【動画で学ぼう】入社3〜5年目の中堅社員に必要な部下対応

中小企業にとって中堅社員は組織の要であり、皆さんの成長こそが企業の成長につながります!「半歩先行く中堅社員」シリーズは、そのためのエッセンスをまとめた15本のシリーズです。
今回、新たに動画版の公開をスタートしましたので、ぜひ、参考にしてみてください。

1 おごってくれない上司を、部下はケチだと思うか?

大切なのはコミュニケーションの質! 「上司はおごるもの」という強迫観念から解放され、「おごるか否かの基準」を設けましょう。

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2 定時退社の上司に、部下はついていけるのか?

中堅社員は、仕事ができて“愛”のある上司を目指していきましょう!ただし、「依存と自立」のバランスを忘れずに。

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3 「決められる部下」を育てるには?

「決められる部下」を育てるには、部下に意思決定の経験を積ませつつ、権限委譲することが大切。仕事の意味づけも忘れずに!

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動画制作
アーティスソリューションズ
https://www.artis-sol.co.jp/index.html

以上(2026年3月作成)

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画像:Eriko Nonaka

副業社員の「残業代」を負担するのは自社か副業先か?

1 副業社員の労働時間はどう管理する?

働き方改革が進み、中小企業でも社員の「副業」を認めるケースが増えてきています。本業がおろそかになる、副業先に社員を引き抜かれてしまうなどといったネガティブなイメージよりも、人手不足の解消や社員のスキルアップなど前向きな捉え方が浸透しつつあるのです。

一方、副業には通常と異なる労務管理のルールがあるので、この記事では基本となる労働時間管理を取り上げます。ポイントは次の3点です。

  • 自社と副業先での労働時間は通算される
  • 残業代の支払い義務は「労働契約の締結時期」と「実際の労働順序」で判断する
  • 「管理モデル」を活用すれば、実労働時間の把握負担を軽減できる

副業特有の労務管理のルールについて詳しく知りたい場合、次のURLの厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」も併せてご確認ください。

■厚生労働省「副業・兼業」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

2 自社と副業先で労働時間を通算

労働基準法(以下「労基法」)では、事業場(就業場所)が異なる場合(これには使用者が異なる場合も含まれると解釈されます)、その労働時間を通算して規定を適用します。例えば、

自社で8時間、副業先で4時間働いたら、12時間(8時間+4時間)働いた

ものとして扱います。

ただし、このルールが適用されるのは「労基法上、労働時間規制が適用される社員」に限られるため、次に該当する場合は通算されません。

  • 労基法が適用されないケース:フリーランス、独立、起業、共同経営、アドバイザー、コンサルタント、顧問、理事、監事など
  • 労基法は適用されるが労働時間制度が適用されない場合:農業・畜産業・養蚕業・水産業、管理監督者・機密事務取扱者、監視・断続的労働者、高度プロフェッショナル制度の対象者など

3 残業代の支払い義務は「労働契約の締結時期」と「実際の労働順序」で判断する

労働時間を通算する場合、気になるのは、

自社と副業先のどちらが残業代を支払うのか

ですが、これは労働契約の締結順と所定外労働が行われた順で判断します。簡単に言うと、原則として次の順番で労働時間を通算することになります。

  • 所定労働時間を「先に契約をした会社→後に契約をした会社の順」に通算する
  • 所定外労働時間を「実際に所定外労働が行われる順」に通算する

1)所定労働時間を「先に契約をした会社→後に契約をした会社の順」に通算する

まず、

自社が副業先よりも早く社員と労働契約を締結していれば、「自社の所定労働時間→副業先の所定労働時間」の順で通算し、法定労働時間を超えていれば、副業先で時間外労働が発生(逆の場合は、自社で時間外労働が発生)

します。

図表1は、1日の所定労働時間(就業規則に定める労働時間)が8時間の社員が、新たに副業先と1日の所定労働時間が4時間の労働契約を締結したイメージです。

労働契約の締結時期と時間外労働の関係

2)所定外労働時間を「実際に所定外労働が行われる順」に通算する

次に、

自社と副業先の所定労働時間を通算に加えて、所定外労働時間がある場合には、実際に所定外労働が行われる順に通算し、法定労働時間を超えたら時間外労働が発生

します。

図表2は自社と副業先の所定労働時間が共に1日4時間の社員が、自社で5時間、副業先で5時間働いた場合のイメージです。

自社と副業先の所定労働時間

自社と副業先の所定労働時間は通算8時間(4時間+4時間)で、すでに法定労働時間(原則として、1日8時間、週40時間)に達しています。ここで社員の労働時間を延長した場合、自社で1時間(5時間-4時間)、副業先で1時間(5時間-4時間)の時間外労働が発生します。

3)足元では「労働時間の通算ルール」を見直す方向で議論が進行中

以上が原則的な「労働時間の通算ルール」ですが、実は政府内ではこのルールを見直す方向で議論が進められています。簡単に言うと、

割増賃金を算定する際、本業先と副業先の労働時間を通算しない運用にする

ことが検討されています。

1)と2)のルールを運用するには、本業先と副業・兼業先がお互いの会社の労働時間を正確に把握する必要があり、会社の負担が大きすぎるのではないかと懸念されているのです。政府は労働時間の通算ルールの規制を緩和することで、全国的に副業を促進しようと考えているようです。

4 「管理モデル」を活用すれば、実労働時間の把握負担を軽減できる

前章の3)の「労働時間の通算ルール」はあくまで議論中の段階ですが、実は現行のルールでも、

副業先での実労働時間を把握しなくても、労基法を遵守できる労働時間管理の方法があります。いわゆる「管理モデル」を使用する場合

です。ガイドラインでは、

自社と副業先がそれぞれ時間外労働の上限を設定し、社員がその範囲内で働く場合、互いの実労働時間を把握しなくても労基法を遵守できる

とされています。これが管理モデルです。具体的には、

労働時間を通算した際に、時間外労働(休日労働を含む)が単月100時間未満、2~6カ月平均80時間以内となるよう、自社と副業先がそれぞれ時間外労働の上限を設定

します。なお、この単月100時間未満、2~6カ月平均80時間以内というのは、労基法で定められている時間外労働の上限です。

例えば、図表3は所定労働時間が共に1日4時間の自社と副業先が、1日単位・1カ月単位(20日稼働)でそれぞれ時間外労働の上限を設定する場合のイメージです。

管理モデルのイメージ

社員の時間外労働の上限は1カ月単位で通算60時間(3時間×20日)です。社員がこの上限を守って6カ月間働く場合、時間外労働は通算で単月100時間未満、2~6カ月平均80時間以内に収まるので、自社と副業先は互いの実労働時間を把握しなくてもよいということです。なお、管理モデルを採用したとしても、割増賃金の支払いは免れません。自社では法定労働時間を超えた部分について割増賃金を支払う必要があり、また、副業先は副業先の労働時間全体を時間外労働として計算し、割増賃金を支払うことになります。

また、当然のことながら、それぞれの会社の時間外労働の上限については、事前に社員を通じて共有しておかないと、管理モデルが正しく機能しません。また、副業・兼業先に対して、直接または社員を通じて、管理モデルを適用することを提案する必要があります。

以上(2026年3月更新)
(監修 TMI総合法律事務所 弁護士 池田絹助)

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画像:takasu-Adobe Stock

【業務効率化】Wordでできる!? 音声データから議事録作成

1 議事録作成は、もはや「生成AI」の利用が前提に

会議につきものの議事録作成ですが、「Zoom」「Microsoft Teams」「Google Meet」といったオンライン会議ツールが普及した今では、会議中にリアルタイムで発言をテキスト化し、生成AIで要約を自動作成し、議事録として共有することも当たり前のようになっています。

こうしたオンライン会議ツールを利用していない場合、多くの会社で使われている Word for Microsoft 365が役に立ちます。あまり知られていないかもしれませんが、

Wordの「トランスクリプト機能」を使って、音声ファイルから文字起こしすることが可能

です。トランスクリプト機能は、発話者を個別に区切って音声をテキストに変換するものです。この記事では、Windows PCを使う前提で、事前に録音した音声ファイルをアップロードし、トランスクリプト機能を使って文字起こしする方法を紹介します。

2 音声ファイルのアップロードから文字起こしまで

1)音声ファイルのサンプル

ここでは政府広報オンライン「音声広報CD『明日への声』令和8年(2026年)1月発行」に収載されている「リチウムイオン電池、誤った捨て方で火災に!」(onseicd_202601_04.mp3)を音声ファイルのサンプルとして使用することとし、あらかじめダウンロードしておきます。

政府広報オンライン 「音声広報CD 『明日への声』令和8年(2026年)1月発行」
https://www.gov-online.go.jp/media/cd/202601/

2)Wordの [ホーム] タブ画面

Wordを起動し、[ホーム]タブ画面の「ディクテーション」のドロップダウンから「トランスクリプト」をクリックします。

文字起こしの手順

「音声をアップロード」をクリックすると、エクスプローラー画面が開きます。なお、「録音を開始」をクリックすると、Wordで直接録音した音声ファイルを使うことができますが、詳細は割愛します。

エクスプローラー画面で、あらかじめダウンロードしておいた音声ファイルを選択して[開く]をクリックします。

文字起こしの手順

しばらく待ちます。

文字起こしの手順

文字起こし結果が表示されます。「ドキュメントに追加」をクリックすると、「テキストのみ」「話者」「タイムスタンプを使用する」「話者とタイムスタンプ」の4つから選択してWord文書に追加できます。

文字起こしの手順

Microsoft 「レコーディングの文字起こし」
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/-7fc2efec-245e-45f0-b053-2a97531ecf57

3 音声ファイルから文字起こしして議事録を作成するポイント

1)いかにクリアな音質の音声ファイルを用意するか

前章でサンプルとして使用した音声ファイルは、クリアな音質でしたが、こうした音声ファイルを実際の会議で録音できるかどうかは、事前に何度か試してみる必要があります。音質は、録音機材、特にマイクの性能に依存するので、品質に定評のあるものを選ぶようにしましょう。ノイズキャンセリング機能を搭載したものや、周囲の雑音を拾いにくい指向性マイクを使うのも良いかもしれません。

2)生成AIでの文字起こしや要約を鵜呑みにしない

実際の会議では、そのまま文字起こしすると「えーっと」「あの」「ちょっと」などのフィラー(つなぎ言葉)が目立つかもしれません。このあたりは、生成AIを上手に使うことで相当な部分が解決できます。

一方、雑音や複数の話者の発言が重なることで文字起こし自体に誤りがあったり、固有名詞や専門用語をAIが認識できなかったりすることもしばしばです。生成AIは、会議内容を誤解したり、存在しない情報を捏造したりして、誤った議事録を作成してしまう恐れもあります。最終的な情報の正確性は人間が担保する必要があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Golubovy-shutterstock

【無料】100人以上が参加した「カスハラ対策」セミナー アーカイブ動画を限定公開

大好評だった「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策」セミナー(2026年3月10日開催)のアーカイブ動画を特別に無料で公開します!

講師は、日本ハラスメントカウンセラー協会顧問である弁護士 坂東 利国先生です。

寸劇を交えながらカスハラとその対策の基本をお話します。

1時間5分以降は質疑応答で、下記の内容にハッキリと答えています。

  • カスハラと思われる相手を出禁にしていいの?その判断基準は?
  • いざというとき、誰に相談するのがいい?
  • 相手とのやり取りを無断で録音しても問題ない?

セミナーアーカイブ動画は下記URL。期間限定で5月末までご覧いただけます。(画像をクリックしていただくと、YouTubeに遷移します)


以上(2026年3月12日時点)

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画像:日本情報マート

「やまがた未来(みら)くる人材&外国人材活用セミナー」開催リポート

2025年12月15日、きらやか銀行は、

「やまがた未来(みら)くる人材&外国人材活用セミナー」~“人材支援”で地域課題を解決~

を開催しました!

セミナーの様子

本セミナーは、きらやか銀行が山形県の後援を受け、キャプラスクインターナショナル合同会社との共催で行われました。

副業・兼業プロ人材マッチング支援の状況や、全国でも年年拡大している外国人材受け入れの事例、鍵となるポイントは何か、人口減少時代にどのように対応していくかなどを紹介し、さまざまな質疑応答も出て、非常に充実した活気あふれる時間となりました。

当日の、セミナーの様子をご紹介します!

■やまがた未来くる人材活用事業を通じた山形県のプロ人材マッチング支援について

セミナーの様子

セミナーの様子

山形県みらい企画想像部 移住定住・地域活力拡大課 渡会 崇 氏

■県内企業における外国人材活用事例について

セミナーの様子

セミナーの様子

キャプラスクインターナショナル合同会社 代表 森岡 拓也 氏

■質疑応答の様子

セミナーの様子

きらやか銀行では、これからも人材・事業承継・DXという3本柱でセミナーの開催やご相談へのコンサルティング、きらやか情報ステーションでのコンテンツ公開・情報ご提供など、お客さまのニーズに寄り添った支援をしていきます。

ぜひ、ご活用いただけますと幸いです。

以上(2026年3月作成)

「きらやか銀行×GSX サイバーセキュリティセミナー」開催リポート

2025年11月5日、

「きらやか銀行×GSX サイバーセキュリティセミナー事業継続に影響を及ぼすサイバー攻撃の脅威から経営リスクとしてどう取り組むべきか」

を開催しました!サイバー攻撃や詐欺メールの懸念が増えていることもあり、70名以上の方々にリアル参加いただき、オンラインも含めると200名以上と多くの方にご参加いただきました。

セミナーの様子

本セミナーは、きらやか銀行と、サイバーセキュリティサービスを提供しているグローバルセキュリティエキスパート(GSX)との共催で行われました。

当日の登壇者と、セミナーの様子をご紹介します!

■「サイバー空間をめぐる脅威の現状と対策」

セミナーの様子

山形県警察本部 生活安全部サイバー犯罪対策課課長 補佐 小野 秀崇 様

■「お客様にちょうどいいセキュリティ対策をご提供するGSX」

セミナーの様子

グローバルセキュリティエキスパート 代表取締役社長 青柳 史郎 氏

■「事業継続に影響を及ぼすサイバー攻撃の脅威から経営リスクとしてどう取り組むべきか」

セミナーの様子

グローバルセキュリティエキスパート 常務取締役 三木 剛 氏

また、質疑応答の時間には多くの手が上がり、非常に充実したセミナーとなりました。

セミナーの様子

セミナーの様子

2026年3月4日にも開催しました!きらやか銀行×GSX サイバーセキュリティセミナーのご案内

3月4日には、「今すぐできるセキュリティ対策」をご紹介するセミナーを開催しました。このセミナーの模様は追ってお伝えいたします。

以上(2026年3月作成)

ヒント8[仕事4]:一人ひとりの“存在価値” や“存在意義”を演出する/武田斉紀の『人が辞めない会社、10のヒント』(9)

1 部下を褒めて甘やかすためではない、一人ひとりを“活かす”ために

今シリーズの狙いは、経営者、人事担当者、現場の皆さんのお悩みである「社員を採ってもすぐに辞めてしまう上に、そもそも採れない」という課題を解決することです。「人が辞めない会社、10のヒント』と題して、毎回1つずつご紹介していきます。

『人が辞めない会社』に変わるための課題、その原因と解決策は会社によってさまざまです。

今回ご提示するヒントが皆さんの抱える原因に明らかに当てはまらない場合は、読み飛ばしてくださって結構です。ですが、ヒントの1~9までが該当しなくても、10が当てはまるかもしれません。

全社共通の原因もあれば、部署ごとの固有の原因も存在することでしょう。原因が1つだけというケースは少ないので、何回分か読んでいただければ「これはうちにも当てはまるな」というものを見つけていただけるのではと思います。

『人が辞めない会社』に変わるために、前回の第8回では、“仕事の意義やりがい”をどれくらい実感するかは、一人ひとりのモチベーションタイプ (MT) によるという話をしました。

MTには「組織」「職場」「顧客」「仕事」「社会」「生活」の6つがあり、1)6つのMTはいずれも多くの人が大なり小なりもっていて、2)但し、6つの内どれがメインとなるかや、他との優先順位やバランスは人によって異なると紹介しました。

上司や先輩が、部下や後輩一人ひとりのメインのMTや優先順位の高いMTを把握して、それに応じて声をかけてあげられれば、より活力のある職場が実現し、人は簡単に辞めなくなるという話でした。

部下のMTを把握するには、まず部下は誰一人として同じではなく、MTのあり方も一人ひとり異なるのだという認識を持つこと。その上で、常日頃から部下への声かけを実践し、反応を見ながら確認していく方法をお薦めしました。

相手のモチベーションタイプ (MT) を把握できれば、上司も部下もお互いが気持ち良く日々働けるようになり、自ずと退職防止にもつながっていくのです。

2 「自分は大事な戦力なのだ」と思えれば簡単には辞めない

さて、第9回は [仕事] についての最後のヒントです。それは、

人は「自分は今の仕事で大事な戦力なのだ」と思えれば簡単には辞めないということです。

今シリーズではテーマに沿って、「人が採れない、採ってもすぐに辞めてしまう」という話をしていますが、皆さんの組織にも人はすでにいるはずです。

採用した彼らの最初のゴールは何かというと「戦力に育てる (戦力化する)」ことですよね。

たとえ“中途で経験やスキルがぴったりの即戦力人材”を採用できたとしても、職場になじめなければ、入社後すぐに辞めてしまうかもしれません。

そうならないよう、会社側と本人とのギャップは入社前に確認して、できる限り埋めておきます(埋まらない場合は、互いのためにあえて採用しない判断も必要)。それでも入社後のギャップはあるもので、双方の努力でできるだけ早く埋めていくことが肝要です。

ここまでの話は、第5回『入社日までに「入社後のギャップを最小化する」』、第6回『事前にいくら伝えても、入社後のギャップは必ずある』を中心にご紹介してきました。

“中途で経験やスキルがぴったりの即戦力の人材”ならば、これらのプロセスを経ることで、十分に「戦力に育てる」ことができるでしょう。ですが、そんなにぴったりの人材が採用できるケースはまれなのが現実です。

即戦力とまでは言えない若手の中途人材や、まして新卒人材となれば入社前、入社後のギャップを埋めるだけでは足りません。職場になじんだところで、自分が描くような、また会社や上司、職場の仲間から期待されるような仕事ができなければ、仕事自体への手応えが得られないからです。

第8回でご紹介した部下一人ひとりのモチベーションタイプ (MT) に合ったほめる言葉、励ます言葉をかけても、本人に実感がない限りこの問題は解消されません。

前向きに入社を決めた人ほど、本人にとって十分な「仕事の手応え」や「仕事を通した貢献や成長」が感じられなければ、モチベーションが維持できずにどんどん気持ちが辛くなっていくでしょう。

それは、本人が「自分は今の仕事で大事な戦力なのだ」と感じられていないということです。すなわち、職場に自分がいようがいまいが関係ない (あるいは逆に迷惑をかけてしまっている)と感じる。自身の”存在価値”や“存在意義”が見えない状態です。

3 徐々に「仕事を任せ」、自分で自律的に考えさせてみる

こうした自身の”存在価値”や“存在意義”が見えないためにモチベーションが満たされない状態を、皆さんも新人時代に経験していませんか。「はたして自分は、この会社や職場にとって本当に必要なのだろうか」と悩んでしまう。

中途入社の人の場合、これまでの経験やスキルを引っ提げて入社しただけに、余計に今後の希望を見失うかもしれません。

そんなとき、迎える側の上司がやるべきこと。それは彼らに徐々に「仕事を任せ」、一緒に「振り返る」ことです。

社会人が初めてだから、社外から来て分からないだろうからといって、上司や先輩がいちいち指示命令ばかりしていては良い解決策になりません。入社してすぐの新入社員ならまだしも、中途入社の人にとっては指示命令された通りに完遂できたところで、さほど達成感はないでしょう。

とはいえ、これまでの社内のやり方を覚えてもらうことも必要です。ならば次のように声をかけてみてはどうでしょう。

「今回○○さんにはこの仕事をお願いしたいと思います。最初は従来うちでやってきた手順を教えますので、まずその方法でやってみてください。同時にやりながら○○さんなりに、どこをどう変えればもっとよくなるといったアイデアを考えて提案してください。期待していますよ」

中途入社や、新卒でも近しいアルバイト経験のある人であれば、「○○さんが経験した□□□での知識やスキルからの提案もぜひ聞かせてください。期待していますよ」と添えれば期待度がより伝わります。近しい経験がなかったとしても、商品やサービスによっては顧客目線での提案は可能です。

ポイントは、本人の経験、知識、スキル、アイデア、何を活用してもいいので、自分で自律的に考えてもらうという点です。「新戦力としての期待」や「本人ならではの経験、知識、スキル、アイデアを期待していること」が伝われば、誰もが少なからず“存在価値”や“存在意義”を感じられるはずです。

4 提案をクローズにせずチームで共有し、トライして「振り返る」

本人からの提案は、上司が前向きにサポートしながら、2人の間だけで閉じるのではなく、定例会議の場面などでチームの他のメンバーにも聞いてもらいましょう。

2人だけで勝手に進めては、それを見た他のメンバーが混乱し、疑心暗鬼につながりかねません。

人は変化に対して面倒くさいと感じがちです。長年やってきて大きな問題を感じていなければ、新たな提案などは否定したくなるのが人情。「今までのやり方で何が問題なの」「そんなのうまくいくはずがない」 「前にやったけれどうまくいかなかった」と。

前にやってうまくいかなかったからといって、今回もうまくいかないとは限りません。世の中も顧客も常に変化し、技術は進化しています。改善の可能性がゼロでない限りは、「せっかくの提案だし、一度やってみようよ」と上司から提案してほしいのです。

そうして回数や期間(○日、1週間、1か月、半年など)を決めて部署のみんなで、あるいは本人だけでもいいのでトライしてみましょう。その結果をみんなで「振り返る」のです。

たとえ結果が出なくても提案自体はチームを思ってのこと、提案したこと自体は賞賛してあげてください。それでこそまた新たな提案が生まれます。

もう少しやってみようとなれば期間を延ばせばいいし、改善点が見つかればそれを反映してまたトライすればいいでしょう。

繰り返すうちに周囲は少しずつ新メンバーを理解し、協力してくれたり、新たなアイデアをくれたりするかもしれません。ほどなくチームのメンバーも新メンバーを受け入れ、本人は「みんなに存在を認められた」 「自分はここにいていいんだ」と感じ始めているはずです。

新しい組織の一員になることは、誰にとっても不安なもの。経験やスキルに乏しい新卒や若手社員は、「自分などいてもいなくても変わらない」とあきらめがちです。

後ろ盾のありそうな中堅以上の中途入社者であっても、不安なのは同じです。一日も早く戦力にならなければと焦っています。結果、経験やスキルを活かそうといきなり「前職ではこうしていた、このほうが効率的だ」などと主張して、かえって反発を招くことも少なくありません。

上司だけでなく周囲のメンバーは、新たに加わるメンバーが新卒や若手だろうと、ベテランだろうと、「自分はここで存在を認めてもらえるだろうか」と、誰もが不安を抱えているのだと知りましょう。

外部からの採用だけでなく、社内異動でも同じです。人材不足が叫ばれる中、新メンバーを「戦力に育てる」 気持ちがあるのなら、上司や周囲のメンバーのほうから先に受け入れる姿勢を示しましょう。受け入れる側が理解しようと努めてください。

5 一人ひとりの“存在価値”や“存在意義”を演出する

ここまでチームに新たに加わるメンバーを「戦力に育てる」ために必要なことをお話ししてきました。けれども、「自分は大事な戦力なのだと思えれば、簡単には辞めない」というのは、新たなメンバーだけに限りません。

メンバー一人ひとりが「自分は大事な戦力なのだ」と確信でき、自身の”存在価値”や“存在意義”を感じられる状態を演出することで、組織は活性化し、退職防止にもつながります。

上司やチームはメンバー一人ひとりの”存在価値”や“存在意義”を、しっかりと認識できているでしょうか。もし自信がなければ、それぞれの“得意なこと・強み”にフォーカスしてみてください。

いつも仕事の質が高い、仕事が早い、チャレンジ精神があるといった仕事のレベルそのものだけでなくて構いません。

字がきれい、仕事が丁寧、いつも冷静、返事がいい、挨拶がいい、笑顔がいい、何でもいいのです。各人ならではの“得意なこと・強み”を認めて、何度も褒めてあげてください。

「○○さんは字がきれいですね」は、何度言ってあげてもいいのです。相手が「またですか。前にも褒めてくれましたよ」と言って来たら、「だって毎回思うんだよ、素敵だなって」と返せばいいのです。表向きはどうあれ、内心は褒められて嫌な人はいません。

「○○さんは字がきれいですね」と言われた本人はどうすると思いますか? 「これは自分の“得意なこと・強み”なんだ」と強く認識して、さらに腕を磨くことでしょう。恐らく手書きの仕事があれば、社内の誰もがその人を頼ってくるに違いありません。本人は組織における自身の“存在価値”や“存在意義”を感じ、他の仕事にも前向きに取り組めるのです。

本人のモチベーションタイプ (MT) がもし「職場型」であったなら、「○○さんがいなかったら、きれいな手書きが必要な時にみんな困っちゃうね」という一言を添えることで、さらに“存在価値”や“存在意義”が増幅するでしょう。

字がきれいな○○さんには、他にも“得意なこと・強み”を見つけて認めてあげることで、さらに高いレベルの「戦力に育てる」ことを目指しましょう。その演出は上司にこそできる仕事です。

部下のメンバー一人ひとりが「自分は大事な戦力なのだ」と思って仕事に取り組めているかどうか。上司の皆さんはぜひ、毎日チェックしてみてください。

第9回を最後までお読みいただきありがとうございました。次回は個々の仕事ではなく、職場環境としての[組織] についてのヒントをご紹介します。毎回ご紹介するヒントを参考にしながら、自社を退職する一人ひとりの「辞める理由」と、働いている一人ひとりの「辞めない理由」を丁寧に拾ってみましょう。見えてきた自社ならではの“課題”を解消し“強み”を活かせれば、「人が辞めない会社」へと変われるはずです。

<ご質問を承ります>

ご質問や疑問点などあれば以下までメールください。※個別のお問合せもこちらまで

Mailto:brightinfo@brightside.co.jp
https://www.brightside.co.jp/

※武田が以前上梓した書籍『新スペシャリストになろう!』および『なぜ社長の話はわかりにくいのか』(いずれもPHP研究所)が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより電子書籍として復刻出版されました。前者はキャリア選択でお悩みの方に、後者はリーダーやトップをめざしている方にお薦めです。

『新スペシャリストになろう!』
https://amzn.asia/d/e8GZwTB
『なぜ社長の話はわかりにくいのか』
https://amzn.asia/d/8YUKdlx

以上(2026年3月作成)
(著作 ブライトサイド株式会社 代表取締役社長 武田斉紀)
https://www.brightside.co.jp/

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画像:VectorMine-Adobe Stock

【朝礼】寒さ和らぐ春の道。散歩で思考を整えませんか?

【ポイント】

  • 散歩をすると、よいアイデアが浮かんだり、不安が解消されたりする効果がある
  • 思考がまとまらないときには、散歩に出かけると混乱していた思考の整理ができる
  • 散歩は体に大きな負担もかからず、気分を爽快にしてくれる

今日は、散歩についてお話しします。散歩にはたくさんの効用があります。腕を振って歩くので、筋肉運動になります。長く歩けば有酸素運動となり、ダイエットにもわずかながら効果があるでしょう。汗をかくので代謝がよくなります。街を歩けば、そこには新しい発見があります。私の場合、最も効果があると感じているのは、脳が活性化されるのか、よいアイデアが浮かんだり、不安が解消されたりすることです。

机に向かって熟慮していると、思考が煮詰まった状態になりがちです。そうしたとき、私は散歩に出かけるようにしています。すると霧が晴れたように、混乱していた思考の整理ができるのです。例えば、「今後の経営方針」「仕事の具体的な進め方」「取引先への提案内容」「部下への指導方法」など机に向かっているだけでは、思い浮かばなかったようなことに気が付きます。皆さんも、思考がまとまらないときには、会社の周りを散歩してください。お昼休みを利用して20~30分散歩するだけでも、効果はあるでしょう。より長い距離を歩くのであれば、通勤のときに、1~2駅を歩いてみてください。

これまで、私は仕事の壁にぶつかって悩んでいる社員に「よく考えなさい」とアドバイスしてきました。それでも壁を破れない社員には「もう一度よく考えなさい」と言ってきました。しかし、これは間違っていたのかもしれません。壁にぶつかって悩んでいる社員の多くは、実はよく考え抜いたものの、結果がうまくいかなかったのです。

散歩に出かける楽しさを知った今では、私は「よく考えなさい」、それで駄目なら「散歩に出かけなさい」とアドバイスをします。何より、気分転換になりますし、思考が整理でき、気持ちが前向きになるからです。

散歩は体に大きな負担もかからず、気分を爽快にしてくれます。皆さんの心と体の健康のため、仕事のためにも、散歩をお勧めします。少し春めいてきて、暖かくなってきました。皆さん、私といっしょに散歩に出かけましょう。

                        

以上(2026年3月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【書籍ダイジェスト】『天気予報はなぜ当たるようになったのか』

本書は、元気象庁長官の著者が、自らの経験を踏まえて天気予報の作り方や最新事情を解説している。
気象は、一般的な物理法則で説明がつくものである一方、天気予報を導き出すための「方程式」は複雑で、「数値予報モデル」と呼ばれるコンピュータープログラムを用いて無理やり計算しているという。また、天気は地球全体の影響を受けて変化するため国際協力が進んでおり、すべての国が統一された方法で気象の観測を行い、すべての国で情報交換して使えるような仕組みが整えられている。直近は、機械学習によって気象予測を行う「AI予報」なども始まっているようだ。

書籍ダイジェストは、こちらからお読みいただけます。pdf

【入社1年目の教科書】「健康診断」は権利ではなく義務! 皆さんが守るべき健康管理のルール

あぁ〜、今日は定期健康診断か……。昔から病院って苦手なんだよな。別に調子は悪くないし、受けなくてもいいと思うんだけど、拒否しちゃダメかな……。そもそも、何で会社がいちいち健康診断について指示するの? 自分で自分の健康を管理していれば十分でしょ?

1 皆さんは契約を守るために健康でいる義務がある

会社と皆さんは労働契約を交わしています。労働契約とは、

皆さんが仕事をする代わりに、会社がお給料を支払うという契約

です。そして、会社と皆さんは労働契約を守るために努力しなければならないことがあります。それは「健康管理」。具体的には次の3つに注意しなければなりません。

  • 健康診断は必ず受ける
  • 病気やけが、体調不良のときは我慢せず申告する
  • 健康管理上必要な指示やルールには従う

大げさだと思うかもしれませんが、皆さんが自分の健康管理をおろそかにし過ぎると、会社から懲戒処分を受けることもあります。なぜなら、

  • 皆さんは「自己保健義務」といって、自ら健康管理に取り組む義務を負っている
  • 会社は「安全配慮義務」といって、皆さんが病気やけがをせずに安心して働けるように配慮をする義務を負っている(健康診断ものこの一環)

からです。

そうした意味ではプライベートでも一定の配慮が必要です。遊んで徹夜をしたり、深酒をしたりして仕事のパフォーマンスが落ちるようでは、社会人として失格です。

2 健康診断は必ず受ける

会社が実施する健康診断は労働安全衛生法という法律で定められています。幾つか種類がありますが、基本として押さえておきたいのは、

  • 社員が入社したときに実施する「雇入時健康診断」
  • 入社後、1年以内ごとに1回実施する「定期健康診断」

です。原則として、図表の項目は必ず受診しなければなりませんが、注意書きの通り、省略できるケースがあります。

健康診断

健康診断の結果、もしも「要検査」「要治療」となった場合は、それに従って医師の検査や治療を受けるなど、改善に努めなければなりません。

3 病気やけが、体調不良のときは我慢せず申告する

体調が優れないときや、けがをしたときなどは、我慢せずに会社に伝え、休むようにしましょう。その際、所定の手続きがあるので、先輩に確認してください。大事なことは無理をしないこと。無理をして症状が悪化したら、それこそ周囲に迷惑をかけることになります。

また、症状がひどい場合は病院に行きましょう。その場合、

  • プライベートの病気やけが(私傷病)であれば、原則3割負担(健康保険)
  • 通勤中や仕事中の事情による病気やけが(労働災害)であれば、原則無料(労災保険)

で診察や治療が受けられます。

1.の健康保険を使うときは、保険証(健康保険被保険者証)を持参します。

2.の労災保険を使うときは、所定の書式に必要事項を記入して病院などに提出します。書式は下の厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできますが、種類が多いので、慣れないうちは会社に事情を説明して、必要な書式を用意してもらうようにしましょう。

■厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousaihoken.html

4 健康管理上必要な指示やルールには従う

会社は、皆さんの健康を守るため仕事上のルールを設けることがあります。例えば、長時間労働を防止するための「毎週○曜日は、残業せずに帰るように(ノー残業デー)」、夏場の熱中症を予防するための「こまめに水分補給をするように」などがそうです。

こうしたルールをおろそかにすると、皆さんが健康を害してしまい先輩などにも迷惑がかかるので、必ず守りましょう。特に建設業や製造業などの場合、設備や装備、用具の取り扱いに至るまでルールが多い傾向にありますが、こうした業種ではルールを守らないことが即、重大な事故につながる恐れがあります。

以上(2026年1月更新)

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画像:Mariko Mitsuda