熱中症による労働災害と企業の法的責任~改正労働安全衛生規則を踏まえた実務対応~

年々、平均気温が上昇し、夏の猛暑が常態化して、誰もが熱中症になるリスクを抱えるようになっています。企業にとって、死傷者をださずに良好な就労環境を確保することは責務であり、死傷者の発生はリスクになります。現在の気候状況等を踏まえると、今後、ますます職場における熱中症対策は重要になることでしょう。

この記事は、こちらからお読みいただけます。pdf

離職のピークは 8 月! なぜ優秀な社員が突然辞めるのか? 離職のサインとは

「令和5年雇用動向調査結果の概況」で、転職入職者が前職を辞めた具体的な理由をみると、自身の頑張りや熱意が会社に正しく伝わっていないことが退職者を生む要因と考えられます。人間関係や労働条件など、職場の現状を振り返って、従業員が定着する組織について考えてみましょう。

この記事は、こちらからお読みいただけます。pdf

中東情勢・原油高の影響に対応 特別相談窓口・融資・価格転嫁支援等の紹介

昨今の中東情勢の不安定化や原油価格の高騰などにより、多くの中小企業や小規模事業者等に影響が広がっています。こうした状況を受け、政府は、経営や資金繰りに不安を抱える事業者に向けて支援措置を実施しています。

この記事は、こちらからお読みいただけます。pdf

優秀な人材が集まる企業になるための 「選択制DC」活用術【いよぎんジャーナルオリジナルコラム】

1 毎月の給料と退職金、どちらを充実させるべきか?

古くから多くの日本企業が導入してきた退職金制度が変化してきています。若年層に限らず「転職」前提の働き方が広まる中で、定年まで勤めなければ満額がもらえない従来からの退職金の魅力が薄れてきたからです。

とはいえ、退職金制度を廃止すればいいという単純な問題でもありません。それは、定年退職を控えているベテランの従業員の反発を招く恐れがあるからです。公的年金の支給額が減少し続けている中、ベテランの従業員は、老後の生活資金として少なからず退職金を当てにしています。

退職金の原資を毎月の給料に回して賃上げすれば、もしかしたら採用応募も増えるかもしれない。でも、退職金を当てにしている人たちを無下にはできない。そのような悩みを抱えている企業の方に紹介したいのが、

「選択制DC」という、今の給料を増やすか、将来の退職金を多くもらうかを従業員が選択できる制度です。

この記事では、選択制DCのイメージを分かりやすくお伝えするため、制度の概要と、伊予銀行のサポートにより、実際に選択制DCを導入した事例を紹介します。

2 給料と退職金の配分を従業員が決められる「選択制DC」

選択制DCは、企業型DC(企業型確定拠出年金)の一形態です。企業型DCでは、企業が毎月決まった掛金を拠出し、従業員自身が運用しますが、

選択制DCの場合、給料の一部について、引き続き給料(手当など)として受け取るか、企業型DCの掛金にするかを従業員が選択することが可能です。

選択制DCのイメージ

給料(手当など)として受け取れば手取りは増え、今の消費や貯蓄に回すことができます。一方、掛金として拠出する場合、運用方法によっては元本割れのリスクはあるものの、掛金の拠出時・運用時・受取時に税制優遇を受けながら、将来の退職金を増やせる可能性があります。給与か掛金か、従業員に選択肢を与える自由度の高い制度設計にすることで、

求職者へのアピールと、既存の従業員への福利厚生を同時に実現する

というのが、選択制DCの狙いです。

とはいえ、皆さまの中には

  • 若い人とベテラン、どちらにも納得感のある退職金制度なんて本当に実現できるのか?
  • ずっとシンプルな退職一時金でやってきたし、今さら複雑な制度にしても、従業員が理解できないかもしれない……

といった具合に、自社で選択制DCを導入するイメージを持てずにいる人も少なくないかもしれません。

そこで、以降では少しでもイメージをつかんでいただけるよう、伊予銀行のサポートにより選択制DCを導入した事例を紹介します。

3 伊予銀行によるサポート事例の紹介

1)相談内容と伊予銀行のご提案

愛媛県では、他県の例に漏れず就労人口が減少していて、思うように採用できない企業があります。そうした悩みを抱えているA社から、こんな相談が寄せられました。

  • 当社(A社)では、人材採用がうまくいかない。その原因は、退職金が手厚い一方で、給与水準が同業他社と比較して低いからだと考えている。
  • 「給与」と「退職金」のバランスを見直したい(退職金を減らした分、給与を増やしたい)が、具体的な事務手続きや社員への説明に不安を感じるためサポートしてほしい。

伊予銀行では、A社の状況をヒアリングし、内部で議論した結果、

退職金の一部を給料に回したいというA社のニーズを満たしつつ、福利厚生の一環として従業員や求職者へのアピールが可能になる

という理由から、選択制DCを提案することになりました。

2)提案過程で生じた課題

とはいえ、選択制DCを形にする上では、次のような課題も生じました。

1.給料や退職金の受け取り方に対するニーズの違い

給料や退職金の受け取り方については、「給料で欲しい派」「退職金で欲しい派」がそれぞれいて、多くの従業員に納得感のある制度にするのが大変でした。また、給料で欲しい派に寄り添いすぎると、企業の法定福利費が上がってしまう(社会保険料は労使折半なので)ため、その点も考慮する必要がありました。

給料や退職金の受け取り方に対するニーズの違い

2.法令上の制約(DC加入期間と支給開始年齢の関係)

企業型DCの場合、原則60歳から退職金を受け取ることができますが、

加入期間が10年に満たない場合、支給開始年齢が60歳よりも先延ばしになってしまう

というルールがあります。

DC加入期間と支給開始年齢の関係

そのため、新たに企業型DCを始めるとなると、

従業員の年齢によっては、加入期間が足りず、定年を過ぎても退職金を受け取れない

という問題が発生してしまいます。この点をどのようにクリアするかも大きな課題でした。

3)課題への対応

課題を考慮した結果、A社のご提案では、選択制DCを

従業員の年齢に応じて、退職金の支給パターンを分ける制度設計

にしました。「50歳」という年齢を区切りにして

  • (50歳以上)選択制DCには移行せず、従来の退職一時金で支給する
  • (50歳未満)選択制DCに移行し、「給料として受け取る金額」「退職金の掛金として積み立てる金額」の設定を従業員本人に委ねる

という運用です。

なお、50歳未満の従業員については、制度移行日までに積み立てた退職金については「過去分」として退職一時金で支給し、選択制DCの対象とするのは制度移行日より後の「将来分」のみとしました。

過去分と将来分の考え方

4)制度に対する理解を得るために

企業型DCや選択制DCは、退職一時金などに比べると馴染みが薄く、制度のイメージがつかめない従業員も少なくありません。そのため、従業員の制度に対する理解を得るための説明会も、伊予銀行が複数回行いました。

自分のライフプランに照らした場合、給料や掛金をいくらに設定すればいいか分からない

という疑問についても、説明会で補完していきました。また、すでに個人でiDeCo(イデコ)を実施していて、選択制DCが始まったら、iDeCoで積み立てた資産を選択制DCに移したいという方もいましたので、その点についても説明をしました。

5)最後に

今回のA社の事例は、伊予銀行の他、給料体系など人事制度の設計のコンサルティングを行う「いよぎん地域経済研究センター(IRC)」、実際に企業型DCを提供している「東京海上日動」がチームとなって、選択制DCをご提案したものです。

退職金制度の形は企業ごとに異なりますが、どのようなケースでも、関係機関と連携して、制度の設計から従業員への説明まで、運用を隅々までサポートしますので、退職金制度の設計・変更をお考えの方は、お気軽に伊予銀行までご相談ください。

以上(2026年4月作成)

画像:日本情報マート

【書籍ダイジェスト】『共感の論理』

本書は、近代化の矛盾や問題を指摘するとともに、それらを解決する「ポスト近代」の価値観を示す。
ポスト近代には、経済、政治、法技術、社会の四つの領域のうち、近代に主だった経済領域ではなく、社会領域の原理が主になる必要があるという。そして、ポスト近代に求められる価値観は、日本の学校で教えられてきた「共感」の論理によって育てることができるとする。さらに、社会原理に基づく「共感的利他主義」が、脱近代化の鍵になると説く。

書籍ダイジェストは、こちらからお読みいただけます。pdf

【中堅社員のスピーチ例】心の余裕は「15分の空白」から生まれる

【ポイント】

  • 意図的に空白を作ることで、判断の精度を保ったり、周囲の変化に気づいたりできる
  • 空白を作ることは、単なる怠慢や無責任な引き伸ばしではない
  • カレンダーツールなどを活用し、物理的に空白を作る工夫も大切

皆さん、おはようございます。6月に入り、1年の折り返しに差し掛かりました。本日は、私たちが日々の業務の中でつい疎かにしてしまいがちな「心の余裕」について、具体的な提案を交えてお話ししたいと思います。

私たちは今、非常に多忙な時期にいます。気がつくと、1日のスケジュールが会議や作業の予定で隙間なく埋まり、息をつく暇もないと感じる日も少なくありません。しかし、こうした余白のない状態は、実は自分自身だけでなく、チーム全体にとっても好ましくありません。そこで提案したいのが、1日のスケジュールの中に、意図的に「15分の空白」を作るという習慣です。なぜ、あえて「空白」が必要なのでしょうか。理由は2つあります。

1つは、判断の精度を保つためです。スケジュールに追われ、次から次へとタスクをこなしている状態では、脳は常にフル回転で疲弊していきます。余裕がない状態での判断は、どうしても短絡的になったり、重要な見落としをしてしまったりしがちです。たった15分でも、PCから目を離し、脳を休めることで、その後の作業効率を高め、ミスを防ぐ防波堤になります。

もう1つは、後輩や周囲の変化に気づくためです。私たちが眉間にシワを寄せて忙しそうにしていると、後輩たちは「今、相談しても大丈夫かな」「忙しそうだから後にしよう」と遠慮してしまいます。そうして情報が入ってこなくなると、報告の遅れやトラブルの火種を見逃してしまいます。

いかがでしょうか。余白を作ることは、単なる怠慢や無責任な引き伸ばしではありません。手が空いたら休もうでは、一生空白は生まれません。物理的に空白を確保する心がけも必要です。例えば、カレンダーツールに「午後の会議の前に15分、あえて予定を入れない時間を予約しておく」。そんな小さな工夫から始めてみませんか。

「忙しい」という漢字は「心を亡くす」と書きます。常に質の高いパフォーマンスを出し続けるために。そして、後輩や周囲から頼られる人となるために。あえて「何もしない15分」を確保する勇気を持って、今日も一日、元気に業務に取り組んでいきましょう。

以上(2026年6月作成)

pj17252
画像:Mariko Mitsuda

【分かりやすい原価計算(5)】在庫と資金繰りの関係~在庫はまさにお金そのもの~

1 利益は出ているのに資金が増えない原因は?

原価は月末や決算期末に残っていると、在庫として貸借対照表に載ってきます。今回はこの在庫と資金繰りの関係を見ていきます。

経営者は、売上や利益と同じように、またはそれ以上に資金繰り、つまりお金が足りているかどうかについて気にするものです。利益が増えて、資金も増えていれば分かりやすいのですが、現実にはその逆であるケースが多く起こります。例えば、決算のときに、今期は売上が好調で利益も増え、その結果、税金もこれだけかかりますとなったとします。でも、「そんな状況なのに資金は全然ない。税金の支払いのために銀行借入などの資金繰りを考えなければいけないなんて。本当に利益は出ているのだろうか……」と、経営者が疑問や不安に思うこともあるようです。

このような状況になる原因として、1つは、

大きな機械を導入して資金を使ってしまっていること

があります。また、

従来、運転資金・設備投資などの借入金があり、その返済をしているため利益のわりに資金が少なくなっていること

もあります。借入金の返済は資金が出ていきますが、借りたものを返すだけなので、費用にはならないのです。

このように大きめの話が原因であると気付きやすいですが、もっと日常的に潜んでいる原因があります。それが、

在庫の残高が資金繰りに影響していること

です。この記事では、在庫の残高管理について、資金繰りとの関係も含めて見ていきたいと思います。

2 在庫と資金の奇妙な関係

卸売業、小売業や製造業では、通常在庫を抱えています。仕入れてすぐに売れたり、作ってすぐに売れたりすればよいのですが、

現実には売れるまでのタイムラグが発生

します。その間は在庫として会社に保管しなければなりません。

建設業にも未成工事支出金(仕掛中の工事にかかった決算時点の費用総額で、貸借対照表に資産として計上)という在庫があります。期末の仕掛中の工事については、売上は翌期になりますが、それにかかった費用も売上に合わせて翌期に計上します。このため、期末までにかかった費用は未成工事支出金として、翌期に持ち越されます。

在庫には仕入高に加え、材料費、外注費、人件費、経費、作るのにかかった費用を漏れなく含めます。材料費や外注費といった社外に支払ったものは分かりやすいのですが、人件費は忘れがちです。この人件費を漏らしてしまうと、利益がゆがんでしまって経営の判断材料として使えなくなりますし、税務調査などでも指摘されてしまうことになります。

この在庫は貸借対照表の資産の科目になり、現預金(資金)とはトレードオフの関係になります。つまり、

在庫が増えれば、資金はその分減ってしまうのです。逆に、在庫が減れば、資金はその分余裕が出てきます。

このことは、在庫を買う(=増やす)と資金が減り、在庫を売る(=減らす)と資金が増えることからも分かると思います。

そのため、在庫は資金そのものであり、日々の残高管理が必要になります。在庫の残高分析として、まずは、前期末(または、前月や前年同月)との比較をしましょう。

また、異常を感じたときや年に1回くらいは、在庫を月次の売上原価で割ることで、月の売上原価の何カ月分、在庫が残っているのか(在庫の回転期間)を見ておくことも意味があります。

画像1

なお、製造業では製造原価を計算する必要があります。実務では、分母を求めやすい1カ月の売上高の金額にしておくこともあります。簡便的な方法ですが、継続すれば異常値の発見をするのには役立つはずです。

3 在庫の残高分析のコツ。滞留分は勘定科目を分ける

在庫の残高分析をするにあたって、実務でのコツを1つ紹介します。長年たまってしまっているものや、

特別な事情のものは別の勘定科目に振り替えておく

ということです。

例えば、昔の規格だけど、修理などのために、どうしても持っておかないといけないような部品や材料がある場合は、「長期保有在庫」などの名称で固定資産に振り替えておきます。そもそも、すぐに使ったり売れたりしないのですから、回転期間の計算に含めるのは違和感がありますよね。特殊な科目だけ分けて管理すればよいわけです。

4 在庫と同じくらい重要な減価償却費

せっかくなので、資金繰りの話で在庫と同じくらい重要なものとして、減価償却費の考え方を紹介します。減価償却費は、機械などの将来にわたって使い続けられる一定額以上のものを、固定資産として資産に計上し、毎年費用化していく会計処理の方法です。つまり、過去に支払った金額を按分した費用です。これは、損益計算書に費用として計上され、製造現場にあるものであれば原価を構成します。しかし、費用としてあげたタイミングでは支払いがないため、非資金費用と呼ばれます。

このため、減価償却費の金額だけ損益計算書の利益に足すことで、簡便的な資金繰りを示す材料として使えます。つまり、手元に残る資金をおおむね把握することができるのです。資金繰りが気になる場合には、このような調整後利益というのがあるのを覚えておいてください。

画像2

以上(2026年5月更新)

pj35144
画像:Shutter z-shutterstock

【賃金データ集】賞与・期末手当のモデル支給額

【賃金データ集】シリーズとは?

【賃金データ集】シリーズは、基本給や諸手当など賃金の主要な構成要素ごとの近年のトレンドを、モデル支給額を中心とした関連データとともに紹介します。経営者や実務家の方々が賃金支給水準の決定や改定を行う際の参考としてご活用ください。なお、モデル支給額などのデータを紹介する際は、基本的に出所に記載されている用語を使用するものとします。また、データは公表後に修正されることがあります。

この記事で取り上げるのは「賞与・期末手当」です。

賞与・期末手当

なお、以降で紹介する図表データのExcelファイルは、全てこちらからダウンロードできます。

こちらからダウンロード

1 賞与・期末手当の位置付けとその概要

賞与・期末手当の中心は、夏と冬に支給される「賞与」です。この他にも、業績が好調だった企業が決算期に支給する「決算賞与(期末手当)」があります。

夏に支給される賞与を夏季手当または夏季一時金、冬に支給される賞与を冬季手当または年末一時金と呼びます。賞与・期末手当(以下「賞与」)の起こりは、江戸時代の商店主が盆・暮れなど何かと入り用な時期に、奉公人に臨時の小遣いを与えたことにあるようです(諸説があります)。その後、賞与は従業員の功労報奨や生活安定といった機能を持ちながら、終身雇用・年功序列の人事制度に組み入れられ、すっかり定着しました。

月例賃金は、業績が悪いからといって容易に金額を下げられないのに対し、賞与は、業績の良いときは多く、悪いときは少なく支給するなど、柔軟な対応がしやすいという特徴があります。そのため、景気の先行きの不透明感が強まる昨今では、月例賃金ではなく、賞与の支給額を上げることで、実質的な賃上げを図ろうとする企業も少なくありません。

2 賞与・期末手当の潮流

一般的にいわれる賞与の機能は、功労報奨や生活安定などさまざまです。

賞与の機能

企業によって考え方は異なりますが、功労報奨、生活安定、慣例・恩恵の機能による支給額が賞与のベースとなり、その上に成果査定や業績連動の機能による支給額が上積みされるイメージです。多くの企業は、上積みとなる支給を重視し、業績の良いときは多く、悪いときは少なく賞与を支給するという運用を行っています。一方で、人手不足が深刻化する中、従業員の採用率・定着率を向上させるため、ベースとなる支給を重視し、業績に関係なく、一定以上の支給額を保障しようとする企業も少なくありません。

3 厚生労働省の統計資料によるモデル支給額

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額3

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額4

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額5

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額6

4 日本経済団体連合会の統計資料によるモデル支給額

日本経済団体連合会の統計資料によるモデル支給額

5 地域ごとの状況(東京、大阪、愛知)

地域ごとの状況

地域ごとの状況

地域ごとの状況

地域ごとの状況

地域ごとの状況

地域ごとの状況

6 情報インデックス(この記事で紹介したデータの出所)

この記事で紹介した統計資料は次の通りです。調査内容は個別のURLからご確認ください。なお、内容はここ数年の公表実績に基づくものであり、調査年(度)によって異なることがあります。

■就労条件総合調査■
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/11-23.html

画像11

■(夏季・年末)民間主要企業一時金集計■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/shuntou/

画像12

■毎月勤労統計調査■
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html

画像13

■夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況■
https://www.keidanren.or.jp/policy/index09a.html

画像14

■(夏季・年末)賃上げ一時金調査■
http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/chousa/list3505.html

画像15

■県内企業の春季賃上げ、夏季一時金及び年末一時金要求・妥結状況調査結果■
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/rodofukushi/0000052467.html

画像16

以上(2026年4月更新)

pj17909
画像:ChatGPT

その不調、実は「6月病」? 産業医が教えるサインと心のケア術

1 6月病の社員にご用心

6月病(5月病と近い意味で使われることもあります)とは、

4月に入社や異動をした社員が、環境の変化に適応できずにストレスを抱え過ぎて心身の不調を起こすこと

です。医学的な正式診断名ではありませんが、背景に適応障害などのメンタルヘルス不調が見られることがあります。6月病の主な症状は次の通りです。抑うつ気分や不安などの情緒面の変化が見られることが多く、行動面や身体面の不調が併せて現れることもあります。

  • 情緒面:抑うつ、不安、焦り、緊張、イライラ、突然泣き出すなど
  • 行動面:暴飲暴食、遅刻・欠勤の増加、集中力の低下、仕事上のミスの増加など
  • 身体面:疲労感、不眠、頭痛、胃痛、動悸(どうき)、めまい、手の震えなど

ちなみに、適応障害とうつ病が混同されることがありますが、一般的に適応障害ではストレス因との関連が比較的明確で、環境調整により症状が和らぐことがあります。一方、うつ病との鑑別は必ずしも容易ではなく、症状の持続や重症度、経過を含めて医療機関での評価が重要です。

放置すると、症状が長引いたり悪化したりし、うつ病など他の精神疾患との鑑別や治療が必要になる場合もあります。最悪の場合、離職につながるリスクがあります。

そうならないためには「早期の発見、早期の対処」が肝心です。この記事では、産業医監修のもと、6月病対応のポイントを次の3つにまとめました。

  • 6月病になりやすい社員を早期に発見する
  • 不調が続くときは、産業医や医療機関への相談を勧める
  • 医師の意見を参考に、休職や職場復帰について判断する

2 6月病になりやすい社員を早期に発見する

一般的に次のような性格の人は6月病になりやすいといわれます。

真面目、責任感が強い、心配性、完璧主義、頼まれると断れない、気が小さい、周りの意見を気にする、失敗や苦悩を引きずりやすい

特に若手の社員は、仕事上のストレスとまだうまく付き合うことができず、ささいなことでもストレスをためて6月病になってしまうことがあります。思い当たる社員がいる場合、試しに次の視点で観察してみると、何らかの変化が起きているかもしれません。

(図表)【6月病の社員に起こりがちな変化】

自信過剰になった 覇気そうで元気がなくなった 考え込むことや、独り言が増えた
他人の言動を必要以上に気にするようになった 親しくなかった人に対して、急になれなれしくなった 自分と関係のないことに口を挟むことが増えた
議論好きになった、けんかや口論をすることが増えた 遅刻・早退・病欠が増えた 服装や髪形がだらしなくなった
酒癖が悪くなった 仕事に積極性がなくなった、先延ばし癖がついた ケアレスミスが増えた
整理整頓や後始末が雑になった 席を離れることが増えた 与えられた権限を踏み越えて行動するようになった

(出所:産業医へのヒアリングなどを基に作成)

該当項目が多い場合、上司のほうから、

「いつもと様子が違うようだけど、何かあった?」

などと声を掛け、話を聞いてみます。その際、上司が一方的にアドバイスをするだけでは、悩んでいる社員にそれを受け入れる余裕はありません。そのため、

「それは大変だね」「つらかったね」

など、社員の話に「共感を示す」ことがまずは大切です。「自分のことを分かってもらえる」という安心感があれば、社員は自分のことをもっと話してくれます。また、ストレスによって離職を考えていたとしても、こちらの対応によって離職を思いとどまるかもしれません。

社員が話しやすい環境を整えるポイントとしては、

  • 対面:個室など他人の目のない場所で話す、飲み物を飲みながらなど、緊張しない空気づくりを意識する
  • オンライン:個別のミーティングルームを設定する、「顔出し」を強要しない

などが考えられます。また、日ごろから「いつでも相談してほしい」など、次につながる声掛けをするのも大切です。

3 不調が続くときは、産業医や医療機関への相談を勧める

6月病の場合、受診のタイミングは

症状が表れてから1、2週間以上続いている状態が目安

といわれています。もっとも、希死念慮、自傷のおそれ、著しい不眠、急激な体重減少、業務遂行が難しい状態にある場合は、期間にかかわらず早めの相談・受診が必要です。まず「いつごろからつらいの?」と症状が表れた時期を確かめ、産業医への相談や医療機関(通常は心療内科や精神科)の受診を勧めることを検討します。

ただし、

  • 「君はきっと病気だよ! 受診してきなさい」などと決めつけるのはNG
  • 「最近遅刻やミスが多くて、どうも疲れているように見えるよ。だから一度体調を診てもらったほうがいいんじゃない?」など、理由を提示して受診を勧めることが大切

です。

受診を勧めても本人が迷っている場合は、改めて説明したうえで産業医面談を提案します。産業医がいない小規模事業場では、地域産業保健センターの無料相談を活用する方法もあります。家族への相談は本人の同意が原則です。相談する際は本人を責めず、家族の反感や本人への追い打ちにつながらないよう配慮が必要です。相談の際は、

「○○さんのご家庭での様子はどうですか? 会社としても心配しています」など、社員を気遣う伝え方

を心がけましょう。

4 医師の意見を参考に、休職や職場復帰について判断する

1)通院しながら働いてもらうか、休職させるか

いわゆる6月病の背景に適応障害などがあり、医師の診断を受けた場合、会社はその社員について就業継続の可否を検討します。その際は、会社の産業医や社員の主治医の意見を参考にしつつ、就業規則の休職規定と照らし合わせて決めます。

通院しながら働いてもらう場合、今の業務が治療に影響を与えないかを十分検討し、場合によっては軽度な業務などに転換します。

2)職場復帰させるか

復職や就業継続の可否は、主治医の診断書だけで決めるのではなく、本人の回復状況、業務内容、職場の受入体制、必要に応じた産業医の意見を踏まえて総合的に判断します。残業制限、業務量の調整、段階的な復職などの配慮が必要になることもあります。職場復帰後に再び症状が出るケースもあるので、職場復帰の時期や復帰後の配置などについては慎重に検討します。

職場復帰の手続きや条件、復帰後の配置などについては、あらかじめ休職規定に定めておきます。また、「長い休職の後でいきなり通常勤務に戻すのは不安……」ということであれば、

就業規則に試し出勤制度や段階的復職に関するルールを整備しておく

と、復職支援を進めやすくなります。あわせて、医療機関や支援機関が提供するリワークプログラムを活用する方法もあります。そうすれば、社員は徐々に体を慣らしながら復職することができます。

職場復帰の具体的な手順は、厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が参考になります。職場復帰の可否を判断する基準の例は次の通りです。

  • 労働者が十分な意欲を示している
  • 通勤時間帯に1人で安全に通勤ができる
  • 決まった勤務日、時間に就労が継続して可能である
  • 業務に必要な作業ができる
  • 作業による疲労が翌日までに十分回復する
  • 適切な睡眠覚醒リズムが整っている、昼間に眠気がない
  • 業務遂行に必要な注意力・集中力が回復している など

診断上は職場復帰が可能でも、社員が離職の意思を固めていることもあります。その場合、面談などを通じて丁寧に話し合い、後にトラブルが生じないようにします。

■厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055195_00005.html

5 6月病にならないためには?

6月病の予防には、本人のセルフケアと会社側の取り組みの両方が重要です。本人に対しては、趣味を楽しむ時間の確保や生活リズムの維持など、基本的なセルフケアを促します。会社としては、管理職教育、相談しやすい体制づくり、必要に応じた業務量や役割の見直し、早期面談の機会確保、職場環境の改善などを継続的に行うことが望まれます。

特に、真面目でミスを引きずる人が6月病になりやすいといわれますので、経営者が率先して

「失敗を許容する雰囲気」をつくることも大切です。甘やかすということではなく、失敗から学び、次にチャレンジする文化を育むという意味

です。

また、テレワークだとコミュニケーションが取りにくく、社員がストレスを抱え込みやすくなります。さじ加減が難しいところですが、個別チャットなどで上司がこまめに簡単な連絡を入れたり、定期的に社員と個別に面談する機会を設けたりして、通常よりも意識的にコミュニケーションを取るようにしましょう。

以上(2026年5月更新)
(監修 株式会社中央総合産業医事務所 代表産業医 細江隼)

pj00278
画像:PhotoSB23-Adobe Stock

「この会社、ゆるいな」ストイックな若手が去る職場の落とし穴

1 「優しすぎる会社」は、ストイックな若手からすると不安?

若手にはたくさん経験を積ませ、いずれは会社の中核を担ってほしい。なのに、成長する前に若手が辞めてしまう……。こうした問題に頭を悩ませる経営者は少なくないでしょう。若手が辞めてしまう理由はさまざまですが、今どきのケースとして押さえておきたいのが、

会社が優しすぎるために、「この会社、ゆるいな……」と感じて転職してしまう

というものです。

昨今は、若手にあまり残業をさせない、ミスがあっても叱らないなど、良くも悪くも「優しい会社」が増えました。一方で、若手のほうは、終身雇用などかつての日本的な雇用が当たり前でなくなりつつある中で、経営者や上司が考えている以上に「早くどこでも通用する人材に成長しなければ……」と焦っています。

ですから、会社の優しさが行きすぎると、若手はかえって「このまま今の会社で働いていても、自分は成長できないんじゃないか……」と不安に感じ、転職してしまうのです。実際、

20代の正社員197人に、「今の会社で成長を実感できているか」などをアンケートで聞いたところ、27.9%が「成長を実感できない」でいて、うち34.5%が「転職を考えている」

ということが分かりました(アンケート結果の詳細は後述)。

自分で何の努力もせず、会社が成長させてくれるのを待っているだけの若手ならともかく、勉強をしたり、社外の人に会ったりと本人なりに努力をしている「ストイックな若手」が、その努力を活かせないまま辞めてしまうのはもったいないことです。これを防ぐには、

  • 若手がなぜ「この会社はゆるい(成長できない)」と感じるのかを分析すること
  • 分析を基に、若手が成長を実感できる機会を与えること(挑戦できる環境を整えるなど)

が肝心です。まずは、前述したアンケート結果の詳細から見ていきましょう。

2 今の会社はゆるい? 20代の正社員197人に聞きました

20代の正社員197人に対し、「今の会社と自分の成長」に関するアンケート調査を実施しました(実施日は2026年5月12日)。その結果を紹介します。

1)あなたは、今の会社に勤めていて「成長している」と実感できますか?

まず、197人全員に「今の会社での成長の実感」について聞きました。「全く実感できない」が7.1%、「あまり実感できない」が20.8%、計27.9%が成長を実感できずにいるようです。

画像1

さらに、成長を「全く(あまり)実感できない」と回答した55人に、「転職の意向」について聞きました。「既に転職活動をしている」が10.9%、「1年以内に転職活動を始めようとしている」が23.6%、計34.5%が転職を考えているようです。

画像2

2)今の会社で成長を実感できない(できる)と回答した理由は何ですか?

図表1で成長を「全く(あまり)実感できない」と回答した55人、「少し(大いに)実感できる」と回答した129人に、それぞれ理由を聞きました。結果を上位順に並べたのが図表3です。

画像3

成長を実感できない理由の1位は「やりがいのない仕事ばかりさせられている(単純作業など)」「放任主義で何も教えてくれない」が同率で20.0%、3位は「『事業を大きくしよう、新しくしよう』という気概が感じられない」の16.4%でした。

成長を実感できる理由の1位は「『事業を大きくしよう、新しくしよう』という気概が感じられる」の43.4%、2位は「成長に応じて新しい仕事を任せてくれる」の34.9%、3位は「やりがいのある仕事を任されている(創意工夫が必要など)」の27.1%でした。

アンケート結果を見る限り、「事業の意義」「若手に任せる仕事の内容」「上司の接し方」に、若手が成長を実感できるか否かのカギがあるようです。これを踏まえた上で、若手を成長させるために会社は何ができるのかを考えていきましょう。

3 若手に「ゆるい」と思われないために会社は何ができるか?

1)事業の将来ビジョンは、経営者自ら若手に伝えよう(経営者)

アンケート結果からは、「『事業を大きくしよう、新しくしよう』という気概が感じられるかどうか」が、若手の成長実感を左右することが分かりました。

事業のレベルについては、もちろん会社の状況によって現時点で実現できること、できないことがありますが、少なくとも現状を変えていこうという気概が感じられないと、若手は離れていきます。特にもったいないのは、

経営者の頭の中には事業の将来ビジョンがあるのに、それが若手に伝わっていないケース

です。例えば、経営者は、3年から5年先の「会社のあるべき姿」、それを実現するための課題ややるべきことを中期経営計画に落とし込みますが、その計画も社内に周知されていなければ、若手に伝わりません。仮にイントラネットなどで計画を閲覧できる状態にしていたとしても、経営者が事業に懸ける思いというのは、文字だけではなかなか伝わらないものです。

ですから、

会社のこれからの事業の在り方などについて、経営者が自ら若手にプレゼンする

など、若手に事業の将来ビジョンを語る機会を設けるようにしましょう。まだビジネスの知識や経験が少ない若手でも、経営者が「今から10年後の203X年に、我が社は○○のような姿になっている」などの理想を語れば胸をおどらせるでしょうし、経営者の話に突っ込んだ質問をしてくることもあるはずです。

2)あえて新しい仕事にチャレンジさせてみよう(経営者、上司)

「やりがいのない仕事ばかりさせられている(単純作業など)」会社では若手が成長を実感しにくく、逆の場合は成長を実感しやすいという結果も出ていました。

若手の仕事を管理するのは上司の役目です。上司は、若手の成長に合わせて任せる仕事の内容を調整しますが、例えば、

  • 上司は「若手が成長してきた、もう少ししたら別の仕事を任せてみよう」と考えている
  • 若手は「上司は自分の成長を認めてくれていない、だから、いつまでたっても同じ仕事しか任せてもらえないんだ」と考えている

など、仕事について両者の認識がかみ合っていないケースがあります。

ですから、まずは1on1ミーティングなどで両者の認識のすり合わせをすることが大切です。上司は、今の仕事をあとどのぐらいの期間若手に任せるつもりなのか、次に何の仕事を任せる用意があるのかなどを明らかにしつつ、若手にも今の仕事に対する不満などを聞いてみます。

若手が「新しい仕事に挑戦したい」と考えているなら、その仕事について何を勉強しているのか、今任せている仕事に支障が出ないかなどを確認した上で挑戦させてみる

のも1つの手です。

また、別のアプローチとして、

経営者から若手に働きかけて、新しい事業などを提案させてみる

という方法もあります。例えば、会社が新しいツール(AIなど)を導入した際に、それを使ってどんな事業ができそうかを幅広く募集します。事業にできそうな提案を若手が上げてきたら、そのプロジェクトに参画させて事業の立ち上げを経験させてみるのもよいですし、事業にならない場合でも、考えが足りない部分をフィードバックすることで若手の成長に役立つでしょう。

なお、若手に仕事を任せる際はできる限り「最後までやり切らせる」ことも意識してください。仕事を途中で取り上げてしまうと、若手は『信頼されていない』と感じるだけでなく、やり遂げた経験も積めません。若手の進め方が気になる場面もあるかと思いますが、適宜状況を確認しつつ、基本的には本人に任せ切る姿勢を大切にしましょう。

3)日常的に教え、間違いはきちんと指摘しよう(上司)

「放任主義で何も教えてくれない」が成長を実感できない理由の同率1位(20.0%)に挙がっている一方、成長を実感できる理由には「間違いがあったら、どこが悪いのかを指摘してくれる」(20.2%)が入っています。若手にとって、上司から日常的に教わること、間違いをきちんと指摘してもらえることは、成長を実感できるかどうかに直結します。

冒頭で触れたように、昨今は「ミスがあっても叱らない」優しい会社が増えています。若手を傷つけまいとする配慮は理解できますが、行きすぎると「何をやっても何も言われない=成長できない環境」と受け取られてしまいます。

上司に意識してほしいのは、次の2点です。

まず、意図的に「教える時間」を確保することです。忙しい日常業務の中では、若手への指導が後回しになりがちです。1on1ミーティングや業務終わりの短い振り返りなど、定期的に教える場を仕組みとして設けるようにしましょう。

次に、間違いを指摘する際は「責める」のではなく「どこが悪かったのかを伝える」ことを意識することです。「なぜこうなったのか」「次はどうすればよいか」を一緒に考えるフィードバックであれば、若手も素直に受け取りやすくなります。若手が「きちんと見てもらえている」と感じられる関わり方が、この会社で成長できるという確信につながります。

以上(2026年6月更新)

pj00674
画像:ronnarong-Adobe Stock