2026年8月、経営者が押さえておきたい法令・イベント・統計・政策の動きなどを紹介します。
1 制度改正編
8月に予定されている制度改正のうち、中小企業経営者が特に注意すべき2本を紹介します。
1)猶予措置終了で、従来の健康保険証は利用不可に(2026年8月1日~)
従来の健康保険証は、2024年12月2日以降新たに発行されなくなり、マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)を基本とする仕組みに移行しています。
従来の健康保険証の有効期限は2025年12月1日まででしたが、猶予措置のおかげで、有効期限切れに気付かずに医療機関の窓口に持参した場合でも利用は可能でした。この猶予措置が終了し、2026年8月1日以降、従来の健康保険証を持参しても、医療機関の窓口では「保険証を忘れた人」と同じ扱いになり、一時的に医療費の全額を自己負担しなければならなくなります。
▶ 経営者のTo Do
- 医療機関を受診する際は、「マイナ保険証」または「資格確認証」を持参するように社員にあらためて通知し、医療機関と間で無用のトラブルを起こさないように注意を促す
- 医療費の全額を負担したときは、健保組合(協会けんぽなど)に請求することで、療養費として一部負担金などを除いた額の払い戻しが受けられることを、社員に伝える
■厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html
2)高額療養費制度の見直し(2026年8月1日~)
2026年8月1日以降、大きな手術や入院をした場合に1カ月に支払う医療費の上限額(自己負担限度額)が引き上げられます。例えば、年収約370万~770万円(70歳未満)の場合、現行制度では
自己負担限度額=80,100円 +(総医療費-267,000円)× 0.01
で計算しますが、2026年8月からは「80,100円」の部分が「85,800円」に引き上げられます。
一方、新たに「年間上限額」が設けられ、例えば、年収約370万~770万円(70歳未満)の場合、医療費の累計が「年53万円」に達した後は、それ以上の医療費については、保険者から還付を受けることができます。
高額療養費制度の見直しは2段階で行われる予定で、2027年8月1日からは住民税非課税世帯を除く年収区分がさらに細分化されます。
なお、医療機関の窓口で「マイナ保険証」を提示して、同意すると、自動的に新しい上限額までの支払いにとどめられます。
▶ 経営者のTo Do
- 社員から、本人や家族の入院・手術について相談された場合に、「マイナ保険証」の活用をアドバイスできるよう総務担当に共有する
- 来年8月の高額療養費制度の見直し第2弾による負担上限額のさらなる引き上げに備えて、民間の医療保険への加入や保障額の見直しを検討する
■厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
2 イベント編
1)サッカー・Jリーグ2026/27シーズン開幕
スペイン代表チームの優勝で幕を閉じたワールドカップの興奮も冷めやらぬ中、2026/27シーズンのJリーグ(J1・J2・J3)は、欧州主要リーグに合わせたシーズン移行に伴い、8月7日に開幕します。
J1は8月7日の横浜F・マリノス vs. 鹿島アントラーズ(MUFG国立)を皮切りに、来年6月6日まで熱戦が繰り広げられます。
■Jリーグ公式サイト■
https://www.jleague.jp/
2)各地で開催される花火大会、夏祭り、伝統行事
お盆休み・夏休みシーズン、帰省や行楽で国内の人流・観光消費はピークを迎えます。各地で開催される花火大会、夏祭り、伝統行事も多くの人で賑わうでしょう。
(図表1)【2026年8月に開催予定の花火大会、夏祭り、伝統行事の例】
| 名称 | 開催日程(予定) | URL |
|---|---|---|
| 盛岡さんさ踊り | 8月1日~8月4日 | https://sansaodori.jp/ |
| 松江水郷祭 湖上花火大会 | 8月1日~8月2日 | https://www.suigosai.com/ |
| 青森ねぶた祭 | 8月2日~8月7日 | https://www.nebuta.jp/ |
| 長岡まつり大花火大会 | 8月2日~8月3日 | https://nagaokamatsuri.com/ |
| 秋田竿燈まつり | 8月3日~8月6日 | https://www.kantou.gr.jp/ |
| 山形花笠まつり | 8月5日~8月7日 | https://www.hanagasa.jp/ |
| 仙台七夕まつり | 8月6日~8月8日 | https://www.sendaitanabata.com/ |
| びわ湖大花火大会 | 8月8日 | https://www.biwako-visitors.jp/hanabi |
| よさこい祭り | 8月9日~8月12日 | http://www.cciweb.or.jp/kochi/yosakoiweb/ |
| 徳島阿波おどり | 8月12日~8月15日 | https://www.awaodorimirai.com/ |
| 勝毎花火大会 | 8月13日 | https://kachimai-hanabi.com/ |
| 関門海峡花火大会(下関) | 8月13日 | http://shimonoseki21c.jp/hanabi.html |
| 〃 (門司港) | https://www.kanmon-hanabi.love/ | |
| 諏訪湖祭湖上花火大会 | 8月15日 | https://suwako-hanabi.com/ |
| 長崎精霊流し | 8月15日 | https://www.at-nagasaki.jp/event/51798 |
| 京都五山送り火 | 8月16日 | https://gozan-okuribi.com/2022/ja/top.html |
| 熊野大花火大会 | 8月17日 | https://www.kumano-kankou.info/kumano-fireworks/ |
| 大曲の花火 | 8月29日 | https://www.omagari-hanabi.com/ |
(出所:各イベントのウェブサイトを基に作成)
3)第37回半導体物理国際会議(ICPS2026)
2026年8月16日~8月21日まで、東京・新宿の京王プラザホテルで開催される国際会議で、現代の情報通信や量子技術を支える半導体物理の最先端研究が議論されます。1950年代から続く伝統ある会議で、26年ぶり4回目の日本開催となります。
■ICPS2026 公式ウェブサイト■
https://icps2026.jp/
3 統計・政策情報編
2026年8月は、毎月公表される「消費者物価指数」について、5年に1度の基準改定(ウエイトの見直し)が行われた結果が公表されるほか、「経済財政白書」「地域別最低賃金」などが公表される見込みです。図表2に、本章で取り上げる統計・政策文書の一覧を示します。

1)消費者物価指数(CPI)2025年基準改定
消費者物価指数(CPI)自体は毎月公表されますが、2026年8月には、5年に1度の基準改定(ウエイトの見直し)が行われ、2025年基準による遡及結果(2025年1月分~2026年6月分)が8月7日に、2026年7月分が8月21日に公表されます。
■総務省統計局「消費者物価指数(CPI) 2025年基準改定について」■
https://www.stat.go.jp/data/cpi/2025/sokyu.html
2)経済財政白書
日本経済が今どのような状態にあるのか(インフレ、人手不足、物価高など)を、膨大なデータと経済学的な分析を用いて詳しく解説した「経済財政白書」が8月上旬までに公表される見込みです。
7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026」(いわゆる「骨太方針」)で打ち出された積極財政路線の裏付けとなる「長年の投資不足」や「賃上げの持続性」について、より詳細なデータ分析が展開される見通しです。
※次のURLは、更新されるまで「令和7年度までの白書等」が掲載されます。
■内閣府「白書等(経済財政白書、世界経済の潮流、地域課題分析レポート等)」■
https://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html
3)地域別最低賃金の全国一覧
7月末に国(中央最低賃金審議会)が示した引き上げ目安に基づき、各都道府県が10月発効の地域別最低賃金の額を決定・公表する予定です(一部11~3月の発効となる場合があります)。
※次のURLは、更新されるまで「令和7年度地域別最低賃金の全国一覧」が掲載されます。
■厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
4 話題のタネ
訪問時の雑談のきっかけに。8月ならではのトピックを集めました。
1)いつまで「暑中見舞い」で、いつから「残暑見舞い」?
連日の「猛暑日」「酷暑日」と暑い日が続く中、二十四節気の「立秋」を過ぎると、暦の上では秋となります。手紙やメールの挨拶は「暑中見舞い」から「残暑見舞い」へと切り替わります。2026年の「立秋」は8月7日です。
■国立国会図書館レファレンス協同データベース「暑中見舞いと残暑見舞いの区切りはどこか。」■
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000198654
■国立天文台「ほしぞら情報2026年8月」■
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/08.html
2)「山の日」と御巣鷹山の悲劇
毎年8月11日は「山の日」。2014年の祝日法改正によって、2016年から設けられた最も新しい国民の祝日で、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日です。
当時の祝日法改正に向けた議論では「お盆休みと繋げやすいように」と、当初は8月12日にする案が有力でした。しかし、8月12日は1985年に起きた「日航機墜落事故(御巣鷹山の悲劇)」と同じ日であることから、当時の群馬県知事や県内選出の国会議員らが、お祝い事とするにはふさわしくないと異論をとなえ、前日の11日に決定したという経緯があります。
■政府広報オンライン「2026年の祝日は?知ってそうで知らない『国民の祝日』とその趣旨や経緯」■
https://www.gov-online.go.jp/article/202112/entry-9910.html
■日本経済新聞「『山の日』制定、日付見直しを 群馬知事が8月12日に反対」(2013年11月6日)■
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0603B_W3A101C1CR8000/
以上(2026年7月作成)
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画像:日本情報マート
















